なお、女性役員や管理的公務員等を含めた「管理的職業従事者」では、日本 の女性比率は11.1%だが、これは諸外国に比べて非常に低い水準にある。 (表1) 管理職になる女性が多いことだけが、女性が活躍しているという指標ではな い。しかし、管理職比率が低いということは、女性が現在就いている職域や仕 事の分野が、管理職につながりにくいという可能性が高い。女性が働く職域や 分野が広がれば、つまり女性が活躍できる場や機会が増えれば、当然もう少し 管理的職業従事者が増えるはずだ。 管理職になるだけが女性の活躍ということではないにしても、現状のデータ を見ると、もう少し女性の活躍というところにウエイトを置くことが重要だ。 「女性が活躍できること」これが日本の企業そして社会にとって、これからの 大きな課題といえる。 「働き続けられる」と「活躍できる」を 同時に進めることが必要 女性の就業に関しては2つの軸が重要になる。1つは「働き続けやすい」か どうかという軸。もう1つが「活躍できる」かどうかという軸だ。この2つの 軸を組み合わせると4つの象限ができる。それぞれを見ていくと現在の女性就 労を取り巻く状況がわかる。 表1 管理的職業従事者に占める女性割合の国際比較(2012 年) 国 名 女性の割合 国 名 女性の割合 日 本 11.1% イギリス 34.2% フィリピン 47.6% シンガポール 33.8% アメリカ 43.7% ノルウェー 32.2% フランス 39.4% ドイツ 28.6% スウェーデン 35.5% マレーシア 21.5% オーストラリア 34.7% 韓 国 11.0% 【資料】 (独)労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2014」) ※「管理職」の定義が国によって異なることに留意する必要がある 働き続けやすい 女性の勤続年数が長い職場 ・育休等の制度が整い復帰も可能 ・女性管理職が少なく補助的業務 男女が均等に働ける職場 ・環境は整っているが、能力や環境 で働き方に違いが生まれる 女性が活躍し続けられる ・技術や能力が優れている女性 ・子育て等に家族の支援が得られる ・日本ではまだまだ少数 活躍 できない 活躍 できる 女性が活躍し続けられない 男性中心の職場 ・結婚や出産で離職し復帰は困難 ・女性は補助的な業務が多い ・日本ではまだ多数存在 ・企業内の制度等は問題ないが、保 育所などの支援環境が不十分 ・子育て等に関して、家族の支援が 得にくい環境にある 等 働き続けにくい 15
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