平成26年度 議会運営委員会 行政調査報告書 平成 27 年 3 月 尾 花 沢 市 議 会 【議会運営委員会】 調査結果の概要と感想等 ①菅 野 修 一 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ②塩原未知子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③大 類 準 一 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ④伊 藤 精 一 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑤菅 根 光 雄 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⑥大 類 好 彦 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 5 7 8 9 10 行政調査報告書(議会運営委員会) 1.参加者 菅野 修一委員長 大類 準一委員 塩原 未知子副委員長 伊藤 精一委員 菅根 光雄委員 大類 好彦委員 2.実施日程 平成26年11月11日(火)~12日(水) ・栃木県矢板市議会 (11/11) ・茨城県大洗町議会(11/12) 3.調査(視察事項) 矢板市議会 ・常任委員会改選の取組みについて 大洗町議会 ・常任委員会の複数所属性と議員定数の考え方について 大洗町議会にて 1 議会運営委員会行政調査報告書 議会運営委員長 菅 野 修 一 平成 26 年 11 月 11 日 栃木県矢板市議会 「常任委員会改編の取り組みについて」 11 月 11 日矢板市議会を訪問した。大島議長、和田副議長、今井議会運営委員長(活 性化対策委員長)、八木澤議会運営委員長、臼井議会事務局長などの皆さんから歓迎 を受け、標記調査項目について説明対応を頂いた。 平成 19 年に議員定数を 22 人から 16 人へ削減に至った経緯について、また、進め 方はどのような体制で進めたのか。定数削減に伴う常任委員会の編成の考え方や 2 委 員会制になってからの会期日程などについて、当尾花沢市議会運営委員全員で質疑を 行った。 矢板市は、人口 34,265 人(平成 26 年 4 月 1 日現在)、約 13,000 世帯で平成 2 年 の人口 35,600 人からみれば千人ほどの減少で、ほぼ横ばい状況にも拘らず、一気に 6 人を削減したのである。 話によれば、平成 15 年 8 月 19 日に矢板市と塩谷町が合併の協議会を発足させた。 前日に、臨時議会で合併協議会設置案を可決している。しかし、平成 16 年 12 月に合 併協議会の廃止案が定例会で可決し、合併協議会が解散となった。平成 17 年度に入 り、矢板市では財政健全化計画及び市 21 世紀総合計画改定後期計画の策定作業を開 始し、事務事業の見直しを推進することとなった。6 月 9 日議会は、議員全員で構成 する議会改革特別委員会を任意設置することを決定した。そして、6 月 15 日第 1 回 議会改革特別委員会で検討課題を①定数問題②報酬問題③政務調査費と決定し、議員 アンケート調査を実施することとした。6 月 20 日第 2 回の議会改革特別委員会では、 アンケート調査を基に議論するが、結論は出なかった。6 月 27 日第 3 回同委員会で も結論は出なかったが、9 月定例会に間に合わせるため、次回の特別委員会で定数だ けでも決定することとした。 7 月 6 日第 4 回議会改革特別委員会にて、議員定数 18 人案と 16 人案が出され、10 対 11 で定数 16 人に決定し、同時に常任委員会と議会運営委員会の構成も決定した。 この時、一般会計、特別会計、総計 230 億円程の審査が2つの委員会で出来るのか、 などの意見も出た。政務調査費は、月額 25,000 円を 2 万に減額することに決した。 報酬については、結論は出なかった。7 月 27 日第 5 回の同委員会では、政務調査費 削減の実施時期は、18 年からと決定した。しかしながら、9 月定例会では、矢板市財 政健全化計画が策定され、議員定数と政務調査費の削減が盛り込まれた。10 月 18 日 の第 6 回同委員会では、報酬は現状維持とし、期末手当の削減を方向付けた。11 月 11 日第 7 回同委員会では、期末手当を 160/100 を 150/100 に、170/100 を 160/100 にすることに決定し、18 年度時限とした。11 月 15 日に議会改革特別委員長から議長 へ「議会改革」について報告が行われた。そして、12 月定例会にて定数、期末手当、 政務調査に係る条例改正を可決したとの経緯である。 所感として、6 月に議会改革を検討されてから、3 点の課題について結論を出すま でに、6カ月に満たない期間で議論し決定されたことに感服したところである。やは り、特別委員会を設置することの意義を痛感したとところである。平成 19 年 4 月執 行の市議選には、議員定数 16 人に対し 24 人(内新人 4 人)で争われたという。議員 2 16 人体制となり、3 常任委員会から 2 常任委員会制となった。2 常任委員会制となっ てからの議会日程は、以前と変わらないとのことであるが、審査ボリュームが増した ので、新人議員は、当初ついていけないと吐露する場面も多々あるとのことである。 会派制をとっていないことも要因かと思われる。また、常任委員会の所管配分が難し く、現在も模索している状況にあるとのことである。 2 元代表制として、議会は市民に報告する責務を負っていることから、本年 6 月 19 日、矢板市議会基本条例策定特別委員会(全議員 16 名で構成)を設置し、平成 27 年 3 月末に制定を目指して、検討を重ねるという。すでに、まちづくり基本条例で議 会の責務をきちんとうたわれているので、基本的事項のみの議会基本条例にしたいと の制定方針で進められているとのことであった。 平成 26 年 11 月 12 日 茨城県大洗町 「常任委員会の複数所属制等について」 11 月 12 日大洗町議会を訪問した。田山副議長、海老沢総務常任委員長、小沼建設 経済委員長、小野瀬議会事務局長等からの説明をいただいた。 大洗町は、茨城県の太平洋岸のほぼ中央にあり、東西 2.5km南北に 9kmの面積 23.19k㎡の小さな町であるが、人口は 17,425 人(25 年 12 月末現在)である。他外 国人 670 人が在住している。 現在、議員定数は 13 人で 3 常任委員会が設置されている中で、どのように議会権 能を維持しているのか、大変調査の核心を衝きたい要のところである。また、常任委 員会の複数所属制となると、議会の会期日程が随分と長くなるのではと推測されてい たので、メリット、デメリット等について、調査を深めたいと思ったところである。 昭和 60 年頃、24 名の議員定数に対し町民から多すぎるのではとの署名運動がおこ ったのを契機に 62 年に 2 人を削減、平成 7 年に 1 人、11 年に 3 人、15 年に 3 人、 23 年に 2 人を削減し現在の 13 人至っている。 定数削減等の議会改革について、特別委員会を設置して進めたのではなく、全て議 員全員協議会で議論し定めてきたとのことであり感心したところである。 平成 19 年の議員改選を契機として「開かれた議会、信頼される議会を作る」との 決意のもと、これまでに取り組んだ議会改革は 17 項目に亘って決定されたと説明さ れた。紹介すると、①一問一答方式の一般質問②1 日 3 名の一般質問(午前 9 時 30 分~12 時 30 分)③反問権の付与④1 日 1 委員会の開催(開催委員会以外の議員は委 員会傍聴する)⑤委員会への町民傍聴(委員長の許可不用、傍聴者へも資料配布)⑥ 委員長報告の充実化⑦傍聴者へのアンケート(その日の議会運営、議員の態度、発言 内容への意見)⑧政務調査費の廃止⑨各議会への議員の出欠席の公表⑩議案に対して の議員の賛否公表⑪議会報告会の開催(3 月と 9 月議会後、3 班で 3 カ所ずつ)⑫議 長公用車の廃止⑬日曜議会の開催(町長の施政方針と新年度予算に対する総括質疑) ⑭各常任委員会での係長による答弁(職員の資質向上)⑮各年度事業の進捗状況の報 告(12 月定例会の常任委員会にて)⑯スクリーンを活用しての一般質問⑰一般質問 の議会傍聴の呼びかけポスター掲示 70 カ所(議員が手分けして)以上が平成 25 年 5 月末まで決定され実施されている議会改革である。 平成 25 年の全国町村議会議長会総会の席上で、全国 930 町村議会の中から茨城県 初の町村議会特別表彰を受賞されたとのことである。 平成 19 年の議員改選を契機として「開かれた議会、信頼される議会を作る」との 目標を掲げる議長立候補者が 7 対 7 の末、選出されたとのことである。そして、議会 3 改革に着手されたとのこと。以前、定数 15 名の時は、3 常任委員会に 5 名ずつの委 員構成で審査してきたが、定数を 13 名に削減された後、常任委員会複数所属制にす ることによって、各委員会の委員構成は逆に、総務常任委員会 8 名、文教厚生常任委 員会 9 名、建設経済常任委員会が 9 名と大変グレードアップされているのに驚いた。 本市のように 3 常任委員会であれば、6 人 5 人 5 人の委員会構成として市所管事務事 業を約 3 等分にして審査を受け持つ訳であるが、大洗町議会は 1 議員複数所属で 3 分 の 2 を所管している訳である。その上、開催委員会外の議員は委員会傍聴に当たるの で、町の全ての案件について共有することが出来ることが大きなメリットであると感 じてきた。ただ、所管する範囲は大変広くなるので、議員には負担が増大することは 否めない。 会期が長くなるのではとの懸念には、午前中に一般質問を行い、午後から委員会を 開くことにより、緊張感と議会運営の効率化が図られているとし、会期も年間 37 日 となっており、特に以前より長くはならないとしている。むしろ、委員会の複数所属 制で、議会はその権能機能を充分に発揮することが可能だと語られた。 また、議員自ら議会傍聴を呼びかける活動を通して、年間傍聴者数 348 人がおとず れ、全国平均の 70 人に対し 5 倍近くとなっており、驚いたところである。町民の関 心の高さが議会に緊張感をあふれさせて、行政と議会は 2 元代表制としての両輪が円 滑に回り出していることが内外で大変評価されてきていると語る。前議長は「議員の 資質が向上すれば、町民の資質も向上する」との信念において、議会改革を推進され たと言う。私たち尾花沢市議会も非常に学ぶべき事多かりし行政調査であった。 4 平成 26 年度議会運営委員会行政調査報告書 〜 議会改革先進地に学ぶ 〜 議会運営委員会副委員長 日 場 時:2014 年 11 月 11〜12 日 所:栃木県矢板市 茨城県大洗町 所 見 塩原未知子 【矢板市】2常任委員会改編の取り組み(議員定数16名) ◎総務厚生、経済建設文教の2つの常任委員会と特別委員会 ◎活性化対策特別委員会にて、積極的に市議会から政策提言 ◎人口が約2倍にもかかわらず定数、議会事務局は同数 「子育て環境日本一」を目指すまちづくりを進めている矢板市は、現在人口約3万 4千人。平成16年矢板市と塩屋町の合併破談から市議会は報酬削減や定数削減を積 極的にすすめてきた。平成19年に定数を22名から16名に削減し、3常任委員会 を2委員会に編成した。しかし常任委員会の所管配分に難航し、現在も模索している。 平成26年6月に議会基本条例策定特別委員会を議員全員参加で設置し、現在議論中 である。議員報酬と政務活動費を合計すれば尾花沢市議会と定数や報酬の面でほぼ同 じだが、議員の中には急に定数を減らしすぎたとの反省も出ているらしい。しかし議 会の役割はまちの未来をつくって行くためにあるのだとし、平成26年秋に「矢板の 未来を創るための提言書」「観光まちづくり提言書」など、議会からの提言書を積極 的に市へ提言し活発な議会活動を展開している。 【大洗町】常任委員会の複数所属制について(議員定数13名) 開かれた議会をめざし全員体制でのぞむ議会報告会 ◎一般質問のポスター広報で傍聴者の集客をはかる ◎日曜議会や高校生議会開催など活発な町民参加型の議会改革 海辺の町、大洗町の人口は尾花沢市とほぼ同じ約1万7千人。平成23年に現在の 13人に定数削減し、「住民に開かれた議会・住民に信頼される議会」を目指して積 極的に議会改革を押し進めてきた。平成19年には基本条例、政治倫理条例議会委員 会条例などを次々に施行し、平成25年に全国町村議会特別賞を受賞している。印象 的だった事は、一般質問の日時と内容を明記した議会傍聴を促すポスターを町内に張 り出して、積極的に議場傍聴を募集し議会活動をアピールしている点が画期的。また、 定数削減後に2常任委員会制をとっているが、複数の常任委員会に傍聴が可能で、議 員全員で全委員会の情報を共有する体制をとり、必要な時に特別委員会を立ち上げ全 議員が調査する体制をつくり、取り組んでいる点が素晴らしいと感じた。議員一人一 人は様々な考えもあるが、議会全体を前進させる事が何より大事であるとの共通意識 が高く、そのために大洗町議会は議員どうしの話合いの場を用意し、議会改革に関し ても中心となる議員の活動を尊重して協力体制を整えているところが素晴らしい。 5 (まとめ)議員の討論の場を増やし、議会改革の一歩を有言実行するべき 定数削減の結果、2常任委員会制となっても議会改革を積極的に行ってきた「矢板 市議会」と「大洗町議会」の行政調査から帰って、あらためて我が尾花沢市議会の議 会改革の3年間の沿革を振り返ってみた。議員になりたての1年目は改革するために まずは「削減」ありきで議論され、結果任期中の報酬カットを打ち出した。それから 約30回もの議論の場を重ねてきたが、議論をつめばつむほど改革の熱気はどんどん 薄らいできたようだ。このたびの先進地視察での学びは、我が身を振り返り反省した。 議論を繰り返してもいっこうに進展しない中でも、インターネット中継や録画配信や、 公式サイトからの議事録や議会報のダウンロードがタイムリーに出来るようになっ た。議会改革は、議員それぞれの意見をどう全体としてまとめ、前進させ、改革して ゆく事が出来るのか、協力体制も問われるようだ。 最近良く言われる「身の丈にあった」の一言を借りれば、私の行うべき事は、「市 議会だより」の誌面で「議会改革」の様子を伝える事なのかもしれない。出来るだけ 市民目線で、市民が知りたい議会の進捗を、わかりやすく伝える事も改革の一歩。 議員になりたての頃「議会改革」の「改革」と言われても正直いって、いっこうに 議会は何をしているのか見えないと感じて、どう改革するのか発言に求められても、 返事に苦慮した事をおぼえている。今回の先進地から学んだ事を参考にして、見えな い議会活動を見えるようにする事から。一歩前進させたい。 まずは背伸びをせず身の丈にあった事から有言実行していこうと思う。 6 議会運営委員会行政調査報告書 議会運営委員 大 類 準 一 ◎栃木県矢板市議会 矢板市議会では、議員定数削減と常任委員会のあり方について視察調査を行いまし た。 矢板市の財政健全化計画や合併論議の中で議員定数の削減を検討した。合併につい ては、結果的に破たんしたが、定数削減は平成 19 年に 22 人から 16 人に削減された。 定数は特別委員会を設置して検討した結果、定数 18 人と定数 16 人の 2 に分かれ、 採決した結果 1 票差で 16 人となった。 常任委員会については、所管する事務事業の量について配分がかたよっており、範 囲と量が増えて大変な場合があるということであった。現在も模索中とのことである。 また、新聞報道では、定数削減はやり過ぎではないか、民意を反映できるかとの指 摘があったという。 常任委員会は 3 委員会については考えず、2 委員会を考えたとのことであるが、定 数 18 人が適当との話も聞かれた。 このように率直な話を聞かせていただいたが、定数削減が 1 票差で決まったこと、 常任委員会の運営から考えると 18 人がよいとの話を聞くと、慎重な検討と対応が必 要と思いました。 ◎茨城県大洗町議会 大洗町議会では、議員定数削減と常任委員会の複数所属制について視察調査を行い ました。 議員定数については、平成 23 年に 15 人から 13 人に削減を行った。そして平成 23 年の議員選挙は無投票であった。 行政改革の一端として、平成 19 年度より改革論議を行ったが、その過程で議員活 動ができないということで 2 人が辞表を提出したとのことである。議会改革に積極的 な方はほぼ半数で推進した事情があるようです。 数字の上から見ると、辞表を提出した 2 人の分が削減されたことになるようですが、 13 人という議会活動・議会運営がどうなるのかは、今後改めて聞かなければならな いと思う。 常任委員会は、日程が重ならないように設定し、1 議員が 2 委員会に所属し、所属 していない委員会は傍聴できる。1 委員会につき 1.5 日の審議とのことであった。 また、予算・決算は全員で審議するということであったが、もう少し詳しく調査す る必要を感じた。 平成 23 年の議員選挙は立候補が 13 人で無投票とのことであったが、少ないという 感じがする。議会も活力がなければならないと思う。積極的に立候補する環境を整え ることも大事ではないだろうか。 7 議会運営委員会行政調査報告書 議会運営委員 伊 藤 精 一 平成 26 年 11 月 11 日 栃木県矢板市 「定数削減の経緯について」 矢板市は、昭和の大合併時に合併し矢板市となり現在に至っており平成 22 年度に 「第 2 次 21 世紀矢板市総合計画」を策定し「安心安全で活力に満ちたまちづくり」 に取り組んでいる。 平成 17 年 7 月第 4 回議会改革特別委員会で、議員定数を 16 人に決定、同時に常任 委員会、議会運営委員会、議運の構成も決定がなされた。 平成 17 年 12 月定例会において、定数、期末手当、政務調査費に係る条例改正を可決 した。その後、毎年のように期末手当の見直し案を全員協議会で審議、平成 24 年 3 月定例会で 140/100 で条例を可決した。 平成 25 年 2 月全員協議会で(1)一般質問の一問一答制について(2)常任委員会等 の傍聴について(3)市議会傍聴規則の見直しについて(4)議長口述書について(5) 議員の賛否の公表について等を協議し、また平成 26 年 6 月全員協議会にて、矢板市 議会基本条例策定特別委員会を設置し制定に向けて協議していた。 尾花沢市議会としても毎年議会運営委員会の研修で、各地の議会を研修し議会基本条 例の制定や議会改革についても、改革を進めるために努力はしているが、その実現に 至っていない現状である。今後、先進地学んだことをできることから実現すべきであ る。 平成 26 年 11 月 12 日 茨城県大洗町 「常任委員会の複数所属制等について」 茨城県大洗町の研修については、県都「水戸市」の中心部より 11kmの東部に位 置し人口約 1 万 7 千人の港町で議員定数が 13 名である。委員会の構成は、総務常任 委員会、文教厚生常任委員会、建設経済常任委員会の 3 委員会で構成されている。議 会報告会については、班編成にて行い各集会所で開催している。報告会の広報につい ては、議員自らポスターを作成して掲示し、町民の参加を呼びかけている。さらに、 議会の傍聴についてもチラシを配布して、傍聴を促しその結果、毎回 100 名以上の町 民が議会傍聴に参加しているとのことであった。 議会に対する住民の関心を高めることに努力していることに感銘した。定数は少な くても、やはり議員一人一人の行動力が大切であると痛感した。 8 議会運営委員会行政調査報告書 議会運営委員 菅 根 光 雄 栃木県矢板市 議会の運営・常任委員会の改編に伴う現状と課題 矢板市は平成の大合併による隣接の塩谷町との合併に向け、平成 15 年 8 月に合併 協議会設置案を可決し、協議会は発足した。しかし、翌 16 年 12 月に協議会廃止案が 可決され、合併は破綻した。 17 年 6 月に全議員で構成する議会改革特別委員会を任意設置し、議会改革を進める ことになった。破綻による議会改革は,本市に通ずるものがある。身を切る議会改革 は難航し、同年 7 月に 1 票差で定員 16 人に決定し、19 年 4 月の改選時から 16 人とな った。同時に常任委員会を 2 つにした。期末手当、政務調査費の削減にも取り組んで きている。 2 常任委員会により所管分野が増加し、その状況を質疑応答でなされ、現実に 2 委 員会では厳しく、3 委員会が適当とのことだった。また報酬についてもなされたが、 若い人たちが選挙に出やすい状況にはないことも共通の認識であった。一概に定数削 減、報酬カットを掲げるのではなく、議員としての資質向上と市民から議員活動を理 解してもらえる努力も必要であることを再認識した。 税金が市民のために使用され、活性化に繋がっているかを市民に理解してもらうた めにも各委員会で政策提言をしていることは注目したい。本来議員の政策提言は一般 質問を通じ、市当局と堂々と渡り合うことが筋道であることも忘れたくない。 1 日目の調査を終了後に体調不調で 2 日目の調査をできなくなったことが悔やまれ る。いかなる場合でも体調の管理と不慮の事故については注意を払っていきたい。 9 議会運営委員会行政調査報告書 議会運営委員 大 類 好 彦 平成 26 年 11 月 11 日 栃木県矢板市 常任委員会改編の取り組みについて 矢板市の人口は 34,000 人、予算は 200 億円で尾花沢市の 2 倍ほどですが、隣町と の合併が破談になったり、定数 16 人で 2 委員会にしていたり、基本条例制定にむけ 準備していたり、尾花沢市と抱える問題がとても似ていると感じました。 定数・政務調査費・期末手当・委員会を削減し、傍聴規則の見直しなど多くの議会 改革をしています。それでも、全国のランキングでは基本条例がないからとランクを 下げられる。全国の上位を見据えて頑張っているのは素晴らしい。 尾花沢市議会では、基本条例を形だけつくっても意味がないと作らないことに決ま った。頑張っている内容は外からは見えにくく、基本条例が有るか無いかで評価され るのは辛いところである。 平成 26 年 11 月 12 日 茨城県大洗町 常任委員会の複数所属制と議員定数の考え方について 大洗町議会は、全国町村議会長会より町村議会特別表彰を受けている。 これは、住民に開かれた議会、地域振興のために特別な取り組みをした議会などの観 点で特に優れた議会に表彰されます。 平成 19 年より議会改革を始め、これまで実施した取り組みの主なものをあげます。 ① 一般質問は午前のみ、午後は委員会。 ② 常任委員会での係長による答弁。 ③ 12 月議会定例会で事業の進捗状況の報告。 ④ 議長公用車の廃止。 ⑤ 日曜議会の開催。 ⑥ スクリーンを活用しての一般質問。 などである。 町民にも議会改革の動きが浸透しており、議会傍聴者は 350 名ほどである。 尾花沢市議会も真似るべきと思うが、人口・面積・風習などの違いも考慮すべきと考 える。 二か所の先進地視察を終え様々な議会改革が必要と考えるが、尾花沢市の実情と他 の市町村の内容の違いを良く見極めて、改革を進めることが肝要と考える。 10
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