S&K Audio の音場補正付・チャンネルデバイダー付・DD コンバーター付

S&K Audio の音場補正付・チャンネルデバイダー付・DD コンバーター付・ド
ライバー付・インサーネット付のセット(専用PC+専用電源+DDC)は、
現状で考えうる世界最高のオーディオ再生装置である、と私は思う。何しろ、
音場補正のサンプリング周波数が 192KHzで、タップ数が10万近く・・・内
蔵SSDは最高級の2TB、ケースはメードインジャパンの最高級塗装・・・
等々と、隅々にいたるまで全てこれまでとは桁違いの、ある意味、そこまでや
るか!の超過剰品質的贅沢品なのである。でもである、こだわりを自認する小
生にはそこが最高に気に入ったのである。魂の宿ったメードインジャパン、万
歳!なのである。そして、世界初を自認する小生の新式スピーカーから最高の
音を引き出してくれたのである。
私は、オーディオ装置の性能を客観的に評価しようとするならば、ソース(音
の記録媒体)に刻まれた音信号をスピーカーで音にし、そのスピーカーから射出
された音をマイクで受けてその音波形をオッシロスコープ等で観測し、その音
波形が元のソースに刻まれた音波形とどの程度一致するか、という評価基準で
判断されるべきであると考えている。ゆえに、私のオーディオの目標は、「ソ
ースの音波形再現」である。
以下は、私の独断と偏見かもしれないが、「音波形再現」に対する最大の障
害は、再生系に存在する「群遅延特性」であると考えている。ここで、「群遅
延」とは、音信号が再生系を通過する際にかかる時間が音信号の周波数ごとに
違ってしまう現象である。つまり、遅延時間に周波数依存性があるということ
である。例えば、スピーカーでいえば、ボイスコイルに100Hzの音信号と
1000Hzの音信号とを「同時に」加えても、コーン紙から音が出るときに
は、1000Hzの音が先に出たあと、数mセコンド遅れて100Hzの音が
出てくるということである。この現象があると、それだけで原理的に「波形再
現」は不可能!ということになる。100Hzの波形成分に1000Hzの波
形成分が重畳された重畳波形を想像すれば自明のことと思われる。両者のピー
ク位置自体がずれてしまうので、重畳波形は再現されないことになる。周波数
が高くなると群遅延が無視できるほど小さくなる、とも言われているようだが、
具体的に計算すればすぐにわかるが、周波数が高くなると波長も短くなるので
全然無視できないレベルである。
しかし、最近のデジタルフィルターを用いた音場補正には、「群遅延補正」
も含まれているので、アナログオンリー時代では不可能だったことが可能にな
ったのだと思う。つまり、デジタルフィルターによる群遅延補正も行う音場補
正ツールは、私にはスーパーツールに思える。
これまで、既存のスピーカーに、AVアンプに内蔵されている音場補正装置
を利用して音場補正をかけただけでもかなりの音質向上効果が得られていた。
しかし、私の考察によれば、既存のスピーカーは、音場補正がかかりにくいこ
とになっているのではないかとの疑問が持ち上がった。つまり、
「補正」をかけ
るべき対象に無視できない「雑音」が含まれていたり、
「補正値」が大きすぎる
と、補正がかかりにくくなると考えられるが、既存スピーカーはどうなのか?
という疑問である。そうしてみると、スピーカーボックスは盛大に震えている
ようだし、群遅延はかなり大きそうだし、ということになったのである。
というわけで、私の新式スピーカーは、群遅延の小さい小口径SPを多数用
いて低音部を担当するようにし、コーン紙の表の面以外から放出される音はす
べて雑音であるとみなしてこれを可能な限り除去する、という、これまでにな
いタイプのスピーカーになったというわけである。つまりは、デジタルフィル
ターを用いた音場補正及びチャンネルデバイダーを前提するもので、結果的に
これまで全く存在しなかったスピーカーとなってしまったのである。
試作3号機は、低音;4インチ×30、中音;4インチ×1、高音;ドーム
型ツイター×1であり、許容入力はゆうに1kw以上である。
これを、S&K Audio のシステム+DENON PMA-50×3 という、フルデジタル
システムで駆動したところ、私が聴感上の目標としていた、
「メッキを全部剥が
した地金のような弦の音」が軽々と再生され、もうやめられない!気分にさせ
られているのである。