牛群検定通信 ◇ No62 牛 評を活用しよ う! ◇ 遺 伝 的 改良は優 秀な種雄牛を 利用すること が基本ですが、 現在は和牛受 精 卵 に よ る 肉 用子牛の 生産なども酪 農家の大きな 収入源となって います。牛群 検 定 成 績 で あ る「牛評 」を活用する と後継牛生産 と肉用子牛の生 産を上手に使 い 分 け が で き ます。 1 牛 評 とは? 牛 群 検 定成績表 の個体累計成 績の中ほどの 項目に、僅か2 文字程度の小 さ な 表 示 で 「 牛評」が あります。牛 評とは文字通 り検定牛を評価 した値で、1 ~ 1 0 の 1 0 段階評価 で10が最良 となります。 丁度、学校でも らう通信簿の よ う な も の で 、レベル の高い牛群で も、逆にレベ ルの低い牛群で も、どちらも 1 ~ 1 0 で 評 価される ように工夫さ れています。 さて、この牛評 は「乳量」と 「 遺 伝 改 良 」 の2項目 からなります 。 ( 1 ) 牛 評「乳量 」 乳 量 の 牛評は「 305日補正 乳量 」を評価し ています 。305日補 正乳量は、 実 際 に 搾 っている 乳量を成牛換 算したもので す。ですので、 若い牛で沢山 搾 れ て い る 牛 ほど「乳 量」の牛評は 高評価となり ます。 ( 2 ) 牛 評「遺伝 評価」 効 率 良 く遺伝改 良を行う指数 に総合指数( NTP)があり ます。NTP の う ち 泌 乳 能 力に注目 したものが「 産乳成分」に なります。遺伝 的に泌乳能力 が 優 れ て い る ものほど 「遺伝評価」 の牛評は高評 価となります。 2 牛 評 の活用 ( 1 ) 後 継牛生産 と肉用子牛の 生産の使い分 け こ れ ら の使い分 けは、遺伝的 能力をもとに するのが最も良 い方法です。 例 え ば 牛 評 「 遺伝評価 」が6以上で あれば、遺伝 的に牛群の中で 平均以上とな る 優 秀 な 雌 牛 となりま すから、性選 別精液等を利 用するなど積極 的に後継牛生 産 に 利 用 す る と良いで しょう。 ま た 、 例えば牛 評「遺伝評価 」が4以下で あれば、遺伝的 には劣る雌牛 で す か ら 、 和 牛交雑種 や和牛受精卵 など肉用子牛 生産に用いると 良いでしょう 。 「 遺 伝 評価」と 「乳量」の2 つの牛評には 強い相関があり ますので、も し 、 無 登 録 牛 などで牛 評「遺伝評価 」が示されて いない場合は、 牛評「乳量」 を 使 っ て 前 述 のように 使い分けする と良いでしょ う。 ( 2 ) 遺 伝の力を 発揮させてい ますか? ま れ に 牛評「遺 伝評価」が8 ~10といっ た高能力牛であ るにも関わら ず 、 牛 評 「 乳 量」が1 ~3と極めて 低い牛がいる ことがあります 。これは育成 も 含 め て 、 疾 病などに より充分な遺 伝力を発揮さ せていないこと を意味します 。 こ う い っ た 牛が多い ときは、飼養 管理全般を見 直して周産期病 などの健康管 理 を 再 点 検 し てくださ い。 平成 27 年 07 月 家畜改良事業 団情報分析セ ンター
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