１ 独立行政法人通則法 １ 独立行政法人通則法 第１章 第１節 第１条 総 則 通 則 目的等 （目的等） 第一条 この法律は、独立行政法人の運営の基本その他の制度の基本となる共通 の事項を定め、各独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定 める法律（以下「個別法」という。 ）と相まって、独立行政法人制度の確立並 びに独立行政法人が公共上の見地から行う事務及び事業の確実な実施を図り、 もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。 ２ 各独立行政法人の組織、運営及び管理については、個別法に定めるもののほ か、この法律の定めるところによる。 ＜趣 旨＞ 本条第１項は、独立行政法人制度の目的を規定したものである。 本法は、「独立行政法人について、その運営の基本、監督、職員の身分その他の制 度の基本となる共通の事項を定める」（基本法３ ７条１項）ものであって、各独立行 政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定める個別法と相まって、独立 行政法人制度を構成するものである。 本法は、独立行政法人に関する通則法であって、各独立行政法人の組織、運営及 び管理に関する事項については、個別法で定めることを予定している。 ＜解 １ 説＞ 通則法と個別法の関係 独立行政法人は、通則法及び個別法の定めるところにより設立される法人（第 ２条参照）であって、通則法及び個別法を設立根拠法とするものである。個別法 は、各独立行政法人の目的、業務の範囲、組織、運営その他通則法を補う内容を 定め、各独立行政法人を設立し運営するための法律であり、通則法と個別法の関 係は、制度の共通ルール法である通則法を個別法が補完するものであると言え る。 11 第２節 第１ ２条 独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価委員会 （独立行政法人評価委員会） 第十二条 独立行政法人の主務省（当該独立行政法人を所管する内閣府又は各省 をいう。以下同じ。 ）に、その所管に係る独立行政法人に関する事務を処理さ せるため、独立行政法人評価委員会（以下「評価委員会」という。 ）を置く。 ２ 評価委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 独立行政法人の業務の実績に関する評価に関すること。 二 その他この法律又は個別法によりその権限に属させられた事項を処理する こと。 ３ 前項に定めるもののほか、評価委員会の組織、所掌事務及び委員その他の職 員その他評価委員会に関し必要な事項については、政令で定める。 ＜趣 旨＞ 本条は、基本法３ ９条に「独立行政法人の業務の実績に関する評価が、専門性及び 実践的な知見を踏まえ、客観的かつ中立公正に行われるようにするため、府省に、 当該評価の基準の作成及びこれに基づく評価等を行うための委員会を置く」とある ことを受けて、府省に置かれる独立行政法人評価委員会の設置及び所掌事務を定め たものである。 ＜解 １ 説＞ 独立行政法人評価委員会の設置 第１項は、独立行政法人評価委員会の設置根拠である。独立行政法人制度にお いては、独立行政法人評価委員会が客観的・専門的な見地から、独立行政法人の 業務の実績に関する評価を行い、その結果を自らの名において独立行政法人に通 知することとしている。すなわち、独立行政法人の業務の実績に関する評価は、 主務大臣ではなく、独立行政法人評価委員会の固有の権限である。すなわち、独 立行政法人評価委員会の評価は、国家意思の決定・表示に該当するものであるた め、法律に設置根拠を置くものである。 また、独立行政法人評価委員会は、独立行政法人の主務省に置かれることに なっているが、主務省は、個別法が施行された時点で、その個別法において特定 30 １ 独立行政法人通則法 第２ ６条 職員の任命 （職員の任命） 第二十六条 ＜趣 独立行政法人の職員は、法人の長が任命する。 旨＞ 独立行政法人の職員の任命権は、すべて長にあることを明らかにするものであ る。 ＜解 １ 説＞ 特定独立行政法人の場合 特定独立行政法人については、その職員は国家公務員であるので、長による任 命は、国家公務員法上の任命行為である。 国家公務員法第５ ５条においては、任命権は法律に別段の定のある場合を除いて は、内閣、各大臣、会計検査院長及び人事院総裁並びに各外局の長に属するもの とされている。独立行政法人は、これら国家行政組織の外に独立性、自律性を備 えるため法人格を異にして設立されるものであり、その任命権者は法人の長と なっている（したがって、第２ ６条の規定が、国公法第５ ５条にいう「別段の定め」 に該当する） 。 ２ 非特定独立行政法人の場合 非特定独立行政法人については、その職員は国家公務員ではないので、国家公 務員法の適用を受けない。したがって、長の任命により、法人と職員との間に雇 用契約関係が生ずる。 第３章 業務運営 第１節 第２ ７条 業 務 業務の範囲 （業務の範囲） 第二十七条 ＜趣 各独立行政法人の業務の範囲は、個別法で定める。 旨＞ 独立行政法人の業務の範囲は、個別法で定めることを明らかにした規定である 49
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