前川 茂利 展 きょうわのくらし

共和町合併 60 周年・町制施行 45 年記念
前川 茂利 展
きょうわのくらし
春耕 シルバー・プリント 600×895mm かかし古里館蔵
■展覧会名 共和町合併 60 周年・町制施行 45 年記念 前川茂利展 きょうわのくらし
■会
期 2015 年 9 月 2 日(水)~10 月 12 日(月・祝)
■休 館 日 9月 21 日と 10 月 12 日を除く月曜日と、9 月 24 日。
■開館時間 午前9時~午後 5 時(入館は午後 4 時 30 分まで)
■入 館 料 一般 500(400)円、高校生 200(150)円、小中学生 100(80)円
※( )内は 10 名以上の団体料金 ※常設展の観覧料を含む
■会
場 西村計雄記念美術館 1 階 特別展示室
■主
催 共和町 西村計雄記念美術館
■お問い合わせ 西村計雄記念美術館 磯崎(学芸員)
〒048-2202 岩内郡共和町南幌似 143-2
URL http://www.musee-nishimura.jp/
TEL 0135-71-2525
e-mail
FAX0135-71-2527
[email protected]
■展覧会概要
「前川さんの写真の世界は、農民文学であり土の文学であると思う。その手法が強烈なリアリズ
ムで一貫しながら、その底には温かい血が通っている。
」
北海道のリアリズム写真運動を牽引した写真家・掛川源一郎は、前川の作品をこのように評し
ました。
前川茂利は、1930 年、共和町小沢で開拓農家の二代目として生まれ、郵便局の外務員として働
きながら、後志の風土と、地域に根差して生きる人々のいとなみを記録し続けた写真家です。12
歳のとき叔父からもらったカメラで写真を撮り始め、土門拳が唱導したリアリズム写真運動に傾
倒し、
69 歳で逝去するまで、
リアリズムに徹しながら詩情と抒情あふれる作品を多数遺しました。
2013 年 6 月、作品パネル 260 枚の他、プリント、フィルムなど数万点に及ぶ資料一式が、遺族
より共和町の郷土資料館「かかし古里館」に寄贈されました。後志の昭和時代の習俗や歴史が記
録された貴重な資料です。なかでも、共和町・小沢開拓地の入植から最後の一人が離農するまで
を記録したシリーズ「開拓地のくらし」は、長い歳月をかけて培われた、前川の生涯を代表する
仕事です。開拓地の現状を告発する鋭い視点と、厳しい風土の中でたくましく生きる人々への共
感に満ちた作品は力強く、心を揺さぶります。
このたび、共和町合併 60 周年・町制施行 45 年記念事業の一環として、ご寄贈いただいた作品
の中から、
「開拓地のくらし」のシリーズを中心に約 100 点のオリジナルプリントを展示します。
戦後開拓の歴史を物語る「珠玉の資料」ともいわれる作品群を通じて、先人のあゆみをふりかえ
ります。
なお、当館の他、共和町役場、生涯学習センターなどでも作品数点を展示する予定です。
■作家プロフィール
前川 茂利 MAEKAWA Shigetoshi(1930-1999)
1930 年、小沢村(現・共和町小沢)生まれ。1945 年、小沢郵便局に就職。1948 年頃から開拓地
の撮影を始める。
1960 年から、
のちに審査員を務める
「写真道展」
に出品を開始、
文部大臣賞
(1962)、
厚生大臣賞(1965)、運輸大臣賞・写真道展大賞(1966)を受賞。1964 年からカメラ雑誌「フォ
ト・アート」の月例フォトコンテストに投稿を始め、1965 年、年度賞を受賞し第6期招待作家と
なった。1969 年に開催した個展「開拓地のくらし」は、NHK 総合テレビで全国に紹介されるなど
反響を呼んだ。1976 年から写真公募展「視点」展に出品、1980 年奨励賞受賞。1982 年、写真集
『開拓地のくらし 1948-1976』を自費出版。同年、前川の作品をもとに NHK 札幌放送局が制作し
たドラマ「あさきゆめみし」放映。その後も 69 歳で逝去するまで、地域に根差した人びとのくら
しを記録し続けた。
【主な展覧会】[* は個展]
1969 *「開拓地のくらし」
(ニコン・サロン/東京)
1970 *「開拓地のくらし」
(丸井今井デパート/札幌)
1971 「全日本写真連盟 戦後 25 年ドキュメント」
(松屋デパート/東京)
1975 *「わたしの見たソビエト」
(ニコン・サロン/東京)
「日本現代写真史展」 (富士フォトサロン/東京)
1994 *「積丹路」
(ニコン・サロン/東京)
【写真集】
1982 『開拓地のくらし 1948-1976』 私家版
前川
茂利
撮影:前川ハツヱ
複写:渡辺洋一
【関連企画】いずれも入館料が必要です
■ 講話「写真を通じて語られること」
9 月 5 日(土)14:00~
講師:渡辺 洋一さん(写真家) 会場:研修室
地域の風土や歴史に根差した活動を展開している渡辺洋一さんに、前川作品の魅力や、写真によ
る表現行為について語っていただきます。
【渡辺 洋一 (わたなべ よういち)】
1966 年埼玉出身。学生~社会人時代は競技スキーを経験、26 歳で北海道に移住。ニセコでの日常から世界
の雪山まで撮影、発表を続けている。映像作品に『ruwe』シリーズ、写真集に「NISEKO
POWDER」(2006, 須
田製版)、「雪山を滑る人」(2009, 実業之日本社)、「BROAD LEAF SNOW TREE」(2012, マッチ&カンパニ
ー)などがある。「雪と太陽へ」(2008, クレアーレ青山東京)、2012 年「白い森」(2012, BEAMS B GALLERY)、
「HANAZONO FOREST」(2012,フォーシ-ズン丸の内東京)、「後方羊蹄山を滑る」(2014,小川原脩記念美術
館)など、東京や北海道での写真展も多数開催。現在、倶知安町在住。 http://yoichiwatanabe.jp/
■講話「戦後開拓ものがたり」 10 月 3 日(土)14:00~
講師:菊地 慶一さん(文筆家) 会場:研修室
北海道の戦後開拓に関する著作があり、共和町・小沢開拓地についても調査を行った菊地慶一さ
んは、前川茂利の写真に記録された開拓地の現実が、
「全道すべての開拓地の姿」であり「戦後開
拓の象徴」であるとして高く評価しています。前川の作品を糸口に、戦後 70 年のいま、北海道に
とって残さなければならない大切な歴史について語っていただきます。
【菊地 慶一(きくち けいいち)】
1932 年旭川市生まれ。13 歳で釧路空襲を体験する。オホーツク管内で教員を務めた後、網走空襲、北海道
空襲の調査発掘に努力する。流氷、戦後開拓、捕鯨など一貫して庶民史の発掘記録を行ってきた。2013 年よ
り札幌市在住。『白いオホーツク――流氷の海の記録』(1973, 創映出版)『街にクジラがいた風景―オホーツ
クの捕鯨文化と庶民の暮らし』(2004,寿郎社)、『もうひとつの知床-戦後開拓ものがたり』(北海道新聞
社,2005)、『あの子たちがいた七月――一九四五年北海道空襲』(2015,共同文化社)など著書多数。網走市
文化賞、網走新聞文化賞、林白言文学賞、北海道新聞文化賞などを受賞。
■ギャラリートーク 9 月 5 日(土)11:00~
9 月 26 日(土)14:00~
当館学芸員が展示のご案内をいたします。各 20 分程度。
■トライアート「日光写真に挑戦!」
9月 26 日(土)10:00~
前川が写真に関心を持つきっかけとなったという「日光写真」に挑
戦します。参加には申し込みが必要。材料費実費。
若草の上で子山羊と戯むる
シルバー・プリント
895×600mm かかし古里館蔵
◎常設展示室で開催中の展覧会
夏から秋の展覧会 「西村計雄の日本紀行」
開催中~10 月 12 日(月)
西村計雄は、1909(明治 42)年、小澤村(現共和町小沢)に生まれました。東京美術学校(現・
東京藝術大学)で藤島武二に師事し、卒業後は、文展(現・日展)や創元会展を中心に作品を発
表、1943 年には《童子》が文展特選となります。1951 年、単身渡仏し、以後パリを拠点にヨー
ロッパ各地で作品を発表。2000 年に逝去するまで、つねに変化するエネルギーを失うことなく、
多様な表現を生み出しました。本展では、北から南まで日本各地の風物を描いた油彩画を中心に、
西村計雄の多彩な画業を紹介します。
【期間中のイベント】
・ボランティアによるカフェ・サービス「カフェ・フルール」
9月5日(土)10:00-15:00
2 階休憩コーナーにボランティアによる 1 日限りのカフェがオープン。こだわりのドリップコ
ーヒーと手作りの焼き菓子をお楽しみください。
・公募展「しょうかいしたいな!わたしのだいすき」
9月 12 日(土)~10 月 12 日(月)
2 階回廊で、後志管内の小中学生を対象とした絵画公募展の入選作品を展示します。
・K・U・DAY
敬老の日
9月 21 日(月)
9 月 21 日(敬老の日)にご入館頂いた方へ西村計雄のポストカードをプレゼントします。
・・・・・・・・・・・・・・利用のご案内・・・・・・・・・・・・・・・
休館日/月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
※ 9 月1日は展示替えのため臨時休館いたします。
開館時間/午前9時~午後5時(入館は午後4時 30 分まで)
入館料/一般 500(400)円、高校生 200(150)円、小中学生 100(80)円
※ ( )内は 10 名以上の団体料金
交通/[JR]函館本線小沢駅下車、ハイヤーまたはバス約 10 分 [バス]共和町役場下車、徒歩約 15 分
[自家用車]札幌から約2時間
西村計雄記念美術館(にしむら けいゆう きねんびじゅつかん)
〒048-2202 岩内郡共和町南幌似 143-2
URL
TEL0135-71-2525 FAX0135-71-2525
http://www.musee-nishimura.jp/