色そろばんの使い方PDF27.3.15 (1)

1 はじめに
色そろばんは,計算ができない子,苦手な子を何とかしてあげたいという気持ちから作られたものです
が,普通に計算ができる子の理解も深めることができます。それは,計算を視覚的に,立体的にみること
ができるからです。つまり,どのような方にとっても,非常に有益な教材です。色そろばんで計算の仕組
みを学習すれば,
「あー,こういうことだったんだ」という発見があるでしょう。また,指を使っても間違
ってしまい計算がどうしてもできない方でも,色そろばんでじっくり学習することにより,
「あー,こうい
うことだったんだ。わかったー !! 」という感動があるでしょう。そして,苦手だった計算ができるように
なることでしよう。
2 色そろばんの仕組み
人はなぜ計算ができるのでしようか。これに関する明確な答
えはありません。しかし,計算の基本的能力の一つとして,即
時的認知能力というものがあります。即時的認知能力というの
は,人間が一目で量(数)を把握できる能力をいいます。一般
的には,成人の即時的認知能力は 5 までだそうです。5 個まで
は一つ一つ数えずに一気に把握できるのです。計算するときは
色々な能力を使っていますが,その中でも,即時的認知能力は
非常に重要であり,特に,計算の初歩を学習する場合は最も重
要であると考えます。色そろばんはこの即時的認知能力を呼び
起こすことを大きな目的としています。ですから,各軸の真ん
中に透明な可動目印がついているのです。これにより,6から10も即時的認知をすることができます。
色そろばんでは,赤,黄,青と三つの色の玉があります。赤は一の位,黄は十の位,青は百の位を意味
しています。普通のそろばんでは,右から左へ一つ一つくらいが上がりますが,色そろばんでは赤→黄→
青と色毎に位が上がります。つまり,赤玉の 2 本の列をひとまとまりとして一の位,黄玉の 2 本の列をひ
とまとまりとして十の位,青玉の 2 本の列をひとまとまりとして百の位となります。この点は通常のそろ
ばんと異なりますので注意してください。
3 色そろばんの使い方
①
②
③
④
色そろばんは縦に使い,答えは一番下に出す(我々は重力による物は自然に下に落ちるということを
無意識に感じており,この感覚に合致するため)。
数唱の前に「黄○つ,赤○つ」と色での数唱を行う(色という情報を付加して各位の独立性を意識さ
せるため)
即時認知能力を呼び起こすため,可動目印がどこにあるか意識させる
「たします」
,
「ひきます」という発語とともに計算させる。(自分がどんな操作を行っているか意識さ
せるため)
⑤
青 1 個と黄 10 個,黄 1 個と赤 10 個は「両替」で交換できる。
⑥
既に玉を下ろしている列の玉から,加える玉を下ろしていく(非常に重要)
色そろばんの使い方 1
①~⑥の解説です
①百玉そろばんなどは横に使う場合もありますが,答えは手前に出すのが自然なので,答えは色そろばんの
一番下にくるようにしてください。
(学習者の手前です)
②十進法の各位に対して色が付けてあります。すなわち,一の位は「赤」
,十の位は「黄」
,百の位は「青」
です。色そろばんでは,この「色」の機能を使って数唱をします。例えば,答えが123の場合「青イチ,
黄ニ,赤サン」と色で数唱をさせてください。そして,色での数唱をしたら「だから,ひゃくにじゅうさ
んです」と数ベースでの数唱をさせてください。これは,十進法の構造を保存したまま,色を使って十進
法を表現していることになります。すなわち,
「一」
,
「十」
,
「百」という未知の言葉を使わないで,すでに
知っている「色」を使って,ひとまず,十進法を表現させるのです。この考え方は,計算ができない児童
生徒にとっては非常に重要です。なぜなら,嫌いな数をすでに日常生活になじんでいる「色」で見ること
ができるからです。
「百」という概念が分からない・苦手な子にとっては「百(ひゃく)
」と表現するより
も「青イチ」と表現する方が何倍もなじみます。そして,
「色」を使って十進法の構造に慣れながら「百」
,
「十」の意味を理解していくのです。
③可動目印は透明になっています。色はついてません。軸がそのまま見えるようにしてあります。この可動
目印が色そろばんの珠と一緒に動く仕組みにより,人が本来持っている即時的認知能力を呼び起こすこと
ができます。従って,色そろばんを使うときは珠を一つ一つ数え上げてはいけません。それでは可動目印
を付けた意味がないからです。試しに赤玉7個を下ろしてください。可動目印があるから一つ一つ数えな
いで下ろせるのです。可動目印がなければ一つ一つ数え上げて下ろすしかありません。すごく単純なこと
なのですが,この透明な可動目印は色そろばんの命といってもいいでしょう。
なお,色そろばんを使う前に,学習者の即時的認知能力を把握するために,即時的認知で 1 から10ま
でを把握できるか確認してください。
まず,指導者から「赤玉 1 つ下ろしてください」という指示で学習者が玉を 1 つ下ろします。できたら,
下ろした赤玉を上に戻し,次に「赤玉を 2 つ下ろしてください」という指示を出してください。そして学
習者は赤玉 2 個を下ろします。これができたら,同様に3から10までやってみてください。もし,10
までの即時的認知ができない場合は,まずは,即時的認知で10まで把握できるように練習をしてくださ
い。これができるようになってから,たし算の学習に入ってください。この練習は,即時的認知ができる
数から次の数を認知するように訓練することがポイントです。つまり,3までしか即時的認知ができない
場合は,4を認知する訓練をし,4ができるようになったら,5から10を認知させるということです。
近年の研究によれば,赤ちゃんの即時的認知能力は3位までのようです。
④色そろばんでのたし算では,
たす数とたされる数を共に色そろばん上で認識してから計算します。
そして,
たす数は何か,たされる数は何かを理解した上で,
「たします」という発語と共にたす数をたされる数に加
えていきます(つまり,たす数を下に下げます)
。通常のそろばんでは,一般には,たされる数はそろばん
上で認識しますが,たす数自体はそろばん上では認識しません。一般的なそろばんでは各位に対して軸が
一つしか対応していないからできないのですが,色そろばんでは,一つの位に二つの軸が対応してます。
ですから,足す数もたすという行為の前に認識できます。この,たされる数とたす数の認識を「足し算の
準備」といいます。引き算では,引かれる数のみを色そろばん上で認識してから引く数分だけ珠を引いて
いきます(つまり,上に上げていきます)
。引く数そのものの認識は引くという行為とほとんど同じ意味な
色そろばんの使い方 2
ので,
「引き算の準備」は引かれる数のみを色そろばんで認識することをいいます。なお,認識の方法につ
いては,次の写真を用いた「具体的な計算の仕方」の説明を御覧ください。
⑤この両替の機能は「赤」
「黄」
「青」のそれぞれの色を十進法に結びつける重要な機能です。
「赤」は一の位,
「黄」は十の位,
「青」百の位なので,赤10個=黄1個,黄10個=青1個が成り立ちます。この等式は
両替という行為で色そろばん上で実現されます。すなわち,赤珠が10個になったら,黄珠1個と両替し
ます。この両替は,すでに下りている赤玉を10個上に上げ,まだ下りていない黄玉を1個下に下ろすこ
とです(繰り上がりを意味します)
。また,黄玉1個は赤玉10個とも等しいので,逆に,すでに下りてい
る黄玉1個を上に上げ,まだ下りていない赤玉10個を下に下げる両替もあるわけです(繰り下がりを意
味します)
。十進法の答えとして,一つの色について珠が下に10個降りている状態はあり得ないので,一
つの色について珠が,10個下りたら必ず,両替をしてください。この両替は,繰り上がりを意味する両
替です。繰り上がり,繰り下がりを学習者が自分で体験できるので,理解が非常に深まります。
⑥6+2を計算する場合を考えます。最初に行うのは「足し算の準備」です。すなわち,被加数である赤玉
6個をまず下に下ろし,そして,加える数である赤玉2個を真ん中くらいまで下ろします(
「具体的な計算
の仕方」を御覧ください)
。そのとき,たす数は必ず,すでに下に下ろされている珠(たされる数)の列か
ら下ろしてください。また,たす数が(10-たされる数)
,より大きい数の場合は(例えば5に 6 をたす
場合,3に 9 を足す場合,7に4をたす場合などが該当します。
)
,その列の残りの珠を下ろしてもたす数
には不足します。その不足分は同じ色の隣の列から下ろしてください。
詳しくは,以下の「具体的な計算の仕方」の(2)解説を御覧ください。
4 具体的な計算の仕方
(1)4+2(赤玉 4 つに赤玉 2 つを加える)を計算する場合
①被加数(たされる数) ②次に,加える数である2 ③「たします」という ④赤玉が6個となり,
「赤ロ
である4を下ろす
をソロバンの真ん中まで移 発語とともに赤玉2個 ク,だから6です」と発語さ
動させる。
(上記,色そろば を下に下ろす。
「たしま せる。
(色そろばんの使い方
んの使い方⑥を適用し,す す」という発語は,4 ②)可動目印により6も数え
でに赤玉が下りている右の に2を足すと言うこと 上げず一気に把握できる。
列から赤玉を下ろしてい を意識させるために必
く)。これで「足し算の準備」 要である。(色そろばん
が完了。
の使い方④)
色そろばんの使い方 3
(2)3+8(赤玉 3 つに赤玉8を加える)を計算する場合
①被加数である3を下ろす
②次に,加える数である8をソロバン ③「たします」という発語ととも
の真ん中まで移動させる。ただし,一 に赤玉 8 個を下に下ろす。
番右の列には7つの赤玉しかないの 「たします」という発語は,3に 8
で,隣の列からも赤 1 つを下ろす。(上 を足すと言うことを意識させるた
記,色そろば
めに必要で
んの使い方⑥
ある。(色そ
を適用し,被
ろばんの使
加数が既に右
い方④)
の列にあるの
で,右の列か
ら赤玉を下ろ
していく)。
④次に,赤玉 10 個は黄玉 1 個と ⑤両替とは,赤玉 10 個を上に上げ,黄 ⑥黄玉 1 個,赤 1 個となり,
「黄イ
等しいので,赤玉 10 個と,黄玉 玉 1 個を下に下げる操作である。繰り チ,赤イチ,だからジュウイチで
1 個を
上がりを意
す」と発
両替す
識させるた
語し答え
る(色
め「両替しま
を言わせ
そろば
す」と発語と
る。(色そ
んの使
ともに,玉の
ろばんの
い 方
上げ下げを
使 い 方
⑤)
行う
②)
(3)45+66(黄玉 4 個,赤玉5個に,黄玉6個,赤玉6個を加える)を計算する場合
①被加数である黄玉4個,赤玉 ②次に,加える数である黄玉6個,赤 ③「たします」という発語ととも
5個(45)を下ろす
玉6個をソロバンの真ん中まで移動さ に黄玉6個,赤玉6個を下に下ろ
せる。ただし,赤玉については,一番 す。
右の列には5つの赤玉しかないので, 「たします」という発語は,45
隣の列からも赤 1 つを下ろす。(上記, に66を足すと言うことを意識さ
色そろばんの使い方⑥を適用し,被加 せるために必要である。(色そろば
数が既に右の
んの使い方
列にあるの
④)
で,右の列か
ら赤玉を下ろ
していく)。
色そろばんの使い方 4
④次に,赤玉 10 個は黄玉 1 個と ⑤両替とは,赤玉 10 個を上に上げ,黄 ⑥次に,黄玉 10 個は青玉 1 個と等
等しいので,赤玉 10 個と,黄玉 玉 1 個を下に下げる操作である。繰り しいので,黄玉 10 個と,青玉 1 個
1 個を両
上がりを意
を両替す
替する
識させるた
る( 色そ
(色そろ
め「両替しま
ろばんの
ばんの
す」と発語と
使い方
使い方
ともに,玉の
⑤)
⑤)
上げ下げを
行う
⑦両替は,
黄玉10 個を上に上げ, ⑧青玉1個,黄玉 1 個,赤 1 個となり, 補足
青玉 1 個を下に下げる。
「両替し 「青イチ黄イチ,赤イチ,だからヒャ 両替は,赤→黄を先に行っても,
ます」と発語とともに,玉の上 クジュウイチです」と発語し答えを言 黄→青を先に行っても同じことに
げ下げ
わせる。(色そ
気付かせることも有効である。ま
を
ろばんの使
た,暗算の確認として色そろばん
い方②)
を用いる場合,黄→青の両替を先
行
う。
に行わせて,十の位の計算を完了
させてから,一の位の計算をさせ
ると効果的である。
この方法は,次に説明する方法で
ある。
(4)45+66 を 40+60と5+6に分解して行う場合の操作方法
(先に,黄玉 4 個に黄玉 6 個を加える操作を行い,一旦完結させる。次に,赤玉5個に赤玉6個を加える操作
を行う)
①被加数である黄玉4個(40) ②次に,加える数である黄玉6個をソロ ③「たします」という発語ととも
を下ろす。
バンの真ん中まで移動させる。この段階 に黄玉6個を下に下ろす。
では,赤玉は関係
( 色そろ
ないので,黄玉だ
ばんの使
けの計算に集中さ
い方④)
せる。(40+6
0)
色そろばんの使い方 5
④次に黄玉 10 個と,青玉 1 個を ⑤ここで,黄玉 4 個に黄玉 6 個を加える ⑥次に,赤玉を加える操作に入る。
両替する(色そろばんの使い方 操作が終了する。現段階の答えは青玉 1 一の位の被加数である赤玉5個を
⑤)
つである。
下ろす。
(40+60の計
算である)
⑦次に加える数である赤玉6個 ⑧「たします」という発語とともに赤玉 ⑨次に,赤玉 10 個は黄玉 1 個と等
を真ん中まで下ろす。ただし, 6個を下に下ろす。
しいので,赤玉 10 個と,青玉 1 個
赤玉については,一番右の列に 「たします」という発語は,5に6を足 を両替する(色そろばんの使い方
は5つの赤玉しかないので,隣 すと言うことを意識させるために必要で ⑤)
の列からも赤 1 つを下ろす。(上 ある。(色そろばんの使い方④)
記,色そろばんの使い方⑥を適
用し,被加数が既に右の列にあ
るので,
右の列
から赤
玉を下
ろす)。
⑩両替は,
赤玉10 個を上に上げ, ⑪青玉1個,黄玉 1 個,赤 1 個となり,
「青 補足
黄玉 1 個を下に下げる。
「両替し イチ黄イチ,赤イチ,だからヒャクジュ 暗算を行う場合は,頭の中では筆
ます」と発語とともに,玉の上 ウイチです」と発語し答えを言わせる。(色 算(一の位からの計算)は行わず,
げ下げを行う。
そろばんの使い方②)
この問題のように大きな位のかず
(この場合は十の位)から計算す
る方が計算しやすいです。
つまり,この解き方は,暗算の思
考をそのまま色そろばんで具体化
したものであり,暗算の練習にな
るのです。計算になれてきて,暗
算ができるようになり,2桁,3
桁の暗算に挑戦する場合は,是非,
この大きな位から計算する方法
で,暗算の学習に役立ててくださ
い。
色そろばんの使い方 6
(5)6-2(赤玉 6 個から赤玉 2 つを取る)を計算する場合
①引かれる数での6を下ろす ②次に,
「引きます」という発語で赤玉2 ③赤玉が4個となり「赤ヨンだか
(
「引き算の準備」はこれで終わ つを上に上げる
ら4です」と発語させる。
り。
)
(6)11-3(黄玉 1 個赤玉 1 個から赤玉 1 個をとる)を計算する場合
①被加数である黄玉1個,赤玉 ②次に,赤玉3つを上に上げたいが, ③赤玉が 10 個と 1 個になり,繰り
1個(11)を下ろす
赤玉は 1 つしかないので,赤玉 3 つを 下がりが終了した状態になる。筆
上に上げることができない。そこで, 算の繰り下が
黄玉 1 個を上に上げ赤玉10個を下ろ りに対応して
す両替をする(色そろばんの使い方 いる。
⑤)
。これは繰り下がりである。
④ここから赤玉を 3 つ上に上 ⑤赤玉が 7 個と 1 個残り,
「赤ハチ,だ 注意(⑤について)
げる。
から8です」と発語させる。
答えである8をスムースに出すた
めには,足し算の段階において,
7+1=8の計算を反射的に答え
られるようになっていることが必
要です。
なお,反射的とは,7+1=8
を暗算で答えることができること
です。
色そろばんの使い方 7
(7)100-1を計算する場合(青玉 1 つから赤玉 1 つをとる)
①百のくらいの珠である青玉1つを ②青珠1つと黄玉10個を両替するために,繰り下がりを意識させる
下げる
ため「両替します」と発語とともに青玉1個を上に上げ,黄玉を10
個下げる。(この操作
は,下記筆算におけ
ると緑の部分と対応
する。)
筆算の思考を具体化
している。
③両替直後の状態であり,黄玉が10 ④黄玉1つと赤玉10個を両替するために,
「両替します」と発語と
個ある。
とも黄玉1個を上に上げ,赤玉10個を下げ
る。(この操作
は,下記筆算に
おける赤の部
分と対応する)。
筆算の思考を
具体化してい
る。
⑤両替直後の状態である。黄玉が9 ⑥すべての両替が終了し,赤玉を ⑦「黄キュウ,赤キュウ,だから
個,赤玉が10個ある
1つとれる状態になったところ キュウジュウキュウです」と発語
で,
「ひきます」という発語で赤 させ,
答えを言う。
(色そろばんは,
玉1つ
筆算の
を上に
思考を
上げる
具体化
してい
る)
5指導上のポイント
① まずは,学習者が 1 から10まで即時的認知できるかどうか確認してください。 1 から10までの数
を即時的認知できるようになることがまず必要です。色そろばんの使い方 解説③をご覧ください。
② 次に,学習するのはたし算です。たし算に関しては,まずは,一の位の数どうしの加法で,答えも一の
位になる(繰り上がりなし)計算をやりましょう。これは,最も簡単な計算です。そして,この計算につい
色そろばんの使い方 8
ては,暗算(色そろばんなしという意味です。以下同じ)で,できるようにすることが必要です。暗算がで
きるようになったら,次の③に進みましょう。4具体的な計算の仕方(1)をご覧ください。
③ 次に学習するのは一の位どうしの繰り上がりのあるたし算です。4具体的な計算の仕方(2)をご覧
ください。ここも,たくさん練習して,暗算で答えを出せるようにしましょう
④ つぎに学習するのは,一の位どうしの引き算です。4具体的な計算の仕方(5)をご覧ください。暗
算で答えを出せるようにしましょう
⑤ 次に学習するのは,繰り下がりのない,十の位が1である二桁の数から一桁の数を引く計算です。この
計算は,単純に赤玉だけの引き算になります。暗算でできるようになるまで練習しましょう。
⑥ 次に学習するのは,繰り下がりのある,十の位が1である二桁の数から一桁の数を引く計算です。4具
体的な計算の仕方(6)をご覧ください。暗算で答えを出せるようにしましょう。暗算が難しいときは,
色そろばんで計算した後,同じ問題を暗算するのも効果的です。なお,この繰り下がりのある引き算を学習
しながら ⑤(繰り下がりのない引き算)の復習も行うと効果的です。
⑦ 次に学習するのは,二桁どうしのたし算です。4具体的な計算の仕方(3)をご覧ください。この学
習を行ったら,4具体的な計算の仕方(4)を学習させると理解が深まります。また,4具体的な計算の
仕方(4)を学習したら,暗算をしてみましょう。繰り上がりが二回出てくる計算もあるので,ここの学習
は十分に時間をとりましょう。なお,学習するときは,繰り上がりが1回だけの計算を十分に行ってから,
繰り上がりが2回ある計算に取り組みましょう。
⑧ 次に学習するのは,二桁どうしの引き算(繰り下がりありも含む)です。⑤を参考に計算しましょう。
赤玉(一の位)を計算した後,黄玉(十の位)の計算をしましょう。筆算を具体化していることに気付かせ
るのがポイントです。
⑨ ①~⑦までの学習(暗算でもできる)を十分にできるようになったら,二桁の計算を自由にできるよう
になったことになります。あとは,三桁を含んだ計算を指導者の計画に従って行うとよいでしょう。4具体
的な計算の仕方(7)の例示にあるとおり,繰り下がりが2回ある問題は,解いていて新たな発見がある
かもしれません。
なお,出題するときは,12+13= 13
や, 12+13= など,各位を色分けすると問題と
色そろばんがリンクしてより効果的な学習ができます。
大まかな,色そろばんの使い方を説明致しました。
Web では,動画で使い方・より発展的な学習方法を紹介しております。Google 等で「色そろばん」と検索
し http://irosoro.main.jp/ を御覧いただければと思います。
色そろばんの使い方 9