1.経営成績・財政状態に関する分析

㈱マンダム(4917) 平成27年3月期 決算短信
1.経営成績・財政状態に関する分析
(1)経営成績に関する分析
①当期の経営成績
(当期の業績の概況)
(百万円)
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
(円)
EPS
(%)
ROE
平成27年3月期
70,925
6,996
7,595
4,425
189.28
8.3
平成26年3月期
68,215
6,853
7,330
4,091
175.02
8.3
4.0%
2.1%
3.6%
8.1%
8.1%
△0.0%
増
減
率
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済・金融政策を背景に緩やかな回復基調にあるものの、消費税
増税による消費の停滞や急激な円安の影響等により、先行き不透明な状況で推移いたしました。一方、当社海外グ
ループの事業エリアであるアジア経済は、持ち直しの動きが続いており、全般的に堅調に推移いたしました。
このような経済状況のもと、当社グループは持続的な成長の実現に向け、「コア事業である男性グルーミング事
業の持続的な成長」「女性コスメティック事業の展開スピードのアップ」「成長エンジンである海外事業の継続強
化」に取り組みました。
売上高は、前期より27億9百万円増加し、709億25百万円(前期比4.0%増)となりました。コア・ブランド「ギ
ャツビー」がインドネシアを中心に海外で好調となり、国内外ともに総じて堅調に推移した結果、5期連続で過去
最高売上高を更新しました。
利益面においては、国内の原価率上昇やインドネシアを中心とした海外のマーケティング費用(広告宣伝費)の
積極的な投下があったものの、国内でマーケティング費用(販売促進費・広告宣伝費)の効率的な投下に努めたこ
とにより、営業利益は、前期より1億42百万円増加し、69億96百万円(同2.1%増)、経常利益は、前期より2億
65百万円増加し、75億95百万円(同3.6%増)、当期純利益は、前期より3億33百万円増加し、44億25百万円(同
8.1%増)となり、各段階利益とも過去最高利益を更新しました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。(売上高は外部顧客への売上高を記載しております。)
(当期のセグメント別の概況)
所在地別業績
日本
(単位:百万円)
売上高
前期
40,945
営業利益
当期
増減率
41,637
前期
1.7%
4,480
当期
増減率
4,485
0.1%
インドネシア
15,968
17,172
7.5%
1,147
1,028
△10.4%
海外その他
11,301
12,115
7.2%
1,225
1,482
21.0%
日本における売上高は、416億37百万円(同1.7%増)となりました。これは主として、コア・ブランド「ギャツ
ビー」夏シーズン品の苦戦を、ルシードや女性分野等の好調な推移がカバーしたことによるものであります。利益
面においては、原価率が上昇したものの、マーケティング費用(販売促進費・広告宣伝費)の効率的な投下に努め
たこと等により、営業利益は、44億85百万円(同0.1%増)となりました。
インドネシアにおける売上高は、171億72百万円(同7.5%増)となりました。これは主として、現地通貨安によ
る円換算額の減少があったものの、インドネシア国内においてコア・ブランド「ギャツビー」をはじめ男性分野を
中心に好調に推移したことによるものであります。利益面においては、マーケティング費用(販売促進費・広告宣
伝費)の積極的な投下があったことにより、営業利益は、10億28百万円(同10.4%減)となりました。
海外その他における売上高は、121億15百万円(同7.2%増)となりました。これは主として、現地通貨ベースで
は概ね堅調に推移したことに加え、円安による円換算額の増加があったことによるものであります。利益面におい
ても増収効果により好調に推移したことから、営業利益は、14億82百万円(同21.0%増)となりました。
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②次期の見通し
(百万円)
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
(円)
EPS
(%)
ROE
平成28年3月期
76,360
7,360
7,600
7,120
304.55
12.7
平成27年3月期
70,925
6,996
7,595
4,425
189.28
8.3
7.7%
5.2%
0.1%
60.9%
60.9%
53.0%
増
減
率
次期におけるわが国経済は、海外景気の下振れなどのリスクがあるものの、雇用・所得環境の改善傾向が続くな
かで、原油価格下落の影響や各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待されます。また、アジア経
済についても、金融市場の影響のリスクを含みながらも、緩やかな拡大傾向が続くと期待されます。一方、アジア
における化粧品業界におきましては、拡大傾向が続くものの競争激化が見込まれます。
このような状況のもと、当社グループは、「グループ事業の持続的成長」に向け、国内外グループ会社一体とな
り取り組んでまいります。
売上面においては、引き続き男性グルーミング事業の持続的成長、女性コスメティック事業の展開スピードのア
ップ、成長エンジンである海外事業の継続強化を3つの柱に売上拡大に努めることにより、増収を目指してまいり
ます。利益面におきましては、海外事業や女性分野への積極的なマーケティング費用の投下や売上原価率のアップ
が見込まれるものの、継続して原価低減活動や販売費及び一般管理費の効率化を推進することにより、各段階利益
での増益を目指してまいります。また、連結子会社における固定資産の譲渡により、固定資産の売却益が発生する
結果、親会社株主に帰属する当期純利益に約25億円の増加影響が生じる見込みです。
なお、業績予想値は主要な為替レートとして118円/米ドル、12,800ルピア/米ドル、0.0092円/ルピアを前提
として算定しております。
以上により、次期の売上高は763億60千万円(前期比7.7%増)、営業利益73億60百万円(同5.2%増)、経常利
益76億円(同0.1%増)、当期純利益71億20百万円(同60.9%増)の見通しであります。
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③中期経営計画等の進捗状況
当中期経営計画(平成27年3月期~平成29年3月期)は、「アジアにおける成長加速と新規事業開拓推進のため
の中期経営計画」と位置付け、収益性の向上に配慮しつつ、主力市場における事業展開強化による競争優位性の確
立、新たな市場・事業分野の開拓による売上規模の拡大を目指しております。
売上規模拡大に向けた戦略テーマとしては、1)コア事業である男性グルーミング事業の持続的成長、2)女性
コスメティック事業の展開スピードのアップ、3)当中期経営計画においても引き続き成長エンジンとして位置付
ける海外事業の継続強化を推進しております。
当中期経営計画の初年度である平成27年3月期は、円安による為替の好影響、女性事業の売上拡大があったもの
の、国内における天候不順による夏シーズン品の低迷や、一部地域における伸び悩み等により、過去最高売上高を
達成したものの、当初計画を達成することができませんでした。引き続き、中期経営計画の達成に向け取り組んで
まいります。
当中期経営計画(平成27年3月期~平成29年3月期)における各戦略テーマの進捗状況は次のとおりとなりまし
た。
なお、本記載は中期経営計画に対する達成状況を中心とした記載となります。
1)コア事業である男性グルーミング事業の持続的な成長
最重点ブランドである「ギャツビー」は、国内におけるスタイリングカテゴリーにおけるシェア上昇や、海外
における伸長があったものの、国内における天候不順や競合環境の激化を受け、夏シーズン品が伸び悩みまし
た。一方、「ルシード」は、ニオイケアをはじめとするエイジングケア製品を中心に展開を強化し、好調に推移
いたしました。男性グルーミング事業全体としては、売上高を持続的に拡大しましたが、当初計画を下回りまし
た。
2)女性コスメティック事業の展開スピードのアップ
国内においてスキンケアカテゴリーにおける積極的なマーケティング投資の実施・販売強化、海外において
も、国内商品やインドネシア製品の水平展開の実施などによるアジアグローバルでの事業拡大を図り、当初計画
を上回りました。
3)成長エンジンである海外事業の継続強化
海外事業においては、現地通貨ベースで順調に売上を伸ばしたことに加え、為替のプラス影響があったもの
の、一部地域の伸び悩みにより、当初計画を下回りました。
また、利益面においては、グループの持続的な成長を維持・拡大するためのマーケティング投資を積極的に実施
したことに加え、売上高が当初計画を下回ったため、各段階利益において過去最高利益を達成したものの当初計画
を達成することはできませんでした。
④目標とする経営指標の達成状況
当中期経営計画(平成27年3月期~平成29年3月期)では、「成長性」を重視し前中期経営計画を上回る売上規
模の拡大を目指しております。また、収益面においては、増収にともなう収益性の向上を目指し、最終年度(平成
29年3月期)に営業利益率10%以上を目標として掲げております。
当期においては、営業利益率9.9%となりました。
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(2)財政状態に関する分析
(連結財政状態)
(百万円)
前期
当期
増減
総資産
67,858
75,980
8,121
純資産
55,179
60,980
5,800
75.2%
73.7%
△1.5%
2,183.09円
2,394.23円
211.14円
自己資本比率
1株当たり純資産
(連結キャッシュ・フローの状況)
前期
当期
現金・現金同等物期首残高
10,482
(百万円)
増減
10,890
408
営業キャッシュ・フロー
7,303
5,488
△1,815
投資キャッシュ・フロー
△5,596
△5,141
455
(固定資産投資)
財務キャッシュ・フロー
( △6,778)
( △5,283)
(1,495)
△1,833
△341
1,491
為替換算差額
534
368
△166
現金・現金同等物純増
408
374
△34
現金・現金同等物期末残高
10,890
11,264
374
※税金等調整前当期純利益
7,279
7,529 ※減価償却費
2,143
2,599 ※固定資産投資
有形固定資産
6,353
4,884 無形固定資産
425
398 ①資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産合計は、商品及び製品のほか、建設仮勘定が増加したこと等により759億80百万円とな
り、前連結会計年度末に比べ81億21百万円増加しました。負債合計は、短期借入金が増加したこと等により150億
円となり、前連結会計年度末に比べ23億20百万円増加しました。また、純資産合計は、利益剰余金が増加したこと
等により609億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ58億円増加し、自己資本比率は73.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億74百
万円増加し、当連結会計年度末には112億64百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは54億88百万円の資金収入となり、前年同期に比べ18億15百万円資金収入が
減少しました。これは、営業利益が増加したものの、売上債権やたな卸資産が増加したこと等によるものでありま
す。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは51億41百万円の資金支出となり、前年同期に比べ4億55百万円資金支出が
減少しました。これは、定期預金の預け入れによる支出が増加したものの、有形固定資産の取得による支出が減少
したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは3億41百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ14億91百万円資金
支出が減少しました。これは、短期借入れによる収入があったこと等によるものであります。
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③キャッシュ・フロー関連指標の推移
第95期
第96期
第97期
第98期
平成24年3月期
平成25年3月期
平成26年3月期
平成27年3月期
自己資本比率(%)
78.3
78.2
75.2
73.7
時価ベースの自己資本比率(%)
87.3
128.2
128.5
135.2
7.9
4.5
4.9
40.3
2,431.5
5,220.4
3,952.7
3,145.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としており
ます。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要政策として位置付け、中長期的な事業拡大、新規事業開拓および企業
リスク対応のための内部留保に配慮しつつ、配当金による株主還元を優先的に実施することを基本方針としておりま
す。
内部留保資金につきましては、既存事業拡大のための設備投資、海外投資、研究開発投資等、企業価値向上のため
の戦略的投資に活用するとともに、様々な企業リスクに対応するためのセーフティネットとして位置付けておりま
す。また、株主還元策および資本効率の改善策として、自己株式の取得を選択肢として視野に入れ、検討してまいり
ます。
配当金に関する数値目標につきましては、特別な要素を除いた連結ベースでの配当性向40%以上としております。
なお、当期の年間配当金は、1株当たり76円(連結配当性向40.2%)を予定しております。また、次期の年間配当
金は、業績予想の達成に努めることにより、1株当たり80円(中間配当40円)を予定しております。
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