さい帯血バンクより 臍帯血公開登録数の推移について 国内の臍帯血移植件数が5,000例に到達した2008年当時と比較すると、全国のさい帯血バンク数は11カ所から6か所に、公開 臍帯血数は約30,000本から約11,000本へと大きく減少している。 公開臍帯血数が減少した原因については、バンク数が減ったことのほかに、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関 する法律」(平成26年1月1日施行)を契機に、採取から10年以上が経過した臍帯血の公開を取り消したことと臍帯血を公開する までの保存期間が9か月間に延長されたことが影響していると考えられる。 35000 図1 公開臍帯血数の推移 30000 細胞数が 10×10^8未満 25000 公 開 20000 臍 帯 15000 血 数 22397 26428 細胞数が 10×10^8以上 13327 10000 5000 0 3620 2008 7998 6716 6444 5898 4669 4767 2012 2013 2014 2015 移植によく使われる 一方、移植によく使われる10×10^8個以上の細胞数を持つ臍帯血の公開数はここ数年一定に保たれている(図1)。細胞数 の多い臍帯血は公開されるとすぐ移植に使用されるため公開臍帯血数はなかなか増えないが、年間の臍帯血公開登録数の推移(図2) や年間の臍帯血移植数が2012年以降、1,200件程度で推移しており、公開数の減少による移植件数への影響は表れていないことか ら各バンクは移植に必要な細胞数の臍帯血を効率よく保存できていることがわかる。(図3) 図2 臍帯血公開登録数の推移 12,000 図3 臍帯血移植数 10,000 細胞数が10×10^8以上 細胞数が10×10^8未満 累計移植件数 4000 3000 年 間 公 開2000 登 録 数 1000 1566 1129 1134 785 880 372 1769 1783 2179 2079 1,800 1,600 1,400 8,000 474 2462 11,587 2,000 2080 1612 累 計 移 6,000 植 数 93 85 4,000 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 100 2,000 743 809 96 99 82 80 細胞数10×10^8未満 1,000 年 間 600 移 1,083 1,077 1,096 植 923 1,002 400 件 数 800 200 公開登録年 細胞数10×10^8以上 1,200 0 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 しかし、移植成績の向上や高齢化に伴い、今後臍帯血移植の重要性は増していくことが予想されており、安全性が高く 細胞数の多い臍帯血をより多く確保する取組みが不可欠となる。 そのためにさい帯血バンクは、多くのドナーさんにご協力頂けるよう働きかける一方で、引き続き採取技術・保存技術 の向上に力を入れて取り組んでいく必要がある。
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