Q1: ゴールドマンサックス証券/杉山様 問 1. トラベルを

Q1: ゴールドマンサックス証券/杉山様
問 1. トラベルを含めた国内 EC 流通総額は、前年同期比 12.6%の成長ということだったが、楽
天市場単独での成長率はどうか?前四半期の楽天市場広告収入は前年同期比やや減少していた
が、当四半期でどうか?
問 2. 楽天チェックアウトは、非常に伸びていると思うが、今後 5 年間でこの事業はどのように
魅力的になるのか教えてほしい。
回答 1.2. 楽天は、これからよりオープンモデルを推進していく。ショッピングのエコシステム
を楽天市場の外に拡大させるために、
オンラインと実店舗を通して 3 つの施策を実施している。
1 点目は、急速に伸びている楽天チェックアウトで、楽天市場以外でも利用可能であり、マージ
ン(手数料率)も良い。2 点目は楽天スーパーDEAL などを通してアフィリエイトビジネスを強
化している。大手ブランドが楽天市場に出店せずに商品を掲載することが出来るサービスだ。3
点目は、実店舗向けのサービスだ。将来、オンラインと実店舗の差はほとんど無くなると考えて
いる。例えば、二子玉川では、高島屋を含む 200 店舗に対して試験的なポイントアフィリエイ
トの施策を行う予定だ。具体的には楽天スーパーポイントを提供するだけではなく CRM のよう
なサービスも提携先の小売店やレストランなどに提供していくことも考えている。この施策によ
り、店舗向けに流通総額(取扱高)の増加だけではなく、マーケティングツールも提供していく
ことで更にエンパワーメントすることが出来る。これらの施策は、オンラインショッピングに比
べて利益率が良いわけではないが、流通総額(取扱高)の成長は早いので、広告収入の機会があ
ると考えている。
楽天市場においては、買い物をよりスムーズにしていただくために、意図的に多くのサーチワ
ード広告等を減らしており、検索結果の表示方法などについてもシンプルなものにしていく予定。
しばらくは広告収入が減ることになるが、楽天の目標は、流通総額(取扱高)の成長率を前年同
期比 20%から 25%増にすることを目指すことである。
問 3. Ebates の流通総額が前四半期比で下がっているが、季節要因もしくは特殊要因があったの
か?
回答 3. Ebates については、季節要因で下がっているが、引き続き急速に成長している。ここ数
年、第 2 四半期と第 3 四半期はおおよそ同じ水準で、前四半期比については特に心配していな
い。前年同期比ベースの成長率が 40%程度あれば、非常に良いと思っている。
Q2: ドイツ証券/風早様
問 1. スライド P38 について、店舗数増加が意味するものは何か?
回答 1. このスライドには 2 つの目的がある。1 点目は、店舗の退店率を低い水準で維持出来て
いる点。1 店舗あたりの取扱高を高めることに注力しており、出店店舗向けのサービスを充実す
ることが重要である。2 点目は、店舗向けにご案内した新プランにより価格競争力が増した点。
今まで、比較的商品数が少ない店舗にとって楽天市場は出店しにくい存在だったが、固定費が少
なくてすむ新プランにより、出店がしやすくなった。
問 2. 楽天モバイルの MVNO ビジネスの収益構造、また、競合との違いを教えて欲しい。
回答 2. 楽天は、モバイルビジネスにおける基本戦略に自信を持っており、デバイスの種類やサ
ービス拡充などを行っている。また、オンラインと実店舗において最適なマーケットアプローチ
を考えている。今後、2,000 店舗をオープンするつもりはなく、最大 15 店舗と考えている。計
画では、量販店などと提携しモールの一部に出店したり、携帯電話販売店(専門店)との提携も
検討している。
また、4-5 年前と比べ通信料は 10 分の 1 まで低下している。政府からの支援もあり、コストの
最適化は可能と考える。楽天モバイルが、楽天市場やその他の多くのサービスとつながることで、
楽天エコシステムを形成し、楽天グループと共に付加価値の高いサービスを提供していくことが
可能だ。顧客獲得費用が競合に比べとても低く、楽天スーパーポイントの提供により保有維持率
が高いという点で強いビジネスモデルになっている。長期的には、全ての携帯会社がワイヤレス
でインターネットに繋がるという時代になり、垂直的には現在の数社で寡占されている状況は解
消されていくだろう。ドイツでは、モバイルマーケットの中で MVNO は 35.2%のシェアがある
のに対し、日本では 10%以下であり、市場環境も後押ししていくと考えている。
問 3. インターネット金融セグメントを FinTech セグメントに変更したが、
楽天が考える FinTech
とはどのようなものか?
回答 3. FinTech という定義はとても広く多様である。Alipay や Paypal のような企業も FinTech
としてとらえられている。楽天が考える FinTech とは以下の 3 点だ。
(1) 巨大なデータベースを持っていること。楽天は、国内において 1 億人の顧客と世界では、7
億人のユーザーを保有している。
(2) 他社に比べ圧倒的に顧客獲得費用が低いこと。楽天は顧客獲得費用が低く、これが楽天カー
ドビジネスの拡大に繋がっている。
(3) スマートデバイスを利用した金融サービスを提供していること。楽天の Edy は 40 万店舗で
利用可能。 更に、銀行、証券、保険などを保有することでメガバンクに匹敵する成長を目指す
ことができると考える。現在、ATM を保有していないが、今後はよりキャッシュレスな世の中
に変化していくため、スマートペイのような競合優位なビジネスにより投資をしていきたい。
Q3: BofA メリルリンチ証券/富松様
問 1. データベースマーケティングではアライアンスを増やす必要があると考えるが、コンビニ
エンスストアと組むというのはどうか?
問 2. データベースマーケティングのマネタイズについてアフィリエイトから獲得するのか?そ
れともデータベースエンジンとなり消費者行動の詳細をトレースしていくのか?
回答 1. 2. コンビニエンスストアに関しては、大手三社でも小売業全体の 1%のシェアしかない。
それに比べ、地域のスーパーマーケットはより大きなシェアとより多様化した商品ラインアップ
を保有している。顧客維持の観点ではコンビニエンスストアも重要だが、楽天にとってはコンビ
ニエンスストアとの提携より、楽天 Edy で成功している地域の大型スーパーマーケットとの強
いリレーションシップの方が多くのビジネスチャンスがあると考えている。
クレジットカード利用者の消費データもしくは楽天ポイントカードにより、店舗とのパートナー
シップ契約を使い POS データを取得することが可能。楽天はそれらの巨大なデータベースをデ
ジタルマーケティングや大手ブランド向けに利用することが出来る。例えば、資生堂や花王など
の大手ブランドは TV コマーシャルで莫大な費用を使っており、コストの安いデジタルメディア
を探している。これが楽天にとって大きなビジネスチャンスとなりえる。
問 3. Amazon はプライムメンバー向けのビデオコンテンツに巨額の投資をしているが、楽天と
してコンテンツビジネスは今後どう考えるのか?
回答 3. Amazon プライム向けの VoD 戦略がどの程度効果的なのかはわからないが、正直に申し
上げて、コンテンツビジネスに 1,000 億円を使うことは考えていない。楽天は、それよりも金融
ビジネスに注力したいと考える。クレジットカードサービスに投資した方がより恩恵を受けるこ
とができるのではないか。Amazon はコンテンツとショッピングを融合し、楽天は金融とショッ
ピングをという形で、お互い別のアプローチで進んでいけば良いのではと考える。
Q4: バークレイズ証券/米島様
問 1. スライド P11 によると、楽天カードの営業利益率が減少している。その理由は何故か?
問 2. 楽天カードの一般経費が増加しているが、その理由は何故か?
回答 1.2. カードのロイヤルカスタマーを増やすため、楽天市場との共同プロモーションを実施
したことによる。積極的なマーケティングの効果により、楽天市場の流通総額に占める楽天カー
ドのシェアはスライド P13 からおわかりいただけるとおり 43.5%まで跳ね上がった。
以上