※ステレオサウンド発行、HiVi誌2015年12月号に掲載されたYSP-5600の編集記事です。 音 の タ イ ミ ン グ を 微 妙 に ず ら し て 制 御 ↑音をビームにして飛ばし壁面で反射させてリアルサラウンドを得る、ヤマハのデジタルサウンドプロジェクター の最高峰モデル。音を左右の壁面だけでなく、天井面からも反射させて、ドルビーアトモスやDTS:X などの垂直 方向をも加えた3次元立体音響再生を実現したのが新しい。壁面での音の反射を利用するために、使用状態に 合わせ込んだ制御がひじょうに重要で、そのために外付けマイクとテストトーンを使ったヤマハ独自の音響測定・ 最適化技術「インテリ・ビーム」が採用されており、ハイトチャンネルも含めた制御を行なう 新機軸❶ 垂直方向への音反射 YSP-5600の最大の特徴は、天井方向へのサウ ンドビームを積極的に利用していること。筐体左 右に6個ずつ28度上方に向けた28mmユニット を蜂の巣のような状態でマウントし、ハイトチャ ンネルを創出する。相互干渉を減らしつつ、奥 行を従来機とほぼ同等に保ったままの配置がで きるような形に組み込んでいる。本機開発の肝 になったといえる部分だ。ハイトチャンネルを使 うことで、ダイアログリフト(声の定位を本体よ りも上方に位置させる技術)機能も実装できた ←28 度上方に傾けたユニットを左右各6基使い、ハイ トチャンネルを作り出す。驚くほどリアルなサラウンド 効果が得られる 新機軸❷ ワイヤレスサブウーファー対応 YSP-5600はサブウーファー出力を備えており、低音増強を果たすことができる。通常のラインケー ブルによる有線接続のほか、オプションのワイヤレスSWキット(SWK-W16)を使って、YSP- 5600→SWK-W16の無線化が可能。迫力満点のサラウンドシステムがスマートに構築できるわけだ。 もちろんこのSWキットは、ヤマハ製以外のサブウーファーにも使用できる ↓ワイヤレスSW キットを使ったサブウーファーの追加接続イメージ ディスプレイ 別売 SWK-W16 ワイヤレス SW キット HDMI ケーブル YSP-5600 新機軸❸ に 音 が 聴 こ え て く る サ ラ ウ ン ド 再 生 が 理 を 加 え た 新 シ ネ マ D S P に 対 応 し 、 さ ら に そ こ に 独 自 の 音 場 処 無線 HDMI ケーブル BD プレーヤーなど 可 能 。 し か も 効 果 が 得 ら れ る 視 聴 エ リ 別売サブウーファー ネットワーク&アプリ対応 ネットワーク環境を使った操作、再生コンテンツ の充実への目配せも本機の特徴。既存のLAN環 境への ①有線LAN接続、②Wi-Fi接続のほか、 ③Wireless Directによるスマホ/タブレットへの 直接接続も可能だ。NASなどに保存されたハイ レゾファイル(192kHz/24ビットまでのPCM系) の再生もサポートしている。アプリは、 「Music Cast CONTROLLER」 (再生操作アプリ)と 「HOME THEATER CONTROLLER(WLAN) 」 (操作/設定アプリ)のふたつを併用する考え方 だ。そのほかブルートゥース接続にも対応し、別 のブルートゥーススピーカー /ヘッドホンへ入力 ↑iPad版「HOME THEATER CONTROLLES (WLAN ) 」 アプリの画面。ビーム角度のアジャストもこのアプリで できる 藤 原 初 代 機 Y S P 1 の 登 場 か ら 10 年 自 然 で 、 左 右 、 あ る い は 後 方 か ら 本 当 サ ラ ウ ン ド タ イ プ の シ ス テ ム の 場 合 、 サ 広 い 空 間 を 演 出 す る た め の 逆 相 処 理 7 ・ 1 の サ ラ ウ ン ド 再 生 な の で あ る 。 薄 型 筐 体 に 収 め る の か ? 6 0 0 誕 生 秘 話 を 聞 い た 。 だ 。 は い か に 発 案 さ れ 、 製 品 化 さ れ た の か 、 り 囲 む よ う に 音 源 を 配 置 す る も の で 、 て そ の ま ま 壁 に 反 射 さ せ 、 視 聴 者 を 取 鑑 賞 で も 違 和 感 な く 楽 し め る 広 い ス イ ア の 制 約 も 少 な く 、 3 人 、 4 人 の 映 画 ドルビーアトモス&DTS:X対応 デジタルサウンドプロジェクター、 ヤマハYSP-5600登場 藤原陽祐 場 感 に 富 ん だ サ ラ ウ ン ド 空 間 を 造 り 上 げ る 独 自 の デ ジ タ ル YAMAHA YSP-5600 オープン価格(実勢価格17万5千円前後)11月下旬発売 ●型式:一体型サラウンドシステム ●使用ユニット:28mmコーン型トゥイーター(垂直アレイ用)×6×2(L/R ) 、40mmコーン型トゥイーター(水平アレイ用)×32 、110mmコーン型ウーファー 2 ●定格出力:74.8W (トゥイーター用合計値) 、17W×2 (ウーファー用) ●接続端子:HDMI入力4系統、HDMI出力1系統、デジタル音声入力3系統(同軸×1、光×2) 、アナログ音声入力1系統、サブウーファー出力1系統、LAN1系統、ほか ●消費電力:45W(待機時0.3W[HDMI コントロール オフ、ネットワークスタンバイ オフ時]) ●寸法/質量:W1100×H216×D122mm (スタンド含む)/11.7kg ●オプション:ワイヤレスSW キット(SWK-W16 ¥15,500 +税) 、壁掛け専用ブラケットSPM-K30 (¥5,000 +税) ●問合せ先:㈱ヤマハミュージックジャパン お客様コミュニケーションセンター オーディオ・ビジュアル機器ご相談窓口☎0570(011)808 特徴:デジタルサウンドプロジェクター技術、リアル3Dサラウンド再生(ハイトチャンネル創出) 、ドルビーアトモス/DTS:X 対応、ダイアログリフト機能、4K/60p HDCP2.2 対応HDMI入出力対応、ネットワークオーディオ対応、Wi-Fi/ ブルートゥース/WirelessDirect 対応、MusicCast 対応、シネマDSP 3Dモード/10プログラム装 備、有線/無線サブウーファー出力対応、アプリ操作対応、クリアボイス/ミュージックエンハンサー機能、ほか YAMAHA Digital Sound Projector YSP-5600 信号を送信できる 立 驚 7 体 き ・ 音 と 場1感 再・激 生2の ※ステレオサウンド発行、HiVi誌2015年12月号に掲載されたYSP-5600の編集記事です。 お話をうかがった方々 ヤマハ㈱ 楽器・音響開発本部 音響開発統括部 AV 開発部 カジュアルオーディオ・グループ 技師(設計責任者)村田守啓さん 技師補(音質設計)田中一伯さん 層 的 に 描 き だ す 。 当 然 な が ら 、 不 自 然 て 大 き い と 感 じ た 。 ら 、 セ リ フ を 中 心 に 効 果 音 や 音 楽 を 重 S P 5 6 0 0 。 実 際 に そ の サ ウ ン ド ア ト モ ス 音 声 を シ ネ マ D S P の ス ペ ク タ 元 立 体 サ ラ ウ ン ド を 楽 し ま せ て く れ 映良強 画質烈 のなな 世響ア 界きト へでモ と全ス 放身+ りをシ 込包ネ むみマ D 込S みP 再 生 た 。 ま C す X 。 A 5 1 0 0 と 同 じ 3 基 を 投 じ て い を 実 現 し ま し た 。 高 性 能 D S P も A V X + シ ネ マ D S P の 掛 け 合 わ せ ﹂ 機 能 と 村 し 田 て 最 高 の サ ラ ウ ン ド 空 間 を 提 供 し に 加 え て 、 シ ネ マ D S P の 効 果 が 加 体 験 で き た こ と だ 。 7 ・ 1 ・ 2 再 生 良 質 な 響 き で 全 身 を 包 み 込 み 、 宇 も い い 。 ネ マ D S P 藤 原 か ら セ リ フ が 見 事 に 聴 こ え て く る の ダ イ ア ロ グ リ フ ト 機 能 も 活 用 し て 再 恰 好 の 素 材 で す ね 。 で も そ う 簡 単 で は 完 全 一 体 型 の Y S P の 強 み が 発 揮 で き る 評 判 は あ ま り よ ろ し く な い 。 そ ん な な 藤 原 な 逆 相 感 は 皆 無 で 、 ス ト レ ス が な い 。 を 2 列 の 千 鳥 状 の 配 置 に し て 、 垂 直 方 位 を ピ ン ポ イ ン ト に し た り や や 広 め に と で 澤 す 米 か ら 、 角 度 の 調 整 だ け で な く 、 定 に 定 位 す る 感 じ で す ね 。 / 4 1 0 0 を 製 品 化 し た わ け で す が 、 渉 か ら 高 域 特 性 が 暴 れ て 、 本 来 の 効 果 度 、 視 聴 位 置 か ら す る と 真 上 の 少 し 前 5 m の 天 井 高 を 想 定 し て 、 50 度 か ら 80 う 澤 と 米 す る と 、 ど う し て も 奥 行 が 膨 ら み 、 村 田 Y S P 5 6 0 0 の 場 合 、 天 井 の 上 げ た い 。 こ れ に は 悩 ま さ れ ま し た 。 わ 村 け 田 で す が 、 本 体 は 可 能 な 限 り 薄 く 仕 ベ ス ト だ ろ う と い う 結 論 に な り ま し た 。 技師補(メカ設計)山元正樹さん イ ド に 、 し か も 上 向 き で 取 り 付 け る の が 藤 い 等 て 村 高 箱 原 い が 聴 田 め 状 た あ い て に だ る て い 加 い ま 工 欲 と て す し し き も い 。 て は 問 の 、 、 題 で 曲 あ も す が り ち が り ま ろ 、 剛 せ ん 設 性 ん 単 置 も 。 独 上 で の 大 お 制 幅 使 限 に 技師補 (信号処理設計) 澤米進さん YAMAHA Digital Sound Projector YSP-5600 田 度 術 ん 中 も は で 大 着 き き 実 ま く に し 向 進 た 上 化 。 し し こ て 、 の い 製 10 ま 品 年 間 す 。 と で し Y て S の P 完 の 成 技 な 技 術 、 ノ ウ ハ ウ を 積 み 上 げ た こ と で 、 村 磨 田 き が か か り ま し た 。 面 を 向 い て い る た め に 、 ハ イ ト の 音 が 正 に リ ブ を 立 て て 、 フ ロ ン ト 側 に つ い て も 強 度 に つ い て も 、 Y S P 4 1 0 0 で は キ ら れ る の か な ど 、 品 質 の 向 上 に 取 り 組 澤 米 私 は 基 礎 研 究 の 段 階 か ら Y S P 小 田 さ 中 く し て 、 縦 に 1 列 に 並 べ て み る と 、 ら い わ け で す ね 。 く と れ る よ う に 苦 心 し ま し た 。 本 体 の が 、 今 回 は ほ ん の わ ず か な 間 ま で 徹 い ま す 。 の 枠 を 超 え て 着 実 に 浸 透 し 、 テ レ ビ の 澤 う イ 米 ま ト く 用 い に き 設 ま 定 せ し ん て 。 み ま し た が 、 こ れ が ど な ど 、 空 間 の 奪 い 合 い に な る わ け で す 山 元 小 型 、 薄 型 の 完 全 一 体 型 の シ ス テ 設 計 の 熱 い 思 い を 貫 き ま し た 。 田 中 そ う な ん で す ︵ 笑 ︶ 。 試 し に Y 40 S 設 計 の 難 易 度 が 上 が る の で す が 、 そ こ ト を 配 置 す る こ と は 、 電 気 的 ・ 機 構 的
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