キャズム以前の問題 - 日本オーディオブック制作社協会

キャズム以前の問題
ネット企業に見られるマーケティングの罠
2015/10/04
日本オーディオブック制作社協会
2015 年 7 月に日本のオーディオブック市場に参入したアマゾンジャパンのオーディブル
ですが、良いニュースを聞く事がありません。情報を開示していないので分かりませんが、
会員数は 1000 人も満たない状態では無いかと思います。サービス利用者の声を Twitter で
分析しましたが、今の内容で 1500 円は「高い」と評価されており、コンテンツの取りそろ
えが出来ていないと思います。アメリカでの勝利の方程式の前の話だと思います。
オーディブルが何もしていないのか?と思うと、そういう訳では無く、Google で言えば、
Adwords や Adsense で広告を見かけますが、これは Google がキーワードや行動ターゲテ
ィングなどの分析をした結果、表示されているだけであり、殆どの人は表示されていません。
簡単に言うと、日本のオーディオブック認知度は 1%にも満たない状態です。アーリーアダ
プターから次に行く段階でのキャズム(死の谷)以前の問題です。
それなのに、検索広告というのは、素人以下と思います。言葉を知らない人に、どうやっ
て言葉を知って貰うのでしょうか?普通の企業がやっているのは、純広告だと思います。イ
ンターネット上であれば、バナー広告が該当します。不特定多数に露出をし、何となく興味
喚起をさせる内容のものでなければ、認知度は上がると思いません。効率性を重視している
のか、それが逆に傷口を広げていると思います。
オーディブルの日本市場の分析は知りませんが、一定の認知度があった上でのマーケテ
ィングをしていて、アマゾンジャパンはお金持ちなので別に Google や Yahoo!にお金を貢
ぐのは自由ですが、溝に金を捨てているとは気付いていないようです。オトバンクが市場を
開拓していたと思うのかも知れませんが、アマゾンジャパンの会員数が数千万人なのに、オ
トバンクは 12 万人強というのを分析していなかったのであれば、マーケティング担当がい
なかったと言われても仕方ないです。多分、いないでしょう。
オーディブルについては、様々な噂話を聞きますが、年末にサービス停止してもおかしく
ないと思います。そのぐらい、成果が出せていないと思います。利用者は少ないので、最悪
全額返金で済む話だと思います。
オーディブルの撤退は楽天も参入を見送るでしょうし、制作会社もオーディブルは沢山
抱えていると言う話ですが、作っている数が少ないのと、作っているという会社を殆ど聞か
ないので、日本のオーディオブックは 5 年間冬眠期間になる可能性が高いと考えます。
以上