不完全MRCにおける 合成信号強度の厳密確率分布 - 唐沢研究室

電気通信大学
アンテナ・伝播研究会
(H27.02.19)
不完全MRCにおける
合成信号強度の厳密確率分布
唐沢 好男
電気通信大学
1
電気通信大学
発表の内容

最大比合成とダイバーシチオーダ

不完全最大比合成とは

確率分布の厳密理論式の導出

まとめ
2
電気通信大学
スペースダイバーシチ合成
最大比合成 (MRC)
w0  a
不完全MRC
w0  a  ε
3
電気通信大学
i.i.d. フェージング環境下での(完全)MRC
受信信号のCNRの確率分布:自由度 2Nのc二乗分布(ガンマ分布)
信号成分の振幅の確率分布: 仲上m分布
f Nm (r; m, Ω) 
2m m r 2 m1
(m)Ω
m
 m 2
exp   r 
 Ω 
ダイバーシチ
オーダ (DO)
Ω  r2
m
r
r
2
2 2
 r2

2

r
2 2
r4  r
2 2
N
4
電気通信大学
ダイバーシチ合成電力の累積分布
DO=1
N
DO=2
5
電気通信大学
不完全MRC
合成ウェイト
w ab
(b が誤差を与える項: i.i.d.)
合成ウェイトとチャネル特性との相関係数
 w a /
H
w
2
a
2
a b 0
H
6
電気通信大学
以前のAP研(2013.09)での発表
不完全MRCの場合も、振幅分布は仲上m分布が維持されると仮定
f Nm (r; m, Ω) 
2m m r 2 m1
(m)Ω
m
 m 2
exp   r 
 Ω 
その時のパラメータ値(近似の無い理論式)
r
m
r
4
Ω r
2
2 2
 r
2 2
ダイバーシチオーダ
( N 2  1   2 ) 2

N 2 (2   2 )  (1   2 ) 2
 ( N  1)   1
2
平均電力
7
電気通信大学
相関係数をパラメータとする受信振幅分布の近似計算値と
シミュレーション値の比較 (N=4)
累積確率リニア座標表示
累積確率対数座標表示
8
電気通信大学
今回の解析
確率分布の形を仲上m分布に近似せず、厳密な分布を求める
受信信号の表現
r0 (t )  w0H r (t )  CNR a0 s(t )  n0 (t )
w0 
w
w
a0  w0H a
n0 (t )  w0H n(t )
各諸量の拘束条件
a
2
 w
2
 b
2
 x
2
N
a Hb  w H x  0
w H a  N
合成ウェイトの表現
w  a  1   b
2
置換え
(ポイント)
a  w  1   2 x
9
電気通信大学
合成受信信号の振幅表現
a0 
w Ha
w


w H w  1   2 w H x
w
wHw
w
 1  2
wH x
w
完全なMRC
単一アンテナ受信
m=N の仲上m分布
(実数)
複素ガウス分布
(複素数)
10
電気通信大学
求める振幅rの物理イメージ


z  r  rNm  u 
2
仲上m分布
2
 v
2
u, vは独立な正規分布
11
電気通信大学


z  r  rNm  u 
2
y  rNm  u の確率分布を求める
 v2
2
f y ( y)  f Nm ( y)  fu ( y)

2m mt 2 m1
0
(m)Ω
m
mm
 y2 
exp   2 
 2 


2
  (m)Ω m
 ( y  t )2 
 m 2 1
 dt
exp   t 
exp  
2
2 
 Ω  2 



0
 m
1  2 yt 
t 2 m1 exp   
t  2  dt
2 
 
  Ω 2 
1
2
2

 m




1
y
1
y

  0  2 exp   2    (m) 1 F1  m, ,
4 
2
 2  
 2 4 
3 y 2 
1
 1

 2   m  1 F1   m, ,
4 
 2
2 4 
 2
y
0 
2
mm
   ( m) Ω m

m
1
 2
Ω 2
12
電気通信大学


z  r  rNm  u 
2
 v
2
2
z1  rNm  u 
2
の確率分布を求める
 
  z 
f z1 ( z1 )  f y  z1  f y
1
y
z1
1
 m
 1 z 
1
 z1 
2

 0
exp   2   (m) 1 F1  m, , 1 4 
4 z1
 2 
 2 4 

z1  1
3 z1 
 1


m
F


m
,
,


 1 1
2
4 

2 4 
2
 2
z1  1
 1
z1 
3 z1 

 1
  (m) 1 F1  m, ,




m
F


m
,
,



1 1
4 
2
4 
2
4


2
2
2
4


 





 0   m (m)
2 z1
 z   1 z 
exp   1 2  1 F1  m, , 1 4 
 2   2 4 
13
電気通信大学


z  r  rNm  u 
2
2
 v2
f z ( z )  f z1 ( z)  f z2 ( z )
 b1e
b2 z

z
0
1
 1

, b3t  dt
1 F1  m,
t(z  t)  2

 0   m  ( m)
b1 
2 2 
振幅分布
1
 z2 
f z2 ( z2 ) 
exp   2 
2 z2 
 2 
b2 
1
2
2
b3 
今回の
目的式
1
4 4
f r (r )  2rf z (r 2 )
14
電気通信大学
理論値とシミュレーション値の比較(N=4)
15
電気通信大学
まとめ
1)i.i.d.フェージング環境下での不完全MRCの理論解析を行った
→受信強度の厳密な確率分布式が導出できた
2)本稿のような設定環境においてその答えを得たい場合には、
計算機シミュレーションをするのが手っ取り早く、それが賢い方
法だと言えるかもしれないが、ものごとの本質を理解したいと
こだわるならば、このような解析も意味がある。
→通信路容量やBER評価の解析に有用
3)解析の対象とした土俵がシンプルなので、先行研究が有りそ
うであるが、調べた限りにおいて、まだ見つけていない
16