事業報告書 - 日本倉庫協会

平成 26 年度事業報告
自
至
平成 26 年 4 月 1 日
平成 27 年 3 月 31 日
一般社団法人
日本倉庫協会
目
次
Ⅰ 平成 26 年度事業の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
Ⅱ
会
動
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
Ⅲ
会 議 開 催 状 況
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
Ⅳ
委 員 会 活 動 等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
Ⅴ
建 議 及 び 陳 情
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
35
Ⅵ
刊 行 及 び 連 絡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
員
等
異
Ⅰ
平成 26 年度事業の概要
平成 26 年度のわが国経済は、昨年 4 月の消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動に
より低迷が続いた。年明け以降は持ち直しの動きも見られたが、そのペースは緩やかで、内
閣府の「月例経済報告」における景気の基調判断も、昨年 11 月から 5 か月連続で据え置かれ
た。
このような経済状況のもと、倉庫業においては、21 社営業倉庫統計で保管残高が前年と比
べて高水準で推移した一方で、入出庫量は全体的に前年より減少しており、依然として厳し
い状況であった。
こうした環境の中で、当協会は事業計画に基づき、委員会活動を中心に、会員事業者のニ
ーズに合った多岐に亘る事業活動を積極的に推進した。
(1)
東日本大震災が発生してから平成 26 年度末で 4 年余が経過し、集中復興期間が残り 1 年と
なったが、罹災地における復興への道のりは道半ばである。
こうした中、国交省が推進する「災害に強い物流システムの構築」の方針に従い、各地区に
おいて災害時の支援物資物流に関する協議会が開催されたが、地区協会がこれに積極的に参
画し、官民の協力協定の締結や災害訓練の実施等が促進された。日倉協も、事務局長会議等
を通じてこれらの対応を側面から支援した。
また、日倉協では平成 25 年度までに「BCP 作成のてびき」の作成及び「BCP 作成のための説
明会」の開催などを実施してきたが、平成 26 年度は説明会の内容を収めた DVD を作成して、
全会員事業者に配布するなど、引き続き災害対策の啓発に努めた。
(2)
平成 27 年度税制改正では、期限切れを迎えた、「倉庫用建物等の割増償却」及び「倉庫等
に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例」(いわゆる「倉庫税制」)は 2 年の延長、
「軽油引取税の課税免除の特例」は 3 年の延長、「長期所有資産の特定資産の買換え特例(9
号)」は 2 年 3 か月の延長が認められた。
租税特別措置については、政策税制の必要性や効果を検証し、基準に沿ってゼロベースで
見直すことが検討され、「倉庫税制」も単純延長が極めて困難な状況だったが、今回の要望で
は、従来からの災害支援物流に加え、現在の物流分野の最大な課題であるトラック運転手不
足や燃料費高騰問題に対応するため、施設の規模要件を倍増して、一層の効率的な物流の実
現に資する制度として要望した。このことが関係先の多くの方々から高く評価されたことに
より、「倉庫税制」の延長が認められた。
-1-
(3)
物効法(物流総合効率化法)の認定件数の増加に向け、業務部内に設置した「物効法認定取
得相談室」が会員事業者の認定取得に向けた取り組みをきめ細かく支援した。
なお、昨年 4 月から本年 3 月までの認定件数は、普通倉庫、冷蔵倉庫など全体で 36 件とな
り、前年度実績を上回った。
(4)
日倉協の中心的事業活動として地区協会と連携して実施している教育研修事業は、毎年既
存の研修内容を精査し、一部内容を変更するとともに、その充実に努めているが、平成 26 年
度は昨年と同じ 15 の個別研修プログラムを、地区協会の協力のもと、新たに開催した 2 地区
を含め、全国で 50 箇所開催し、多くの受講者が参加した。
主なものとしては、倉庫業務基礎研修(396 名受講)、倉庫管理主任者フォローアップ研修
(299 名受講)、倉庫法令実務専門研修(一日コース)(301 名受講)等があり、その内容は広
範囲にわたり、延べ 2,008 名が受講した。
また、既存の研修に加え、新たなプログラムとして「物流データ分析入門研修」を試行的に
開催し、受講生に好評であることから、来年度より正式プログラムに加える予定である。
その他、倉庫管理主任者講習会は、全国で 20 回開催され、3,396 名が受講した。
さらに、教育研修事業の開始から 10 年間の区切りとして、今後の新たな研修等のあり方に
ついて「新規研修への取組みワーキング会議」を設け、すぐに取組む事項として、出前講座の
実施やオンデマンド視聴研修等、新しい研修についての提言を取りまとめた。
今年で 8 回目の開催となる「中小倉庫業経営者セミナー」は、平成 27 年 2 月 16 日東京の経
団連会館にて 180 名の参加のもと開催した。元タカラ物流システム㈱代表取締役会長大谷將
夫氏の基調講演に続き「物流業界の人材不足問題」をテーマに経営者代表によるパネルディス
カッションが行われ、好評であった。
また海外研修として、平成 26 年 10 月 23 日~11 月 1 日までの 10 日間、ヨーロッパにおけ
る物流の現状調査をテーマに、ローマ、ミラノ、バルセロナ、パリに第 44 次海外倉庫業研修
視察団を派遣し(女性 2 名を含む総勢 21 名参加)、研修を行った。
(5)
安全環境については、地球温暖化対策として、低炭素社会実行計画(2020 年度におけるエ
ネルギー使用原単位を 1990 年度比 16%改善)の初年度となる 2013 年度の実績について、倉
庫業におけるエネルギー使用実態調査を実施した。その結果、15%の改善となったことが判
明した。
また、昨年に引き続き、本年度も環境省と国土交通省の連携による物流の低炭素化促進補
助事業などに関する相談、情報提供を行った。
安全衛生については、引き続き安全点検パトロールを実施するとともに、既存の安全衛生
教育ビデオライブラリーを充実させ、DVD 貸出しを行うことに加え、倉庫施設の自主点検用
-2-
DVD を作成し、全会員事業者に無償で配布する等、災害防止に努めた。
(6)
地区協会や会員事業者に向けてのサービス及び情報提供として、日倉協ホームページのト
ップ画面の一部リニューアルを実施し、新着情報コーナーを設けるなど、ユーザー利用の利
便性を図った。
そのほか、引き続き、会員事業者から好評の「会員証票」を作成し、全会員事業者及び各地
区倉庫協会に配布するとともに、各地区倉庫協会主催の倉庫見学会への支援やメールマガジ
ンの配信(13 回)などを行った。
(7)
現在の中小企業支援制度の活用実態等について検証を行うとともに、今後の中小事業者へ
の支援制度のあり方について来年度に本格的に検討を行うこととし、このためのアンケート
の実施内容を決定した。
(8)
情報セキュリティに関する近年の環境変化に対応するため、平成 19 年に作成した情報セキ
ュリティガイドライン等を改訂し、新たに『情報セキュリティマネジメントガイドライン』
及び『情報セキュリティ基準』、『情報セキュリティチェックリスト』を策定した。
(9)
「損害賠償責任かび保険(米穀用)制度」は、平成 27 年 3 月末の加入者数 224 事業者、対
象となる米穀の保険トン数は約 96 万トンで、事業者数は前年比 1 事業者の減、保険トン数は
約 1 万 6 千トン増加した。
「倉庫業総合賠償責任保険制度」は、引き続き募集パンフレットの早期配布、倉庫時報やホ
ームページでの案内掲載など、積極的に募集を行った。平成 27 年 3 月末の加入者数は 52 事
業者、保険料は約 32 百万円となり、前年に比べ増加した。
(10)
第 11 回物流フォーラムを、平成 26 年 11 月名古屋観光ホテルにおいて「倉庫業を変革する」
をメインテーマとして開催した。全体会では、各地区からの状況報告の後、伊藤元重氏の
「日本経済の変化と流通」と題した基調講演を行い、その後 363 名の参加者が 4 分科会に分か
れ、各テーマについて活発な意見交換、討議を行った。
(11)
国際倉連 2014 年年次大会は、5 月 18 日から 21 日までシカゴで開催され、11 か国 63 名(日
本から 23 名)が参加し、各国の代表者や現地物流事業者との交流を深めた。
(12)
このほか、委員会活動を中心に、倉庫業界が直面する諸問題に取り組んだ。
-3-
Ⅱ
会
員
等
異
動
1. 会員及び会員事業者異動
(平成 26 年 4 月 1 日現在)
会
(入
会)
(退
会)
(平成 27 年 3 月 31 日現在)
員
53
0
0
53
会員事業者
3,323
68
68
3,323
(前年比±0)
会員会社
2,490
51
50
2,491
(前年比+1)
2. 役 員 異 動
(平成 26 年 4 月 1 日現在)
会
(退
任)
(新
任)
(平成 27 年 3 月 31 日現在)
長
1
1
1
1
副
会
長
7
4
5
8
理
事
長
1
0
0
1
専務理事
-
-
-
-
常務理事
1
1
1
1
常任理事
44
12
11
43
理
事
41
12
12
41
監
事
4
1
1
4
役員合計
99
31
31
99
3. 評議員異動
(平成 26 年 4 月 1 日現在)
評
議
員
238
(退
任)
52
(新
任)
52
(平成 27 年 3 月 31 日現在)
238
4. 名誉会員・顧問異動
(平成 26 年 4 月 1 日現在)
名誉会員
顧
問
(退
任)
(新
任)
(平成 27 年 3 月 31 日現在)
25
1
3
27
1
0
0
1
-4-
Ⅲ
1. 総
会
会 議 開 催 状 況
1 回(平成 26 年 6 月 12 日)
第 47 回通常総会を、平成 26 年 6 月 12 日、会員 53 協会(3,334 事業者)(委任状含む)の
出席を得て、東京・パレスホテルで開催した。
岡本会長挨拶、加藤大臣官房物流審議官祝辞の後、会長が議長となり、議事を進めた。
上程された次の第 1 号から第 3 号までの議案は、いずれも満場一致で可決承認された。
第 1 号議案
平成 26 年 3 月 31 日現在貸借対照表及び
平成 25 年度正味財産増減計算書承認の件
第 2 号議案
平成 26 年度会費要領承認の件
第 3 号議案
役員及び評議員選任の件
2. 正副会長会議
8 回(平成 26 年 5 月 28 日、6 月 12 日、7 月 18 日、9 月 2 日、10 月 16 日
12 月 3 日、平成 27 年 1 月 8 日、3 月 13 日)
4 月、8 月、11 月、及び 2 月を除く各月に都合 8 回定例開催し、日倉協の会務運営上特に
重要な事項について審議した。
3. 理
事
会
5 回(平成 26 年 5 月 28 日、6 月 12 日
2 回、10 月 16 日、平成 27 年 3
月 13 日)
第 203 回から第 207 回まで都合 5 回開催し、通常総会付議事項、正副会長、常勤役員及び
常任理事の選任、名誉会員称号贈呈、評議員の交代等事業運営上重要な事項について審議し、
議決した。
なお、第 47 回通常総会終了後開催した理事会で選任された平成 26・27 年度正副会長、常
勤役員は次のとおり。(敬称略)
会
長
安
部
副会長
藤
岡
〃
松
井
〃
渡
〃
笠
正
一
(㈱住友倉庫
社長)
圭
(三井倉庫㈱
社長)
明
生
(三菱倉庫㈱
社長)
(新任)
邉
健
二
(日本通運㈱
社長)
(新任)
原
伸
次
(澁澤倉庫㈱
会長)
〃
小此木
歌
藏
(㈱小此木
社長)
〃
白
石
好
孝
(東陽倉庫㈱
会長)
〃
柴
山
恒
晴
(㈱杉村倉庫
社長)
(新任)
〃
本
多
博
司
(㈱神和
社長)
(新任)
理事長
谷
山
將
((一社)日本倉庫協会)
常務理事
小笠原
審
((一社)日本倉庫協会)(新任)
-5-
※10 月 16 日に開催した第 206 回理事会にて副会長が本多博司氏(㈱神和社長)から森
本啓久氏(森本倉庫㈱社長)に交代した。
4. 常 任 理 事 会
4 回(平成 26 年 5 月 28 日、7 月 18 日、12 月 3 日、平成 27 年 1 月 8 日)
第 340 回から第 343 回まで都合 4 回開催し、理事会付議事項について審議するとともに、
委員会の活動状況について報告、検討した。
5. 委 員 会
25 回
日倉協の事業活動の中心となる 12 委員会を都合 25 回開催し、事業計画に従い、各委員会
の所掌事項について、各委員会の活動方針に基づき委員会活動を積極的に展開した。
6. 物流フォーラム
平成 26 年 7 月 10 日に第 1 回物流フォーラム実行委員会を開催し、本年度の物流フォーラ
ムの運営方針について検討を行った。平成 26 年 11 月 14 日に第 11 回物流フォーラムを名古
屋観光ホテルで「倉庫業を変革する」をメインテーマに掲げ、全国から 363 名の会員事業者
の参加を得て、全体会、分科会、懇談会の 3 部構成で開催した。同日、物流フォーラム開催
に先立ち、第 2 回実行委員会を開催し最終確認を行った。
7. 評議員会(理事・監事合同) 2 回(平成 26 年 10 月 16 日、平成 27 年 3 月 13 日)
第 94 回をウェスティンホテル仙台で、第 95 回を東京・経団連会館で開催し、会長の諮問
により委員会活動状況、業界を巡る課題について審議した。10 月には、会議終了後、中央
大学法科大学院教授の野村修也氏より「規制改革を活かす経営」と題する講演会が開催され、
開催地の一般会員事業者からも聴講者を募集し、好評を博した。
8. 地区協会長会議
1 回(平成 27 年 3 月 13 日)
平成 27 年 3 月に東京の経団連会館で開催し、各地区協会及び地区連合会の活動状況、日倉
協の事業活動に関する要望事項等について各地区会長と意見交換した。
9. 事務局長会議
2 回(平成 26 年 7 月 3 日、11 月 7 日)
平成 26 年 7 月に広島市のリーガロイヤルホテル広島で、平成 26 年 11 月に東京の経団連
会館で、都合 2 回の定例会議を開催した。
会議では、日倉協からの事業報告に加え、「災害発生時等の緊急支援物資の保管及び荷役
等に関する地区協会間の協力」をテーマとした意見交換を行った。7 月には、神奈川協会よ
り自らの協定に基づく問題提起に続き、代表 5 協会から各地区の状況の発表をもとに、11 月
には、事前に災害協定締結済みの 29 協会に対して協定にどのような項目を盛り込んでいるか
を調査した結果をもとに、それぞれ意見交換を行った。
10. 幹事会(事務局合同)
46 回
毎週水曜日の定例会議を中心に都合 46 回開催し、日倉協が直面する重要課題について討
議を重ね、問題解決のために積極的に対処した。
-6-
Ⅳ
1. 総務委員会(委員長:藤岡圭
委 員 会 活 動 等
三井倉庫㈱社長)
〔所掌事項:総務、人事、予算等会務運営に関する事項、国際交流に関する事項〕
(1) 理事会及び常任理事会への提出議案について審議した。
(2) 国際倉庫協会連盟 2014 年年次大会は平成 26 年 5 月 18 日から 21 日の日程でシカゴで開催
され、11 か国 63 名が参加した。日本からは岡本会長はじめ 23 名が参加した。
大会は、開会式、論文発表、常任委員会、晩餐会などが行われた。論分発表では、まず基調
講演が行われ、ブリティシュ・コロンビア大学のビジネススクール教授より、近年の国際輸送網を取り巻くトレ
ンドに関する発表として、中国国内における労働賃金の上昇や元高、燃料費の高騰等により、
アメリカの製造業が中国への進出を見直しつつあり、製造拠点を米国内や近隣のカナダやメキ
シコに戻す傾向との内容であった。その他、アメリカの物流業者や商工会議所等様々な企業や
団体から発表があった。
また、常任理事会では、大会の事務局をこれまでのイギリス協会のボランティアから、本大
会の運営を司る専業の事務局の設置が決まり、11 月にロンドンで中間会議を行うこととした。
(なお、同会議は 11 月 12 日にロンドンで開催され、小笠原常務理事が参加した。内容は、専
任事務局の費用を賄うための賦課金の徴収、会費未納国への対応、会員の増強などについて
意見交換を行った。)
次回の開催地はイギリスのリバプールで、平成 27 年 6 月 1 日から 4 日までの日程で開催さ
れることとなった。また、平成 28 年はアジアでの開催が予定されている。
2.広報委員会(委員長:小泉駿一
第一倉庫㈱会長)
〔所掌事項:広報活動に関する事項〕
(1) 平成 26 年 9 月 22 日に委員会を開催した。
委員会に先立ち、㈱エイレックス
取締役副社長/チーフ・トレーナーの平野日出木氏より
「緊急時の広報対応を学ぶ~レピュテーション・リスクに備えるために~」と題して講演を
いただいた。広報活動とは、前向きな物ばかりではなく、不祥事や事件・事故が発生した場
合に、いかに早く事態を収束させるかも含まれ、これを危機管理広報と呼ぶ。近年では、企
業のコンプライアンスが重要視され、社員個人が起こした不祥事などであっても、企業が謝
罪するケースが増えている。不祥事等の対応には 3 つのポイントがあり、1 つ目に「スピー
-7-
ド」、2 つ目に「積極姿勢」、3 つ目に「スタンス」を挙げられた。不祥事等の発生は決して望
まれるものではないが、今回の講演は万が一の場合の心構えを考える上で、大変参考となっ
た。
講演後、議事に入り、まず活動報告を行った。
①倉庫見学会等参加者向け記念グッズ配布状況と地区協会主催倉庫見学会について
当委員会では、各地区協会が一般市民などを対象に開催している倉庫見学会を広報活動
の一環として捉え、開催経費を一部負担して支援を行っている。今年度は 7 月に福岡県倉
庫協会の開催イベントの際、記念グッズの配布と資金支援を行った。
②海フェスタ京都での PR について
「海フェスタ」は毎年、主要な港湾を持つ地方自治体が持ち回りで開催している海をテ
ーマにしたイベントであるが、今年は京都府舞鶴市等が主催者となって「海フェスタ京都」
が 7 月 19 日から 8 月 3 日までの 16 日間開催された。こちらに出展している日本海事広報
協会のブースを借り、日倉協のパンフレットや記念グッズの配布などを通じ、倉庫業の PR
を行った。
③メールマガジン発信状況について
平成 26 年度上期は 5 回の発信となった。今後も適時・適切な情報発信に努めたい。
④会長記者会見について
物流専門紙を中心に 13 名の記者の出席を得て、平成 26 年 6 月 12 日の通常総会終了後に
会長記者会見を開催した。安部会長の挨拶に引き続き、記者からの質問を受け、安部会長
から回答が行われた。
次に、審議事項についてお諮りした。
⑤ホームページトップ画面の一部見直しについて
日倉協のホームページついて、一部コンテンツの重複が見られ、整理するとともに、新
たに新着情報コーナーを設けることとした。新着情報コーナーは情報源にダイレクトにア
クセスできるようになって利便性が向上するため、ホームページの利用が増えるものと期
待している。
(2) 平成 27 年 3 月 2 日に委員会を開催した。
まず活動報告を行った。
①ホームページトップ画面の一部リニューアルについて
従来より「ホームページ内の更新された情報が分かりにくい」といった声をいただいて
おり、それに対応する為、新たに新着情報コーナーを開設するなど、新機能の追加を行っ
た。ホームページ内に新たな情報や情報の更新を掲載した際、新着情報コーナーでお知ら
せすることにより、ホームページ閲覧者が情報にアクセスし易くなった。その他、重複さ
れて掲載されていた情報をまとめ、全体的に見易くした。
-8-
②倉庫見学会等参加者向け記念グッズ配布状況と地区協会主催倉庫見学会について
倉庫見学会参加者向け記念グッズの配布状況について、平成 25 年度下期に作成した「ボ
トル型非常用 5 点セット」を見学会等に配布した。大変好評を博しており、残個数は 86
個となった。
各地区倉庫協会主催の倉庫見学会については、前回の委員会でご紹介した福岡県倉庫協
会主催イベントの他、東海倉庫協会主催イベント、また新たに滋賀県倉庫協会主催イベン
トがあり、これに対して記念グッズの配布と資金支援を行った。
③メールマガジン発信状況について
平成 26 年度は計 13 回の発信となった。今後も有益な情報の迅速な提供に努めたい。
④会員証票について
日倉協の会員であることを証明する会員証票については、昨年度に引き続き作成・配布
した。会員事業者より大変好評であるため、来年度以降も色と年度を変えて継続して配布
を行っていく。
次に、審議事項についてお諮りした。
⑤倉庫見学会等参加者向け記念グッズの選定について
倉庫見学会等参加者向け記念グッズの作成について、事務局より提示された 3 つの案の
中から、多数決で選定した結果、「消せるボールペン」と「クリアファイル」を採用するこ
ととした。来年度の地区協会主催の倉庫見学会に配布が出来るよう、作成を進めていく。
⑥平成 27 年度の活動方針について
ホームページの充実やメールマガジンの配信、地区協会への広報活動支援など、従来の
取り組みを継続するほか、新たな倉庫見学会も十分にサポートするという事で、ご承認い
ただいた。
⑦記者説明会及び記者懇談会の開催について
委員会終了後、物流専門紙記者との説明会及び懇談会を開催した。説明会では、物流専
門紙 13 社、15 名の参加を得て、低炭素社会実行計画フォローアップの結果や、日倉協が
作成した「倉庫施設の自主点検」の DVD などを紹介した。説明会終了後に懇談会を開催し、
広報委員と物流専門紙記者との交流を図った。
3.教育研修委員会(委員長:渡邉健二
日本通運㈱社長)
〔所掌事項:教育、研修に関する事項〕
(1) 倉庫管理主任者講習会
日倉協では、倉庫業法の趣旨に鑑み自主監査体制を整備しているが、その一環として各連
合会や地区協会の協力の下、全国各地で「倉庫管理主任者講習会」を実施している。
-9-
この講習会の受講者は、倉庫業法施行規則第 9 条第 1 項に定める倉庫管理主任者の選任要
件を満たすことができる。
平成 26 年度は下表のとおり全国各地で 20 回にわたり開催され、合計 3,396 名が受講した。
うち、講師の派遣要請があった 11 回の講習に日倉協から講師を派遣した。
1.日倉協主催分
開催日
平成 26 年 6 月 27 日
7 月 25 日
7 月 31 日
8 月 29 日
那覇市
神戸市
札幌市
射水市
員
17 名
83 名
109 名
41 名
受講者数
会員外
24 名
76 名
37 名
34 名
東京都江東区
220 名
0名
220 名
大阪市
高松市
仙台市
福岡市
静岡市
長野市
153 名
40 名
119 名
100 名
85 名
27 名
146 名
29 名
72 名
93 名
42 名
25 名
299 名
69 名
191 名
193 名
127 名
52 名
東京都港区
127 名
120 名
247 名
63 名
49 名
112 名
さいたま市
118 名
78 名
196 名
岡山市
名古屋市
大阪市
福岡市
71 名
180 名
140 名
102 名
55 名
95 名
147 名
78 名
126 名
275 名
287 名
180 名
99 名
105 名
204 名
1,894 名
1,920 名
1,305 名
1,476 名
3,199 名
3,396 名
開催地
会
東京都品川区
平成 26 年 5 月 13 日 日倉協
2.連合会・地区協会主催分
開催日
員
26 名
受講者数
会員外
171 名
主催
主催
開催地
沖縄県
兵庫県
北海道
石川県・富山県
関東(除く埼玉、
9月5日
群馬、栃木)
9 月 9 日 近畿
9 月 17 日 四国
9 月 18 日 東北
10 月 7 日 九州
10 月 17 日 静岡県
10 月 23 日 長野県
関東(除く埼玉、
10 月 29 日
群馬、栃木)
10 月 31 日 中国
埼玉県、群馬県、
11 月 12 日
栃木県
平成 27 年 1 月 23 日 中国
2 月 13 日 東海
2 月 16 日 近畿
3 月 5 日 九州
関東(除く埼玉、
3 月 27 日
群馬、栃木)
小計
平成 26 年度受講者合計
広島市
東京都港区
会
合
計
197 名
合
計
41 名
159 名
146 名
75 名
(2) 倉庫・物流実務専門研修
日倉協では、倉庫業を取り巻く事業環境が変化する中で、時代のニーズに的確に対応でき
る倉庫・物流についての豊富な知識経験を備えた人材の育成に資するため、様々な倉庫・物
流の実務に関する専門的な研修を実施している。
①3PL 概論研修
3PL 事業に必要なロジスティクスと SCM に関する正しい理解、在庫とキャッシュ・フロー
の基礎知識、物流コスト管理の基礎などについて、ビデオ視聴や演習を交えて学ぶ。
- 10 -
開催実績は以下の通り。
開催日
協会/連合会
平成 26 年 5 月 14 日
7 月 25 日
開催地
受講者数
関東(除く埼玉、神奈川)
東京都江東区
40 名
富山県
射水市
12 名
平成 26 年度受講者合計
52 名
②3PL 人材育成実務研修(基礎編)
3PL 事業に必要な提案・データ分析力、コスト削減手法の基礎を、事例に基づく短時間実
習により身につける。開催実績は以下の通り。
開催日
協会/連合会
平成 26 年 6 月 20 日
開催地
受講者数
関東(除く埼玉、神奈川)
東京都江東区
38 名
6 月 25 日
東海
名古屋市
25 名
12 月 9 日
静岡県
静岡市
18 名
平成 27 年 2 月 19 日
兵庫県
神戸市
18 名
平成 26 年度受講者合計
99 名
③3PL 人材育成実務研修(応用編)
プレゼンテーションのためのデータの分析手法やコストシミュレーション方法、契約方法
など、3PL 提案営業について演習を主体に実践的に学ぶ。開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 7 月 10・11 日
協会/連合会
関東(除く埼玉、神奈川)
開催地
千葉県習志野市
受講者数
10 名
④物流 ABC 実務専門研修(入門編)
コスト管理手法の一つである物流 ABC を活用して、物流センターや倉庫内で行われている
作業コストの算定方法やデータ収集方法等の基礎について学ぶとともに、電卓を用いた算定
演習を実施し、倉庫事業者の導入モデル事例を参考に、荷主別採算の計算方法や採算改善の
ための分析手法を学ぶ。開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 9 月 10 日
9 月 29 日
11 月 21 日
協会/連合会
埼玉県
関東(除く埼玉、神奈川)
九州
平成 26 年度受講者合計
開催地
さいたま市
東京都江東区
福岡市
受講者数
31 名
46 名
13 名
90 名
⑤物流 ABC 実務専門研修(応用編)
物流 ABC 実務専門研修(入門編)受講者を対象に、グループ別でコストの算出、分析などの
事例研究を行い、発表、講師による評価を通じて、実務に応用できる能力を身につける。
開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 9 月 12 日
10 月 14 日
協会/連合会
東海
関東(除く埼玉、神奈川)
平成 26 年度受講者合計
- 11 -
開催地
名古屋市
東京都江東区
受講者数
16 名
13 名
29 名
⑥倉庫業務改善管理者研修
倉庫現場における管理・監督者としての役割と心構えや目標管理手法を学ぶとともに、現
場に存在する問題点は何かを的確に把握し、解決のためのスキル向上を図ることを目的とし
て、倉庫業務の改善のために必要な知識や技術を、2 日間にわたり、講義とケーススタディ
の演習及び発表(グループごと)により、習得する。開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 9 月 8・9 日
11 月 17・18 日
協会/連合会
静岡県
関東(除く埼玉、神奈川)
平成 26 年度受講者合計
開催地
静岡市
東京都江東区
受講者数
3名
20 名
23 名
⑦倉庫法令実務専門研修
倉庫寄託約款に関するトラブル事例と解決方法を中心に倉庫業務の実務を学ぶとともに、
寄託契約書や覚書についても学習する「半日コース」、同コースに債権保全対策に関するカ
リキュラム(講師:日本倉庫協会顧問弁護士)を追加した「一日コース」で倉庫法令に関する
実務を習得する。
(A)倉庫法令実務専門研修(半日コース)
開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 6 月 11 日
協会/連合会
近畿
9 月 12 日 福井県
11 月 27 日 富山県
平成 26 年度受講者合計
開催地
大阪市
福井市
射水市
受講者数
117 名
40 名
15 名
172 名
(B)倉庫法令実務専門研修(一日コース)
開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 7 月 16 日
8月5日
10 月 15 日
10 月 20 日
協会/連合会
東海
岡山県
北海道
東京
関東(除く東京、埼玉、神奈
平成 27 年 1 月 28 日
川)
2 月 17 日 九州
3 月 10 日 静岡県
平成 26 年度受講者合計
開催地
名古屋市
岡山市
札幌市
東京都江東区
受講者数
56 名
28 名
36 名
52 名
東京都江東区
27 名
福岡市
静岡市
62 名
40 名
301 名
⑧倉庫業務基礎研修
倉庫業の基本から、受託・入出庫・保管業務、料金の計算方法等、新入社員や倉庫業務初
任者が必要とする倉庫業務に関する基礎的な知識を習得する。開催実績は以下の通り。
- 12 -
開催日
平成 26 年 5 月 15 日
5 月 22 日
6 月 13 日
6 月 19 日
7月8日
7 月 11 日
7 月 15 日
8 月 22 日
9月9日
12 月 12 日
協会/連合会
兵庫県
東海①
関東(除く東京、埼玉、神奈
川)
東海②
静岡県
九州
岡山県
滋賀県
山口県
新潟県
平成 26 年度受講者合計
開催地
神戸市
名古屋市
東京都江東区
名古屋市
静岡市
福岡市
岡山市
守山市
山口市
新潟市
受講者数
72 名
41 名
48 名
47 名
38 名
67 名
33 名
20 名
14 名
16 名
396 名
⑨倉庫業務フォローアップ研修
倉庫業務基礎研修のステップアップ研修として、中堅の倉庫業務従事者を対象として倉庫
管理の業務知識、倉庫事故防止等のより高度な知識を習得する。開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 9 月 10 日
9 月 25 日
9 月 26 日
10 月 10 日
10 月 24 日
11 月 5 日
協会/連合会
九州
兵庫県
滋賀県
東海
広島県
関東(除く埼玉、神奈川)
平成 26 年度受講者合計
開催地
福岡市
神戸市
守山市
名古屋市
広島市
東京都江東区
受講者数
59 名
40 名
20 名
52 名
22 名
43 名
236 名
⑩倉庫管理主任者フォローアップ研修
事故防止の徹底による倉庫管理品質の向上を図り、「倉庫管理主任者」の実務管理能力の向
上を図ることを目的として、日常の倉庫管理のポイントについて学ぶ。
開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 9 月 5 日
10 月 21 日
10 月 24 日
10 月 28 日
10 月 30 日
11 月 5 日
11 月 11 日
11 月 13 日
11 月 21 日
平成 27 年 2 月 13 日
3月6日
協会/連合会
開催地
新潟県
新潟市
東北
仙台市
九州
福岡市
石川県
金沢市
関東(除く東京、埼玉、神奈川) 東京都江東区
四国
高松市
東京
東京都江東区
兵庫県
神戸市
東海
名古屋市
滋賀県
守山市
岡山県
岡山市
平成 26 年度受講者合計
- 13 -
受講者数
9名
52 名
36 名
15 名
22 名
8名
25 名
35 名
40 名
39 名
18 名
299 名
⑪物流データ分析入門研修(試行)
3PL 提案営業や物流 ABC コスト分析に最低限必要となる、グラフの種類や見方、データの
分析方法、データの整理・活用方法の基礎スキルを学ぶもので、本年度は試行的に開催した。
受講生アンケートを見ても非常に好評であることから、平成 27 年度は正式に研修メニューに
加える予定である。開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 10 月 10 日
協会/連合会
開催地
日倉協(関東地区)
受講者数
東京都江東区
41 名
(3) e ラーニング研修
インターネットを活用して各自のペースで学習を進めることができる e ラーニングを平成
21 年度より導入し、ロジスティクスの管理及びオペレーションの両分野について、それぞれ
初級コースと上級コースを設け、計 4 コースを開設している。また、受講終了者を対象に、e
ラーニングにより習得した知識のスキルアップを図るため東京と大阪でスクーリング(集合
研修)を開催している。
①「ロジスティクス管理(初級コース)」
物流の概念と物流管理の概要、在庫・システム・コスト管理の概要、物流情報システムの
概要等ロジスティクス管理全般の基本的な内容について学習する。開催実績は以下の通り。
開催期間
平成 26 年 6 月 1 日~8 月 31 日
10 月 1 日~12 月 31 日
平成 26 年度受講者合計
受講者数
42 名
26 名
68 名
②「ロジスティクス・オペレーション(初級コース)」
輸送包装・荷役・保管の概要、約款と物流保険の概要・関連法規等、ロジスティクスのオ
ペレーションに関する基本的な内容について学習する。開催実績は以下の通り。
開催期間
受講者数
平成 26 年 6 月 1 日~8 月 31 日
10 月 1 日~12 月 31 日
平成 26 年度受講者合計
55 名
68 名
123 名
③「ロジスティクス管理(上級コース)」
「ロジスティクス管理(初級コース)」を深掘りして学習するとともに、ロジスティクス統
制、国際物流に関する情報システムなどの新たな内容を追加している。
開催実績は以下の通り。
開催期間
受講者数
平成 26 年 6 月 1 日~8 月 31 日
10 月 1 日~12 月 31 日
平成 26 年度受講者合計
24 名
16 名
40 名
- 14 -
④「ロジスティクス・オペレーション(上級コース)」
「ロジスティクス・オペレーション(初級コース)」を深掘りして学習するとともに、ユニ
ットロードシステム、物流センター計画、物流センターの管理・運営、輸送機関の特性と選
択などの新たな内容を追加している。開催実績は以下の通り。
開催期間
受講者数
平成 26 年 6 月 1 日~8 月 31 日
10 月 1 日~12 月 31 日
平成 26 年度受講者合計
7名
22 名
29 名
⑤「eラーニング修了スクーリング」
eラーニングにおいて最後の模擬テスト合格者のうち、希望者を対象にフォローアップを
行う。開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 9 月 19 日
9 月 26 日
10 月 2 日
平成 27 年 1 月 23 日
1 月 30 日
2月4日
協会/連合会
コース
日倉協
上級
日倉協
初級
日倉協/大阪協会
初級
日倉協
初級
日倉協
上級
日倉協/大阪協会
初級
平成 26 年度受講者合計
開催地
東京都江東区
東京都江東区
大阪市
東京都江東区
東京都江東区
大阪市
受講者数
4名
16 名
4名
8名
4名
2名
38 名
【今年度の研修受講者】 集合研修(除くスクーリング) 1,748 名(前年度 1,813 名)
e ラーニング研修
260 名 (前年度
319 名)
計
2,008 名(前年度 2,132 名)
(4)新規研修への取組みワーキング会議の開催
教育研修事業の開始から 10 年間の区切りとして、従来の集合研修とは異なる新たな形式に
よる研修等のあり方について検討するため、「新規研修への取組みワーキング会議」を設置
し、平成 26 年 4 月 30 日、6 月 3 日、7 月 17 日、8 月 19 日、11 月 4 日、平成 27 年 1 月 27
日の 6 回にわたり、ワーキング会議を開催し、現行の研修プログラムの分析や企業の研修へ
の取組みヒアリング、開催場所やエリア、研修内容などについて分科会を設けて議論を進め、
提言内容を取りまとめた。
その結果、すぐに取り組む事項として、①日倉協が地方に出向き、セミナーを企画・開催
する「出前講座」を実施すること。②日倉協ホームページの会員用サイトに、新たに研修ペ
ージを作り、研修動画を埋め込んで、「オンデマンド視聴研修」を実施すること。③日倉協
ホームページに、研修内容や開催日時について、新着情報などで会員への周知を強化・充実
させるとともに、物流専門紙等のメディアを通じた「研修計画の周知」を実施すること。
とした内容の提言であった。
- 15 -
(5) 中小倉庫業経営者セミナー
主として中小倉庫業の経営者を対象に、倉庫業経営者として取組むべき課題などをテーマとす
るセミナーで 19 年度から開催しており、8 回目となる今回は、平成 27 年 2 月 16 日に東京・経団
連会館において約 180 名の参加者を得て開催した。また、第二部終了後は、交流懇親会を開
催した。
セミナーの詳細は次のとおり。
第一部
基調講演
「儲かる会社に変える
~人を創り、人を活かし、人に任すという組織経営~」
講師:元タカラ物流システム㈱
第二部
代表取締役会長
大谷
將夫
氏
パネルディスカッション
「物流業界の人材不足問題を考える
~人材確保のためにはどんな知恵があるのか~」
コーディネーター
樋口恵一氏(川崎陸送㈱取締役社長)
パネリスト
青木
弌氏(丸二倉庫㈱常務取締役首都圏本部長)
大竹英明氏(三信倉庫㈱代表取締役社長)
谷川隆史氏(谷川運輸倉庫㈱常務取締役営業本部本部長)
(6) 第 44 次海外倉庫業研修
平成 26 年 10 月 23 日(木)~11 月 1 日(土)までの 10 日間、女性 2 名を含む 21 名の参加者
を得て、ヨーロッパを訪問し、海外物流事情の研修を行った。
今次研修では、ローマ、ミラノ、バルセロナ、パリを訪れ、7 社の物流企業視察を行った。
4.物流政策研究委員会(委員長:安部正一
㈱住友倉庫社長)
〔所掌事項:物流高度化及び物流政策に関する研究及び政策提言に関する事項〕
(1) 9 月に委員会を開催し、講演 2 題と議事を行った。
講演の 1 つ目は、「最近の物流政策について」と題し、国土交通省大臣官房参事官(物流産
業室)の坂巻氏に講演をいただいた。主な内容は、最近の倉庫関係のトピックスとして、今年
8 月に発生した広島県の土砂災害において、全国で初めて支援物資保管協定に基づく民間物資
拠点が活用されたこと。また、物流審議官部門の主な政策として、地域物流の新たな仕組みの
構築、労働力不足対策、国際物流のシームレス化、物流のグリーン化、災害に強い物流システ
ムの構築、倉庫関係税制改正要望等についての説明であった。
講演の 2 つ目は、「韓国の経済・物流事情等について」と題し、日本貿易振興機構
海外調
査部の百本氏に講演をいただいた。主な内容は、韓国経済の現在の景況感は総じて良くなく、
特に 4 月のセウォル号の沈没事故以降はさらに悪化している。韓国経済の課題としては、輸出
依存度が高くウォン高に対する懸念が大きいこと、大企業と中小企業間の格差が大きいことな
どがある。また、韓国は FTA を積極的に推進しており、現在交渉中の日中韓 FTA では中韓 FTA
交渉を優先する姿勢を見せていること等の内容であった。
- 16 -
講演後、物効法認定取得相談室の活動状況について事務局から報告があった。
(2) 2 月に委員会を開催し、講演と議事を行った。
初めに、「2014 年の物流不動産マーケットの動向と今後の見通し」と題し、㈱日本ロジステ
ィクスフィールド総合研究所代表取締役の 辻氏に講演をいただいた。主な内容は、日本のリ
ート市場において物流不動産への投資額は全体の約 1 割を占めるまでに至っており、開発面積
は今後 2 年間でさらに 4 割近く増加する見込みである。また、2014 年の物流不動産マーケッ
トの特徴としては、大量供給にも拘らず、「造れば埋まる」状況が続いたことや、首都圏や大
阪圏で工場跡地の開発、区画整理事業等の開発が活発化したことにより開発用地が多く仕込ま
れたこと、さらには、今後の賃料上昇を見越した先借りや荷主企業による直接賃借が増えたこ
となどを挙げられた。今後の見通しとしては、2016 年までは大量供給が続くと見られるが、
用地取得コストと建築コストの上昇が大きくなってきている最近の情勢を勘案すると、リート
の利回り低下が懸念され、開発自体にも影響を及ぼす可能性があるだろうとの内容であった。
講演後、平成 27 年度活動方針案について審議を行い、その後事務局から物効法認定取得相
談室の活動報告があった。
5.業務委員会(委員長:松井明生
三菱倉庫㈱社長)
〔所掌事項:事業計画に関する事項、料金体系等の研究、法規制、保険、その他倉庫事業運営
に関する事項〕
(1) 「倉庫事業運営に係る事業規制、民事、商事法制の制定、改正等に関する情報を収集し、適
切に対応する。特に、現在改正作業が進められている民法の債権関係について重点的に取り組
む。」については、平成 26 年 8 月に「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案」が公表され
たことを受け、10 月の委員会で顧問弁護士の阿部先生に倉庫業に関係の深い「寄託」に関す
る改正案を中心に講演をいただいた。
(2) 「自然災害を対象とした事業継続計画書(BCP)に関し、前年度に実施した BCP の説明会や
策定状況等に関するアンケート結果を基に、会員の BCP 策定の一層の促進を図る。また、新型
インフルエンザ等対策に関する実施要領等に適切に対応する。」については、
「BCP 作成」支援
に関し、10 月に「BCP 作成に関する説明会」の内容を納めた DVD を作成し、全会員事業者に配
布した。
(3) 「倉庫業総合賠償責任保険制度の一層の普及を図る。」については、加入者数増加を図るた
め、昨年度と同様に募集パンフレットを早期に配布した他、倉庫時報やホームページに案内を
掲載するなど、積極的に募集を行った。
(4) 「動産譲渡登記の動向を引続き注視する。」については、動産譲渡登記の件数について継続
してデータ収集に努めた。これまでのところ、営業倉庫において動産譲渡登記に起因する問題
が発生したとの報告は受けていない。
(5) 「法令遵守」については、11 月に国土交通大臣及び経済産業大臣より下請法の周知等につ
いて協力要請を受けたため、各地区協会を通じて周知した。
- 17 -
(6)
3 月の委員会で防災システム研究所所長の山村氏より「これからの防災・危機管理
~個
人の備えと組織の対応~」と題し、講演をいただいた。主な内容は、突発的な災害発生時に重
要なことは、まず自分自身が生き残ることであり、その時適切な行動を取るためには普段から
発災時の行動訓練が必要であること、また、各企業においては安全配慮義務の観点からも適切
な施設や体制の整備が必要であることなどの指摘があり、各社の対応に大変参考になる内容で
あった。
6. 税制金融委員会(委員長:笠原伸次
澁澤倉庫㈱会長)
〔所掌事項:税制、金融に関する事項、会計制度に関する事項〕
(1) 委員会開催
① 7 月に委員会を開催し、最初に、日本経済団体連合会・経済基盤本部主幹の小畑氏から「平
成 27 年度税制改正及び税制を巡る状況について」と題して、講演をいただいた。
講演は、政府が 6 月 24 日に閣議決定した「骨太の方針」の法人税改革及び政府税制調査会が 6
月 27 日に取りまとめた「法人税の改革について」を中心にお話しがあった。
講演の主な内容は、
第一に、平成 27 年度税制改正においては、法人実効税率の引き下げとその財源の確保及び消
費税率の 10%の引き上げ判断の時期が大きなテーマとなる。
消費税率の引き上げは、与党の中では 12 月までに結論を出すということになっており、その
ため、法人税関係については、11 月頃に勝負は決するのではないか。例年より少し早目のス
ケジュール感で動くのではないか。
第二に、法人税の引き下げについては、安倍総理の強い意向が反映されて、「骨太の方針」で
方向性が打ち出された。
法人税改革のポイントは、一つ目は日本の立地競争力を強化すること。二つ目は我が国企業
の競争力を高めること。三つ目は課税ベースの拡大等により恒久財源を確保すること。
第三に、政府税制調査会は 6 月に「法人税の改革について」を取りまとめたが、「法人税改革
は必ずしも単年度での税収中立である必要はない」という文言が入り、財政当局もかなり譲
歩したのではないか。
具体的な改革事項については、租税特別措置や中小法人課税、地方税の法人事業税の見直し
など 8 項目について指摘がされている。
租税特別措置については、「政策税制は経済社会環境の変化に応じて必要性と効果を検証し、
真に必要なものに限定する必要がある」としているが、実は租税特別措置の適用が一番多い
のは、中小企業の法人税率の特例であり、約 70 万もの法人が適用を受けている。
改革の具体的な方法として、一定の基準を設けてゼロベースで見直しするとしており、その
基準とは「期限の定めのあるものは期限到来時に廃止する」「期限の定めのないものは期限を
設定して見直しを行う」「利用実態が特定の企業に集中したものや、適用者が極端に少ないも
- 18 -
のは廃止を含めた抜本的な見直しを行う」などである。ただし、これらの基準をまともに適
用すると、すべての租税特別措置が適合してしまい、選別基準としては成立しないというふ
うにも読める。
最後に、法人税率の引き下げや課税ベースの見直しの具体的な議論の場は、今後与党税調で
行っていくことになり、政府税調の「報告」に必ずしも縛られるものではない。そうはいっ
ても、課税ベースの議論は政府税調が指摘したアイテムが出てくるということが予想される。
などの説明があり、当協会が税制要望を各方面に行っていくに当たり、大変参考になった。
講演の後、議事に入り、「平成 27 年度税制改正及び融資要望項目」について検討した。
各要望(案)は、予め、常任理事、税制金融委員、地区倉庫協会長宛に照会を行い、その回答結
果を踏まえて取りまとめた。
検討の結果、提示案のとおり承認された。
7 月 18 日開催の常任理事会の審議を経て、国土交通大臣他関係先に要望書を提出した。
イ.税制改正要望
国土交通大臣宛には、
[重点要望]として、「災害に強く、効率化に資する物流施設に係る特別措置の延長」について、
「倉庫用建物等の割増償却」及び「倉庫等に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例」
について、適用期限の延長を要望した。
「現行の特例措置の要望」については、「軽油引取税の課税免除の特例の延長」及び「長期所
有資産の特定資産の買換え特例(9 号)の延長」の 2 項目を要望した。
その他、日本経済団体連合会及び全国中小企業団体中央会宛に、国土交通大臣宛と同一の要
望及び「他の業界と共通する要望項目」として「法人実効税率の引き下げ」など 9 項目を要
望した。
ロ.融資要望
旧政府系金融機関について㈱日本政策投資銀行をはじめとする四行の金融機関及び全国中小
企業団体中央会に要望書を提出した。
(陳情先及び陳情内容は後述の「V 建議及び陳情」に記載)
② 3 月に本委員会を開催し、最初に、国土交通省・大臣官房参事官・坂巻氏より、「平成 27 年
度予算・税制等及び今後の税制改正について」と題して、講演をいただいた。
講演の要点は、
一つ目は、倉庫税制や軽油引取税の課税免除の特例措置などの要望内容
二つ目は、物流拠点の低炭素化促進事業や災害に強い物流システムの構築のための非常用電
源・非常用通信設備の導入支援等の予算措置
三つ目は、物流審議官部門における物流の政策課題と検討体制
四つ目は、次期税制要求に向けての倉庫関係政策パッケージの検討
- 19 -
などについて、解説があった。
講演後、議事に入り、「平成 27 年度倉庫業関係税制改正の結果」の報告に続き、「平成 27 年
度の活動方針」について審議し、「倉庫業関連の税制特例措置の維持確保を図るとともに制度
の活用を促進する」「税制等に関する課題について中・長期的視点に立って検討する」などの活
動方針を決定した。
(2)「倉庫税制」の要望及び税制改正を巡る動き
「倉庫税制」については、国土交通大臣宛などに「延長要望」をしたが、租税特別措置に対す
る厳しい査定や法人税の引き下げに伴う財源確保、「投資減税」との棲み分け問題などを踏まえ、
「倉庫税制」の「単純延長」の要求は難しいという判断の下、安部会長や国土交通省とも相談
の上、過重な負担がかからない程度での「施設要件の強化を図った上での要望」とした。
国土交通省はこれを受けて、現行の平屋 1,500 ㎡、多階建 3,000 ㎡の施設要件を倍増して延長
要求することとした。
また、消費増税という大きな課題を抱えていたため、租税特別措置の議論は例年より早まると
のことから、陳情活動を早めにスタートした。
(3) 税制改正ヒアリング対応
①自民党・予算・税制等に関する政策懇談会(10 月)
②民主党・国土交通部門会議(10 月)
③海事振興連盟・総会(10 月)
④物流倉庫振興推進議員連盟・総会(11 月)
(4) 平成 27 年度税制改正結果(倉庫業関係)
[重点要望]
災害に強く、効率化に資する物流施設に係る特別措置の延長
①倉庫用建物等の割増償却
イ.2 年延長(平成 29 年 3 月 31 日まで)
ロ.規模要件の見直し
a.平屋 3,000 ㎡以上(現行 1,500 ㎡以上)
b.多階建 6,000 ㎡以上(現行 3,000 ㎡以上)
②倉庫等に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例
イ.2 年延長(平成 29 年 3 月 31 日まで)
ロ.規模要件の見直し
a.平屋 3,000 ㎡以上(現行 1,500 ㎡以上)
b.多階建 6,000 ㎡以上(現行 3,000 ㎡以上)
- 20 -
[現行の特例措置の要望]
①軽油引取税の課税免除の特例の延長
3 年延長(平成 30 年 3 月 31 日まで)
②長期所有資産の特定資産の買換え特例(9 号)の延長
イ.2 年 3 か月延長(平成 29 年 3 月 31 日まで)
ロ.要件の見直し
a.買換資産から「機械装置」を除外
b.圧縮率の見直し
1)東京 23 区 ← 地方:70%
2)首都圏近郊整備地帯等 ← 地方:75%
3)上記以外は全て現行通り存置(80%)
※地方:東京 23 区及び首都圏近郊整備地帯等を除いた地域
※首都圏近郊整備地帯等:東京 23 区を除く首都圏既成市街地、首都圏近郊整備地帯、近
畿圏既成都市区域、名古屋市の一部
[特例措置の実現を再度要望]
①倉庫業に対する事業所税の全面非課税
認められなかった。
②土地に係る固定資産税等の負担の軽減
認められなかった。
③減価償却制度の見直し
イ.倉庫用建物等の法定耐用年数の短縮
認められなかった。
ロ.建物に対する減価償却方法の選択制(定額法又は定率法)の復活
認められなかった。
[他の業界と共通する要望]
①法人実効税率の引き下げ
イ.大企業(資本金 1 億円超)の法人実効税率の引き下げ
a.平成 27 年度は 2.51%引き下げ(現行 34.62%→32.11%)
b.平成 28 年度は 3.29%引き下げ(現行 34.62%→31.33%)
ロ.中小企業(資本金 1 億円以下)の法人税軽減税率の延長
中小企業の法人税軽減税率(課税所得年 800 万円以下、15%)を 2 年延長
(平成 29 年 3 月 31 日まで)
②繰越欠損金の使用制限の撤廃(現行:控除限度 80%、繰越期間 9 年)
イ.27 年度、28 年度:控除限度 65%、繰越期間 9 年
- 21 -
ロ.29 年度以後:控除限度 50%、繰越期間 10 年
ただし、経営再建中及び新設企業は 7 年間控除無制限
③受取配当金の益金不算入制度の見直し
連結法人株式及び関係法人株式以外の株式(株式等保有割合 25%未満)の受取配当金に係る益
金不算入割合 50%を従前の 80%に戻す
イ.株式等保有割合 5%以下:益金不算入割合 20%
ロ.株式等保有割合 5%超~33.3%以下:益金不算入割合 50%
ハ.株式等保有割合 33.3%超:益金不算入割合 100%(非課税)
④減損会計に伴う固定資産等の評価損の損金化
認められなかった。
⑤貸倒引当金制度の復活
認められなかった。
⑥土地等の先行取得に係る課税の特例の復活
認められなかった。
⑦法人税の納付期限の延長
事業年度終了後の 2 か月以内を 3 か月以内に延長
認められなかった。
⑧償却資産に係る固定資産税の廃止
認められなかった。
⑨建物(非住宅)の取得に対する不動産取得税の税率の特例の復活
認められなかった。
7. 中小経営革新委員会(委員長:森本啓久
森本倉庫㈱社長)
〔所掌事項:中小事業者の経営に関する事項〕
(1) 10 月に委員会を開催し、事業事例紹介と議事を行った。
事業事例の紹介については、ソフトバンクテレコム㈱から「IT デバイスを活用した営業手法」
というテーマで、iPad を活用した効率かつ効果的な営業活動手法並びに各種のコスト削減やペ
ーパーレス手法等に関するものであった。
次に、「法律相談等の既存の中小企業支援制度の利用促進を図りつつ、今後の支援策について
検討を行う」を受け、今後、適切な支援策を模索するため、アンケートを実施することとして
おり、実施の趣旨について事務局から説明があった。具体的なアンケート内容については、次
回の委員会で検討することとした。
最後に、現状の物流を取り巻く問題点等について意見交換を行い、参加された委員の方々か
ら事業の現状や課題、地域の動向等に関する発言をいただいた。主には、深刻化するトラック
運転手不足の問題に対応した事業の取り組み事例のほか、トラック運転手や流通加工に従事す
るパートさん等の確保に苦慮されていること、消費税増税後の需要の落ち込みに加え、冷夏の
- 22 -
影響により飲料等の荷動きが停滞し倉庫が逼迫していることなどであった。
(2) 2 月に委員会を開催し、議事と意見・情報交換を行った。
議事では、平成 27 年度の活動方針案について審議を行い原案どおり承認された。また、来年
度の重要項目の 1 つである「法律相談等の既存の中小企業支援制度の利用状況や中小事業者が
求める支援制度に関するアンケートを実施したうえで、今後の支援策について検討を行う」の
もと、今後の支援策を模索するためのアンケート内容の検討を行い、原案どおり承認された。
なお、アンケートは平成 27 年 4 月中旬以降に実施することとした。
その他、次回の委員会は 7 月 9 日(木)から 10 日(金)にかけて長崎市で開催することとした。
議事の終了後、意見・情報交換を行い、トラック運転手や庫内作業員の不足に対する雇用確
保の問題から、貨物動向や物流施設の進出状況といった地域の動向、防災対策、個別企業の業
務改善例の紹介など様々な発言をいただいた。
(3)中小企業支援制度として①法律相談②経営診断③情報化促進相談の 3 つの制度を設けている。
法律相談については、会員事業者から書面による相談と、事業者が顧問弁護士と直接面談でき
るよう弁護士を紹介する制度を設けているが、本年度は書面による相談が 14 件、直接面談によ
る相談が 1 件であった。
経営診断、情報化促進相談の支援制度については、本年度の利用はなかった。
8.安全環境委員会(委員長:小此木歌藏
㈱小此木社長)
〔所掌事項:倉庫施設、荷役機械等の技術的研究に関する事項、防災・安全に関する事項、自
主監査に関する事項、環境対策に関する事項〕
(1) 倉庫施設・荷役機械等に関する技術的研究
機関誌「倉庫」において、物流施設等に関する技術情報の提供を行った。
(2) 防災・安全
①安全講習会の開催
倉庫現場作業の責任者を対象に安全管理の徹底を図ることを目的として、安全管理全般、
安全衛生関連法規、最新の安全管理手法について講義と演習を通じて学ぶ。
開催実績は以下の通り。
開催日
平成 26 年 6 月 17 日
7 月 29 日
8月5日
8 月 27 日
8 月 28 日
11 月 28 日
12 月 9 日
協会/連合会
岡山県
四国
九州
静岡県
東海
中国
新潟県
関東(除く東京、埼玉、神
平成 27 年 2 月 4 日
奈川)
2 月 25 日 東京
平成 26 年度受講者合計
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開催地
岡山市
高松市
福岡市
浜松市
名古屋市
広島市
新潟市
東京都江東区
受講者数
30 名
9名
53 名
34 名
48 名
25 名
10 名
15 名
東京都江東区
37 名
261 名
②安全点検パトロールの実施
平成 26 年 8 月 21 日に福島県倉庫協会傘下の 3 事業者を対象に、また、平成 27 年 3 月 11
日には徳島県倉庫協会傘下の 3 事業者を対象に安全点検パトロールを実施し、事業者におけ
る日常の安全活動への取り組みをチェックするとともに、労災防止等に向けた指導を行った。
③安全衛生教育ビデオライブラリーの貸し出しサービスの実施
従業員の安全衛生教育には映像の活用が有効であると思われることから、日倉協では著作
権者の許諾を得たうえで安全衛生教育用 DVD ビデオを購入して会員事業者に無料で貸し出す
事業を行なっている。このサービスは、会員が高価な DVD ビデオを個々に購入しなくて
も社内研修等での活用が可能となること、DVD の購入を検討している場合には事前の試
写が可能なことなど会員にとってメリットが大きい。現在の所蔵 DVD は 10 種類となって
おり、本年度の貸し出し本数実績は 127 本であった。
(3) 自主監査
会員事業者における自主監査の促進を図るため、①「倉庫監査実施済証ステッカー」を、
また②倉庫施設の自主点検用 DVD(約 30 分)を作成し、全会員事業者に無償で配付した。
(4) 環境対策
①地球温暖化防止のための低炭素社会実行計画の推進
「倉庫業におけるエネルギー使用実態調査」を今年度も実施し、集計の結果、エネルギー
使用原単位は 1990 年度推計を 1 とすると 0.85 で 15%の改善となった。現在定めている 2020
年度までの 16%改善目標に向けて、今後も電気系フォークリフトへの転換や LED 照明への交
換、太陽光発電設備の導入など、エネルギー使用の抑制とともに節電・省エネ機器の導入促
進に引き続き取り組んだ。
②省エネ設備導入の補助事業への対応
環境省と国土交通省の連携(物流の低炭素促進事業等)補助金や SII(環境共創イニシア
チブ)の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」等に関する相談、情報提供を行った。
③グリーン経営認証取得の支援
グリーン経営認証制度は、交通エコロジー・モビリティ財団(通称交通エコモ財団)が認証
機関となり、国土交通省が作成したグリーン経営推進マニュアルに基づき、一定のレベル以
上の環境保全活動の取組みを行っている事業者に対し、審査のうえ認証を行うものである。
日倉協では、交通エコモ財団のグリーン経営認証制度運営委員会に参画し、認証制度の充
実に協力している。
なお、倉庫業のグリーン経営認証取得事業所数は、平成 27 年 3 月末日現在で 639 事業所と
なっている。
④グリーン物流パートナーシップ推進事業の周知等
グリーン物流パートナーシップ会議が募集する普及事業(物流事業者と荷主企業のパート
ナーシップにより実施する環境負荷の低減効果が明確であるものに対する補助事業)につい
て、各地区協会を通じ、会員事業者に対し案内して応募の働きかけを行った。
⑤省エネ・環境に関する講演の実施
イ.平成 26 年 9 月の委員会において、マネジメント・アシスト・オフィスの祝 政法氏よ
り「次世代照明(無電極ランプ)について」と題して講演をいただいた。
- 24 -
無電極ランプとは、人工光源の一種であり、電磁誘導の原理と放電による発光原理を
利用することで、発光管内に電極を持たない、高演色性、長寿命、省電力なランプのこ
とである。水銀灯や LED 等と異なった特徴を有しており、スカイツリー、東京湾レイン
ボーブリッジ、本四架橋等の高所作業が必要な場所に取り付ける照明として導入されて
いるとのことであった。倉庫業者として、導入検討への大きな道しるべとなった。
ロ.平成 27 年 2 月の委員会において、横浜市温暖化対策統括本部長の野村宜彦氏より、「エ
ネルギー循環都市を目指して~スマートシティ横浜の取組み~」と題して講演をいただ
いた。
横浜市は、国内の自治体で唯一、温暖化対策統括本部という行政横断型の組織を持ち、
環境対応への先進的な取組みを積み重ねてきた。その豊富な事例とともに、現在策定中
の「横浜市エネルギーアクションプラン」の概要について紹介いただいた。その中には
物流業者として特に関心の高い、燃料電池自動車やフォークリフトの普及、また水素ス
テーションの整備などがあり、今後の利用・活用に向け大いに参考となるものであった。
9.情報システム委員会(委員長:白石好孝
東陽倉庫㈱会長)
〔所掌事項:倉庫情報システムに関する事項〕
(1) 情報セキュリティマネジメントガイドライン及び情報セキュリティチェックリストの改訂
平成 25 年度に実施した「倉庫事業者における情報処理等に関する実態調査」の結果や情報セキ
ュリティ面における近年の環境変化に対応するため、会員事業者の情報セキュリティ確保に資す
ることを目的として、平成 19 年 3 月に当委員会で策定した『倉庫事業者における情報セキュリテ
ィマネジメントガイドライン』(以下、ガイドライン)及び『倉庫現場従事者のための情報セキュ
リティチェックリスト』(以下、チェックリスト)の改訂を行った。
改訂にあたり、『ガイドライン』には、経営者の責任、情報セキュリティ基本方針の作成例や解
説などを新たに追加した。『チェックリスト』は、『情報セキュリティ基準-例-』と『情報セキュ
リティチェックリスト』に分割して使い勝手を向上させ、それぞれを本編の「付録 1」、「付録 2」
として位置づけて再編集したほか、新たな脅威への対応などの新項目を盛り込んだ。
(2) 情報化講演会の開催
①情報化月間協賛講演会
平成 26 年 10 月 16 日(木)開催、場所
大阪科学技術センター(大阪市)
(情報システム委員会、近畿倉庫協会連合会、兵庫県倉庫協会の共催)
第 1 部『今後の国内物流の将来展望と WMS「e-ロジソーコ」のご紹介』
講師
鈴与シンワート㈱システムインテグレーション事業部
ロジスティクスソリューション部
コンサルタント アソシエイト パートナー
木俣
司
氏
第 2 部『フォークリフト用ドライブレコーダ「SR フォークリフト」のご紹介』
講師
㈱データ・テック
営業本部 SR フォークリフト担当
岡野
聴講者数:59 名
②委員会での講演
イ.平成 26 年 9 月 19 日(金)開催、場所
倉庫会館(東京都江東区)
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祐樹
氏
『ビックデータ時代における M2M(マシン TO マシン)情報のロジスティクス活用動向と
グローバル事例について』
講師
日本アイ・ビー・エム㈱
グローバルビジネスサービス事業本部
部長
大矢
幸雄
流通サービス事業
戦略&分析
氏
ロ.平成 27 年 3 月 4 日(水)開催、場所
倉庫会館(東京都江東区)
『アウトソース時代における ICT による BCP 対策について』
講師
NTT コミュニケーションズ㈱クラウドサービス部 販売推進部門 第四グループ
担当部長
湯ノ谷 雅一 氏
㈱NTTPC コミュニケーションズ チャネル営業部 第二営業担当
担当課長
関 博行 氏
③各地区協会主催の事業継続計画(BCP)策定説明会への講師派遣
※業務委員会との協働事業。当委員会は IT 部門の BCP について講師を派遣。
平成 26 年 6 月 11 日(水)埼玉県倉庫協会
平成 27 年 1 月 15 日(木)静岡県倉庫協会
『IT 部門の事業継続計画(BCP)について』
講師
NEC ネクサソリューションズ㈱
マネージャー
松吉
賢幸
RISING ZONE 戦略推進室
氏
(3) 物流関連パッケージソフトの紹介
協会ウェブサイト上に「物流関連パッケージソフト一覧」を掲載して、会員事業者のソフト
ウェア検索の用に供した。随時、追加・削除、更新を行い、平成 26 年度末現在で、53 社
102 ソフトを掲載している。
(4) BCP 作成促進のための DVD の作成
平成 25 年度に開催した「事業継続計画書(BCP)作成促進のための説明会」の模様を業務委
員会と協働で DVD 化した。当委員会では、IT 部門のパートを担当した。なお、DVD は、平成
26 年 10 月に全会員事業者に配布した。
(5) 情報処理等に関する実態調査の機関誌「倉庫」への掲載
平成 25 年度に実施した「倉庫事業者における情報処理等に関する実態調査」の結果について、
平成 26 年 12 月に発行された機関誌「倉庫」144 号に掲載し、調査結果を会員に還元した。
また、掲載にあたり、グラフや簡単なコメント等を追加した。
10.サイロ委員会(委員長:小林長久
日本トランスシティ㈱会長)
〔所掌事項:サイロの問題に関する事項〕
(1) 9 月に委員会を熊本市で開催し、会議に先立ち、八代港のパシフィックグレーンセンター㈱
の施設を視察した。施設の概要や保管管理体制などについて説明をいただいた後、サイロの
屋上に上がり担当者から港湾施設や荷役設備及び周辺施設について説明をいただいた。また、
コンピュータによる穀物の取扱状況や背後地の飼料メーカー、精麦会社への供給状況などに
- 26 -
ついて説明をいただいた。
視察後、ホテルで下記内容の会議を行った。
[報告事項]
①平成 26 年度サイロ委員会の活動方針について、サイロ事業者実態調査の実施、コンタミ防
止対策等の研究課題の確認、地方開催の実施、サイロ事業者全体会議の開催について事務
局より報告した。
なお、海外サイロ視察研修は隔年で実施しているため、本年は実施しない旨を報告した。
②平成 25 年度サイロ事業者実態調査の結果について事務局から報告した。その実績は、サイ
ロ事業所数 123 事業所、収容力 711 万トン、年間入庫高 3,030 万トン、月末平均保管残高
381 万トンであった。これを 10 年前との比較を指数でみると、事業所数 90、収容力 105、
年間入庫高 96、月末平均保管残高 90 であった。
<議事>
①北海道から九州までの 13 地区の委員から地区状況報告を行った。
各地区に共通する問題点として、「コンタミ防止対策や異物除去対策に対する費用の増加」、
「サイロ施設や荷役機械の老朽化に伴う修繕費の増大」「多品種、小ロット化対応による作
業効率、収容効率の悪化」などが報告された。
②今後の活動計画について討議し、平成 27 年 2 月 20 日、東京・経団連会館で開催予定の「サ
イロ事業者全体会議」における研究主題・講演について意見交換を行った結果、商社系の
穀物担当者から時宜にあった話を聴くこととした。また、平成 27 年 9 月の地方開催は釧路
で行うことを決定した。
(2) 2 月にサイロ委員会の拡大会議としてサイロ事業者全体会議を経団連会館で開催し、全国各
地より 70 名が出席した。当日は、「会議」、「講演会」、「懇親会」を通して情報交換、勉強会
を行った。
[報告事項]
「平成 26 年度上半期のサイロ事業者実態調査」について事務局から報告した。
主な動きとして、サイロ事業所数は 123 事業所、収容力は 715 万トン、入庫高は 1,580 万ト
ンで前期比約 4%の増加、保管残高は 430 万トンで前期比約 13%の増加となった。
<議事>
①北海道から九州までの 13 地区の委員から地区状況報告が行われ、これに基づき意見交換を
行った。
各地区の問題点として、「多品種、小ロット化対応による作業効率や収容率の悪化」「設備
の老朽化による修繕費用の増大」「コンタミ防止対策・異物除去対策に要する費用の増加」、
新しい問題として、「ダンプ運転手などの人材不足の問題」などが報告された。
- 27 -
②平成 27 年度の活動方針の骨格を決定した。
実態調査の実施、コンタミ防止対策などの研究課題、9 月の釧路での地方開催、来年 2 月
の東京・経団連会館におけるサイロ事業者全体会議の開催、オーストラリアを対象に海外
サイロ視察研修の実施が決められた。
③会議の後、講演会を実施した。
丸紅株式会社・穀物第二部・穀物マーケティング課課長の白木氏より「世界の穀物需給に
ついて」と題し講演をいただいた。
講演の主な内容は、世界の穀物需給の状況、穀物マーケットの現状及び事例を交えた穀物
集荷・輸出の状況などについて解説があった。原油安など商品相場が下落基調にある中、
世界の穀物動向について、データを基にした分析や今後の見通しについての解説は、サイ
ロ事業者にとって、示唆に富んだ誠にタイムリーな内容であった。
講演会終了後、懇親会を開催し情報交換を行った。
11.食料委員会(委員長:柴山恒晴
㈱杉村倉庫社長)
〔所掌事項:農産物及び食料加工品に関する事項〕
(1) 10 月に、北海道の石狩湾新港において、施設見学及び委員会を開催した。
①会議に先立ち、石狩開発㈱のご協力をいただき車中より石狩湾新港を視察した。
石狩湾新港は、札幌の中心地から 15 キロに位置し、約 3 千ヘクタールという広大な敷地に、
製造業や倉庫、運送などの物流業及び建材メーカーなど、700 社を超える企業が進出してい
る。大消費地の札幌圏を控え、物流施設の集積が進み、物流拠点としての役割を担っている。
次に、石狩湾新港倉庫事業協同組合の定温倉庫を視察した。同組合は、8 企業、1 組合が加入
し、4 棟、所管面積 18,000 ㎡、収容力 49,000 トンの定温倉庫を保有し、MA 米及び内国産米
を中心に定温保管を行っている。
続いて、石狩湾新港内のホクレンパールライスセンターを見学した。同センターは、最新鋭
の精米設備を完備した精米工場で、ISO9001 の認証取得のもと、品質管理・衛生管理・生産
管理を徹底し、安全・安心・おいしいをモットーに、北海道産米のブランド力向上に一役買
っている。
同センターの紹介 DVD を鑑賞した後、精米工程やロボットによるパレット積み、自動倉庫保
管状況などを視察した。
②会議の主な内容
イ.会議に先立ち、ホクレン管理本部・物流部次長の戸田氏から「ホクレン物流事業の道外
移出実態について」と題して、講演をいただいた。
その主な内容は、
- 28 -
a.ホクレンは、北海道内の JA が出資し、農畜産物の集荷・販売などを行う JA の経済事
業を担うために設立された。販売高は約 1 兆円で、品目別では、生乳、青果物、畜産物が
上位を占めている。
b.北海道農業の状況は、耕地面積、115 万ヘクタールで全国の 4 分の 1 のシェアを持つ。
一戸当たりの耕地面積は、水田 10 ヘクタールで全国の 7 倍、畑 22 ヘクタールで全国の 18
倍である。全国に占める農産物のシェアでは、馬鈴薯が 80%、生乳が 50%、大豆が 30%
で全国 1 位、米のシェアは 7%で全国 2 位となっている。
c.道外移出については、北海道の農産物は、1 日 1 万トン道外に出ている。ホクレンが
取扱う農産物は、192 万トンで全道の約 50%、その輸送手段は、トラックが約 6 割、JR 貨
物が約 4 割となっている。トラック運転手不足や運転手の拘束時間に対する行政処分など、
物流を取り巻く環境が厳しくなっており、輸送力の確保が難しくなっているため、例年以
上に危機感を持っている。
などである。
ロ.事務局からかび保険の加入状況について報告があった。
かび保険の加入状況は、8 月 1 日現在、保険トン数約 95 万トン、保険料約 5 千 7 百万円、加
入事業者数 220 事業者で、25 年度終期との比較では、加入事業者は 7 事業者の減少、保険ト
ン数は約 3 千トンの減少、保険料は約 8 万円の減少となっており、多少減少しているものの、
概ね従来通りの形で契約をいただいている。
ハ.小樽開発埠頭㈱の林委員から「北海道の倉庫概況と貨物動向」について報告があった。
倉庫概況については、会員数 213、1~3 類倉庫 207 万㎡、サイロ 112 万㎥で、1~3 類倉庫の
入庫高 671 万トン、月末平均保管残高 127 万トンで、取扱品目の上位は、米、動植物性飼肥
料、その他食料工業品である。
ニ.TPP 交渉の現状について
日米交渉は遅々として進まない状況にある。米国は、11 月 4 日に議会・中間選挙が迫るなか
で、安易に日本に妥協したとみなされるような行動はなかなか取れない結果、9 月の日米閣
僚会議は物別れに終わった。経済規模で TPP 域内の 8 割を占める日米が、2 国間の懸案を解
決しない限り、TPP 全体の合意は見えてこない。
今後の TPP 交渉が倉庫業にどのような影響が現れるのかは不透明であるが、食料委員会とし
ても引き続き注視していく。
(2) 3 月に委員会を開催し、講演、報告等を行った。
①最初に、日本経済団体連合会・国際経済本部・本部長の金原氏から、
「TPP を巡る状況につ
いて」と題して、講演をいただいた。
TPP 交渉が大詰めを迎える中、改めてその概要や意義・経済的メリットなどについて説明し
ていただいた。
- 29 -
講演の主な内容は、
a.TPP は、物品のみならず、投資・サービス・政府調達なども含めた市場開放と幅広い
ルール作りを目指す包括的なものであり、WTO では合意できていない高水準の規律を目指
している野心的なものである。将来的には韓国をはじめ太平洋諸国が加わるなど雪だるま
式に拡大し、グローバルなルールにつながる可能性が大きい。そして日米関係の強化につ
ながり、アジア太平洋地域の安定に寄与するものである。
b.経済メリットについては、関税が撤廃されれば、国内製造拠点と雇用の維持の面で大
きなプラスになる。貿易手続きの統一などにより通商コストが削減され、特に、中小企業
にとって、メリットが大きい。技術で稼ぐための知的財産権の保護は日本の企業にとって
大きなメリットになる。
c.TPP 交渉に際し、過去の通商交渉では見られないほど日本政府が一枚岩の体制になっ
ている。一方で、農業問題等で効果的・効率的な国内対策を打ち出せるか、また政治力に
なりにくい国益のために決断できるか、などが課題である。
などであり、TPP が将来目指す方向や TPP による経済メリットなどが理解でき、大変参考に
なった。
TPP 交渉の関税分野における農産品 5 品目については、今後食料保管において新たな課題が
出てくると思われるため、引き続き TPP 交渉の動向に注視する必要がある。
②講演の後、議事に入り、「平成 27 年度の活動方針」について審議し、「TPP についての政府
の対応を含む食料保管に係る動向について注視し、情報を収集して会員事業者に提供する」
などの活動方針を決定した。
③かび保険加入状況について、平成 27 年 2 月現在、保険トン数約 96 万トン、保険料約 5 千
7 百万円、加入事業者数 224 事業者で、前年比でみると、保険トン数が約 2 千トン増加した
ことを報告した。
12.トランクルーム委員会(委員長:宮本憲史
安田倉庫㈱会長)
〔所掌事項:トランクルーム・消費者物流に関する事項〕
(1) 10 月に委員会を開催し、講演と議事を行った。
本年度の活動方針である「トランクルームと総称されるサービスが、多様な顧客ニーズに対
応している現状において、倉庫業と非倉庫業のサービスや施設の違いについて引続き PR に努
める」を受け、倉庫業者のトランクルームを PR するためには、非倉庫業者の方々が提供され
ている類似のサービスについて、正確に理解する必要があると考え、一般社団法人レンタル収
納スペース推進協議会事務局長の吉田氏をお招きし、「レンタル収納スペースにおける現況」
と題し講演をいただいた。
レンタル収納スペース業界の売上は、我々倉庫事業者のトランクルーム事業(文書類を除く)
の 6 倍超にまで成長しているとのことで、①居住地に近い駅前などの利便性の高い場所に立地
- 30 -
していること、②荷物の保管責任は自己責任であるものの、鍵さえあれば 24 時間収納物の出
し入れが可能であること、③一定のセキュリティが確保されていること、などの理由で、消費
者のニーズはこれからも増加するであろうことが理解できた。翻って、我々倉庫業界ならでは
のトランクルームサービスを成長させていくためには、消費者側の多様なニーズを理解し、
レンタル収納スペースとの違いを市場に理解してもらう努力を、より積極的にやらなければな
らないとの示唆を頂くこともできた。
議事では、「日倉協ホームページにおけるトランクルーム概要の掲載案」について検討した。
これまで、トランクルーム委員会では、契約内容や施設の安全性などを盛り込んだパンフレ
ットを作成し、関係各所に配布等を行ってきたが、今後、更なる倉庫業のトランクルームの安
全性を PR するため、専用ページを日倉協ホームページに新設することとした。
(2) 3 月に委員会を開催し、見学会と議事を行った。
本年度の活動方針である「個人情報や機密情報の管理に対する顧客の要請が高度化・複雑化す
る中で、我々が提供するサービスを向上させる手法について研究する」を受け、一橋大学社会
科学古典資料センターを訪問し、同センターが所蔵する古典の保存環境やその劣化調査、修復
作業を行う工房の見学を行った。
同センターは、一橋大学が創立以来収集した 1850 年以前に刊行された西洋の社会科学に関
する書籍や資料を保存するために、1978 年に設立された。また、同センターが所蔵するほと
んどの古典は、数百年の歴史を背景に様々な材質や製本構造を持つため、各々異なる劣化状態
に合わせた対処が必要になる。そのため、同センターでは、1995 年より貴重書保存修復工房
を設置した。
書庫の見学では、温湿度環境や地震による荷崩れ防止対策等といった保存環境・設備につい
てご説明いただいたほか、所蔵する古典の現物を前に、当該古典にまつわる時代背景などの説
明をいただいた。
修復工房では、専門スタッフが所蔵品の劣化調査とそれに基づく修復作業を行っており、資
料の紙の修理や表装の劣化防止措置など極めて繊細な作業を見学するとともに、新規に古典を
購入した場合における外部からの害虫やその卵を冷却駆除する工程も見学した。
中世に出版された古典の取扱いという専門性の高い分野での見学会であったが、それらの取
扱いに通じた精度の高さや緻密さに触れられたことは、顧客にとって世の中で唯一の物を預か
るという我々トランクルーム事業者にとって、大変参考となった。
議事では、平成 27 年度の活動方針を審議し、原案どおり承認された。
その他に、前回委員会で検討した、日倉協ホームページに掲載するトランクルーム概要の内
容について報告し、契約内容や認定制度などといった倉庫業のトランクルームの特性について
日倉協ホームページにおいても PR することとした。
議事終了後、懇親会を開催し委員各位と一層の交流を深めた。
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13.物流フォーラム(実行委員長:武藤正春
東陽倉庫㈱社長)
(1) 第 11 回物流フォーラム
平成 26 年 11 月 14 日(金)に名古屋観光ホテルにおいて「倉庫業を変革する」をメインテ
ーマとして開催した。
363 名の参加があり、盛会であった。詳細は次のとおり。
①全体会(13:00~15:20)
イ.
地区状況報告
全国各地の物流情勢、トピックスについて、地区を担当する実行委
員から報告
ロ.
基調講演
「日本経済の変化と流通」
講師:伊藤
元重
氏
②分科会(15:40~17:30)
イ.
第 1 分科会
演題:「これからの物流企業に求められる提案営業力」
講師:㈱フリーロケーション
ロ.
第 2 分科会
第 3 分科会
寺内
石一
氏
演題:「E コマース市場の現状と物流業への影響」
講師:㈱日本政策投資銀行
ハ.
代表取締役
産業調査部
次長
藤井
康雄
氏
演題:「国際物流 -ASEAN、インドにおける日系物流企業の海外進出に
係る規制及びインフラ等の課題の状況-」
講師:(一社)日本物流団体連合会
ニ.
第 4 分科会
理事・事務局長
宿谷
肇
氏
演題:「人材確保のために何をすべきか」
講師:海外人財ネット
代表
野田
さえ子
氏
③懇談会(17:40~19:00)
(2) 開催までの経緯
①全国 13 地区から第 11 回物流フォーラム実行委員の選出を願った。
②第 1 回実行委員会を 7 月 10 日(金)に開催、実行委員長を選出し、開催内容、運営方法、
各テーマ等を検討した。
③第 2 回実行委員会を 11 月 14 日(金)に開催、物流フォーラムの当日の運営等の最終確認
を行った。また、第 12 回物流フォーラムは平成 27 年 11 月 13 日(金)経団連会館で開催す
ることを決定した。
(3) 東北・中国・九州各地区連合会が開催した地方フォーラムに対し、講師派遣の支援を行
った。
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14. 団体保険の運営状況
(1)日倉協福祉共済
平成 25 度
平成 26 度
平成 25 年 4 月 1 日
~平成 26 年 3 月 31 日
平成 26 年 4 月 1 日
~平成 27 年 3 月 31 日
1,521 名
1,424 名
68 名
62 名
54,902,330 円
52,845,654 円
1,087,300 万円
1,013,600 万円
10 件
8件
36,463,000 円
21,275,100 円
1,729,410 円
1,712,188 円
平成 25 年度
平成 25 年 7 月 1 日
~平成 26 年 3 月 31 日
平成 26 年度
平成 26 年 7 月 1 日
~平成 27 年 3 月 31 日
225 社
224 社
保険料総額
56,799,730 円
57,195,020 円
年間月末平均保管残高合計トン数
94 万 1 千トン
95 万 7 千トン
1件
1件
支払保険金額
4,485,421 円
862,227 円
事務手数料
2,764,862 円
3,169,039 円
項
目
本人加入者数
配偶者加入者数
保険料総額
総保険金額(本人・配偶者)年度初現在
支払件数
支払保険金額
事務手数料
(2)損害賠償責任かび保険(米穀用)
項
目
加入事業者数
支払件数
(3)倉庫業総合賠償責任保険
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 25 年 5 月 1 日
~平成 26 年 3 月 31 日
平成 26 年 5 月 1 日
~平成 27 年 3 月 31 日
49 社
52 社
28,225,880 円
32,415,040 円
131,089,148 千円
140,818,607 千円
17 件
18 件
支払保険金額
9,962,184 円
4,342,737 円
事務手数料
1,477,061 円
1,679,518 円
項
目
加入事業者数
保険料総額
年間月末平均保管残高合計金額
支払件数
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15.外部委員会等
次の外部委員会等に参加し、業界の意向反映と情報収集に努めた。
①(一社)日本経済団体連合会
税制委員会
〃
税制専門部会
運輸委員会
〃
物流部会
環境安全委員会
中堅・中小企業委員会
防災に関する委員会・国民生活委員会
経済法規委員会
都市・地域政策委員会
流通委員会
審議会懇談会
②港湾貨物運送事業労働災害防止協会
全国港湾労働災害防止大会
③中央労働災害防止協会
通常総会等
④(公財)日本海事広報協会
国民の祝日「海の日」海事関係団体連絡会
⑤(一社)日本物流団体連合会
基本政策委員会
物流環境対策委員会
人材育成・広報委員会
経営効率化委員会
〃
労働問題小委員会
国際業務委員会
⑥交通エコロジー・モビリティー財団
グリーン経営認証制度運営委員会
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Ⅴ
建 議 及 び 陳 情
<税 制 関 係>
Ⅰ.国土交通大臣宛(8 月)
[重点要望]
災害に強く、効率化に資する物流施設に係る特別措置の延長
(1)倉庫用建物等の割増償却
適用期限の延長
(2)倉庫等に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例
適用期限の延長
[現行の特例措置の要望]
1.軽油引取税の課税免除の特例の延長
2.長期所有資産の特定資産の買換え特例(9 号)の延長
[特例措置の実現を再度要望]
1.倉庫業に対する事業所税の全面非課税
倉庫業者が事業の用に供する倉庫についての事業所税の軽減の特例
① 税標準の特例:
資産割
(注 1)
従業者割
(注 2)
1)港湾区域及び臨港地区内倉庫
2)流通業務地区内倉庫
1/4 課税
1/2 課税
3)上記 1)及び 2)以外の地区内倉庫
1/4 課税
-
対 象 施 設
なお、上記の 1)~3)の倉庫で、かつ、当該指定都市等における事業所床面積
の合計が 3 万㎡未満のものについては、資産割及び従業者割に係る事業所税の全
部について免除されている。
(注 1) 倉庫床面積を課税標準とするもの
(注 2) 従業者給与総額を課税標準とするもの
②非課税:独立行政法人中小企業基盤整備機構法の中小企業の集積の活性化等に
寄与する倉庫
2.土地に係る固定資産税等の負担の軽減
軽減措置(課税標準を 2 分の 1)
3.減価償却制度の見直し
(1)倉庫用建物等の法定耐用年数の短縮
(2)建物に対する減価償却方法の選択制(定額法又は定率法)の復活
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Ⅱ.自民党・予算・税制等に関する政策懇談会(10 月)
[重点要望]
災害に強く、効率化に資する物流施設に係る特別措置の延長
(1)倉庫用建物等の割増償却
適用期限の延長
(2)倉庫等に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例
適用期限の延長
[現行の特例措置の要望]
1.軽油引取税の課税免除の特例の延長
2.長期所有資産の特定資産の買換え特例(9 号)の延長
Ⅲ.民主党・国土交通部門会議(10 月)
自民党宛と同一の内容のもの
Ⅳ.海事振興連盟・総会(10 月)
自民党宛と同一の内容のもの
Ⅴ.物流倉庫振興推進議員連盟・総会(11 月)
自民党宛と同一の内容のもの
Ⅵ.日本経済団体連合会税制専門部会(7 月)及び同会長宛(8 月)
1.国土交通大臣宛と同一の内容のもの
2.他の業界と共通する要望事項
(1)法人実効税率の引き下げ
(2)減損会計に伴う固定資産等の評価損の損金化
(3)繰越欠損金の使用制限の撤廃
(4)受取配当金の益金不算入制度の見直し
連結法人株式及び関係法人株式以外の株式の受取配当金に係る益金不算入割合 50%を従前
の 80%に戻す
(5)貸倒引当金制度の復活
(6)土地等の先行取得に係る課税の特例の復活
(7)法人税の納付期限の延長
事業年度終了後の 2 か月以内を 3 か月以内に延長
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(8)償却資産に係る固定資産税の廃止
(9)建物(非住宅)の取得に対する不動産取得税の税率の特例の復活
Ⅶ.全国中小企業団体中央会会長宛(7 月)
日本経済団体連合会宛と同一内容のもの
<融 資 関 係 >
1.株式会社日本政策投資銀行代表取締役社長宛(8 月)
長期低利固定金利型の融資制度の創設
2.株式会社日本政策金融公庫総裁宛(8 月)
(1) 特別貸付について、貸付限度額(現行 7 億 2 千万円)の拡大、利率の引き下げ及び融資期間
の延長
(2) 特別貸付の特利適用範囲(現行 2 億 7 千万円まで)の拡大
3.株式会社商工組合中央金庫代表取締役社長宛(8 月)
利率の引き下げ及び貸付限度額の拡大
4.沖縄振興開発金融公庫理事長宛(8 月)
中小企業資金貸付限度額の拡大
5.全国中小企業団体中央会会長宛(7 月)
㈱日本政策金融公庫、㈱商工組合中央金庫、沖縄振興開発金融公庫宛と同一の内容のもの
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Ⅵ
1. 刊
(1)
行
刊 行 及 び 連 絡
等
定期刊行物
①機関紙「日本倉庫時報」(月 1 回 1 日又は 15 日)
②機関誌「倉庫」(年 2 回春・秋)
(2)
その他の刊行物
①「倉庫業に対する税制上の特例措置」(4 月)
②第 44 次海外倉庫業(欧州)研修視察団報告書(1 月)
③情報セキュリティマネジメントガイドライン(3 月)
(3)
刊行物のあっせん
「数字でみる物流 2014 年版」(日本物流団体連合会刊)(11 月)
(4)
DVD
①「事業継続計画書(BCP)について」(10 月)
②「倉庫施設の自主点検」(3 月)
2. 連
絡
国土交通省等からの文書による通知等について、各地区協会への郵送、メールによる連絡、
機関紙「日本倉庫時報」掲載等の方法により会員事業者へ周知した。
(1)
チリ北部沿岸で発生した地震による津波に備えた対応について(4 月)
(2) 「領収書」等に係る印紙税の非課税範囲の拡大に関する周知について(依頼)(4 月)
(3)
ゴールデンウィーク期間におけるテロ対策の徹底について(4 月)
(4)
夏期期間におけるテロ対策の徹底について (6 月)
(5)
全国戦没者追悼式の実施について(7 月)
(6)
労働災害のない職場づくりに向けた緊急要請について(8 月)
(7)
平成 26 年秋季全国火災予防運動に対する協力について(9 月)
(8) 国土強靱化に資する民間取組事例の募集について(9 月)
(9)
個人情報保護法等の遵守に関する周知の徹底について(10 月)
(10)
下請取引の適正化推進月間の実施について (10 月)
(11)
原材料・エネルギーコスト増の影響を受ける下請事業者に対する配慮について(10 月)
(12)
職場における風しん対策について(10 月)
(13)
下請取引の適正化について(11 月)
(14)
女性トラックドライバーの労働環境の改善に関する協力について(12 月)
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(15)
新拉致問題啓発ポスター掲出に係る協力依頼について(12 月)
(16)
平成 26 年度補正予算による非常用電源設備の導入支援について(12 月、2 月、3 月)
(17) 「STOP!転倒災害プロジェクト 2015」による転倒災害の防止について(1 月)
(18)
平成 26 年度補正予算による BCP 作成支援事業について(1 月、2 月)
(19)
テロの未然防止対策の徹底について(依頼)及び海外進出企業における海外勤務者の安全確
保について(注意喚起依頼)(2 月)
(20)
平成 27 年春季全国火災予防運動に対する協力について(2 月)
(21)
平成 27 年度の大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者の就職・採用活動に
係る取扱等について(2 月)
(22) 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」の周知について(2 月)
(23)
港湾物流施設等への支援制度「共同型都市再構築業務(港湾)」の周知について(2 月)
(24) 東日本大震災四周年追悼式の当日における弔意表明について(3 月)
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