6月27日(土)午前8時、大きなトラック 2台が胆沢

岩手県立胆沢病院広報
平成27年8月5日(水) 第 594 号
発行 岩手県立胆沢病院
編集 広報委員会
〒023-0864
岩手県奥州市水沢区
字龍ケ馬場61
TEL 0197-24-4121
FAX 0197-24-8194
6月27日(土)午前8時、大きなトラック
2台が胆沢病院裏口に到着し、荷下ろしの
作業が始まりました。いよいよ待ちに待っ
た手術ロボット“ダビンチ”の搬入です。
ダビンチは4個の大きな段ボールに収容さ
れており、丁寧に荷台から下ろされ、梱包
を解かれて手術室に運ばれた後、専用準備
室で接続調整作業を無事に終えました。
さて、これで機械の方はいつでも手術を開
始できる状態になったわけですが、実際に
は患者さんの手術デビューまでに約3ヶ月
の準備期間を要します。この間に行われる
トレーニングについてご紹介いたします。
ダビンチ手術は通常5名のチームで取り組むこ
とになっており、医師2名、看護師2名、臨床
工学技士1名が基本構成です。そして、手術開
始までのトレーニングもチームで行うことにな
ります。ダビンチ手術は、5つのトレーニング
手術室の専用準備室に並んだダビンチ
を受けて認証(いわゆるダビンチ免許証)を取
得しないと行うことができない決まりになって
います。
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岩手県立胆沢病院
風と心
平成27年8月5日(水) 第594号
①オンライン
トレーニング
インターネット上で行うダビンチの基
本的知識を習得するプログラムで、小
テストで全て85点以上の成績をあげ
ないと終了できません。
②オンサイト
トレーニング
ダビンチ本体を使ってチーム全員
で実際に機械の接続やセッティン
グ、立ち上げ、動かし方などを学
びます。ダビンチの全ての腕に滅
菌カバーをかけてカメラや鉗子類
を接続するのは大変集中力の要る
0
作業です。
また、手術担当の医師は、練習
機を用いて手術手技の練習を開始
します。9項目のジャンルにそれ
ぞれ3~6ある全てのステージで
90点以上の評価を得ないと先に
進むことができません。毎晩遅く
まで孤独なトレーニングが続きま
す。
オンサイトトレーニング中のチーム「ダビンチ」メンバー
③オフサイトトレーニング
⑤シミュレーション
専用のトレーニングセンターで2日間徹底し
て行うトレーニングで、生きた動物の手術な
ども経験します。これが終了すると、本番ま
で約1ケ月です。
第一例目を想定したリハーサルです。チーム
のみならず、手術関係者全員が参加して、本
番と同じ機械・器材を使用して完璧な予行演
習を行います。
④症例見学
チーム5名全員で認定医師が行う手術を見学
します。見学対象は手術手技だけでなく、機
械の配置、セッティングから周辺機器、アシ
スタントの操作など、本番を想定して全てを
確認します。
以上、全部で5ステップ。その後いよいよ手
術本番となりますが、実は本番開始後もトレ
ーニングは続きます。このように他の手術で
は見られない異例の厳しいシステムですが、
患者さんが安心して手術を受けられるよう、
安全で質の高い手術を間違いなく行うための
徹底した管理がなされているのです。
(副院長兼泌尿器科長 下田 次郎)
岩手県立胆沢病院
風と心
平成27年8月5日(水) 第594号
「平成27年度 岩手県防災訓練兼災害医療実地訓練」
~情報伝達の大切さを学ぶ~
人工透析科長(日本DMAT隊員 統括DMAT)
忠地 一輝
7月12日(日)、奥州地区を会場として岩手県防災訓練が開催され、当地区では例年行ってい
る胆江地域災害医療実地訓練をタイアップして行いました。
朝から日差しが強く照続ける猛暑にも関わらず、院内スタッフ1
28名、ボランティア48名(防災水沢みなみの皆さん、国際医
療専門学校の学生さん、水沢看護学苑の学生さん)にご参加いた
だきました。訓練想定は大地震によって土砂崩れ、続いてバス事
故が起き多数傷病者が発生したというもの。また、江刺病院は地
震により病院機能が失われ、入院患者さん全てをほかの病院に転
院搬送する=病院避難。その援助も胆沢病院が行う、というもの
でした。
今回の訓練のテーマは「情報を的確に伝えることができるか?」
訓練前の勉強会でクロノロジー、災害カルテなどについて学んで
いただきました。災害時はいろいろな情報が錯綜するものです。
PHS、トランシーバーといった通信機器がうまく使えなかった
り、使えても間違った情報が伝わったり、ということがありまし
た。そんな中、最も有効だったのが伝令係=メッセンジャーでし
た。人が直接情報をとり、直接情報を伝える、ということが有効
かつ確実だったようです。クロノロジーについてはまだまだ課題
はありますが、本部ではかなり情報が整理されていたようです。
伝令係への的確な指示
平成20年に起きた岩手宮城内陸地震では、胆
沢病院に多数の傷病者が運ばれ病院は混乱しま
した。その時の反省点を教訓に今後も訓練を行
っていきたいと考えております。
秋には、7年に1度の東北DMAT参集訓練が奥州
北上地域を主会場に開催されることが決定して
います。胆沢病院には今回の訓練を上回る傷病
者役が搬送される予定です。この訓練でも院内
スタッフのご参加をお願いしたいと存じます。
最後に、今回ボランティアとしてご協力いただ
いた皆様に紙面で厚く御礼申し上げます。
また、訓練に参加いただいた院内の皆様、本当
にお疲れ様でした!
懸命の救急処置
情報収集の対策本部
協力のボランティアの皆さん
玄関前のエアーテント
的確なトリアージ
応援のDMAT車両
終了後の反省会
岩手県立胆沢病院広報
部
風と心
署
紹
平成27年8月5日(水) 第 594 号
介
薬剤科は、薬剤師14名と臨
時薬剤助手4名で勤務してい
ます。
薬剤科の業務は、入院・外来
の調剤、麻薬・向精神薬・毒薬の管理、薬剤
管理指導業務(入院患者さんへの服薬指導や
薬歴管理等)、院内製剤の調整、入院・外来
の化学療法の抗がん剤無菌調製、IVH療法
の高カロリー輸液製剤の無菌調製やDI(ドラ
ッグインフォーメーション)業務として医薬
品情報を集約し医師等に提供、入院患者さん
の持参薬鑑別報告による情報提供や再調剤な
ど多岐にわたっています。
教育関係では、毎年薬学生の病院実務実習
生を受け入れて薬学教育の一端を担い未来の
薬剤師を育てるとともに、私たち自らも研鑽
を積んでいます。
そして、新たに今年6月から薬剤師を各病
棟に1名ずつ専任配置することになりまし
た。週20時間の病棟常駐ですが、薬剤師が
薬剤科長
村上正一
薬剤科長(前列中央)を中心にスタッフで一枚
病棟にいることにより、患者さんにとってよ
り身近な存在となり、薬物療法の有効性や安
全性の向上にますます寄与できればと思って
います。
8月12日
12日(水) 8月13日
13日(木) 8月14日
14日(金) 8月15日
15日(土) 8月16日
16日(日) 8月17日
17日(月)
外来診療科
全科休診
宿日直体制
通常診療
売 店
7:30~17:00
通常営業
喫茶店
休業
通常営業
理容店
食 堂
通常営業
休業
休業
通常営業
<9月開催の予定>
日 時 : 9月29日(火)9:00~12:00
場 所 : 玄関ホール内「医療情報コーナー」
内 容 : 臨床検査技師が「検査項目・項目内容について」ご説明いたします。
申 込 : 不要
参加費用 : 無料
【問い合わせ先】担当:地域医療福祉連携室 電話0197-24-4121(内線1065)
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