躍進を続ける「クルマの総合商社」が グループのスケール

株式会社ジーライオン
(GLIONグループ)
躍進を続ける
「クルマの総合商社」が
グループのスケールメリットを生かし
出力機器やオフィス用品のコスト削減を実現
導入の狙い
出力機器の運用コストを軽減したい
出力機器の契約管理や経理処理を簡
素化したい
自社グループのスケールメリットを生
かしたい
業務効率をアップして生産性を高めたい
導入システム
リコー製複合機、プリンター
(M-PaC)
大手企業向けASP型購買システム
『MAたのめーる』
業務システム
『車検証FAXシステム』
導入効果
出力機器の運用コストを約30%削
減できた
グループ企業の一括導入で事務処理
が簡素化された
オフィス用品をグループ単価で安く
購入できるようになった — U S E R P R O F I L E ———————————————————
株式会社ジーライオン
●業種:自動車販売業
●事業内容:中古車小売事業・自動車整備事業、
輸入車ディーラー事業、国産車ディーラー事業、
自動車卸売事業、中古車FC事業、オークション運
営事業、海外事業、料飲事業、採用・研修事業、不
動産事業、自動車整備学校運営、投資管理事業
グループ企業の株式会社HAA神戸が運営している中古車オークション会場は、最先端のオークションシステムを完備している
株式会社ジーライオン(GLIONグループ)は、もともと兵庫県の小さな自動車修理
工場から始まり、現在は非連結子会社を含め47社のグループ企業を有するまでに
発展。そのうち、自動車関連企業が90%以上を占め、
「クルマの総合商社」として
安定した収益基盤を築いている。今回、複合機やプリンターをグループ全体で一
括導入することで、出力機器の運用コストを大幅に削減することに成功。さらに、オ
フィス用品通販システム
『MAたのめーる』
も導入。グループ共通単価により、オフィ
ス用品を安価に調達できる環境を整備している。
●従業員数:約2,000名
(グループ企業含
む、2015年5月現在)
グループ全体で出力機器を一括導入することで運
用コストを大幅に軽減した株式会社ジーライオン
2015年5月取材
中古車オークションでは
西日本で最大規模を誇る
ショナルなスタッフによる質の高いホ
スピタリティで、顧客の愛車選びのこ
だわりをサポートしている。
株式会社ジーライオンは、グルー
国産車正規ディーラー事業では、日
プ企業を通じて自動車販売事業を広
産、スズキの正規ディーラーとして、
範囲に展開している。そのうち、輸入
国産車ブランドならではの細やかな提
車正規ディーラー事業では、ランボ
案で顧客満足度を高めている。
ルギーニ、フェラーリ、マセラティ、
さらに、中古車買取・販売事業では、
B M Wなど12の輸入車ブランドの直
日本随一の自動車流通ネットワーク
営正規ディーラーを運営。プロフェッ
を生かした幅広い取り組みを行って
1
株式会社ジーライオン
(GLIONグループ)
いる。とりわけ、グループ企業の株式
は、人材育成が必要不可欠だ。そのた
会社HAA神戸が運営している中古車
め、グループ各社の人材採用や研修
オークション会場は西日本で最大規模
事業などを一手に行うグループ企業
を誇る。毎週土曜日に開催している中
も抱えている。この点も、G L I O Nグ
古車オークションには、多い時期には
ループの躍進を支える大きな原動力
1万2,000台の中古車が出品され、
になっている。
国内中古車市場の要になっている。
そ の 一 方 、国 内 の 中 古 車 市 場 は
動車販売事業にも力を入れている。具
毎週10万枚コピーする
複合機の経費削減に着手
体的には、タイ、ミャンマー、モンゴル
GLIONグループは、中古車のオー
を中心とした東アジア圏で積極的な
クション運営事業に参入したことを契
ビジネスを展開し、毎年売り上げを拡
機に急成長を遂げ、その後、グループ
大。まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」で躍
企業が続々と増えていった。しかし、以
進を続けている。
前は、各グループ企業が個々にITベン
また、自動車販売事業に留まらず、
ダーと契約して複合機やプリンターを
料飲事業や不動産事業、自動車整備
導入していたので、運用コストが増加
年々縮小傾向にあるため、海外での自
学校の運営など多彩なビジネスを展
する一方で、グループ全体のスケール
開。このうち、料飲事業では、宮城県
メリットが全く生かされていなかった。
の酒蔵や長野県の漬物製造会社、兵
特に中古車のオークション会場を運
庫県篠山市の老舗料理旅館、ハワイ
営しているHAA神戸は、仕事柄、紙の
のステーキハウスなどがグループ企業
文書を複合機で大量に出力するので、
に名を連ねている。
その運用管理の手間やコストをいか
2015年6月には、大阪・築港の赤
に軽減できるかが重要な課題だった。
レンガ倉庫を、耐震補強などを行って
例えば、毎週土曜日になると、オーク
全面的に借り切り、そこにステーキハ
ションの来場者全員に中古車の出品リ
ウスやカフェ、クラシックカーの博物館
ストを配布しているが、その出品リスト
などをオープンさせる予定だ。
だけで毎週約10万枚もコピーしてい
「特にここ数年は、GLIONグループ
た。しかも、コピー1枚当たりの印刷
のブランド力を高める取り組みを強化
単価がいくらになるのか、従業員が正
しています。ブランドの信頼性が高ま
確に把握していたわけではないので、
れば、グループ企業全体にシナジー効
出品リストを多めにコピーしすぎてし
果が生まれるからです。そのため、料
まい、知らぬ間に運用コストが肥大化
飲事業においても、良質なものを提供
する傾向があった。
している企業のみをグループ企業に招
「そうした中、ちょうどタイミング良
き入れることで、ブランドの価値を高
く、大塚商会さんが複合機の入れ替え
めています」
と、株式会社HAA神戸 代
の営業に来られたのです。当時、私は
表取締役社長の菊地 秀武氏は語る。
別のグループ企業にいたのですが、大
だが、グループ企業が一丸となって
塚商会さんが提案してくれた内容は、
自社ブランドを熟成させていくために
まさにグループのスケールメリットを
2
株式会社HAA神戸
代表取締役社長 菊地 秀武氏
「企業を発展させていくためには、コスト削
減を図ることも大事ですが、それ以上に重
要なことは、従業員1人当たりの生産性を
高めていくことです。そのため、今後は、生
産性の向上に役立つソリューション提案に
期待しています」
GLIONグループの中核を担うHAA神戸では、中古車オー
クションの出品リストの出力枚数管理を徹底して行い、コ
ピー費用の削減に成功している
フルに生かせるものでした」と菊地氏
ターの入れ替えによる業務改善の機
は語る。
運が一気に浸透していった。
大塚商会が提案した内容は、複合
2012年から各グループ企業で一
機やプリンターをグループ企業全体
斉に複合機やプリンターの入れ替え
で一括導入することで、保守費用など
作業がスタート。その後、グループ企
を含めたグループ共通のカウンター
業に加わった企業や新設された企業
チャージ料金が適用され、トータルコ
も順次取り組みを開始した。
ストを大幅に削減できるというもの。
その際、大塚商会側で各グループ
さらに、複合機やプリンター1台ごと
企業の現地調査を実施。既存の複合
の使用状況を可視化することにより、
機やプリンターの使用状況を細かく分
毎月の運用コストを正確に管理できる
析し、比較的利用頻度の少ない部署
ようになることも大きな利点だった。
は、プリンターの数を減らして複合機
また、
「以前はグループ企業が個々
1台に統合するなど、出力機器の最適
にベンダーと契約を結んでいたので、
配置のコンサルティングを行った。ま
経理上の処理が煩雑化していました。
た、複合機やプリンターは、全てリコー
しかし、グループ全体でベンダーを一
製のものに切り替えることで、カウン
元化すれば、ボリュームディスカウント
ターチャージ料金の統一化を図った。
でコストを軽減できるだけでなく、経
そのうえで、各グループ企業の中で
理上の処理もシンプルになります。こ
複合機やプリンターの枚数管理を行う
の点も大きなメリットでした」と菊地氏
担当者を決め、毎月、カラー出力は何
は語る。
枚までといった制限を設けることで、
複合機やプリンターの運用コストを最
小限に抑える工夫を行っている。
コピー枚数の管理を徹底し
出品リストの印刷費を削減
て多いHAA神戸では、仕事のできる
グループ企業全体で複合機やプリ
女性パート従業員を社員に抜擢し、複
ンターを全面的に入れ替えることは
合機でコピーする枚数管理を緻密に
とりわけ、紙の出力枚数がずば抜け
決して容易なことではない。というの
実践している。
も、グループ企業の中には、ほかのベ
「毎週、中古車オークションには、
ンダーと長年取引している企業もある
3,400名から4,000名の中古車業
からだ。しかし、GLIONグループでは、
者の会員さんが来場されます。その
スムーズな移行を実現している。
来場者の数を、出品する中古車の数な
その推進役を担ったのが、HAA神
どによって事前に予測し、複合機でコ
戸の菊地社長だった。グループ企業
ピーする出品リストの枚数を微調整す
の社長が一堂に集う会議で、複合機や
ることが、その女性社員の主な役割で
プリンターを大塚商会から一括導入
す」
と菊地氏は語る。
するメリットを説明。その意見に同調
例えば、複合機で10万枚コピーを
したGLIONグループの財務責任者で
取った場合、1枚当たりの印刷単価×
ある副会長の「やりましょう!」という一
10万枚で出品リストの印刷費用が明
言で、グループ全体に複合機やプリン
確になる。後日、その出品リストの印刷
3
株式会社ジーライオン
(GLIONグループ)
費用と実際の来場者の数を照らし合わ
簡素化し、本業に専念できる環境を整
せることで、どのくらい印刷費用のロス
えることが重要です」
と菊地氏は語る。
が発生したのか細かく管理している。
GLIONグループでは、事務用品な
「以前は、毎週5〜6万円の印刷費
どの調達業務を効率化するために、大
用のロスが生じていました。しかし、枚
塚商会の大手企業向けASP型購買シ
数管理をきちんと行うようになってか
ステム『MAたのめーる』も利用してい
らは、多いときでも1ケタ違う6,000
る。グループのスケールメリットを生か
円程度のロスで済みます」と菊地氏は
し、通常料金よりも安いグループ共通
語る。単に複合機やプリンターを入れ
単価で必要な商品を手軽に発注して
替えて終わりではなく、その枚数管理
配送してくれることが大きな導入メリッ
を継続的に実施することで、出品リス
トだ。これにより、事務用品の調達コ
トの印刷費用を大幅に削減することに
ストも軽減している。
成功している。
さらにH A A神戸では、大塚商会に
複合機やプリンターの使用状況を可視化し、無駄な出力
をなくすことで運用コストを削減する取り組みを継続的に
行っている
開発を依頼して車検証F A Xシステム
を新たに導入し、2014年12月から
出力機器の運用コストに加え
事務用品の調達コストも軽減
ション会場で会員が中古車を落札し
現在、GLIONグループでは、複合
た場合、その中古車の名義変更を一
機とプリンターを合わせて約130台
定期間内に行い、その証しとなる車検
運用している。大塚商会との契約はグ
証の写しを同社に送ることが決まりに
ループ企業1社が一括して行い、月々
なっている。ところが、以前は、車検証
のカウンターチャージ料金の請求書
の写しが全て郵送されてきたので、そ
は、グループ企 業 各 社に届くように
の管理が煩雑化していた。それを今
なっている。それにより、グループ企
回、会員がFAXで送信できるように改
業各社は、どの部署や拠点で印刷費
善したのだ。
用が増えているかなどを、請求内容を
「お客様は車検証の写しを郵送する
見て一目で分かるようになった。その
手間が省け、当社は車検証の写しの
運用を開始している。例えば、オーク
際、複合機だけでなく、プリンターに
管理を効率的に行えるようになりまし
も1枚当たりの印刷単価を設定するこ
た。その結果、人件費1人分が浮きま
とで、月々の使用枚数や印刷費用を可
した」
と菊地氏は語る。
視化できるように配慮している。
また現在、中古車の出品リストは紙
その結果、各グループ企業の従業
ベースで会員に配布しているが、今後
員のコスト意識が格段にアップ。複合
は、タブレット端末を使って会員に配
機やプリンターを使った無駄な出力が
信することも検討したいという。その
減り、グループ全体で約30%のコスト
際、タブレット端末は、オークション会
削減が可能になった。
場の来場者全員に貸し出すことを視野
「複合機やプリンターを大塚商会さ
に入れている。このように今後もITを
んから一括導入したことで、契約管理
積極的に活用しながら、コスト削減や
や経理処理が簡素化されたことも大
業務効率の向上を推し進めていく考
きな導入効果です。間接業務は極力
えだ。
株式会社ジーライオンのホームページ
http://www.glion.co.jp/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2015年7月に作成されました。
Copyright©2015 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved.
4