「豆乃香」を世界の食卓へ~食べやすくて美味しい納豆

経済調査
レポート
「豆乃香」を世界の食卓へ
~食べやすくて美味しい納豆~
関東財務局
水戸財務事務所
◆
日本の伝統食材である納豆の海外展開を目的に、粘り気の少ない納豆(「豆乃香」)を開発。
◆
国内需要の掘り起こしを行うとともに、食文化の頂点であるフランスを足掛かりとし、海外の販路開拓を目指す。
1.「豆乃香」開発までの経緯
(1)納豆を取り巻く国内外の環境
○
納豆の国内販売は厳しい状況が続いている。
➢食生活の多様化に伴う米離れで、納豆を食べる機会が減少。さらに、
「納豆は安くて当然」という考えが定着しており、付加価値が付けにくい。
○ 現状、海外販売は、海外在住の日本人向けが多い。
➢外国人向けの需要は、ほとんどない。
○ 近年の健康食ブームにより、納豆は健康食材として注目されている。
➢ただし「独特の粘り気があり、食材として、加工が難しい。」(料理関係者)
○ (株)朝一番取締役の小河原氏がアメリカへ営業に行った際、知人を通し、
日本食好きのアメリカ人がどのように納豆を食べているのか尋ねたところ・・・
➢水洗いにより粘り気を取り、サラダのトッピングとして食べることを聞き愕然。
(2)「豆乃香」の開発
○ 海外の販路開拓を目指していた(株)朝一番は、このアメリカ人の食べ方を
(株)つくば研究支援センターのコーディネーターである酒井氏に伝えたところ、
粘り気の少ない納豆の開発と、海外展開についてアドバイスを受ける。
○ 食文化の頂点であるフランスを足掛かりとし、販路開拓を目指す。
➢フランス人はチーズ等の発酵食品を食べる習慣があり、においに対する
抵抗感が少ない。
○ (株)つくば研究支援センターは、粘り気の少ない納豆菌 山海嘉之社長
の開発を、茨城県工業技術センターに依頼。
➢(株)朝一番の小河原氏が完成した納豆を食べたところ
・適度な粘り気で他の食材と組み合わせやすい。
・においが少なく、さらにフォークやスプーンで食べやすい。 「豆乃香」ロゴ
➢県内外で行われた試食会では
・「納豆の風味を残しつつ、食べやすい」と評判上々。
(3)「豆乃香」プロジェクトの始動
○
『「豆乃香」を起爆剤に、茨城の魅力度を世界的に高めたい』という思いが、
プロジェクトの発足に繋がる。
➢県内の納豆メーカーに「豆乃香」プロジェクトへの参加を呼び掛け。
((株)つくば研究支援センター 酒井氏)
➢「豆乃香」プロジェクト支援のため、支援体制を構築。
(茨城県)
茨城県の統一ブランドとして世界に発信
2.これまでの取組みとその成果等
フランスの見本市に出展
○
『「豆乃香」をPRするなら、世界最大級の展示会に参加すべき』
((株)つくば研究支援センター 酒井氏)
➢「第17回シラ国際外食産業見本市」へ出展(平成27年1月24日~ 28日) 見本市の様子
○ ジェトロのジャパンパビリオン内に県内納豆メーカー5社が出展。
((株)朝一番、金砂郷食品(株)、ひげた食品(株)、(有)トーコーフーズ、
(有)菊水食品)
○ 「豆乃香」を食材としてアピール。
➢「豆乃香」を用いたフランスの伝統豆料理「カスレ」や、
見本市出店料理
パンの上に乗せるといった、シンプルな食べ方が好評。
(左側が「カスレ」)
○ 連日2,000食が完食。119社もの海外企業から商談の希望を受ける。
➢「粘り気の少ない納豆は、国内では賛否両論であったことから、フランスの見本市
で、ここまで好評を得られるとは思わなかった」 ((株)朝一番 小河原氏)
プロジェクトの成功要因
・粘り気が少なく、様々な料理への応用が可能
・平成26年にジェトロ茨城貿易情報センターが設立
・平成25年に和食が文化遺産に登録され注目
3.今後の課題と水戸財務事務所の対応
≪今後の課題≫
国内需要の掘り起こしと、海外への販路開拓
○
スーパー等で販売した場合、価格競争による値崩れが起きる。
(株)朝一番の「豆乃香」
➢調理用食材として提供を開始し、「豆乃香」ブランドを確立させる。
一般向けには、これまでの納豆との違いを認識してもらうため、ネット販売を実施。
○ 納豆は高い栄養価を含むが、粘りが強く飲み込みにくいことから、現状、介護食
としての利用は進んでいない。
➢「豆乃香」は粘り気が少ないため、介護食としての利用が図られる。
○ フランスを足掛かりに、北米、欧州においても商談を実施。
➢(株)朝一番の小河原氏から「クールジャパンのような政策により、海外展開への
手助けをしてもらいたい」との要望有。
≪水戸財務事務所の対応≫
○
関東財務局経済調査課と連携し、「JAPANブランドプロデュース支援事業」の概要
及び、照会先窓口(経済産業省)について、(株)朝一番へ情報提供。