日本脳外傷友の会 設立15周年記念 全国大会in東京 に参加しました

日本脳外傷友の会
設立 15 周年記念
全国大会 in 東京
に参加しました
平成 27 年 11 月 20 日 21 日の2日間、東京都品川区立総合区民会館き
ゅりあんにて、日本脳外傷友の会の全国大会が開催され、支援拠点病院と
して当院より高次脳機能障害者支援コーディネーター二木が参加しまし
た。全国大会には、当事者 135 名、家族・支援者 403 名、その他 113 名、
合わせて 651 名の参加者がありました。脳外傷友の会は、2000 年家族会
から発足し、現在は全国 64 団体となり高次脳機能障害の最大組織です。
「支援団体」
等をはじめ全国の高次脳機能障害者とその家族に対しての支
援を目的とした団体です。
開会セレモニー
日本脳外傷友の会
理事長
東川悦子様
日本脳外傷友の会から国への働きかけにより、
2001 年高次脳機能障害支援モデル事業が開始。その
後 2004 年に国の施策として高次脳機能障害支援事業
が開始されました。これにより、高次脳機能障害が障
害年金、精神障害者保健福祉手帳等の対象となりまし
た。また、各地域に支援拠点機関、支援コーディネー
ターが設置されました。日本脳外傷友の会は、2001
年には全国に3団体のみでしたが、現在は全国 64 団
体となり高次脳機能障害の最大組織となっています。
高次脳機能障害に対する支援体制が整備される一方、
高次脳機能障害者の支援にあたる支援コーディネー
ターの人数が少ないことや支援コーディネーターが
いても専従ではなく非常勤であることが多く、課題となっています。当事者の方も自分たちの問題として捉えて
欲しいと東川さんは開会セレモニーでお話されていました。
基調講演 「高次脳機能障害のリハビリテーションと当事者・家族の役割」
(公財)日本障害者リハビリテーション協会
上田 敏先生
顧問、小金井高次脳機能障害友の会(いちごえ会)顧問
元東京大学医学部教授
高次脳機能障害とは、
「脳機能の『高次の障害』で
はなく、
『高次の脳機能』の障害」です。人がふつう
「脳のはたらき」と思っていること(知能、施行、判
断、言語、美的感覚など)が脳の働きのなかでは「高
次」なものになります。 高次脳機能障害は、脳の損
傷のために起こる、記憶障害、注意障害、遂行機能障
害、情報処理機能障害、社会行動の障害等の様々な症
状が、人により異なった組み合わせ・異なった程度で
起こります。脳の障害で「見えない障害」のため、
「怠
けている」「ふまじめだ」などと誤解されやすく、ま
だまだ医療・介護・福祉・行政の専門家にも知識が不
十分なため、適切な対応が受けられないことがあります。障害者当事者・家族は多くの人が経験しないですむよ
うな、特別の困難、経験したことのない事態に直面しており、普通より高い自己決定能力を必要としています。
総合リハビリテーションにおいて、最終決定は障害当事者がおこないます。決定に至る経過で「当事者の最良の
利益」が実現できるよう支援するのが、各種専門的・非専門的サービス、ピア・サポート(障害者相互の支援)
の役割ですと上田先生は講演の中でお話されていました。