被災地の手仕事 EAST LOOP

「東日本大震災及び原発災害からの復旧・復興活動等支援基金 分野1による助成」
被災地の手仕事 EAST LOOP
—現地事務局完全移管プロジェクト—
特定非営利活動法人
遠野山・里・暮らしネットワーク
会長 菊池 新一
<事業概要>
手仕事による被災地支援プロジェクト
「EAST LOOP」は 2013 年度、被災地と
の連携が可能な遠野市内に運営事務局を設立
した。2014 年度は、本事業の助成により㈱
福市(大阪)から現地事務局への更なるノウ
ハウの移管を行った。また、編み手(津波被
害者の主婦)の地域リーダーを中心に生産体
制の強化も更に図った。企業からの多様な発
注にも対応できる体制づくりを目指すためで
ある。商品開発、営業、PR 部門のノウハウを
専門家のアドバイスを受けながら順次移管し
ている。
1.事業の内容
(1)商品開発・営業・PR 部門の運営事務局への
完全移管
・2013 年度に新設した運営事務局へ株式会
社福市(大阪府)よりノウハウ移転を順次
行っている。
(2)各地域における作り手のグループ内の連携
を更に強め、地域リーダーを中心にした生産
体制の更なる強化
(3)継続的な経営基盤構築のために、「企業間取
引」
( Business to Business)を充実させた。
・高いスキルを有する作り手の仕事として企
業からの注文に応じた製品作りを行った。
・各地域リーダーを中心に企業からのサンプ
ル仕事の講習会を実施することでスキルが
あがり企業間取引の基本を学ぶこととなる。
・意識の成長と横のコミュ二ティが広がる。
(4)EAST LOOP プロジェクトを経て被災地
にて起業をした店舗との連携
・主に商品の講師として、講習会に店舗を提供
していただいた。
(5)専門家との連携開発・協力
・新作や事業展開・経営基盤整備のためのアド
バイスを受けた。
(6)商品の開発
・事業に賛同した企業との連携による新商品の
試作
賛同企業との新商品1号試作
2.事業の具体的な成果
発災から4年が過ぎ、一般的な被災地応援グッ
ツの販売は既に下降傾向にある。当プロジェク
トが継続的に運営ができているのは、本事業の
助成をもとに、多様な協力体制を築き販路の確
保・開拓と生産体制の強化が同時に行えたこと
が大きいと考える。
2013 年度は生産体制、2014 年度は商品開
発、営業、PR 部門の移管がなされてきた。仕
入れ部門なども徐々に移管がなされている。
各地域グループのコミュニティ深化と地域リ
ーダーを中心とした生産体制について、ニット
デザイナーである岩切エミ氏から指導を受けた。
作り手同士の交流は、モチベーションの向上、
相互研鑽などの相乗効果がある。また、5 月に
は世界的なニット作家のアルネ&カルロスを招
聘し遠野でニットのワークショップを実施する
ことができた。アルネ&カルロスからはデザイ
ンを提供いただいた。 左:ワークショップ後集合写真、
右:提供いただいたデザイン
熱意ある作り手と豊富なノウハウをもった外
部の専門家や団体が連携をし、フェアトレード
の手法を取り入れた本プロジェクトは4年が経
過し、復興支援から継続的なビジネスへとステ
ップアップを確実に行っていると考える。
本年度も作り手からニット専門店を起業した
「手づくりの店 めぐみ」は、人材育成の場と
なった。商談会や展示・販売会に例年以上に取
り組み、ネットワークを広げることができ、
「企
業間取引」に結びついた。
継続的な運営を行っていくためにも、このプ
ロジェクトのコンセプトを理解していただける
企業からの仕事の受注やオリジナル商品の開発
が不可欠である。
以上、本事業は被災地版ソーシャルビジネス
として、より多様な担い手の関わりを得ること
ができた。今後もこの関係を維持・発展させて
いくことで持続可能な被災地復興の一助となっ
ていくと考える。
編み手仲間と応援団
2014 年 4 月~2015 年 3 月実績
*講 習 会・・38 回 *延べ 人 数・・535人
*納 品 数・・11,759 個
*作り手収入・・4,537,150 円
3.今後の方針
2013 年度、2014 年度と 2 ヵ年 EAST
LOOP 事業のスキルアップと共に現地法人へ
各種ノウハウの移管を行ってきた。今後はリー
ダーの人材育成やスキルアップ、事業運営まで
のノウハウ移管を行う。そして、現地へ移った
運営主体が事業実施をワンストップで行い、体
制をより強化しながら事業の拡大も行っていく。
EAST LOOP というブランド力は保持しつ
つ、ステップアップをしたオリジナル商品や企
業間取引(BtoB)を充実させていく。将来的に
は、運営主体と㈱福市を中心とした専門家と協
働をし、被災地から発信をする魅力的な商品を
継続的に展開していき、
「メードイン東北」とし
ての生産ができるまでにしていきたい。
連絡先
担当者氏名 真山 徳子
住所(〒028-0515)
岩手県遠野市東舘町 6-16
電話 0198-62-0601
FAX 0198-62-0602
「東日本大震災及び原発災害からの復旧・復興活動等支援基金 分野1による助成」
被災地における内職プロジェクト
—現地に根付いた活動をするNPOとして地域コミュニティを創造するー
特定非営利活動法人 サンガ岩手
理事長 吉田 律子
<事業概要>
被災地における生活支援を必要とする住民
に対して内職プロジェクトを実施する。その他
には住民交流支援活動や傾聴ボランティアを
行う事で地域福祉を向上させ生活自立支援を
通して被災地域の社会福祉の向上に貢献する
事を目的とする。活動を行う中で傾聴を主軸に
置いた住民交流を実施していく。現地では仮設
住宅に住む高齢者の孤立防止やコミュニティ
再生が課題として挙がっている。これらの問題
を解決すべく住民を軸とした活動を展開し、被
災地の状況にあった生活支援活動を長期的に
行う。
1.事業の内容
(1) 住民交流食事会・大槌の郷土料理の調理
実習、食事会の開催・お母さんたちによる地
域の特産品開発(食品)
(2) 書道教室・楽書、書道等趣味教養を深め
る活動
(3) 茶道教室・手芸工房内でのお茶会、茶道
教室(裏千家)
(4) 畑作業・小槌第2仮設、安渡古学校復興
花壇にて農作業を実施・野菜作り、花壇作り
(5) サロン活動・月25日開館10時から1
7時まで地域住民に開放・喫茶コーナー
(6) 手芸活動・着物や古布を使用した小物づ
くり・手芸研修会の実施・講師を招いての物
づくり・復興バザー開催
(7) その他・傾聴ボランティアの継続的な実
施・支援物資配給(月1回)
2.事業の具体的な成果
毎月大槌工房だよりを発行し、大槌町の仮設
住宅全世帯に配布をした。毎月の工房利用者や
水曜物作り教室の参加者に対してスタッフが傾
聴を行った。大槌工房のスタッフがそれぞれ役
割を自覚し業務の整理、細分化を行う事ができ
きるようにスタッフ会議を毎朝行い、各担当の
状況をスタッフ全員で状況を共有した。毎月全
国からのボランティアから視察を受け入れ被災
地の現状を伝えると共にサンガ岩手の活動に賛
同してもらい工房の活動の支援を呼びかけた。
3.11の行事に合わせて全国各地からボラン
ティアが集まった。さらに 3 月に向けての気持
ちを高めて活動をしていく中でスタッフの意識
が変わり団体の為に働く、活動するという意識
が大槌スタッフの中に芽生えていくようになっ
た。
盛岡で年に 4 回行われている「手作り絆展」
では大槌工房のスタッフが主体となった販売を
行い被災者が一歩踏み出すきっかけになった。
・工房のスタッフの安定した雇用により本人の
仕事、活動としての責任と生きがいやりがいを
生み出し、生活自立支援活動として大きな力と
なり「仲間」を引っ張る被災地のリーダーとな
り工房の企画運営、に関しても工夫を凝らして
積極的な活動を展開
積極的な活動を展開することができた
することができた。5
することができた
年目
を迎えた被災地では「新天地」の住まいを選択
する時が始まってい
する時が始まっている。地域の
。地域のコミュニティ
コミュニティ
コミュニティ再
生の強靭化が早急の課題となってきている。一
人暮らしの高齢化、失業、孤立、孤独死、病気
等が被災地で広がっている中精神面のケア、心
の復興こそが今
の復興こそ が今後の生き抜く力になる。手作り
生き抜く力になる。手作り
工房の「場」の存在は大きく地
の存在は大きく地域の仲間、
域の仲間、仕事、
交流の場として多角的に人と繋がり活動を行う
事ができた。
事ができた。支えあい、共に共
支えあい、共に共有し使用できる
有し使用できる
居場所とし大槌工房を活動の拠点として活用し
た。
・ものづくりはこころのケアとなり人と人との
つながりを作る。個人差はあるが、一針一針の
中にその人の思いが込められている。その思い
を繋いで行くためにも手芸商品を販売し収入に
繋げていかなければいけないが、盛岡で定期的
に開催している手仕事絆展以外の販路は確保す
る事が難しく苦戦している状況である。
・しかしながら水曜
・しかしながら水曜日には毎週物作り教室を継
日には毎週物作り教室を継
続して開催し、新商品開発も
続して開催し、新商品開発も継続して行った。
継続して行った。
参加者も多く大盛況で作る喜び、達成感、満足
感が心のケアとなっている。終の棲家、復興再
建には最低でも今から 6 年はかかるといわれて
いる。その間にも住民の居場所づくりの継続、
心のケアが重要急務である。
3.今後の方針
3 今後の方針
・未曽有の震災を経験した人や地域
未曽有の震災を経験した人や地域から
から「学ぶ」
姿勢を持ち活動する事で震災の風化を防止して
いき震災被害を受けた人たちの心の復興や暮ら
いき震災被害を受けた人たちの心の復興や暮ら
しの展望を全国に発信していきたい。震災によ
る数回に及ぶ地域コミュニティの再生等問題は
山積みである。復興が遅れている今、この過酷
な地で「いのち」を繋いで生きている方
な地で「いのち」を繋いで生きている方々が光
々が光
を求めている。まちづくりも大切
を求めている 。まちづくりも大切だがそこに住
。まちづくりも大切 がそこに住
む人にスポットを当てて支援をすることが求め
られている。今こそ孤独死、孤立、うつ病等時
られている。 今こそ孤独死、孤立、うつ病等時
心のケアに支援を当てて中長期を見据えた復興
支援活動を継続していく必要がある。その為
支援活動を継続していく必要がある。その為に
も工房を利用した居場所活動、物作りを通した
心のケア活動を今後も継続していく
心のケア活動を
継続していく。継続した
継続していく 継続した
被災地支援活
被災地支援活動が一番で唯一の風化を防ぐ方法
が一番で唯一の風化を防ぐ方法
でもある。高齢化、孤立孤独など
でもある 高齢化、孤立孤独など
高齢化、孤立孤独など日本全体の課
日本全体の課
題が今の被災地に凝縮している
題が今の被災地に凝縮しているとも言える
とも言える。
。
・居場所づくりとして今後も
・居場所づくり として今後も多目的に工房を利
多目的に工房を利
用、開放していき大槌町の開か
用、開放していき大槌町の開かれたコミュニテ
れたコミュニテ
ィスペースとして町民の集いの場として活用し
ていく具体的には・物作り活動としての
ていく具体的には ・物作り活動としての郷土
・物作り活動としての郷土料
理作り、菓子作り、冊子づくり、
理作り、菓子作り、冊子づくり、
作り、菓子作り、冊子づくり、手芸新商品開
新商品開
発、カフェ活動を行う心と体のリフレッシ
発、カフェ活動
心と体のリフレッシュと
心と体のリフレッシュと
しては花畑づくり、藍畑づくり、健康体操、お
しては花畑づくり、藍畑づくり、健康体操、お
茶会、食事会、等の開催
茶会、食事会、等の開催を計画している。
を計画している。
連絡先
担当者氏名
吉田 茉莉子
住所(〒020
020-0016
0016 )
岩手県盛岡市名須川町 3-12
3
電話 019-624-0321
019
0321
FAX 019-624-0321
019
0321
e-mail
「東日本大震災及び原発災害からの復旧・復興活動等支援基金 分野1による助成」
新装 石巻子ども未来図書館の充実化計画
アジア子ども基金
代表
西澤 砂弥香
<事業概要>
震災から 3 年、石巻は、復興に向けて街が
動き出してきました。私たちは、石巻市渡波
地区に子ども未来図書館を開設、子どもたち
を中心に、地域住民の皆さんや復興住宅に引
っ越して来られた方にもご参加いただき、図
書館がみんなの拠り所となるよう、季節のイ
ベント、万華鏡教室、読み聞かせ会を開催し
ました。事業を行い、ボランティアとして、
図書館の活動に参加して下さる方が増えたほ
か、貸し出し図書数は 2 割、来館数は、3 割
増えました。
1.事業の内容
石巻市渡波地区は、震災によって、小学校・
中学校・高校 2 校すべてが被災しました。その
内、小学校が改修工事を終え、2014 年 4 月か
ら開校することとなり、当団体は、地元住民の
皆さんと一緒に、小学校横に、2013 年 10 月
子ども未来図書館を開館させました。
蔵書数 2000 冊からスタートし、現在は、
3000 冊に迫ろうとしています。貸出ベースで
のべ 1000 人、来館数ではのべ 1500 人を超
えました。
地域の子どもや大人が交流できる事業として、
月 1 回の読み聞かせ会、図書館祭りとクリスマ
ス会の季節のイベント、万華鏡教室など、様々
な活動を行うことができました。読み聞かせ会
では、0 歳~小学校 2 年生、小学校 3 年生~6
年生、と2回に分けて行いました。各回 10 人
~20 人の子どもたちが目を輝かせながら絵本
に集中していました。
子どもの笑い声があふれる図書館です
2.事業の具体的な成果
● 季節のイベント
8 月には図書館まつり(英語による読み聞か
せと本の紹介)と 12 月にはクリスマス会を行
いました。英語の絵本の読み聞かせは、中学生
が積極的に参加してくれました。普段利用する
子どもたちは、図書館にどんな本があるのか、
興味津々。
「こんな本が読みたい!」とリクエス
トも出てきました。
クリスマス会では、子どもたちが折り紙で飾
りつけをしてくれたり、準備から、みんなで盛
り上がりました。
イベントの当日だけではなく、一からみんな
で作ることで、地域の絆を深めることができま
した。このイベントをきっかけに、
「大人も気軽
に来られる場所だったのね」と声をかけて下さ
る方も増えました。
●
万華鏡教室
10 月に、地域の方や子どもたちと一緒に開
催しました。みんなが知っている筒状のクルク
ル・カシャカシャと回すものではなく、オイル
の流れに沿って、映像が変わっていく最新の万
華鏡に、みんなの目が真ん丸になりました。
「説明を聞かないと、わからなくなっちゃう
よ」と中学生のお姉さんが小学生の子どもたち
に声をかけて、手伝ってあげるなど、和気あい
あいとしていました。完成後は、お互いに見せ
合い、のぞきっこタイム。
「私のがピンクできれ
い!」
「僕のだって、きれいだよ!」ときゃあき
ゃあ大盛り上がりでした。最後はボディに思い
思いの絵を描いて、オリジナル万華鏡の完成。
ニコニコ笑顔の花咲くイベントとなりました。
真剣なまなざしで万華鏡を制作中です
●
読み聞かせ会
子どもたちからリクエストがあり、7 月から
地域の方による読み聞かせ会を行いました。こ
れにより、貸し出し数図書数が2割増えました。
また、未就学児のお子さんが、お母さんと一緒
に来館してくださるきっかけになりました。
学年に合わせて、0 歳~小学校 2 年生、小学
校 3 年生~6 年生と分けました。時には、午前
中から来て、楽しみに待っている子どもたちも
いました。読み聞かせ会は、大人と子どもたち
が交流できるとても良い機会でしたので、継続
して開催していきたいと思っています。
「はらぺこあおむし」は、大人気でした
3.今後の方針
今後も、子どもたちの居場所としての機能を
果たしていきたいと思っています。図書館に来
れば、いつものおばちゃん、おじちゃん、お姉
さん、お兄さんに会える、という安心感がある
場所つくりをしていきたいです。
また、子どもたちと話をすると、なんでも「や
ばい」で、話をしていることに気が付きました。
自分で本を読むことや大人の人と話をすること
で、子どもたちの語彙力が増えるようにしたい
と思います。
そのためにも、読み聞かせ会の継続と、新た
に学習サポートを行っていきたいと思います。
事業の継続にあたっては、これまで以上に地
域の方の協力も必要です。
「復興は待っているだけではだめだ。自分た
ちの手で始めないと!」という合言葉の下、頑
張っていきたいと思いますので、皆様のご協力
を、どうぞよろしくお願いいたします。
連絡先
担当者氏名
西澤 砂弥香
住所(〒650-0022)
神戸市中央区元町通 2-4-5-102
電話 050-1455-3998
FAX 050-1455-3998
e-mail [email protected]
「東日本大震災及び原発災害からの復旧・復興活動等支援基金 分野1による助成」
南気仙沼の津波被災地におけるコミュニティの創造的な
復興活動の支援
特定非営利活動法人 SEEDS Asia
理事長 ショウ ラジブ
<事業概要>
津波により壊滅的な被害を受けた南気仙沼
では、住民が地区から離れた応急仮設住宅等
に入居し、従前のコミュニティの関係性が維
持されておらず、住民の集まる機会の創出に
関するニーズは高かった。そのため、本事業
は、①被災自治会の懇親会活動・祭りの再開
支援、②災害公営住宅等のコミュニティづく
り支援、③神戸の震災復興の勉強会、④住民
による一景嶋公園の復興の提言づくりといっ
た、住民参加による創造的なコミュニティ復
興活動の支援を目的に実施した。
1.事業の内容
本事業は、2014 年 4 月~2015 年 3 月の
1 年間、津波により壊滅的な被害を受けた気仙
沼市臨海部の南気仙沼地区を対象に、同地区の
住民参加による創造的なコミュニティ復興活動
を支援することを目的に実施したものである。
具体的には、以下の 4 つの活動を行った。
① 南気仙沼の自治会による祭り等の懇親会
活動の企画や広報、当日運営の支援を行う。
② 2015 年 1 月に入居開始となる市内第一
号の南郷災害公営住宅を対象に、入居前の
段階からの居住者の孤立化の防止を目指し
た勉強会や、入居後の交流活動を支援する。
③ 住民とともに、阪神・淡路大震災のコミ
ュニティ復興の教訓に関する勉強会を行う。
④ 震災前から住民活動の場だった一景嶋公
園の復興に対する提言づくりを支援する。
2.具体的な成果
①被災自治会の懇親会活動・祭りの再開支援
・南気仙沼・弁天町1丁目と定期的に打合せし、
自主的な自治会活動の実施を確認した。
・9 月、被災した一景嶋神社の例大祭が行われ、
神社に隣接する一景嶋公園で南気仙沼の住民に
よる懇親会活動のため、広報と当日運営を支援
した。当日は約 100 名の元住民が集まった。
②災害公営住宅等のコミュニティづくり支援
・2014 年度当初より、気仙沼 NPO/NGO 連
絡会にて、市、社会福祉協議会(社協)、NPO
が仮設住宅での教訓を踏まえた災害公営住宅で
のコミュニティづくりについて定期的に話し合
いを持った。SEEDS Asia は、地元団体ととも
に、神戸の災害公営住宅を視察して把握した教
訓を 4 月に報告したり、11 月に神戸から経験
者を招へいして勉強会を開催した。そうした活
動を経て、最終的に、2015 年 3 月には、NPO
間で、災害公営住宅のコミュニティづくりのた
めのワーキングを設置することで合意した。
・気仙沼市で第 1 号の南郷災害公営住宅は、南
気仙沼小学校の跡地に建設された。南郷災害公
営住宅には、受入れ自治会との共同利用となる
コミュニティセンターが設置された。そのため、
SEEDS Asia は、NPO 側のコーディネータと
して、受入れ自治会の代表、社協とともに事前
の検討会、勉強会を行うとともに、入居開始後
の最初の交流会を企画した。最終的には、2015
年 2 月、入居後初めての交流会を入居者、周辺
住民、社協、自治会連合、NPO・ボランティア
等、83 名の参加で行うことができ、大いに盛
り上がった。その後、受入れ自治会の代表は、
社協・NPO 等と協働で行う交流会の企画・実
施を持続できるようになった。
考える会により行った。その様子は、当日夕方
の NHK ニュース全国版のトップで放映された。
・災害公営住宅の新住民を受け入れる既存自治
会の体制づくりも重要と考え、66 の自治会か
らなる気仙沼地区中央自治会連絡協議会との協
働を開始した。9 月及び翌年 2 月の傘下の自治
会長によるワークショップに SEEDS Asia が
コーディネータとなり NPO に協力を呼び掛け
たり、11 月には災害公営住宅の勉強会の講師
派遣を仲介したりした。
③神戸の震災復興の勉強会
・上述のように、4 月や 11 月に、神戸の災害
公営住宅の教訓について勉強会を開催し、今後
の復興課題の教訓に対する理解を深めた。
・9 月、京都大学の協力を得て南気仙沼地区の
住民を対象に、阪神・淡路大震災で被災した公
園の復興事例に関する勉強会を開催し、災害教
訓を継承するための石碑や追悼行事、また防災
のための公園利用の重要性について学んだ。
④住民による一景嶋公園の復興の提言づくり
・事業開始時より住民及び市・UR 都市機構と
の協議を行い、7 月~翌年 1 月にかけて、南気
仙沼地区 17 行政区の自治会長・行政委員とと
もに、一景嶋公園の復興の提言づくりの準備会
合をワークショップ形式で実施した。
・準備会合の協議を踏まえ、2015 年 2 月、一
景嶋公園の復興に際して、追悼のための石碑の
設置や、追悼行事を行うことを目的で「一景嶋
公園の復興を考える会」の発足に至った。
・3 月 8 日、震災から約 4 年、南気仙沼で初め
ての住民による追悼行事を一景嶋公園の復興を
・一景嶋公園の復興を考える会は発足後、市と
公園整備と石碑設置について協議、その結果を
地区住民に報告するためのワークショップを 3
月 25 日に実施した。ワークショップでは、1)
公園は基本的に原状回復となる、2)コミュニテ
ィが石碑を用意した場合は、公園での設置を認
める、という市の基本的な方針を支持すること
を確認した。その上で、今後、石碑設置の実現
に向けて、活動することが決定した。
3.今後の方針
災害公営住宅のコミュニティづくりに関して
は、今後、他地区でも入居が開始されることか
ら、南郷災害公営住宅をモデルにコミュニティ
づくりの実践を継続事業として実施する。
一景嶋公園の復興に関しては、
「 一景嶋公園の
復興を考える会」の今後の方針として、震災教
訓を伝える石碑設置の活動をすることが決まっ
たため、今後は住民主体のその活動を見守る。
連絡先
担当者氏名 上田和孝
住所(〒658-0072)
神戸市東灘区岡本 2-11-21-401
電話 078-766-9412
FAX 078-766-9413
e-mail [email protected]
「東日本大震災及び原発災害からの復旧・復興活動等支援基金 分野1による助成」
福島原発事故被災を受けている子どもと
保護者のための一時保養事業
NPO法人 神戸定住外国人支援センター
理事長 金 宣 吉
<事業概要>
<
>
東日本大震災による原発事故で発生した
放射線の影響下にある子どもと保護者を対
象とした一時保養を実施し、子どもの放射
線被ばく量の低減と
線被ばく量の低減と屋外で
屋外で遊ぶことが難し
遊ぶことが難し
い子どもたちに
い子どもたちに土や自然に触れ
土や自然に触れられる環境
土や自然に触れ
る環境
の提供を行う
の
行うこと、保護者には
、保護者には子どもが安
、保護者には
安
全な場所で
全な場所で思いきり遊べることで
遊べることで安心でき
遊べることで 安心でき
る時間を提供する。
1.
.事業の内容
事業の内容
2014 年 8 月 3 日(日)~
(日)~8 月 9 日(土)
(土)
にかけて、福島県を中心とした放射能の影響下
にかけて、福島県を中心とした放射能の影響下
にある子どもと保護者を対象とした一時保養事
にある子どもと保護者を対象とした 一時保養事
業「すきやねん!
業「すきやねん!KFC
KFC キャンプ in 神戸しあわ
せの村Ⅱ」を実施しました。
せの村Ⅱ」 を実施しました。
オリエンテーションを行い、
オリエンテーション を行い、当日に臨みました。
参加者は幼児2
幼児2人、小学生
、小学生 20 人、中学生
、中学生 6
人、保護者
人
8 人の計 36
6 人で、うち1
うち1人は福島
は福島
県から岡山県への避難者でした。福島県郡山市
県
県への避難者でした。福島県郡山市
を高速バスで出発し、神戸にある
を高速バスで出発し、神戸にある「しあわせの
しあわせの
村」まで約
村
12 時間かけてこられました。
「しあわせの村」では、
「しあわせの村」では、朝はラジオ体操から
朝はラジオ体操から
始まり、プール、バーベキュー、屋外遊戯施設
「トリム園地」での野外遊び、他団体のご協力
による保護者も楽しめる
による保護者も楽しめるハンドマッサージや工
マッサージや工
作づくりなどのレクリエーション、
作づくりなどのレクリエーション、マジックシ
マジックシ
ョー、北海道のトウモロコシやジャガイモを使
ョー、北海道のトウモロコシやジャガイモを使
った手作り昼食の提供など、盛りだくさんのプ
ログラムを楽しんでいただきました。
絆プロジェクトによる保護者と子供対象のハンドマッサージ
トリム園地のターザンロープで遊ぶ子どもたち
事前に「福島
事前 「福島県の現状と一時保養事業の必要
県の現状と一時保養事業の必要
性」、
「被災地の子どもとの関わり方」などにつ
「被災地の子どもとの関わり方」
につ
いてスタッフ・ボランティア
いて スタッフ・ボランティアを対象に学習会と
スタッフ・ボランティアを対象に学習会と
2.具体的な成果
本事業を実施したことで、将来を担う子ども
の健康被害を減少させる一助となったと考えら
れます。
また、福島ではできないことを提供できたこ
と、子どもが安全な環境で遊べたことで、保護
者にも安心と喜びを提供できたことが大きな成
果となりました。多くの大学生ボランティアも
子どもとの関わりの中で、普段は得られない体
験や思いを持つことができました。
以下に、それぞれのアンケートにご記入いた
だいた意見を抜粋して掲載させていただきます。
■子ども「福島ではできないことをできてうれ
しい(はだしで草原を走った)」
■保護者「福島に帰りたくないくらい楽しく幸
せな時間をありがとうございました。2歳2
か月で震災を経験した子どもには、まだまだ
体験させてあげられていない事がたくさんあ
りました。目の前で調理し、焼いた食材を食
べる事。人工ではない本物の芝生の上で、ご
ろんと寝転がり青空を2人で見上げる事。裸
足で走り回る時の土の感触。そして、足が痛
くなるくらい沢山、沢山歩く事。震災前が当
たり前だった事も、今の私達親子にとっては
特別で大切な時間でした。保養キャンプ中ず
っと『幸せ、幸せ』を連発していた子ども。
子どもの笑顔は母の幸せでした。福島から遠
く離れた安全な地で、かけがえのない時間を
過ごせた事に、深く深く感謝申し上げます。
お世話になったすべての皆様、本当にありが
とうございました」
■大学生ボランティア「想像をくつがえすくら
い子どもたちとずっと一緒にいることは大変
で、でもそこから“楽しい”だけじゃなくて、
自分の人生に大きく影響を与えてくれる“楽
しい”以上のものを感じることができました」
「想像を上回るくらいの大変さでした。途
中は本当にこのまま最後までやり通せるか不
安しかなかったけど、終わってみればさみし
いし、楽しかったし、何か大きなものを得ら
れたような気もするし、あまり言葉で表せな
いような心情になりました。ただ、子どもた
ちがその場を楽しく過ごしてくれるというこ
とだけでなくて、その後、将来、いい方向に
進んで行ってくれるように、そのためにはど
うすればよいのかということを考えるように
なったことが、すごく大きな変化かなと思い
ます。もっと自分にできることを増やして、
全体をしっかり見ることのできる人になりた
いと思いました」
3.今後の方針
活動当初から、チェルノブイリ事故で被害が
顕著になってきた震災4年目まではとりあえず
続けることを決めており、2011 年度から今年
度まで 6 回の一時保養事業を実施し、延べ子ど
も184人、保護者52人の参加を得ました。
そして、4年目となる 2015 年度は一時保養
事業の実施は一旦休むことにしました。15 年
度はよりニーズに合った被災地支援を行うため
に、現地の様子や声に耳を傾けながら、今後の
方針を立てていくことにしました。
汚染水問題など、まだ解決が図れていないも
のによりどんな影響がでるか、いつ汚染水流出
を止められるのか、まだまだ未知の部分があり
ます。より必要な活動を見極めるための情報収
集の時間を持ち、今後の事業を考える予定です。
芝生広場で親子で生春巻きなどの手作り昼食
連絡先
担当者名前
志岐 良子
住所(〒653-0038)
兵庫県神戸市長田区若松町 4-4-10
アスタクエスタ北棟 502
電話
078-612-2402
FAX
078-612-3052
E-Mail
[email protected]