2015 SUPER GT Race Report ZENT CERUMO RC F #38 立川祐路/石浦宏明 第 7 戦 オートポリス < SUPER GT in KYUSHU 300km > ◆ 11 月 1 日 (日) Race 決勝総合結果 4 位 < 決 勝> 天候:曇りのち雨 |コース状況:ドライ&ウェット 土曜の公式予選ではポールポジションにこそ手が届かな かったものの、2 番手と好グリッドを獲得した#38 ZENT CERUMO RC F。タイトル争いの主導権を握るべく、この オートポリス大会では是が非でも上位入賞を果たしたい LEXUS TEAM ZENT CERUMO は決勝に向けて、まずは 午前 9 時からのフリー走行に臨んだ。 この日のオートポリスは、上空に雲が広がり朝からかな りの冷え込みを見せ、フリー走行時のコンディションは気温 9℃、路面温度 11℃という状況。まずは立川がステアリングを握った#38 ZENT CERUMO RC F は、セッション 開始と同時にコースイン、連続周回に入る。1 分 44 秒 142、1 分 41 秒 526、1 分 38 秒 130 とタイムを上げて 行った#38 ZENT CERUMO RC F は、序盤は 5〜6 番手あたりにつける。さらに 1 分 37 秒 551 にタイムアッ プした立川は、セッション半ばの午前 9 時 16 分にピットイン。ドライバーを石浦に交代、4 輪タイヤ交換と給油とい うピットストップシミュレーションを行った LEXUS TEAM ZENT CERUMO は、そのまま石浦を送り出す。 ピットアウトした石浦は、いきなり 1 分 36 秒 634 の好タイムをたたき出し、#38 ZENT CERUMO RC F をモニ ターの 3 番手に押し上げる。石浦はさらに数周し、午前 9 時 26 分にいったんピットインも、すぐさまピットアウト。 石浦はそのままチェッカーまで走行し、#38 ZENT CERUMO RC F はこのフリー走行を 4 番手で終えることとな った。 午後零時 50 分からの 8 分間のウォームアップ走行で、スタートドライバーを務める立川のドライブで最後のセッ トアップ確認を行った#38 ZENT CERUMO RC F は、午後 1 時 05 分にピット出口がオープンされるとダミーグリ ッドへ。フロントロウ、イン側の 2 番グリッドにマシンを止めた立川は、いったんマシンを降り華やかなスタート進行 の中、徐々に集中を高めて行った。 いよいよ午後 2 時。相変わらずの曇天下ながら、お馴染 みとなった警察車両によるパレードラップがスタート。立川 駆る#38 ZENT CERUMO RC F も、ポールシッターの #12 カルソニック IMPUL GT-R に続いて隊列に加わる。 さらにもう 1 周のフォーメーションラップを終え、午後 2 時 07 分についに 65 周の決勝レースがスタートした。 鋭く加速した#38 ZENT CERUMO RC F の立川は、 背後の#1 MOTUL AUTECH GT-R をけん制しつつ、1 コーナーでは#12 カルソニック IMPUL GT-R に並びか けるものの、トップ浮上は果たせずポジションキープの 2 番手のままオープニングラップを終える。 #12 カルソニック IMPUL GT-R を追う立川、そして前 後の GT-R2 台によるトップ 3 台は、後続を引き離しつつ、 約 2 秒前後の等間隔で序盤レースをリードしていく。しかし 6 周目には早くも周回遅れが出始め、ラップタイムは一気 に 40 秒台となってしまい、この機を捉えた立川は#12 カ ルソニック IMPUL GT-R とのギャップを 1 秒 2 に詰めるこ とに成功。さらに#12 カルソニック IMPUL GT-R を追い つめ、9 周終了時点ではその差を 0.7 秒とした#38 ZENT CERUMO RC F は、さらに翌周にはコンマ 3 秒差のテール・トゥ・ノーズに持ち込む。 11 周目の最終コーナーで#12 カルソニック IMPUL GT-R のテールに張り付いた立川は、12 周目の 1 コーナ ーで#12 カルソニック IMPUL GT-R に並びかけるが、ここは#12 カルソニック IMPUL GT-R が踏ん張り逆転 はならず。そこから再び周回遅れが絡み始め、再び#12 カルソニック IMPUL GT-R とのギャップが 2 秒ほどに 拡大してしまう。 ところが 17 周目に再びトップ 2 台はテール・トゥ・ノーズに。ここで再び#12 カルソニック IMPUL GT-R に仕掛 ける立川だったが、#12 カルソニック IMPUL GT-R とともに周回遅れに詰まった際に、背後に#1 MOTUL AUTECH GT-R の接近を許すこととなり、トップ争いは三つ巴の攻防に。なんとか 2 番手を死守した立川だったが、 逆にトップの#12 カルソニック IMPUL GT-R とのギャップは拡大してしまう。このまま 2 位をキープしていた立川 だったが、雨が部分的に降り始める中、なんと 24 周目の第 2 ヘアピンの進入でまさかのコースアウトを喫してしま う。なんとかコース復帰を果たした立川だが、このアクシデントにより#38 ZENT CERUMO RC F は#1 MOTUL AUTECH GT-R の後塵を拝し 3 番手に後退することに。 そのまま周回を続けた立川は、35 周目に#1 MOTUL AUTECH GT-R がピットインしたことで 2 番手に復帰。 その直後の 37 周目に立川はピットインし石浦にバトンを託すことに。メカニック達は迅速なピット作業で石浦をコー スに送り出す。 コースに復帰した#38 ZENT CERUMO RC F は、6 番手でコースに復帰。#39 DENSO KOBELCO SARD RC F をパスした石浦は 5 番手に浮上、さらに他車のピットインで 4 番手につけるが、前には先にピットを終えてい た#36 PETRONAS TOM’S RC F が入ってしまっている状況となった。雨が断続的に降る中、石浦は#36 PETRONAS TOM’S RC F を追いつめて行く。 45 周 目 に 3.4 秒 、 46 周 目 に は 1.9 秒 と #36 PETRONAS TOM’S RC F に迫ると、48 周目にはテー ル・トゥ・ノーズに持ち込む。落ち着いてチャンスを待った 石浦は、50 周目の 3 コーナーで #36 PETRONAS TOM’S RC F のインを奪い、3 番手にポジションを上げる ことに成功。#38 ZENT CERUMO RC F は再び表彰台 圏内に入って行くが、トップ 2 台の GT-R 勢とのギャップは 15 秒と大きいままレースは終盤に向かう。 しかし、再び雨が強まる難しいコンディションの中で最後まで諦めず前を追った石浦だったが、大きなギャップを 詰め切ることは出来ず。このまま 3 番手でフィニッシュかと思われた最終ラップ、#38 ZENT CERUMO RC F の 背後に#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT が肉薄。石浦は必死の防戦を見せるも、3 コーナーでポジションを奪 われてしまい、4 番手に後退。そのまま 4 位でのチェッカーを受けることとなった。 最後の最後で表彰台を逃した#38 ZENT CERUMO RC F だが、この 4 位によって合計 53 ポイントとしてラン キングは 3 位に浮上。しかしながら、66 ポイントでポイントリーダーの#12 カルソニック IMPUL GT-R とは 13 ポイント差と、このレースウィークを迎える前よりも差が拡大する結果となってしまった。残るは最終戦のもてぎ 1 戦 のみ。逆転タイトルのためには、最終戦で勝つしかない LEXUS TEAM ZENT CERUMO だが、文字通りもてぎで はしっかりと結果を残し、人事を尽くして天命を待つだけとなった。 ドライバー/立川 祐路 「チャンピオンシップを考えると、やはりここで GT-R 勢にポイント差を拡げられたくなかったので、序盤からかなりプ ッシュして行きました。その結果ミスもあったのですが、それぐらい頑張って行かないといけないことは分かってい ましたし、とにかく前に、と思って走りました。コースアウトしたときは雨も降ってはいましたが、直前に GT300 を抜 く際にラインを外していたので、タイヤが汚れていたのだと思います。ブレーキングでロックしてしまって飛び出して ……。最後は石浦も頑張ってくれたのですが、惜しくも 4 位ということでポイント差を拡げられてもてぎに向かう結果 となりました。正直チャンピオンシップは厳しくなりましたが、決して諦めた訳ではないですし、僕たちは追いつめら れた状況から過去タイトルを獲って来たという自信もありますから、最終戦では精一杯戦いたいと思います」 ドライバー/石浦 宏明 「ピットアウトした時点でのトップとのタイム差と、ほとんど同じタイム差のままでフィニッシュしていますし、自分たち の持てるものを出し切って戦ったという手応えは感じています。しかし、最後にもの凄いペースで 17 号車が来てい るのは分かりましたが、抑えるのは難しいなと思っていました。最終ラップに追いつかれる状況は想定していました が、3 コーナーで並ばれた時に立ち上がりでクロスラインを狙ったものの、無理をすれば接触してしまう状況でした し、そこですべてを失うわけには行きませんでした。この結果は残念ですが、最後のもてぎでは自分たちの力を出 し切って、出来る限りのレースをして優勝することしかないと思います」 監督/高木虎之介 「今日の決勝では前半は周回遅れに引っ掛かるタイミングも悪くなく、立川が頑張って 12 号車を追いかけ回す展 開となったのですが、やはり結果的には速さの差が出たように思います。トップを追って行く中で、コースアウトする ミスもありましたし、ピット作業でもやや遅かったのではないかと。後半の石浦のスティントでも、終盤はトップと変 わらないペースで走ってくれたのですが、それを上回る圧倒的な速さで 17 号車が来てしまって……。表彰台を逃 してしまい、残念ではありますがどうしようもなかったと思います。表彰台まで行き切れなかったという部分はまだ チームとしての課題なのかもしれませんが、最終戦に向けてはもう自分たちがまずは勝って、あとは他の結果を見 守るしかないですね」
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