医療事務の豆知識(60) 2015/11/30 ファーマライズホールディングス(株) 医事リーダー会 『 居宅療養管理指導・在宅患者訪問薬剤管理指導とは?』 居宅療養管理指導・在宅患者訪問薬剤管理指導の流れ 医師・他医療スタッフ・ケアマネジャーからの依頼・紹介 ↓ ↓ 医師の同意 患者の訪問承諾確認 ↓ 医師の診療情報提供書等の発行 医療・介護関係者からも情報を入手 (サービス担当者会議等で打ち合わせ) 介護認定を申請中の場合 入院中の場合、退院時カンファレンスに参加 は、結果が出る約 1 ヶ月 ↓ 間、居宅療養管理指導料 → 処方せん応需(備考欄に訪問の指示) の 保 険 請 求が で きな い 。 ↓ 介護保険の認定を受けているか確認 認定結果が でたら、申請 患者・介護者に事前連絡 日に遡って請求できる。 訪問サービスに関する簡単な説明(金額等も) 訪問日時の確認 薬剤の調剤・調製、薬歴等の作成 薬学的管理指導計画の策定 再度、保険(介護 or 医療)の詳細情報を確認 介護認定申請中 医療対象(認定なし) 介護認定 済 要支援(予防給付) 訪問薬剤管理指導 同一建物 介護予防居宅 居住者 居住者以外 療養管理指導 300 点 650 点 同一建物 ※原則薬局所在地と患者宅の 距離は 16km以内 要介護(介護給付) 居宅療養管理指導 同一建物居住者 同一建物居住者以外 352 単位 503 単位 ・介護予防、居宅療養管理指導サービス ・訪問薬剤管理指導 提供に係わる重要事項説明書 提供に係わる説明書 ・契約書 医 療 保 患者宅訪問 険 介 護 保 険 説明・同意・契約 薬学的管理指導 薬歴作成 「訪問薬剤管理指導報告書」の作成 必要があればほかの医 医師・ケアマネジャーへ報告 (報告書を提出) 療・介護スタッフに連絡 地域包括支援センター 居宅介護支援事業所 ◆外来と居宅療養管理指導(在宅管理指導)の違い 外来 居宅(在宅) 薬の入手 薬局に取りに行く 薬剤師が届けてくれる 薬剤情報 薬局カウンターで説明 自宅で説明 服薬管理 自己管理(もしくは家族) 薬剤師が管理 ◆居宅(在宅)訪問で得られるメリット ① 薬を届けることによる患者負担軽減 外来で高齢の患者が湿布や流動食のような重い薬を持って帰るのは容易ではないことが多い。 また認知症や障害のある患者を連れた家族は薬局に立ち寄ることが負担となっているケースが多く その負担を軽くすることができる。 ② 薬剤師が患者の生活全般に関する情報を得られる。また外来と比べ、情報が正確で豊富である 外来では、基本的に患者本人の話から得られる情報に限られるが、在宅では直接患者宅に伺い、 薬剤師が実際に服薬状況・生活環境を確認することで得られる情報が多く、より充実した服薬指導に 生かせたり、アドヒアランス※改善につなげることができる。 ※アドヒアランスとは 患者の服薬管理に関して使われる用語は、従来の「コンプライアンス」に代わって「アドヒアランス」が使われており、 アドヒアランスとは「患者が服薬意義を十分に理解したうえで治療に参加する患者主体の服薬管理」のことをいいます。 服薬に関して医師・薬剤師は服用目的・方法を患者に説明し、患者はその説明に納得した上で、服薬をするように なるため、 自己中断や薬の不規則服用が少なくなるといわれています。 ◆薬局(薬剤師)が在宅医療に参画する意義 ・薬局あるいは薬剤師が世の中の在宅医療ニーズに応えることにより、在宅医療全体の推進に 大きく寄与し、患者さんのQOL(生活の質)を向上させることができる。 ・患者の薬に関する安全を確保し、新しい薬剤師のあり方を世の中に示すことができる。 ・在宅医療チーム薬剤師が加わることにより、安心かつ安全な薬物治療を確保できる。 ⇒多職種が連携し、専門性を発揮することにより、さらによいサービスを提供できる。 ・在宅医をはじめ、他職種の負担を軽減することができる。 ※他職種に対し薬学的管理指導に基づいた患者さんの状況確認と保管状況、服薬状況、重複、併用薬、 飲み過ぎ、飲み忘れ、食習慣、副作用等の情報のフィードバックができる。 薬局(薬剤師)が在宅医療に参画するということは、世の中にとっても、薬剤師にとっても非常に大きな 意義があるといえます。 ※他職種とは 医師・歯科医師 訪問看護師 ホームヘルパー 介護支援専門員(ケアマネジャー) 作業療法士 理学療法士 ソーシャルワーカー 治療に必要な医療行為(手術・処置・処方・治療に係る相談への指示等) 医療処置、療養生活全体のサポート 身体介助、生活介助、介護相談 ケアプラン作成、療養生活に係わる相談援助 作業療法によるリハビリテーション(趣味、仕事、レクリエーション等) 理学療法によるリハビリテーション(歩行、起き上がり、移乗等) 福祉全般に関する相談、援助(社会保障制度全般の指導、申請手続) ※参考文献:薬局薬剤師における在宅業務マニュアル㈱薬事日報社、薬局がはじめる在宅医療ポケット ガイド㈱南江堂、鹿児島市医師会資料:コンプライアンスとアドヒアランス
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