内外の化学繊維生産動向
－
２０１４年
－
2015年 3月 17日
日 本 化 学 繊 維 協 会
本 資 料 の 2014年 の 数 値 は 、 至 近 の 発 表 値 を も と に 日 本 化 学 繊 維 協 会
で推定したものです。
１．世界の繊維⽣産
表 -１
世界の主要繊維の⽣産
（1000㌧）
全繊維
化 学 繊 維
合繊
綿
⽺⽑
絹
ｾﾙﾛｰｽ
2008
64,429
39,712
36,946
2,766
23,400
1,196
121
2009
65,523
42,392
39,379
3,013
21,896
1,108
127
2010
73,825
47,685
44,424
3,261
24,872
1,128
140
2011
79,482
50,926
47,336
3,590
27,284
1,140
132
2012
83,023
55,088
50,829
4,260
26,670
1,133
132
2013
86,285
58,709
53,921
4,787
26,280
1,159
138
2014
88,610
61,239
56,348
4,891
26,080
1,153
138
14/13(%)
2.7
4.3
4.5
2.2
-0.8
-0.5
0.3
構成⽐(%)
100.0
69.1
63.6
5.5
29.4
1.3
0.2
⽇本化学繊維協会推定
綿、⽺⽑は季節年度
2014年 の 世 界 の 主 要 繊 維 生 産 （ 推 定 ） は 前 年 比 3％ 増 の 8,861万
㌧と史上最高を記録した。
化 学 繊 維 は 前 年 比 4％ 増 の 6,124万 ㌧ と 過 去 最 高 と な っ た 。
こ の う ち 合 繊 （ オ レ フ ィ ン 繊 維 を 除 く ） は 5％ 増 の 5,635万 ㌧ 。
セ ル ロ ー ス 繊 維 （ ア セ テ ー ト ト ウ を 除 く ） は 2％ 増 の 489万 ㌧ と
いずれも増加した。
化 学 繊 維 の 生 産 は 、 2009年 以 降 6年 連 続 で 拡 大 し た 。 ま た 繊 維 全
体 に 占 め る シ ェ ア は 69％ と 前 年 比 1ポ イ ン ト 上 昇 し た 。
天然繊維は、綿は米国やパキスタンなどが増加となるものの、
ブ ラ ジ ル や オ ー ス ト ラ リ ア 、 中 国 な ど が 減 少 し 、 全 体 で は 1%減 の
2,608万 ㌧ 。 羊 毛 は 、 主 要 産 毛 国 の オ ー ス ト ラ リ ア が 減 産 の 見 通
し で あ る こ と か ら 、 世 界 全 体 で は 0.5％ 減 と 減 少 の 見 込 み 。
－１－
図 -1
図 -2
世界の主要繊維の⽣産
世界の主要繊維の⽣産推移
－２－
２．世界の化学繊維⽣産
主要国・地域別に化学繊維生産をみると、最大生産国の中国は前
年 比 7％ 増 と 増 加 幅 は 縮 小 し た が 、 依 然 増 加 が 続 い て い る 。 そ の 他
の主要生産国・地域は一部を除いて概ね減少となり、中国の伸び
は鈍化したものの同国への一極集中傾向が続いている。
表 -２
地 域
主 要 国 ・ 地 域 の 化 学 繊 維 ⽣ 産 (2014年 )
ポリエステル
ﾌｨﾗﾒﾝﾄ
ｽﾃｰﾌﾟﾙ
ナイロン アクリル
S+F
S
⽇ 本
合 繊
ｾﾙﾛｰｽ
化 繊
計
計
計
136
147
99
141
670
-10.3
2.6
2.8
-4.4
-0.7
韓 国
659
543
115
50
1,367
-11.2
1.9
-10.5
-8.6
-6.2
台 湾
925
547
353
64
1,888
-0.5
-1.6
-2.1
-6.1
-2.3
中 国
25,783 10,027
2,370
677 39,656
7.8
5.7
11.5
-2.5
7.0
ASEAN
1,496
1,065
187
122
2,869
1.5
1.8
0.6
-2.6
1.4
インド
2,392
1,047
102
101
3,643
-4.4
1.4
5.5
0.6
-2.5
⽶ 国
638
653
603
2,022
3.2
1.3
0.9
1.7
⻄ 欧
382
522
341
512
1,757
0.4
-2.1
-2.1
-4.3
-3.7
世界計
32,986 15,733
4,571
1,923 56,348
5.4
3.9
5.3
-3.1
4.5
（注）1.上段は⽣産量、下段は前年⽐(%) 2.推定を含む
3.オレフィン繊維、アセテートトウを含まない
62
1.2
125
4.9
3,214
2.2
539
1.8
455
2.0
27
0.4
429
2.2
4,891
2.2
(1000㌧）
構成⽐
732
-0.6
1,367
-6.2
2,013
-1.9
42,870
6.6
3,409
1.5
4,098
-2.0
2,048
1.7
2,186
-2.6
61,239
4.3
（％）
1.2
2.2
3.3
70.0
5.6
6.7
3.3
3.6
100.0
中 国 は 7％ 増 の 4,287万 ㌧ 。 世 界 生 産 に 占 め る 割 合 は 主 要 生 産 国 の
多 く で 生 産 が 減 少 し た こ と も あ り 、 前 年 の 68％ か ら 70％ に 拡 大
し た 。 合 繊 は 7％ 増 。 ナ イ ロ ン が 12%増 、 ポ リ エ ス テ ル は フ ィ ラ
メ ン ト が 8％ 、 ス テ ー プ ル が 6％ 増 加 し た 。 セ ル ロ ー ス 繊 維 は 2％
増となった。
そ の 他 の 主 要 生 産 国 ・ 地 域 は 、 ASEAN、 米 国 が 2%弱 増 加 し た も
の の 、 総 じ て 減 少 し た 。 日 本 は 0.6%減 と 微 減 、 台 湾 、 イ ン ド 、 西
欧 が 2％ 前 後 の 減 少 、 韓 国 は 6%減 と な っ た 。
－３－
図 -３
世界の主要国・地域の化繊⽣産
主 要 品 種 別 に み る と 、 ポ リ エ ス テ ル お よ び ナ イ ロ ン は 4～ 5%増 の
増加となったのに対し、アクリルステープルは減少した。
ポ リ エ ス テ ル は 、 フ ィ ラ メ ン ト が 前 年 比 5％ 増 の 3,299万 ㌧ 、 ス テ
ー プ ル が 4％ 増 の 1,573万 ㌧ で あ っ た 。 フ ィ ラ メ ン ト 、 ス テ ー プ ル
を あ わ せ た ポ リ エ ス テ ル の 化 繊 生 産 に 占 め る 割 合 は 80％ と 2013
年 か ら 1ポ イ ン ト 上 昇 し た 。
ナ イ ロ ン は 5％ 増 の 457万 ㌧ 。 う ち フ ィ ラ メ ン ト は 中 国 が 大 幅 に
増 加 （ 12%増 ） し た が 、 米 国 が 微 増 （ 1％ 増 ） 、 西 欧 （ 2％ 減 ） 、
台 湾 （ 2％ 減 ） 、 韓 国 （ 11％ 減 ） な ど が 減 少 し た こ と か ら 全 体 で
5％ 増 に と ど ま っ た 。 同 ス テ ー プ ル は 2%増 。
ア ク リ ル Ｓ は 3％ 減 の 192万 ㌧ 。 主 要 生 産 国 の 中 国 （ 3%減 ） や 西
欧 （ 4%減 ） を 中 心 に 、 多 く の 国 ・ 地 域 で 減 少 し た 。
セ ル ロ ー ス 繊 維 （ レ ー ヨ ン 、 ア セ テ ー ト 、 キ ュ プ ラ ） は 2％ 増 の
489万 ㌧ 。 中 国 が 2％ 増 で あ っ た ほ か 、 ア ジ ア 、 欧 米 い ず れ の 主
要 国 ・ 地 域 で も 増 加 し た 。 同 繊 維 の 2004～ 2014年 の 年 平 均 伸 び
率 は 7.1%で 、 合 繊 の 6.0％ を 上 回 っ て い る （ 図 -2） 。
－４－
図 -４
世界の主要化繊品種の⽣産推移
ポ リ エ ス テ ル Ｆ ： 前 年 比 5％ 増 の 3,299万 ㌧ と 過 去 最 高 を 更 新 し た 。
供 給 過 剰 問 題 が 取 り 上 げ ら れ る 中 国 は 8％ 増 と 依 然 増 加 傾 向 に あ る 。
ま た 米 国 は カ ー ペ ッ ト 用 が 引 き 続 き 堅 調 で 3%増 と な っ た 。 一 方 、
日本、韓国、台湾、インドは減少した。
図 -５
世界の主要地域別ポリエステルＦ⽣産
－５－
ポ リ エ ス テ ル Ｓ ： 前 年 比 4％ 増 の 1,573万 ㌧ 。 中 国 が 6％ 増 と な っ
た ほ か 、 日 本 、 韓 国 が 2～ 3%増 、 米 国 、 イ ン ド も 増 加 し た 。 一 方
で 、 台 湾 、 西 欧 が い ず れ も 2%減 と 減 少 し た 。
図 -６
世界の主要地域別ポリエステルＳ⽣産
ナ イ ロ ン ： 前 年 比 5％ 増 の 457万 ㌧ 。 中 国 が 12％ 増 と 大 幅 に 増 加
しており、拡大基調が継続する見通し。米国はカーペット用の増
加は続いているが勢いは鈍化、西欧は衣料用が不振で減少した。
図 -７
世界の主要地域別ナイロン⽣産
－６－
ア ク リ ル Ｓ ： 前 年 比 3%減 の 192万 ㌧ 。 イ ン ド が 0.6%増 と 横 ば い
であったものの、その他は主要生産国の中国が内需不振の影響で
3%減 少 、 西 欧 も 4%減 と な る な ど 世 界 全 体 で 減 少 し た 。
図 -８
世界の主要地域別アクリルＳ⽣産
－７－
３．⽇本の化学繊維⽣産
2 0 1 4 年 の 日 本 の 化 学 繊 維 生 産 は 前 年 比 微 減 （ 0.4% 減 ） の 98万
㌧ (オ レ フ ィ ン 、 ア セ テ ー ト ト ウ を 含 む )と な っ た 。 内 訳 は 合 繊 が
1％ 減 少 し た の に 対 し 、 セ ル ロ ー ス 繊 維 が 2％ 増 加 し た 。
表 -３
⽇本の主要化学繊維の⽣産
(1000㌧)
2011
2012
2013
2014
14/13%
ポリエステルＦ
180.8
167.0
151.3
135.7
-10.3
ポリエステルＳ
157.1
151.5
142.8
146.6
2.6
ナイロンＦ
95.0
98.1
95.4
98.0
2.8
アクリルＳ
151.6
139.9
147.3
140.8
-4.4
ポリプロピレン
120.8
120.8
131.5
129.3
-1.6
合繊計
854.4
811.4
812.2
804.7
-0.9
セルロース計
167.9
168.7
167.5
171.1
2.1
化繊計
1,022.3
980.1
979.7
975.8
-0.4
（出所）経済産業省
(注）オレフィン、アセテートトウを含む。
図 -９
⽇本の化学繊維⽣産推移
－８－
合 成 繊 維 の 生 産 は 1％ 減 の 80万 ㌧ 。 主 要 品 目 で は ポ リ エ ス テ ル S
が 衛 生 材 料 向 け が 好 調 で あ っ た こ と か ら 3%増 の 14.7万 ㌧ 、 ま た
ナ イ ロ ン Fは エ ア バ ッ グ 向 け が 堅 調 に 推 移 し て 3%増 の 9.8万 ㌧ と
なった。
一 方 、 ポ リ エ ス テ ル Fは 企 業 の 一 部 撤 退 も あ り 10%減 の 13.6万 ㌧ 、
ア ク リ ル Sは 中 国 向 け 輸 出 が 減 少 し た こ と か ら 4％ 減 の 14.1万 ㌧ と
なった。
ポ リ エ ス テ ル Sの 生 産 が 同 Fを 上 回 っ た の は 1983年 以 来 31年 ぶ り 。
セ ル ロ ー ス 繊 維 の 生 産 は 2％ 増 の 17万 ㌧ で あ っ た 。
図 -10
⽇本の主要化合繊⽣産
■
－９－

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