P21 小型JASMINE 小型JASMINE星像中心決定 ○矢野太平、荒木博志、花田英夫、田澤誠一、郷田直輝、小林行泰(国立天文台)山田良透(京大理)丹羽佳人(京大人環・国立天文台) 他、JASMINE-WG 小型JASMINE星像中心決定 多数枚撮像画像から10−4∼ 10−5ピクセル(10万分の1秒角) の精度まで位置決定精度を追い込む 系統誤差 測定データより、適切に系統誤差を取り除き、ランダム誤差を多数 枚画像により低減させて、最終精度を達成する。 小型JASMINE星像位置決定 想定されるランダム誤差と系統誤差 JASMINEでは1年もしくはそれ以上の長期にわたり撮像した画像データから星の位置を10万分の 1秒角精度で決定する必要がある。この角度は焦点面上で10−4∼10−5ピクセルに相当する。こ うした精度を達成するために、1枚の画像あたりの位置決定精度をおよそ100分の1ピクセル程度 以下にて決定し、数万枚の撮像画像から数万分の1ピクセル程度以下レベルの位置決定をおこな うことが必要である。 ⇒多数画像から数万分の1ピクセルレベルの位置決めを行なう際には、画像データに含まれる系 統誤差をすべて適切に取り除く必要がある。また、残るランダム誤差は多数枚のデータにより、 1/√N則で低減させる事が必要である。 ランダム誤差 ・ フォトンノイズ 系統誤差(定常的に存在) ・distortion ・検出器ピクセルムラ ・アルゴリズム誤差 ・色補正 系統誤差(時間変動) ・熱変動による光学系歪み ・永年変動 解析アルゴリズム 比較的容易に求められる数ピクセル四方(例えば5×5 ピクセル)のフォトン重心から星像中心を求める方法 実験装置 ⇒ 重心法 人工光源、光学系、検出器からなる。検出器はインチ ワームに設置され光軸と垂直方向に移動可能 を用いて星像中心がどの程度で決定できるかの実験を おこなう。 注意)フォトン重心と中心は違う! 実証手順 実証実験には次の2つの手順を踏む。 1.10枚程度の画像から重心法の解析を行い1枚あたり誤差分散100分の1ピクセルレベ ルで位置決定をおこなう。 2.10万枚程度の多数データを用いて、枚数に応じて位置決定の誤差分散が低減する事 を確認する(1/√N則で誤差が落ちるかの実証をおこなう)。 実験装置概観 (系統誤差のすべてを取り除く事ができれば、残るランダム誤差は1/√N則でおちる。もし想定されていない系統誤 差が残っていたりすると、1/√N則では落ちなくなる。) 実験結果 1.1画像あたり誤差分散100分の1ピクセルレベルの達成 2.10万枚の多数画像がら枚数に応じて誤差が低減するかの実証 多数データ取得(今回は100000枚) ・10枚撮像を1組として、2星間の距離の平均と分散を求める。(10枚) ・以上の平均値10個を1組として平均と分散を求める。(10枚×10=100枚) ・上述平均値10個を1組とし、平均値と分散を求める。(100枚×10 =1000枚) ・上述平均値10個を1組とし、平均値と分散を求める。(1000枚×10 =10000枚) ・上述平均値10個を1組とし、平均値と分散を求める。(10000枚×10 =100000枚) ■は2つの星の重心距離 ◆は2つの星の見積もった距離(重心−中心補正を行なう) 数10枚のデータより重心法を用いて位置決めを行っている。100分の1 ピクセル程度以下で位置決めができている。右は青プロットの拡大図。 右図は多数の画像から位 置決めを行い、時間変動に よる系統誤差を取り除いた 後、枚数に応じた誤差分散 を求めたものである。枚数 に応じて誤差が1/√N則に 従い低減するのが見てと れる。
© Copyright 2024 ExpyDoc