データ消去契約書契約条項(PDF)

データ消去契約書契約条項
第1条(目的)
1.本契約は、「データ消去作業報告書」によるデータ消去作業費用確定後に、甲乙間で契約
するものです。
2.本契約条項は、社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)の「パソコンの廃棄・譲
渡時のハードディスク上のデータ消去に関する留意事項」に規定されるように、甲が管理
するHDD等の記憶媒体内のデータ消去責任が甲にあることおよび甲が最低限度のデー
タ削除作業を実施することを前提として、乙に対してHDD等のデータ消去作業を委託し、
乙がこれを受託する条件を定めることを目的とします。
3.乙は、データ消去作業のみを受託するものとします。乙は、いかなる場合も廃棄物の収集
運搬・処分作業を受託しません。
第2条(定義)
本契約において、用語の定義は以下のとおりとします。
(1)「HDD等」とは、甲が管理しているパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」とい
います)、サーバのうち、甲または第三者のデータ、プログラム、その他何らかの記録
情報が格納されているハードディスクドライブおよびスマートデバイス内蔵のフラッ
シュメモリ(メモリカードは含まれません)をいいます。
(2)「データ」とは、甲または第三者のデータ、プログラム、その他の記録情報の総称をい
います。
(3)「データ消去作業」とは、①HDD等の再利用が可能な消去ソフトウェアもしくはデー
タ消去装置を使用したデータ消去方式(以下「上書消去方式」といいます)、②HDD
等の再利用が不可能な磁気消去方式(以下「消磁方式」といいます)、または③HDD
等の再利用が不可能な物理的破壊方式(以下「破砕方式」といいます)のいずれかの方
式を用いた作業をいいます。なお、スマートデバイス内蔵のフラッシュメモリ対するデ
ータ消去作業の場合、消去の方式は、①または③を用いた作業となります。
(4)
「機器」とは、データ消去作業の対象となる単体HDD等およびHDD等搭載機器のこ
とをいいます。HDD等未搭載機器やメディア・テープ等はデータ消去対象外のため、
機器に含まれません。機器は甲の所有物かリース会社等第三者の所有物かを問いません。
第3条(データ消去対象機器に関する制限)
甲は、乙が入庫処理を行った機器は、いかなる理由でもデータ消去作業未実施の状態で出
庫を行わないことを了承するものとします。
第4条(データ消去作業および消去方式に関する留意点)
1.甲は、特定の機器においてHDD等の取り外しが困難なものがあり、場合により筐体また
はHDD等を破損する可能性があることおよびその場合に乙を免責することを了承する
ものとします。ただし、乙の故意または重過失による破損はこの限りではありません。
2.乙は、乙の作業予定日時点において、各メーカーが公表している情報に基づいて、当該公
表情報の範囲内においてデータ消去作業を行うものとします。従って、甲は、以下の点に
留意するものとします。
(1)乙は、作業日以降各メーカーが公開情報を変更した場合には、甲の依頼により再度有償
により作業を受けることがあります。
(2)乙は、各メーカーが公表している情報自体に何らかの問題があった場合でもその責めを
負わないものとします。
(3)データ消去方法にいくつか選択肢がある場合には、甲の責任においてデータ消去方法を
選択するものとします。
3.甲は、何らかの理由により乙が特定のHDD等に関して上書消去方式を実施できない場合、
代わりに消磁方式または破砕方式を実施することおよびその結果HDD等を再利用でき
なくなることに対して乙を免責することを了承するものとします。ただし、スマートデバ
イス内蔵のフラッシュメモリ対するデータ消去作業にあたりスマートデバイスが起動で
きない場合は、スマートデバイス内蔵のフラッシュメモリを抜き出して破砕作業を実施す
ることおよびその結果として、スマートデバイス本体も再利用できなくなることに対して
乙を免責することを、予め了承することとします。
4.乙は、甲によりセキュリティ対策が講じられている機器(パスワード・ロックやハードデ
ィスク・ロック等)については、甲のセキュリティレベル維持のため、ロック解除キーの確
認を行わないものとします。甲は、甲によるセキュリティ対策により上書消去方式が不可
能の場合、乙が消磁方式または破砕方式による消去を行うことを了承するものとします。
5. 対象機器にハードディスクが未搭載であった場合でも調査・作業費用が発生することにつ
いて、甲は事前に了承するものとします。
第5条(分担作業の協力履行)
甲および乙は、データ消去作業が甲乙両者の共同作業を通じて初めて達成されるものであ
ることを認識し、相互に本契約もしくは別途定める役割分担に従い、それぞれの分担作業
を誠実に実施するとともに、相手方の分担作業の実施についても誠意をもって協力するも
のとします。
第6条(依頼主責任者およびデータ消去作業責任者)
甲および乙は、データ消去作業を円滑に推進するために甲の責任者および代行者と乙の責
任者および代行者をそれぞれ定めるものとします。
第7条 (データ消去作業場所)
本契約に基づくデータ消去作業は原則として乙の事業所において実施するものとします。
乙は、甲が乙の定める追加料金および制限条件に合意する場合に限り、甲の事業所もしく
は事前に甲乙が合意したこれ以外の場所においてデータ消去作業を実施することができ
るものとします。
第8条(見積金額変更の可能性、最終確定時期)
甲は、見積書および「データ消去依頼書」記載金額があくまでも見積時点の予定見積金額
であり、引取台数が増減すること、搭載HDD等の数が想定数より増減することや機器に
HDD等が搭載されていないこと等によって申込み台数と実際の作業台数が異なること、
引取場所が増加すること、受託業務が追加されること等により、金額が変動することがあ
ること、また、乙によるデータ消去作業が完了して初めて最終金額が確定することを了承
するものとします。
第9条(機器の送付および「データ消去作業報告書」の提出と検収)
1.乙は、データ消去作業終了後、当該データ消去作業済みのHDD等を搭載した機器および
当該作業の内容を取りまとめた「データ消去作業報告書」を各々甲または甲の指定する場
所に送付または提出することによって、作業の終了を甲に報告するものとします。
2.甲は、「データ消去作業報告書」の報告内容または記載金額について疑義がある場合には、
当該報告書を受領後3営業日以内に乙に対して異議のある旨を通知するものとします。乙
は、当該期日の経過をもって甲が当該報告内容および金額を了承したものとみなすことが
できるものとします。
第10条(危険負担)
機器に生じた滅失、破損その他一切の損害は、以下に定める各引渡時期に甲乙間で移転す
るものとします。
(1)甲から乙に対して機器を引き渡す場合
①乙が引取運送業者を手配した場合:甲から乙手配の運送業者に対して機器が引渡され、
受領証を交付した時期
②甲が運送業者を手配した場合:甲手配の運送業者から乙のデータ消去作業場所に対して
機器が引渡され、受領証を交付した時期
(2)乙から甲に対して機器を引き渡す場合
①乙が返却運送業者を手配した場合:乙の手配した運送業者から甲に対して機器が引渡さ
れ、受領証の交付を受けた時期
②甲が返却運送業者を手配した場合:乙から甲の手配した運送業者に機器が引渡され、受
領証の交付を受けた時期
第11条 (不可抗力による遅延、不能)
不可抗力その他甲および乙の責に帰することのできない事由により、本契約に基づく義務
の履行が遅延したときまたは不能となったときには、甲および乙は、その遅延または不能
につき責を免れるものとします。
第12条(甲の一般義務)
1.甲は、自らデータのバックアップ作業を行うものとします。乙は、甲がデータのバックア
ップを行わなかった結果について責任を負わないものとします。また、乙は、原則として
データの破損に対する復旧は行わないものとします。
2.甲は、機器送付の前に機器内のHDD等以外のCD、FD、メモリカード等の記憶メディ
アを抜き取るものとします。万が一これらの記録メディアが残されていた場合、乙は、そ
の紛失およびメディア内の情報漏洩等について一切の責任を負わないものとします。
3.甲は、機器の引渡前までに機器が損壊しないように留意しながら、自己の責任において施
錠可能な一定箇所に集荷管理しておき、速やかに乙に引渡できるようにするものとします。
4.甲は、機器を乙に宅配便等にて送付する際には、機器を破損しないように梱包をした上で
送付するものとします。
5.乙がデータ消去作業を甲の事務所等で実施する場合、甲は当該作業場所を無償で乙に貸与
し、乙がデータ消去作業を実施する上で必要となる甲保有の設備、電気、その他甲の管理
物を適宜乙に無償で貸与または使用させるものとします。
第13条(乙の一般義務)
1.乙は、データ消去作業を実施する上で甲の事業所に立ち入る場合には、安全管理、秩序維
持等に関する甲の諸規則を遵守するものとします。
2.乙は、データ消去作業に従事する乙の担当者について、労働法規その他関係法令に基づく
雇用主としての一切の義務を負い、また業務遂行に関する一切の指揮命令は乙が行うもの
とします。
第14条(再委託)
乙は、本契約に基づき受託したデータ消去作業の全部または一部を、乙の責任において第
三者に再委託できるものとします。この場合、乙は当該再委託先に対して、本契約と同等
の秘密保持義務を負わせるものとします。
第15条(代金の支払)
甲は乙に対し、本契約に定める方法に基づき、代金を支払うものとします。なお、振込み
にかかる手数料は甲の負担とします。
第16条(運送費)
1.甲が乙に運送業者の手配を依頼した場合は、乙が運送費を見積り、データ消去作業費とと
もに請求するものとします。
2.甲が自ら運送業者を手配する場合は、甲が運送費を負担して乙に送付するものとします。
3.甲が運送費用を負担する事前合意にも関わらず、データ消去作業報告書送付後、乙が定め
る一定期間以内に消去作業終了機器の引取り手配をしない場合には、乙は、甲の費用で甲
に返送できるものとします。
4.乙は、いかなる場合であっても甲から着払いによる機器の受領を行わないものとします。
第17条(遅延損害金)
甲または乙が相手方に対する代金の支払いを怠ったときは、甲または乙は相手方に対し、
支払期日の翌日から完済の日まで、遅延した金額について、年利14.6%の割合による
遅延損害金を支払うものとします。
第18条 (秘密保持)
1.乙は、データ消去作業の過程で甲から開示を受けた情報のうち秘密の情報およびHDD等
内の全データにつき、また、甲はデータ消去作業を受ける過程で知り得た乙の情報のうち
秘密の情報につき、それぞれ秘密を保持し、相手方の事前の書面による同意なしには第三
者に開示しないものとします。ただし、次の各号のいずれかに該当する情報は秘密情報か
ら除外します。
(1)開示の時点で既に公知のもの、または開示後情報を受領した当事者の責によらずに公知
となった情報
(2)開示を行った時点で既に受領者が保有している情報
(3)受領者が第三者から秘密保持義務を負うことなく正当に入手した情報
(4)受領者が独自に開発した情報
2.甲および乙は、データ消去作業の過程でまたはその結果として知り得た相手方の業務上の
秘密を第三者に開示、漏洩しないものとします。前項但し書きの規定は、この場合に準用
するものとします。
3.本条の規定は、本契約の終了後も有効に存続するものとします。
第19条(契約解除)
1.甲および乙は、相手方が次の各号のいずれかに該当したときは、何らの通知、催告を要せ
ず、ただちに本契約の全部または一部を解除できるものとします。
(1)本契約に基づく債務であるか否かにかかわらず、甲または乙に対する債務を履行せず、
相当の期間を定めて催告を受けたのにもかかわらず、なおその期間内に履行しないとき
(2)振出し、裏書きし、もしくは引き受けた手形または小切手について、不渡処分を受け、
手形交換所の取引停止処分を受けたとき
(3)差押え、仮差押え、仮処分もしくは競売の申立があったとき、または租税滞納処分を受
けたとき
(4)破産手続開始、民事再生手続開始、もしくは会社更生手続開始の申立があったとき、ま
たは清算手続きに入ったとき
(5)事業の全部または重要な一部を第三者に譲渡しようとしたとき
(6)資本の減少、事業の全部もしくは一部の休・廃止をなし、または会社が合併によらない
解散の決議をしたとき
(7)監督官庁より営業免許もしくは営業登録の取消しまたは営業停止の処分を受けたとき
(8)前各号の他、財産状態が悪化し、もしくはそのおそれがあると認められる相当の事由が
あるとき、または本契約の継続が著しく困難となる事由が生じたとき
2.甲および乙は、前項各号のいずれかに該当したときは、当然に期限の利益を失い、相手方
に対して負担する一切の金銭債務をただちに弁済するものとします。
第20条(反社会的勢力の排除)
1.甲および乙は、自らが暴力団を始めとする反社会的勢力ではなく、反社会的勢力に関与も
しくは利用せず、反社会的勢力と取引を行わないことを相手方に対して表明し、保証する
ものとします。
2.甲および乙は、相手方が前項に違反した場合は、相手方に催告をすることを要せずに、本
契約の全部または一部を解除できるものとします。
第21条(損害賠償)
甲および乙は、本契約に違反したことにより相手方に損害を与えた場合には、本契約の解
除の有無にかかわらず、損害発生の直接原因となった本契約に定める作業に対する代金相
当額を限度として賠償責任を負うものとします。ただし、当事者の責に帰すことのできな
い事由から生じた損害、当事者の予見の有無を問わず特別の事情から生じた損害、および
逸失利益については、賠償責任を負わないものとします。
第22条(管轄裁判所)
本契約に関連した訴訟については、訴額に応じて、東京地方裁判所または東京簡易裁判所
をもって第一審の専属的合意管轄裁判所とします。
第23条(誠実協議)
本契約の解釈に疑義の生じた事項または本契約に定めのない事項については、その都度甲
乙が誠実に協議して定めるものとします。
以 上
データ消去契約書契約条項
第8版
201507