首都圏・近畿圏分譲マンション市場動向-[PDF:294KB]

長谷工コーポレーション
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PRESS RELEASE
CRI
2015年8月号特集レポート
要約版
2015年7月30日
(株)長谷工総合研究所
2015上半期不動産市場の現状と展望
~ 首都圏・近畿圏分譲マンション市場動向 ~
株式会社長谷工総合研究所では、表題のレポートをまとめました。
レポートの全文は、7月30日発行の「CRI」8月号に掲載しています。
Ⅰ.2015年上半期
分譲マンション市場動向
(1)首都圏マンション市場の特徴
新規供給戸数
921件
総販売戸数
18,018戸
前年同期比7.1%の減少
19,124戸
前年同期比7.9%の減少
新規物件の平均初月販売率
76.1%
前年同期(78.4%)より2.3ポイントダウン
新規物件の累計販売率
86.0%
前年同期(87.4%)より1.4ポイントダウン
6月末分譲中戸数
4,936戸
2014年末(6,042戸)より1,106戸の減少
6月末完成在庫
2,214戸
2014年末(1,512戸)より702戸の増加
新規供給戸数の推移(首都圏)
1.新規供給戸数は921件 1万8,018戸、前年同期を下回る
・2015年上半期の新規供給戸数は921件1万8,018戸、前年同期
比7.1%減。消費税率引上げの影響もあって、低調な供給と
なった前年同期をさらに下回る低調な供給にとどまった。
・新規供給の特徴をみると、小分け供給の傾向が再び強まり、
921件中437件(構成比47.4%)が1回当たりの供給戸数が10
戸未満の物件で、前年同期(886件中398件構成比44.9%)を
上回った。
・地域別では都心地域、郊外地域共に前年同期を下回った。
都内23区山手エリアは前年同期比6.8%減となり、郊外地域
にあたる横浜・川崎市を除く神奈川県、埼玉県、千葉県では
前年同期を15%以上上回る大幅減となっている。
0
20,000
1997年
1998年
60,000
36,658
42,507
2000年
43,790
46,816
2001年
48,819
43,805
2002年
45,451
44,090
2003年
44,426
40,135
2004年
43,048
40,527
2005年
44,902
38,398
2006年
45,750
34,152
2007年
40,311
32,737
28,284
2008年
21,482
15,888
20,171
2011年
18,198
2013年
22,251
20,488
2010年
2012年
(戸)
80,000
33,570
29,650
1999年
2009年
40,000
36,973
20,746
24,364
26,301
24,856
24,299
32,179
上半期
2.初月販売率は76.1%と前年を1.0ポイント上回る
2014年
19,394
25,519
下半期
・2015年上半期の初月販売率は76.1%と前年(75.1%)を1.0ポ 2015年 18,018
イント上回った。月別にみても、70%を下回る月はなく、順調 資料:長谷工総合研究所作成。2015年は1~6月実績 に 推
移したといえる。
・6月末の分譲中戸数は4,936戸、完成在庫は2,214戸で、前年末から分譲中戸数は1,106戸減少したものの、
完成在庫は702戸増加した。2014年12月の駆け込み的な供給もあって。2014年12月末の分譲中戸数が6,042
戸に急増したこともあるが、過去と比較すると在庫削減のスピードは鈍化している。
3.都内23区の平均価格は6,231万円、2007年(6,120万円)を上回る
・2015年上半期の首都圏全体の分譲単価は前年比5.2%アップの748千円/㎡、平均価格は同比3.9%アップの
5,256万円に上昇し、都内23区の平均価格は6,231万円と、2007年(6,120万円)以来で6,000万円を上回った。
・また都内23区以外(都下~千葉県)の分譲単価は前年比3.6%アップの601千円/㎡、平均価格は同比2.9%ア
ップの4,379万円に上昇し、大量供給の始まった1994年以降では最高値となった。新規供給戸数が減少した
影響もあるが、郊外地域でも分譲単価・平均価格が上昇している。
地域別供給状況(首都圏)
2014年
1-6月 1-12月
(戸)
(戸)
都内23区
8,827 20,774
山手エリア
4,767 11,124
下町エリア
4,060
9,650
都下
1,672
4,425
神奈川県
4,598 10,121
横浜市
2,225
4,590
川崎市
1,443
3,187
その他
930
2,344
埼玉県
2,159
4,473
さいたま市
966
1,704
その他
1,193
2,769
千葉県
2,138
5,120
千葉市
649
1,125
その他
1,489
3,995
首都圏全体
19,394 44,913
地域別供給商品内容(首都圏)
2015年
対前年比
増減率
▲26.7%
▲25.1%
▲28.5%
▲0.2%
▲14.3%
▲26.2%
▲0.9%
▲1.0%
▲32.4%
10.8%
▲45.5%
▲3.0%
▲12.5%
0.0%
▲20.5%
資料:㈱長谷工総合研究所作成。▲はマイナス
1-6月 対前年同期比
増減率
(戸)
8,535
▲3.3%
4,441
▲6.8%
4,094
0.8%
2,383
42.5%
3,648
▲20.7%
1,803
▲19.0%
1,338
▲7.3%
507
▲45.5%
1,673
▲22.5%
483
▲50.0%
1,190
▲0.3%
1,779
▲16.8%
314
▲51.6%
1,465
▲1.6%
18,018
▲7.1%
平均価格(万円)
2014年 2015年 増減率
分譲単価(千円/㎡)
2014年 2015年 増減率
平均面積(㎡)
2014年 2015年 増減率
都内23区
山手エリア
1-12月
5,994
7,005
1-6月
6,231
7,255
%
4.0%
3.6%
1-12月
873
1,023
1-6月
923
1,086
%
5.7%
6.2%
1-12月
68.63
68.47
1-6月
67.49
66.78
%
▲1.7%
▲2.5%
下町エリア
都下
4,829
4,726
5,120
4,470
6.0%
▲5.4%
702
648
750
615
6.8%
▲5.1%
68.81
72.97
68.26
72.69
▲0.8%
▲0.4%
神奈川
横浜市
4,384
4,411
4,645
4,998
6.0%
13.3%
610
607
645
687
5.7%
13.2%
71.86
72.62
72.03
72.74
0.2%
0.2%
川崎市
その他
5,086
3,375
4,488
3,802
▲11.8%
12.7%
724
465
631
528
▲12.8%
13.5%
70.28
72.51
71.10
71.96
1.2%
▲0.8%
埼玉県
さいたま市
3,930
4,679
4,093
4,674
4.1%
▲0.1%
544
632
570
677
4.8%
7.1%
72.26
74.00
71.78
69.01
▲0.7%
▲6.7%
その他
千葉県
千葉市
3,469
3,879
3,677
3,858
3,981
3,691
11.2%
2.6%
0.4%
487
500
460
529
526
473
8.6%
5.2%
2.8%
71.19
77.51
80.00
72.91
75.71
78.06
2.4%
▲2.3%
▲2.4%
その他
3,936 4,043
2.7%
512
538
5.1% 76.81 75.21 ▲2.1%
首都圏全体
5,060 5,256
3.9%
711
748
5.2% 71.16 70.31 ▲1.2%
資料:長谷工総合研究所作成。増減率は、2015年1~6月実績の前年実績に対する増減率 ▲はマイナス
※地域区分について ①山手エリア:港・中央・千代田・渋谷・新宿・文京・目黒・世田谷・豊島・杉並・中野・練馬
②下町エリア:台東・墨田・江東・足立・葛飾・江戸川・品川・大田・北・荒川・板橋
(2)近畿圏マンション市場の特徴
新規供給戸数
611件
総販売戸数
10,102戸
前年同期比16.0%の増加
10,060戸
前年同期比11.8%の増加
新規物件の平均初月販売率
72.4%
前年同期(77.3%)より4.9ポイントダウン
新規物件の累計販売率
84.8%
前年同期(85.2%)より0.4ポイントダウン
6月末分譲中戸数
2,136戸
6月末完成在庫
2014年末(2,094戸)より42戸の増加
678戸
2014年末(
559戸)より119戸の増加
新規供給戸数の推移(近畿圏)
1.新規供給戸数は611件 10,102戸。前年同期比16.0%増
0
・2015年上半期の新規供給戸数は611件10,102戸、前年同期
比16.0%増と、2013年(11,318戸)以来で1万戸を上回った。
・ただ、新規供給件数は前年同期比26.5%増の611件となっ
たのに対し、新規供給戸数は同比16.0%増と、供給件数ほ
ど供給戸数が増加しなかった。これは1回当たりの供給戸
数が10戸未満にとどまった物件が611件中360件(構成比
58.9%)と、前年同期(483件中252件・52.2%)をさらに上
回り、小分け供給の傾向が強まった影響が大きい。
・また、ワンルーム住戸を中心としたワンルームマンション
が19物件1,656戸(前年同期13物件1,028戸)に増加したこ
とも新規供給戸数が前年同期を上回った1つの要因である
・地域別の供給状況をみると、主要地域では大阪市・阪神間・
北摂は前年同期比30%以上の増加となっている。
10,000
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
20,000
15,306
17,841
16,400
13,052
16,698
18,927
19,601
20,136
17,274
19,278
20,443
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
18,644
15,271
15,987
15,823
16,034
14,078
18,986
14,311
15,835
15,096
11,857
15,123
10,887
10,157
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
40,000 (戸)
30,000
9,627
10,231
11,485
9,305
10,914
10,334
12,932
11,318
13,373
8,712
上半期
10,102
下半期
10,102
資料:長谷工総合研究所作成。2015年は1~6月実績
2.初月販売率は72.4%と70%を上回り、在庫も低水準
・2015年上半期の初月販売率は72.4%。前年(76.6%)比4.2ポイントダウンとなった。月別の初月販売率を
みると、2月(67.1%)以外は70%を上回ったものの、75%を上回ったのは5月(75.2%)のみとなっている。
・6月末の分譲中戸数は2,136戸、完成在庫は678戸と低水準で推移している。
3. 近畿圏でも分譲単価、平均価格の上昇傾向が継続
・近畿圏全体の2015年上半期における分譲単価は前年比6.4%アップの562千円/㎡、平均面積は64.61㎡と同
比6.4%縮小したこともあって、平均価格は同比0.4%ダウンの3,634万円となった。ワンルームマンション
の供給戸数が前年同期を上回ったこともあって、平均面積が縮小し、平均価格が低下している。
・ワンルームマンションを除くと、分譲単価は前年比5.9%アップの553千円/㎡、平均面積は同比2.6%縮小
し72.43㎡、平均価格は同比3.1%アップの4,003万円と、平均価格は1994年以降では最高値となった。
地域別供給状況(近畿圏)
地域別供給商品内容(近畿圏)
2014年
1-12月 対前年比
増減率
(戸)
6,229 ▲27.4%
2015年
1-6月
(戸)
3,775
対前年同期比
増減率
平均価格(万円)
2014年 2015年 増減率
1-12月 1-6月
%
分譲単価(千円/㎡)
2014年 2015年 増減率
1-12月 1-6月
%
平均面積(㎡)
2014年 2015年 増減率
1-12月 1-6月
%
大阪市
1-6月
(戸)
2,821
大阪市
3,294
3,345
1.5%
576
604
4.8%
57.20
55.39
主
阪神間
775
1,360
▲47.7%
1,021
31.7%
主
阪神間
4,728
4,395
▲7.0%
600
588
▲2.0%
78.74
74.75
▲5.1%
要
神戸市
1,285
3,277
9.5%
1,571
22.3%
要
神戸市
3,595
3,192
▲11.2%
503
551
9.5%
71.48
57.88
▲19.0%
地
北 摂
1,013
2,368
▲40.7%
1,449
43.0%
地
北 摂
4,044
4,222
4.4%
517
553
6.9%
78.15
76.38
▲2.3%
域
東大阪
443
841
▲42.4%
416
▲6.1%
域
東大阪
3,218
3,404
5.8%
446
496
11.2%
72.15
68.66
▲4.8%
南大阪
301
549
▲38.5%
190
▲36.9%
南大阪
3,142
3,229
2.8%
403
411
2.0%
78.01
78.51
0.6%
京都市
908
1,957
▲9.1%
839
▲7.6%
京都市
4,288
4,261
▲0.6%
580
614
5.9%
73.95
69.40
▲6.2%
0.9%
33.8%
▲3.2%
1,166
2,233
10.3%
617
▲47.1%
3,352
3,398
1.4%
444
447
0.7%
75.42
76.07
外
兵庫県
237
378
55.6%
357
50.6%
外
兵庫県
3,188
3,216
0.9%
428
421
▲1.7%
74.44
76.45
2.7%
周
京都府
273
730
393.2%
119
▲56.4%
周
京都府
3,543
3,624
2.3%
467
488
4.5%
75.82
74.18
▲2.2%
地
滋賀県
268
394
▲47.0%
129
▲51.9%
地
滋賀県
3,208
3,319
3.5%
434
443
2.1%
73.90
74.84
1.3%
域
奈良県
269
579
▲19.9%
172
▲36.1%
域
奈良県
3,460
3,825
10.5%
450
485
7.8%
76.91
78.88
2.6%
和歌山県
119
152
▲9.5%
64
▲46.2%
和歌山県
2,807
2,999
6.9%
378
414
9.5%
74.32
72.41
▲2.6%
8,712
18,814
▲23.8%
10,102
16.0%
3,647
3,634
▲0.4%
528
562
6.4%
69.06
64.61
▲6.4%
小計
近畿圏全体
資料:長谷工総合研究所作成。▲はマイナス。
小計
近畿圏全体
資料:長谷工総合研究所作成。増減率は2015年1~6月の2014年1~12月に対する増減率 ▲はマイナス
Ⅱ.2015年下半期市場の見通し
【新規供給戸数:首都圏では年初予測を下回る可能性、近畿圏は年初予測通りの供給が行われる】
首都圏、近畿圏共に供給材料は整っており、首都圏で5万戸、近畿圏2万5,000戸程度の供給が可能な状況に
変化はない。問題は実際に発売されるかどうかである。都心地域や好立地物件では価格の先高感もあって供給
時期の先送り的な動きがみられる一方で、近郊・郊外地域では価格上昇への対応もあって、上半期同様、供給
時期の先送り、小分け供給が継続すると判断した。下半期は首都圏で2万2,000~2万5000戸程度、近畿圏で1
万1,000戸程度の供給が行われ、2015年年間では首都圏で年初予測(4万5,000戸)を若干下回る4万~4万3,000
戸、近畿圏で年初予測通りの2万1,000戸の供給が行われると判断した。
【販売状況:都心地域・好立地物件に対する需要は依然旺盛、実需も回復基調に転じる】
2015年下半期も都心地域や好立地物件に対する需要は旺盛に推移すると思われる。一方、近郊・郊外地域を
中心として実需層については、年初予測では上半期は模様眺めが継続、下半期に給与などの待遇改善の影響が
浸透し、回復基調に転じるとしたが、年初予測どおりの動きになると思われる。
ただし、近郊・郊外地域でも価格が上昇し、バブル崩壊後の1993年頃の水準となっていることは懸念材料で
ある。利便性の高い物件が増加していること、住宅ローン金利が低水準であることなど、単純に比較はできな
いものの、価格上昇に対する実需層の対応がどのように推移するかには十分留意する必要がある。
【首都圏での市場動向】
新規供給戸数
総販売戸数
新規供給物件
分譲中戸数
43,000戸
43,500戸
年間平均初月販売率
年間累計販売率
5,500戸
年初予測(45,000戸)を下方修正
年初予測(45,500戸)を下方修正
年初予測(79%)を3ポイントダウン
年初予測(89%)を1ポイントダウン
年初予測( 5,500戸)を変更せず
76%
88%
【近畿圏での市場動向】
新規供給戸数
総販売戸数
新規供給物件
分譲中戸数
21,000戸
20,500戸
年間平均初月販売率
年間累計販売率
2,600戸
年初予測(21,000戸)を変更せず
年初予測(20,800戸)を下方修正
年初予測(77%)を2ポイントダウン
年初予測(90%)を1ポイントダウン
年初予測( 2,300戸)を上方修正
75%
89%
マンション市場の推移と年初予測の見直し(首都圏)
2011年
供給
44,499
新規供給物件
販売
販売率
39,787
89.4%
前年繰越物件
供給
販売
販売率
5,600
4,146
74.0%
供給
50,099
合計
販売
43,933
販売率
87.7%
2012年
45,602
41,049
90.0%
(76.3)
6,166
5,372
87.1%
51,768
46,421
89.7%
5,347
2013年
56,478
51,763
91.7%
(79.5)
5,347
4,972
93.0%
61,825
56,735
91.8%
5,090
2014年
44,913
39,345
87.6%
(75.1)
5,090
4,616
90.7%
50,003
43,961
87.9%
6,042
2015年年初予測
45,000
40,000
89%
(79)
6,042
5,500
91%
51,042
45,500
89%
5,500
1~6月実績
18,018
15,487
86.0%
(76.1)
6,042
3,637
60.2%
24,060
19,124
79.5%
4,936
2015年見直し予測
43,000
38,000
88%
(76)
6,042
5,500
91%
49,042
43,500
89%
5,500
前年繰越物件
供給
販売
販売率
3,971
3,080 77.6%
3,307
2,622 79.3%
2,757
2,630 95.4%
供給
24,190
26,573
27,448
合計
販売
販売率
20,883 86.3%
23,816 89.6%
25,185 91.8%
(初月)
(77.8)
分譲中
戸数
6,166
マンション市場の推移と年初予測の見直し(近畿圏)
2011年
2012年
2013年
供給
20,219
23,266
24,691
新規供給物件
販売
販売率
17,803 88.1%
21,194 91.1%
22,555 91.3%
(初月)
(71.7)
(76.9)
(79.6)
分譲中
戸数
3,307
2,757
2,263
2014年
18,814
16,970
90.2%
(76.6)
2,263
2,013
89.0%
21,077
18,983
90.1%
2,094
2015年年初予測
21,000
18,900
90%
(77)
2,094
1,900
91%
23,094
20,800
90%
2,300
1~6月実績
10,102
8,568
84.8%
(72.4)
2,094
1,492
71.3%
12,196
10,060
82.5%
2,136
2015年見直し予測
21,000
18,600
89%
(75)
2,094
1,900
91%
23,094
20,500
89%
2,600
資料:長谷工総合研究所作成
※販売率は年間累計販売率、初月は年間平均初月販売率