コンサベーション・インターナショナル / Environment Defense Fund National Wildlife Federation / ザ・ネイチャー・コンサーバンシー Union of Concerned Scientists 実績に基づく REDD+とカーボン以外の便益の役割 REDD+の実施に基づくフェーズにおける資金(フェーズ 3 と呼ばれる活動)は、カーボ ンに対して、つまり、測定、報告、検証された削減量、もしくは合意されたレベルとの 比較において増加した吸収量に対し、セーフガードの達成を条件として、提供されるべ きです。信頼できるカーボンの定量化の実施は、「森林減少と森林务化に由来する排出 の削減(REDD+)」のメカニズム特有のものであり、REDD+を他のセクターの削減努力と 同じ土台に位置付けます。REDD+への支払を削減量と結び付けることで、REDD+のフェー ズ3に向けた支援が、現在の開発援助に追加的な支援を獲得する事を可能にします。 UNFCCC は、REDD+の結果に基づく支払とは、削減量(年ごとの温室効果ガス削減量)と セーフガードの達成に対する支払であると、明確に定義すべきです。 REDD+の魅力の一つは、気候変動緩和に貢献すると同時に原生林の保護や生態系サービ スの保全にインセンティブを与え、社会環境的な便益を促進可能であることです。これ らの社会環境的便益は、時にはカーボン以外の便益、コベネフィッツ、相乗的な便益等 と呼ばれます。例として、ガバナンスの向上、生計手段の確立、先住民族や現地コミュ ニティの生活水準の向上、水質の向上、生物多様性保全等が挙げられます。 REDD+のメカニズムには、多くの社会環境的便益が明確に含まれており、少なくともカ ンクンでの REDD+決議文書(1/CP.16)のセーフガードに関わる合意事項が含まれるべ きです。第 3 フェーズにおける REDD+の結果に基づくアプローチとは、決して社会環境 的便益の重要性を軽視してはならず、その重要性は REDD+の全てのフェーズに含まれる べきです。そのためには、多様な資金源が REDD+の第1・第 2 フェーズにセーフガード を組み込むために利用され、セーフガードの要求事項を満たしている事への補償として カーボンには適切な高価格が認められるべきです。 次に、最低限のセーフガードの要求項目を超え、社会環境的便益を達成することは、 REDD+のフェーズ3をより長期的な成功へと導きます。例として、土地利用権における 紛争の解決、森林におけるガバナンスの向上や清潔な水を供給すること等は、国家レベ ルの REDD+プログラムを成功へと導きます。従って、これらの便益となる活動は、間接 的に REDD+のカーボンに基づく支払による恩恵を受けるのです。なぜなら、これらの便 益を創出する REDD+プログラムはより多くの排出削減を達成し、プログラムの本来のリ スクに気付き、対応することができるからです。 さらに、REDD+実施国は、結果に基づく支払を様々な用途に使用する事ができます。つ まり、社会環境的便益への支援や国の REDD+の達成目標のために他に必要とされている 国ごとに異なる活動に使用する事ができます。 コンサベーション・インターナショナル / Environment Defense Fund National Wildlife Federation / ザ・ネイチャー・コンサーバンシー Union of Concerned Scientists REDD+の準備段階における資金が社会環境的便益に対し、大変重要な支援を提供するこ とを認識することも大切です。だからこそ、カンクン合意の決議文書(1/CP.16)での REDD+に対するアプローチでは、フェーズ 1 と 2 における社会環境的便益に対し、多く の支援が必要であると強調しています。 一般的に、REDD+のフェーズ3において、カーボンに基づく支払に組み込まれた範囲を 超え社会環境的便益を達成する場合は、その目的に沿った別のメカニズムによってその 対価を受けるべきです。カーボンへの支払いのみに基づく REDD+のメカニズムは、どの REDD+実施国やドナーに対しても、追加的な便益を達成するための他の資金獲得を妨げ るべきではありません。例として、「適応基金」や緑の気候基金の「適応枠」にアクセ スする国もあるでしょう。その他の潜在的な資金源として、生物多様性保全のための資 金、ODA、生態系サービスに対する支払(PES)のメカニズムが挙げられます。REDD+実 施国は自らの REDD+戦略に基づき、どの資金メカニズムを利用するのが最も適切である か判断すべきです。上述や他の補足的資金利用の可能性を検討し、各国は自ら REDD+の システムの計画をたて、社会環境的便益に対する確固たる測定基準と、REDD+に関連し た全ての収入に対する衡平な分配方法の計画に着手すべきです。例として、セーフガー ド情報提供システムや他のモニタリングへの取り組みが挙げられます。
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