「地球環境を守る」をキーワードに 新しい分野に挑戦

 我がまちの元気企業 第20回(協力:姫路商工会議所)
堺市
姫路市
株式会社澤田棉行
所在地
代表者
事業内容
設立
連絡先
URL
姫路市西今宿3丁目9番10号
代表取締役 澤田 安弘
輸入原棉、紡績落綿、化合繊綿、羊毛原料等卸販売、吸音・
消音材、フィルター、各種不織布の製造販売
昭和14年5月
(1939年)
電話:079-292-0951 FAX:079-294-8171
http://www.sawadamenko.co.jp/
「地球環境を守る」をキーワードに
新しい分野に挑戦
■創業 135 年の老舗
かつて姫路は綿花の産地として栄えていました。
澤田棉行は、この地域で生産される綿花を中心とし
て、明治13年(1880年)繊維原料商として姫路市内
で営業を始めました。国内紡績業の発展に伴い、業
容を拡大しましたが、産業構造の転換により国内紡
−営業コンセプト−
・私達をとりまく自然環境は今破壊されつつあ
ります。
・私達は鳥が自由に飛び交い、魚が元気に泳ぎ
回るクリーンな快適環境を築くための製品開
発をおこなっております。
・水 空気 音の汚れを取り除くをコンセプト
に日々開発を続けております。
績業は縮小し、主要商品だった布団素材も生活スタ
イルの変化により羽毛・合成繊維に置き換わるなど、
開発を行っています。開発にあたり、「ものづくり・
大きな環境変化にさらされることになりました。
商業・サービス革新補助金」や、近畿経済産業局の「近
そこで、新たな事業分野として不織布事業に参入
し、“ものづくり”の道に進むことにしました。現
畿地域における部素材産業支援事業」など公的な支
援も積極的に活用しています。
在では、売上の4割以上を占めるまでに育っていま
す。
【同社の開発した製品例】
・観賞魚水槽フィルター
■価値を認めて頂く製品開発
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単一ポリエステル繊維の製品を同社が初めて開発
しました。グラスウール製の従来品と比べ、取り扱
同社では、
「水」
「空気」
「音」の汚れを取る“クリー
いやすく、接着剤を使用していないので魚に対して
ン”をキーワードにものづくりに取り組んでいます。
安全です。90年代の熱帯魚ブームの際には爆発的に
現在は「安全」「安心」をキーワードに加え、製品
売れました。現在は、ブーム時ほどの売上はありま
RIETI KANSAI 2015.08
鐡道車輛用断熱材
観賞魚水槽フィルター
せんが、同社の定番商品となっています。また、安
全性が認められ生体飼育用に研究機関で採用されて
います。
難燃素材「ファイヤーブロッカー」を使用したマットレス
■今後の展望
現在では、繊維原料卸の売上の方が自社開発製品
より多いですが、将来的には自社開発製品の売上の
・鉄道車輌用断熱材
方が上回ることを目指しています。「中小企業の身
数種類の繊維を配合し、不燃性と静音性も併せ持
の丈にあった経営を心掛けつつも、産学官連携も活
ちます。従来品と比べて軽量なため、エネルギーコ
用し、環境や安全・安心に役立つ製品開発に取り組
ストが削減でき環境面でも貢献し、国内外の車輌
んでいきたい。」と意欲を燃やしています。
メーカーで採用されています。
・ファイヤーブロッカー
通常ベッドのマットレスは、表生地、ウレタン
フォーム、コイルなどから構成されています。火災
は寝具に起因する場合も多いため、マットレスの難
燃性は無視できません。マットレスに組み込む不織
布「ファイヤーブロッカー」を大手のマットレスメー
カーに提供しています。燃えにくく、火がついても
自己消火する性能があるため、火災時の延焼を防ぎ、
安全面で貢献しています。
会社外観
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