店舗の負荷を軽減すると同時に、ミスをなくし、本部による

店舗の負荷を軽減すると同時に、ミスをなくし、本部によるガバナンスを強化する
「食材発注システム」をクラウドで実現
1981 年、カリフォルニア州・ロサンゼルスに設立。ロサンゼルスとニュー
ジャージー州の工場において米国最大規模で豆腐を生産している。さらに、
日本式カレーを中心としたメニューを提供するレストラン「Curry House
カレーの館(以下、Curry House)」の経営、ハウス食品製品の輸入販売
も展開。北米における日本食ブームの先駆者的な存在として知られる。
【利用状況】
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「Curry House」の各店舗からサプライヤに食材を発注するシステ
ムを構築
̶ JBSに構築を依頼したシステムの概要について教えてください。
当社ではカレーハウスレストラン「Curry House」を経営しており、
現在、カリフォルニア州内に11店舗を展開しています。今回 JBSには、
「Curry House」の各店舗に設置したPC からサプライヤに食材を発注す
るシステムを構築してもらいました。
̶ 具体的な利用の流れを教えてください。
⑴ 各店舗にて夜中の12時までに、PC の発注画面から発注する食材と数
量をエントリーします。
⑵ サプライヤにてPC 上で受注内容を確認し、データをダウンロードしま
す。
⑶ 当社の運営本部では、発注状況や受注状況などのステータスをリアル
(右より)
House Foods America Corporation.
Restaurant Division Production Manager
竹内 志朗氏、荻窪 丁稔氏
タイムで確認することができます。また、商品マスタ(約250 品目)
や価格データなどの登録や変更ができるようになっています。
⑴店舗利用画面例
⑵サプライヤ利用画面例
ハウスフーズアメリカ社
(House Foods America Corporation)
本社所在地 :カリフォルニア州ガーデングローブ市
設立 :1981年
資本金 :2,350千US$
従業員数 :300人
事業概要 :豆腐等の製造販売・レストランの経営・当社製品の
輸入販売
⑶本部利用画面例
̶ 発注システムのシステム構成は、どのようになっていますか。
【店舗における課題】
● 転記(コピペ)のミスやセルの位置がズレてしまうといった、表計算ソ
今回JBSからの提案もあり、Fujitsu RunMyProcessのクラウドサービ
フトならではのミスを防ぐのが難しい
ス「FUJITSU Cloud PaaS RunMyProcess(以下、RunMyProcess)
」
● 発注する食材を複数の伝票に分類して作成・送付するのが面倒
の開発環境を利用したウェブアプリケーションとして発注システムを構築
● 添付するファイルや送信先を間違うなど、メールならではのミスを排
しました。そのため、本部側ではもちろんサプライヤ側でもインターネッ
トに接続できるPC から利用できるようになっています。なお、店舗側の
環境に関しては、端末に情報を残さずセキュリティを担保するため仮想化
除するのが難しい
● メールが正常に配信されないことがある(その状況をリアルタイムで
把握するのも難しい)
デスクトップ環境で利用しています。
【課 題】──────────────────────────
さまざまなボトルネックとリスクの要因となっていたメールによる
旧発注業務体制
【サプライヤにおける課題】
● 受注データの整理や管理に手間がかかる
● 発注の追加・修正への対応に手間がかかる
【運営本部における課題】
● 発注状況や発注内容を把握できない(必要な場合は、個別に電話等で
確認)
● 130 の発注データを手作業で月次集計するため、手間と時間がかかる
(集計作業に1日以上かかっていた)
● 請求書が来るまで、正確な仕入れコストを把握できない(価格改定を
リアルタイムで反映するのが難しい)
● 注文内容と納品内容の差異をチェックするのに手間がかかる
● 紙のインボイスを各店舗から本部に集めていたが、手間がかかり紛失
のリスクもあった
【効 果】──────────────────────────
効率的かつ正確な発注が可能となり、発注状況や発注内容もリアル
タイムで把握可能に
̶「発注システム」を導入することで課題は解決されましたか。また、そ
のほかにも導入効果などもあれば教えてください。
発注データを共有し、一元管理できるようになったことで、さまざま
な課題や問題が解決されました。サプライヤ、店舗、本部における主な
導入メリットは、次の通りです。
【店舗におけるメリット】
● 操作がシンプルで、転記ミスなども解消された
● 発注先を意識することなく1つの画面から発注できるようになった(発
注先はシステムが自動で仕分け)
● 確実に発注データがサプライヤに伝わるようになった
「Curry House」の店舗の様子と提供されているメニューサンプル
(写真提供:House Foods America Corporation)
̶ 発注システムを構築したねらいを教えてください。
これまでは、各店舗で表計算ソフトを使って作成した発注伝票ファイル
をメールに添付してサプライヤに送っていました。しかも、サプライヤは
1社なのですが食材の種類によって発注先が異なるため、ほぼ毎日3 箇所
にメールを送付しなければなりませんでした。
そのため、次のような課題や問題点がありました。食材発注業務をシス
テム化することでこれらの課題を解消し、業務プロセスの改善と効率化、
さらにはガバナンスの強化を図りたいと考えました。
● 追加発注や訂正が手軽にできるようになった
● 逆に、締め切り時間後は店舗からは発注内容を変更できないようにし
た
【サプライヤにおけるメリット】
● 受注データの整理や管理が容易になった
● 締め切り後のデータをチェックすれば済み、追加・修正への対応は不
要になった
【運営本部におけるメリット】
● 発注状況や発注内容をリアルタイムもしくは、期間を指定して把握で
きるようになった
● データを一括ダウンロードできるので月次の集計が15 分で済むよう
になった
● あらかじめ単価を入力しておくことで、発注時に正確な食材コストを
把握できるようになった(一部、青果などを除く)
● インボイスがメールで受け取れるようになり、紛失などのリスクもな
る必要がなくサービスとして利用
できます。それに加え、ウェブア
プリケーションの開発・実行環境
も提供されているので、
「発注シス
くなった
● 発注締め切り後も、本部からはオーダーの修正を可能にした
テム」を「簡単に」開発できると
● 注文内容と納品内容の差異のチェックが容易になった
説明を受けました。
● 仮に発注と納品に差異が発生した場合でも、原因や責任の範囲を明確
もちろん、
「簡単」といっても業
務アプリケーションの開発は専門
に追跡できるようになった
● 店舗やサプライヤが増えても、柔軟に滞欧できる体制を確立できた
【背 景】
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構築コストや運用リソースの確保が、
「発注システム」構築の壁
となっていた
̶ 発注業務に関して、システム化に取り組んだことはなかったのでしょ
家であるJBSに任せることになり
ますが、ゼロからプログラミング
するのに比べると数分の一の手間
House Foods America Corporation.
Restaurant Division
荻窪 丁稔氏
で済むということでした。
そのため、次のようなメリットがあると考え、本格的に「発注システム」
の導入を検討することにしました。
【メリット1】低コストでシステムを構築・利用できる
うか。
ハードウェアの選定や導入、運用が不要なので、初期導入コストはもち
ろん、ランニングコストを平準化でき、トータルコストを抑えることがで
これまでシステム化の話がなか
きます。
ったわけではありません。しかし、
ゼロからサーバなどのハードウェ
しかも、RunMyProcess ではユーザ数ではなく使用量、すなわち当社
アを用意して、スクラッチでシス
の場合、
「発注回数」に応じた課金体系での利用も可能ということで、シ
テムを開発し、さらに保守・運用
ステムインフラに関して、まるで電気や水道のように使った分だけを負担
していくとなると情報システム部
すれば済むという点にも惹かれました。
また、開発環境が充実しており、システム開発にかかる工数が従来に比
門に頼らなければなりません。し
べて数分の一で済むという点もコスト削減につながると考えました。
かし、情報システム部門ではほか
に大きなプロジェクトを抱えてい
るため人的リソースに余 裕がな
く、仮にシステムの運用をアウト
House Foods America Corporation.
Restaurant Division
Production Manager 竹内 志朗氏
【メリット 2】手離れ良くシステムを利用できる
インフラの導入・運用に関して、私たちユーザ部門はもちろん、情報シ
ソーシングするにしてもコスト負
ステム部門への負荷もほとんどかからないという点も重要なポイントでし
担が大きいことから、実現にはいたりませんでした。
た。また、時間や手間をかけずスピーディにシステムを構築・拡張できる
また、現場のオペレーションを変えるとなるとそれなりのパワーが必要
という点にも期待しました。
となります。上手くいかなかったから元に戻すとか、簡単に別の方法を試
すとかいうわけにもいきませんので、システムの構築には慎重にならざる
を得ませんでした。
̶ では、今回なぜ「発注システム」を開発することになったのでしょうか。
【メリット 3】ユーザ部門の主導で開発・運用が可能
システムの開発が容易なので要望を反映してもらいやすく、私たちユー
ザ部門が主導で、システムを開発できるという点も大きな魅力でした。改
編などにかかる時間とコストも抑えることができるので、機能の追加や改
善がし易いという点にも惹かれました。
JBSに 相 談 を す る 中 で、Fujitsu RunMyProcess(以 下、富 士
通)が 提 供 す る「FUJITSU Cloud PaaS RunMyProcess(以 下、
RunMyProcess)
」というPaaS(Platform as a Service)の活用を提
【メリット 4】信頼性が高い
手元にサーバがなくネットを通じて利用するので、セキュリティなど
案してくれたことが、大きな転機となりました。
に関して不安視する声も出ました。しかし、RunMyProcessは富士通が
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グローバルに提供するクラウドサービスで、専門機関から表彰された実
ラットフォームを、インターネット経由で利用できるクラウドサービスです。
Frost & Sullivan 社)
、IT の専門家であるJBS が推奨してくれるサービス
※ PaaSとは、ソフトウェアを構築および稼動させるためのインフラおよびプ
【選定理由】
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PaaS を活用することで、ユーザ部門主導で業務アプリケーショ
ンの構築を実現
̶ RunMyProcessによるシステム開発は、どのようなメリットがあるの
でしょうか。
RunMyProcessは、一般的にクラウドと呼ばれるサービスが提供する
のと同様、サーバや OSといったシステムインフラを自社で導入・運用す
績 も あ り(
「2014 Global Award for Customer Value Leadership」
なので、安心して使い続けることができると判断しました。
【JBS への評価】
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日本語でも英語でも話が通じる日系企業ならではの対応により、
安心して仕事を進めることができる
̶「発注システムは、実際にどのように構築していったのでしょうか。
まずは、当社として実現したいこと、困っていることを JBSに伝えま
した。また、店舗マネージャが集まる場所で意見や要望を聞いてもらった
りもしました。
̶ 今後の展開予定があれば教えてください。
JBSは、ERP のコンサル
ティングの専門家が対応し
第1弾として、まずは滞りなく発注業務を正確にできることを目標にシ
てくれたこともあり、業務
ステムを構築しました。その目標は達成できたと考えています。すでに開
理解力や改善提案力が高く、
発を進めていますが、第 2 弾としては、オーダーが入れた項目だけをチェ
要望に沿って業務プロセス
ックしたり、オーダー数の異常があれば警告のメッセージを表示するなど、
をモデル化して、画面のイ
使い勝手を高め、同時にヒューマンエラーを未然に防ぐ仕組みなども組み
メージや推移、データの流
入れていきたいと思っています。
れなどを提案してくれまし
た。
また、将来的には別の業務でもクラウドインフラを活かしてガバナンス
の強化や店舗運営の効率化にも活用できればと思っています。
最初は慣れないことも多く戸惑うこともありましたが、JBS が上手くサ
ポートしてくれたので、仕様や機能の考察や判断に集中でき、結果的には
̶ JBS への期待があればお聞かせください。
納得のいくものに仕上げることができました。
また、実際に動かして見ないとわからない部分もあるので、開発環境
JBSは同じ日系企業として立場が同じような所もありますし、日本語で
で実際の操作を確認しながら、改善点を議論することもありました。ク
も英語でも話が通じるので現地スタッフとのコミュニケーション齟齬もな
ラウドだとネットがつながればどこからでも実際の操作ができます。
く、安心して仕事を進めることができました。
RunMyProcess では開発モードで本番環境に影響することなく確認がで
きるので、とても便利だと思いました。
まだ開発は続いていきますので、これまでと同様、きめの細やかで迅速
な対応に期待しています。
【担当者からのコメント】
今回、ハウスフーズアメリカ様においては、先進的なクラウドサー
ビスをベースとした提案をご採用いただき感謝しております。
これまでのシステム開発はハードウェアの調達から始まる、重厚長
大なモノづくりでした。そのため、簡単な画面イメージを確認するの
にも、まずお客様に全体予算を承認頂きハードウェアを購入するとこ
ろからスタートしていました。
一方、RunMyProcessはサインアップ後10 分で使い始めること
ができ、実際のシステムを作りながら確認できるので、開発コストの
調整が容易です。また、今までシステムインフラに使っていた予算を
業務分析に振り向けることで、より業務に即したシステムの実現が可
能になります。
JBS USA, Inc
ERP Department Manager
安西 俊哉
JBS USA, Inc
ERP Department
ERP Consultant
岩谷 哲彦
JBS USA, Inc
ERP Department
ERP Consultant
伊藤 佳苗
JBS USA, Inc
System Integration Dept
System Engineer
沖 星二
これまでとは異なるアプローチでシステムを開発していくため、不
安な部分もあったかもしれませんが、ハウスフーズアメリカ様のご決
断とご協力があったからこそ、
短期間で成果が出る
「食材発注システム」
を実現できました。
さらに、運用負荷がかからないというクラウドならではのメリット
も実感されているということで、少しでもハウスフーズアメリカ様の
ビジネスに貢献できたことをうれしく思っております。
また、今回のプロジェクトはハウスフーズ様と富士通様、そして
JBS のメンバーが一体となって取り組めたことが大きな成果につなが
ったと思っています。今後も、ハウスフーズアメリカ様のビジネスを
サポートするサービスや提案をしていきたいと考えております。よろ
しくお願いいたします。
1899 Western way Suite 320 Torrance, CA 90501
Phone:(310)328-7200
FAX: (310)328-7400
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