ピーター・ハンツのスタイルで描く 楕円ボード

ピーター・ハンツのスタイルで描く
楕円ボード
デ ザイ ン 山 崎 由 美 子
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ピーター・ハンツのスタイルと経歴
Peter Hunt
ピータ・ハンツの生涯
ByLynn C Van Dine,author of ;The Search for Peter Hunt;,(The Local History
Company,2003)
Instructor 山崎由美子
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ピーター・ハンツは 、アメリカに於けるペインティングの3大
父親(他にピーター・オンピールとパー・リスナー、オッピールはハド
ソンリバーペインターであり、リスナーはローズモラーです。)の内の
一人として尊敬されています。
ニュージャージー州で 1896年 に移民の子として生まれました。
第一次大戦従軍後、しばらくヨーロッパに滞在し、その後ニューヨー
クでファッションの仕事をする中で、記憶に残っていたヨーロッパの
イメージを描き始めました。
フランスの農村のスタイルを偲ばせる作風は歓迎されました。また、ヘ
レナ・ルビンスタイン女史に出会い寵愛を受け、それは仕事を良い方
向へ導いてくれました。
彼の絵が売れ、雑誌にも掲載されるようになり仕事は順調でした。
第2次大戦が始まり贅沢品の売上げが落ちましたが、彼はデュポン社と
組み、庶民的テクニックを戦時産業に転換すること成功しました。
大規模な全米宣伝企画により、アメリカ市民に彼の装飾技術を使い、
; Make old things new 古い物を新しく; して戦時体制に貢献するよう
呼びかけました。
デュポン社と組んで、彼の天使、花の描き方のパンフレットを作りま
した。全国版の雑誌がこのアイディアを取り上げ、大きな写真記事を
掲載し計画は成功しました。1945 年に”ピータ・ハンツの作業本”が
出版されました。後に他の出版社からも“ピータ・ハンツの描き方”とし
て新たな本が出版されました。彼のデザインを量産体制で売り始めま
した。農夫、天使などのモチーフは、アップリケ、食器類、
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テーブルクロス、トール製品などに装飾、印刷され氾濫し、やがて模倣
されました。1950年 頃は飽和と氾濫で需要が落ち込みました。ハンツは
危機意識を持って新しいサイケデリック・アートを提案しましたが、国民
からはわずかな興味しか寄せられませんでした。すっかり世間から忘れられ
た1967 年に、
かな財産を残し、浮き沈みの多い生涯をオールリンズで
終えました。
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完成作品
デザイン 山崎由美子
セクション 1
下準備の方法と描き方
Palette: Deco Art 社 Traditions を使用
Wood Source
素材
密封容器にショップタオルを敷き、水を含ま
せてペイントを置く。上記に表記された色を
カラーホイールの Red, Yellow, Green, Blue の
ラギディ・アン カタログNo.613 ウッドアップリケつき楕円ボード 300×150×20㎜
順に、左から右に濃い順に置く。
もし乾き始めたら、ペイントの上にダイレクト
に水をスプレーする。 使用後はふたをして鮮
度を保つ。1日の作業が終ったら、水をスプレ
ーしてふたをすると数ヶ月に亘って使うことが
できる。
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パレット Deco 社 Traditions
Naphthol Red Light
Medium Red Rose
Raw Sienna
Yellow Oxide
Pine Green
Phthalo Blue
Ultramarine Blue
Red Violet
Carbon Black
Medium White
Titanium White
Toner ( Naphthol Red Light + Carbon Black (2:1)
この色は彩度を落とすために原色に混ぜて使う。
Glazing Medium Extender
カラーホイール
パレットをセットする時は、
必ずカラーフォイールの順に色を置くと色の勉強になります。
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Step 1 ベースコート
Step 2 サンディング
Traditions Medium White + Glazing Medium (1:1) で表のマチを含めたすべてを
ベースコートする。
#400位のサンドペーパーでサンディン
グする。
Step 3 もう一度ベースコート
Step 4 背景をつくる
Phthalo Blue + Ultramarine Blue(1:
2)+ Toner + Titanium White を水で薄め
もう一度ベースコートをするが、今回は
て透明にして (Transparent) 背景の上半
Glazing Medium を省略する。
分をぬる。この色に Pine Green を追加し
て下半分をぬる。むらがあっても心配は
ない。
Step 6 オブジェクトのベースコート
Step 5 パターンを転写
トレーシングペーパーにパターンをを転
写し、白グラファイト用紙を敷き、スタ
Round ブラシで顔と手を Naphthol Red
イラスで転写する。
Light + Yellow Oxide + Titanium White でぬ
る。ジャケットをNaphthol Red Light +
★ブラシは殆ど Round ブラシを使用する
touch Toner, エプロンを Medium White, ス
ので、特別に書かれていない限りは
カートを Carbon Black + Naphthol Red
Round ブラシを使用して進行する。
Light (1:1) でぬる。
Step 7 ShadeとHighlight をいれる
カジュアルに、顔と手に Red Violet
+ touch Naphthol Red Light +
Toner + Titanium White で Shade
Step 8 装飾をする
パターンを転写して(ペーパーの模様
のデザインの部分の後ろにチョークを
をいれ、Titanium White + touch
ぬり、粉をパンパンと叩いて落として
Yellow Oxide で Highlight をいれ
転写する方法が、残らないのでベス
る。ジャケットに Red Violet +
トです。)チューリップを Phthalo
Naphthol Red Light で Shade をい
れ、Yellow Oxide で Highlight をい
Blue + Ultramarine Blue + Toner +
touch Yellow Oxide + Titanium White
のカンマストロークで描く。以下は好
れるエプロンには Medium White +
きな色を使用して模様を描く。
Touch Carbon Black でShade をい
れ、Titanium White で Highlight を
いれる。スカートには Carbon Black
で Shade をいれ、Medium White で
Highlight をいれる。
Step 9 花と葉を描く
Round ブラシを使用して、花を Medium Red Rose +
Titanium White で円にぬり、まだ乾いていなくても
OK なので、ブラシをぬぐい、Red Violet + Naphthol
Red Light + Touch Carbon Black で花心を描く。
葉を Pine Green + Yellow Oxide で描き、この色に Carbon Black をプラスして葉の奥側からブラシをトルネー
ドのようにして Shade をいれる。花に移行し、Red Violet + Naphthol Red Light + touch Toner で花の Shade
のエリアに暗い花びらをコンマストロークで描く。ブ
ラシを洗い、Medium Red Rose + Titanium White +
touch Yellow Oxide で明るい花びらを描く、もっと明
るところにはTitanium White をプラスする。
★ 花の Step by Step を参考にする。
Step 11 空をぬり、雲を描く
Step 10 バスケットと髪を描く
Raw Sienna でバスケットをブラシを横に
引きながらカジュアルに描く、髪をクルク
ルとブラシを回しながら描き、どちらにも
この色に Red Violet を加えて Shade をい
れ、明るいエリアには Yellow Oxide をい
れる。髪をもう少し明るくしたければ Titanium White をプラウスする。
Filbert ブラシを使用して、上部の Blue の
エリアの全体に Oval Filbert No.1 で Extender をぬり、Phthalo Blue + Ultramarin Blue + Toner + TitaniumWhite で再び
空を描き、この色に Titanium White をプ
ラスして雲を描く。雲の明るいエリアには
ほんの少しだけ Yellow Oxide を
追加する。
Step 13 顔の造作を描く
Step 12 鳥を描く
Round ブラシか Liner ブラシを使用して、鳥
頭の上の鳥を Medium Red Rose + Titanium
も同じ色で描く。CarbonBlack + Toner で瞳
White でぬり、Red Violet + Napthol Red
を斜めの線を描くようにしてブラシを動かして
Light + Toner で Shade をいれ、Medium
描き、Phthalo Blue + Titanium White でブル
Red Rose + Titanium White で Highlight を
ーの瞳を Black の上に描き入れる。鼻と口を
いれる。くちばしを Raw Sienna で、足を
Naphthol Red Light で描き、頬には Transpar-
Toner で描く。くちばしに Toner で Shade
ent で薄くぬる。
をいれ、Yellow Oxide ∼ Titanium White で
明るいところに Titanium White のドットを置
Highlight をいれる。
く。
Step 14 装飾のドットなどを置く
Step 15 ウッドのアップリケをぬる
パレットにある色を使って自由に描く。
パイナップルはおもてなし、歓迎をシン
胸のフリルを Titanium White で描く。ジャケ
ットの後ろに Naphthol Red Light のハートを
描き。Yellow Oxide + Raw Sienna でドットを
描く。
Pine Green + Yellow Oxide でコンマストロー
クを描く。バラの花心には Yellow Oxide のド
ットを置く。
ボライズしたもので、病院の看板に描か
れました。ハートはロマンス、愛、結婚
のシンボルです。
Step 16 最初のマチをぬる
Medium White + touch Phthal Blue + touch Ultramarine Blue + touchToner でブルーグレーをつくる。
Step16-2
Step 16 でつくった色をマチにぬる。
Step17 外側のマチの色をつくる
Step 16 でつくった Medium White + touch Phthal Blue
+ touch Ultramarine Blue + touch Toner のブルーグレ
ーに Touch Phthalo Blue + touch Carbon Black で Step
16 より暗いブルーグレイをつくる。
Step17-2 外側のマチをぬる
スポンジアプリケーターを使って外側のマチをぬる。
Step18 サイドにライフラインを描く
Step19 ウッドアップリケを貼る場所を養生す
る
ウッドのアップリケを貼るエリアをサンドペ
ーパー#100位でこすりペイントを剥がす。
アップリケが剥がれないように養生をして、
デザインの周りに Naphthol Red Light +
Toner でライフラインを描き、山のエリ
アには Medium Red Rose +Titanium
White でHighlight をいれる。
ライフラインは人生をシンボライズした
ものです。
ボンドでアップリケを貼る。
全体を見回して、Shade や Highlight の足り
ないところに追加をする。
セクション 2
パターン
パターン 18
A4 でプリントアウトする
セクション 3
エレメントの STEP BY STEP
Step2-1
Step2-2
ベースコートをする。
シェード をいれる。
19
Step2-3
ハイライトをいれる。
Step2-4 装飾する
細部を描いて仕上げをする。