長崎純心大学の教育研究が地域に与える経済効果の把握 1.大学の

長崎純心大学の教育研究が地域に与える経済効果の把握
1.大学の概要
(1)学部等組織概要
(2)学生数・職員数
・・・・・・・・・・
1
2.教育による経済効果
(1)人材の質の向上
(2)人材の安定的な供給
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
2
2
8
3.教育による経済効果
(1)研究活動による効果
・・・・・・・・・・
9
4.社会貢献活動による経済効果 ・・・・・・・・・・
(1)地域の教育力の向上
9
5.消費活動による効果
(1)地域経済の活性化
ア.教職員の消費
イ.学生の消費
10
10
10
11
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
1.大学の概要
(1)学部等組織概要
長崎純心大学の学部等組織の概要は以下のとおりである。
表1-1 学部等の概要
項目
学部
人文学部
大学院
人間文化研究科
学科、専攻等
比較文化学科、現代福祉学科、人間心理学科、英語情報学科、
児童保育学科
人間文化専攻
(2)学生数・職員数
長崎純心大学の学生数及び教職員数は以下のとおりである。
①学生数
表1-2 学部・大学院学生数
学部
大学院
平成27年5月1日現在
学生数(人)
1,193
27
項目
人文学部
人間文化研究科
②職員数
表1-3 在住地別役員及び教職員数
項目
教員
職員
常勤
非常勤
小計
常勤
非常勤
小計
合計
市内在住
53
84
137
22
21
43
180
役員および教職員数
県内在住
県外在住
15
3
40
29
55
32
14
0
9
0
23
0
78
32
1
平成27年5月1日現在
うち県内
(再掲)
合計
71
68
153
123
224
191
36
36
30
30
66
66
290
257
2.教育による経済効果
(1)人材の質の向上
① 個人の所得【分析指標】
「平成22年度 文部科学省 先導的大学改革推進委託事業 大学の教育研究が地域に与える経済効果等に関
する調査研究 報告書」に記載されている設定方法を用いて、長崎県内における最終学歴(高卒、大学・大学院
卒)の違いによる生涯賃金の差を算出する。
次に、算出した生涯賃金に本学を平成26年度に卒業した学生のうち、県内で就職した学生数を乗じて、所得
増加額を算出する。
表2-1 平成26年度 就職者数
男性
総数
うち県内
18
15
大学
女性
265
212
計
男性
283
227
0
0
高校卒業者の年齢別平均賃金(男性)
(千円)
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
大学院
女性
10
8
計
男性
10
8
大学+大学院
女性
18
275
15
220
計
293
235
大学・大学院卒業者の年齢別平均賃金
(男性)
(千円)
8,000
6,000
4,000
2,000
y = 0.0115x4 - 2.1079x3 + 134.52x2 - 3438.3x +
33347
R² = 0.9342
0
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
y = 0.0004x4 - 0.1242x3 + 8.5385x2 - 128.26x +
2438.3
R² = 0.9402
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
図2-1 最終学歴が高校卒業の場合の生涯賃金
(男性・長崎県)
図2-2 最終学歴が大学卒業又は大学院卒業の場合の生涯
賃金(男性・長崎県)
[資料]厚生労働省「平成26年度賃金構造基本統計調査」より関数設定
表2-2 最終学歴別生涯賃金額(男性)
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
大卒・院卒
高卒
2,284
2,359
2,438
2,520
2,606
2,999
2,694
2,987
2,784
3,021
2,875
3,093
2,968
3,200
3,061
3,334
3,153
3,492
3,246
3,668
3,337
3,857
3,427
4,057
3,515
4,262
3,601
4,469
3,684
4,674
3,764
4,876
3,840
5,069
3,913
5,253
3,981
5,424
4,045
5,581
4,103
5,722
4,156
5,846
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
合計
(千円)
大卒・院卒
高卒
4,204
5,951
4,245
6,036
4,280
6,101
4,308
6,146
4,329
6,169
4,342
6,173
4,348
6,156
4,347
6,120
4,337
6,065
4,318
5,993
4,291
5,906
4,255
5,806
4,209
5,694
4,155
5,573
4,090
5,445
4,016
5,314
3,932
5,183
3,838
5,055
3,733
4,934
3,618
4,824
3,493
4,729
3,356
4,654
3,208
4,605
171,607 213,515
・図2-1及び 図2-2で設定した関数により計算
・合計値は四捨五入の関係(以下、同)
2
大卒-高卒
41,908
(千円)
高校卒業者の年齢別平均賃金(女性)
(千円)
6,000
6,000
5,000
5,000
4,000
4,000
3,000
3,000
2,000
1,000
2,000
y = -0.001x4 + 0.1575x3 - 9.0596x2 + 250.68x - 422.62
R² = 0.8039
1,000
0
0
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
大学・大学院卒業者の年齢別平均賃金
(女性)
y = -0.0028x4 + 0.4154x3 - 22.552x2 + 611.98x 3719.3
R² = 0.9836
0.0
図2-3 最終学歴が高校卒業の場合の生涯賃金
(女性・長崎県)
20.0
40.0
60.0
80.0
図2-4 最終学歴が大学卒業又は大学院卒業の場合の生涯
賃金(女性・長崎県)
[資料]厚生労働省「平成26年度賃金構造基本統計調査」より関数設定
表2-3 最終学歴別生涯賃金額(女性)
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
高卒 大卒・院卒
2,020
2,067
2,111
2,150
2,187
2,697
2,221
2,792
2,252
2,882
2,282
2,969
2,310
3,052
2,336
3,133
2,362
3,213
2,387
3,291
2,411
3,369
2,434
3,447
2,458
3,525
2,482
3,603
2,505
3,682
2,529
3,763
2,554
3,844
2,578
3,926
2,604
4,010
2,629
4,094
2,655
4,180
2,682
4,266
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
合計
(千円)
高卒 大卒・院卒
2,709
4,352
2,736
4,438
2,764
4,524
2,792
4,608
2,819
4,691
2,847
4,772
2,874
4,850
2,900
4,925
2,925
4,995
2,950
5,059
2,973
5,117
2,994
5,168
3,013
5,210
3,030
5,243
3,043
5,264
3,054
5,274
3,061
5,270
3,064
5,251
3,062
5,215
3,055
5,161
3,042
5,088
3,023
4,993
2,998
4,875
124,932 184,078
大卒-高卒
59,147
・図1及び 図2で設定した関数により計算
〇所得増加額の計算
推計の結果、最終学歴が高校の場合と大学の場合での生涯賃金の差は、一人当たり、男性41,908千円、女性
59,147千円となる。この数値に本学の県内就職者数男性15名、女性220名を乗じた、男性629百万円、女性
13,012百万円、合計13,641百万円が、大学における教育を受けたことによって増加した個人の所得である。
表2-4 県内就職者における所得増加額(生涯賃金の差)
合計
男性
女性
生涯賃金(高卒)
171,607 124,932
- 千円
生涯賃金(大卒・大学院卒)
213,515 184,078
- 千円
生涯賃金の差
41,908
59,147
- 千円
就職者数
18
275
293 人
うち県内
15
220
235 人
就職者の生涯賃金の差計
754
16,265
17,020 百万円
うち県内
629
13,012
13,641 百万円
3
② 個人の消費【分析指標】
個人の所得の計算結果に、総務省「平成26年度家計調査」から中都市・二人以上の勤労者世帯の年間収入階
級別の消費性向を乗じ、高卒と大卒・大学院卒の生涯消費額の差を算出する。
次に、算出した生涯消費額に本学を平成26年度に卒業した学生のうち、県内で就職した学生数を乗じて、消費
増加額を算出する。
表2-5 中都市・二人以上世帯の年間消費階級別消費性向
消費支出(円) 可処分所得
200 万円未満
200万円以上250万円未満
147,121
202,549
223,998
216,055
215,033
244,099
268,383
270,278
276,774
302,805
305,411
317,587
362,551
385,125
383,743
444,215
506,950
522,372
142,041
206,484
231,469
264,593
253,232
298,011
335,177
354,283
379,767
413,579
428,135
430,586
477,420
509,752
549,183
647,694
758,878
874,693
250~300
300~350
350~400
400~450
450~500
500~550
550~600
600~650
650~700
700~750
750~800
800~900
900~1,000
1,000~1,250
1,250~1,500
1,500万円以上
[資料]総務省「平成26年度家計調査」より作成
消費性向
1.04
0.98
0.97
0.82
0.85
0.82
0.80
0.76
0.73
0.73
0.71
0.74
0.76
0.76
0.70
0.69
0.67
0.60
表2-6 最終学歴別生涯消費額(男性)
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
高卒 大卒・院卒
2,240
2,314
2,391
2,439
2,522
2,902
2,607
2,891
2,694
2,467
2,783
2,526
2,872
2,613
2,499
2,723
2,575
2,851
2,650
3,114
2,725
3,276
2,798
3,323
2,985
3,491
3,058
3,660
3,128
3,743
3,196
3,904
3,261
3,867
3,323
4,007
3,381
4,138
3,313
4,068
3,361
4,171
3,404
4,261
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
合計
(千円)
高卒 大卒・院卒
3,443
4,337
3,477
4,420
3,505
4,467
3,528
4,500
3,546
4,517
3,557
4,519
3,562
4,507
3,560
4,480
3,552
4,441
3,537
4,368
3,515
4,305
3,485
4,231
3,448
4,150
3,403
4,061
3,351
4,154
3,290
4,054
3,339
3,954
3,259
3,856
3,170
3,950
3,073
3,862
2,852
3,787
2,740
3,727
2,620
3,687
145,332 164,328
4
大卒-高卒
18,996
表2-7 最終学歴別生涯消費額(女性)
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
高卒 大卒・院卒
1,981
2,028
2,070
2,109
2,145
2,610
2,179
2,702
2,210
2,789
2,239
2,873
2,266
2,492
2,292
2,558
2,317
2,623
2,341
2,687
2,365
2,751
2,388
2,814
2,411
2,887
2,434
3,060
2,424
3,127
2,448
3,195
2,471
3,264
2,495
3,334
2,520
3,284
2,544
3,354
2,570
3,424
2,595
3,494
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
合計
(千円)
高卒 大卒・院卒
2,622
3,564
2,648
3,635
2,675
3,622
2,701
3,690
2,728
3,756
2,755
3,821
2,781
3,884
2,806
3,943
2,831
3,999
2,855
3,860
2,877
3,904
2,897
3,943
2,460
3,975
2,474
4,000
2,485
4,016
2,494
4,023
2,499
4,020
2,502
4,006
2,500
3,978
2,494
3,937
2,484
3,881
2,469
3,998
2,901
3,903
116,779 148,682
大卒-高卒
31,903
〇消費増加額の計算
推計の結果、生涯消費額の差は、一人当たり、男性18,996千円、女性31,903千円となり、県内就職者数男性15
名、女性220名を乗じると、県内就職者の消費額増加は、男性285百万円、女性7,019百万円、合計で7,304百万
円となる。
表2-8 県内就職者における消費増加額
男
生涯消費額(高卒)
145,332
生涯消費額(大卒・大学院卒)
164,328
生涯消費額の差
18,996
就職者数
18
うち県内
15
就職者の消費額の差計
342
うち県内
285
女
116,779
148,682
31,903
275
220
8,773
7,019
合計
- 千円
- 千円
- 千円
293 人
235 人
9,115 百万円
7,304 百万円
〇波及効果の計算
県内就職者の産業別生涯消費額の増加額を、「平成17年長崎県産業連関表(生産者価格評価表)(地域内競
争輸移入型・108部門)」の民間消費支出をもとに設定する。
次に、その産業別生涯消費増加額に同表より算出した県内自給率を乗じ、県内に発生する最終需要額(直接効
果)を計算する。
推計の結果、県内に発生する最終需要額(直接効果)は、一人当たり、男性205百万円、女性5,040百万円、合
計で5,245百万円となる。
表2-9 消費増加による生産誘発額
男
県内就職者の生涯消費増額
直接効果(県内最終需要額)
285
205
単位:百万円
女
合計
7,019
7,304
5,040
5,245
5
③ 地域の税収【分析指標】
総務省「平成26年度家計調査」の世帯主の定期収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出より、世帯収入と
個人住民税の数値を用いて関数を設定し、No.1 個人の所得の計算結果より学歴年齢別の住民税支払額を推計
し、その差を算出する。
次に、算出した住民税支払額に本学を平成26年度に卒業した学生のうち、県内で就職した学生数を乗じて、住
民税増加額を算出する。
表2-10 世帯収入別住民税額
世帯収入別住民税額
世帯主収入 住民税額
32,349
2,696
127,769
3,051
187,457
5,674
247,554
6,973
310,900
9,591
372,843
13,319
445,451
17,579
516,557
23,546
594,796
29,455
642,207
31,719
703,825
38,814
771,712
41,672
830,170
46,431
911,741
52,942
1,060,156
62,553
1,040,679
74,650
1,089,500
59,277
1,591,591
126,037
\
0
~ 99,999
140,000
\ 100,000
~149,999
\ 150,000
~199,999
120,000
\ 200,000
~249,999
\ 250,000
~299,999
100,000
\ 300,000
~349,999
\ 350,000
~399,999
80,000
\ 400,000
~449,999
\ 450,000
~499,999
60,000
\ 500,000
~549,999
\ 550,000
~599,999
40,000
\ 600,000
~649,999
\ 650,000
~699,999
y = 3E-08x2 + 0.0311x - 1008
20,000
\ 700,000
~799,999
R² = 0.9857
\ 800,000
~899,999
0
\ 900,000
~999,999
0
500,000 1,000,0001,500,0002,000,000
\ 1,000,000 ~1,099,999
図2-5 世帯収入別住民税額
\ 1,100,000
~
[資料]総務省「平成26年度家計調査」第2-4表 世帯主の定期収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出より作成
表2-11 生涯支払住民税(男性)
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
大卒・院卒
高卒
106
111
117
123
130
162
137
161
144
164
152
170
159
180
167
192
175
206
184
223
192
242
200
262
208
284
217
307
225
330
232
353
240
377
247
400
254
421
261
442
267
461
273
477
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
合計
(千円)
高卒
大卒・院卒
278
492
282
504
286
513
289
519
291
522
293
523
293
520
293
515
292
508
290
498
287
486
283
472
278
457
272
441
266
424
258
407
249
391
240
375
229
360
218
347
206
336
194
328
180
322
16,072
10,572
6
大卒-高卒
5,500
表2-12 生涯支払住民税(女性)
高卒
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
87
91
94
96
99
101
104
106
108
110
112
113
115
117
119
121
122
124
126
128
130
132
134
136
大卒・院卒
137
145
152
160
167
174
181
188
195
202
209
217
224
232
240
249
257
266
275
284
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
合計
(千円)
高卒
大卒・院卒
138
294
140
303
143
313
145
322
147
332
149
341
152
350
154
359
156
368
158
376
160
383
162
389
163
394
165
398
166
401
167
402
167
402
168
399
167
395
167
388
166
379
164
368
162
353
12,565
6,349
大卒-高卒
6,215
〇住民税増加額の計算
推計の結果、生涯支払住民税の差は、一人当たり、男性5,500千円、女性6,215千円となり、県内就職者数男性
15名、女性220名を乗じると、県内就職者による住民税増加は、男性82百万円、女性1,367百万円、合計で1,450
百万円となる。
表2-13 県内就職者における住民税増加額
男
生涯支払住民税(高卒)
10,572
生涯支払住民税(大卒・大学院卒)
16,072
生涯支払住民税の差
5,500
就職者数
18
うち県内
15
就職者の消費額の差計
99
うち県内
82
女
6,349
12,565
6,216
275
220
1,709
1,367
合計
- 千円
- 千円
- 千円
293 人
235 人
1,808 百万円
1,450 百万円
④ 個人の就業力【参考指標】
長崎純心大学の平成26年度の卒業者の進路は、大学では87.2%が就職、5.2%が進学、大学院では76.9%が
就職している。
本学の教育等により自身の価値を高め成長した学生は、人材として就業力を持っており卒業後の就職へとつな
がっている。
表2-14 平成26年度卒業後の進路
大学
就職者
進学者
その他(未定等)
合計(卒業者数)
285
17
25
327
大学院
構成比
10
76.9%
0
0.0%
3
23.1%
13
100.0%
構成比
87.2%
5.2%
7.6%
100.0%
7
計
296
17
28
341
構成比
86.8%
5.0%
8.2%
100.0%
(2)人材の安定的な供給
⑤ 入学者における県内出身者の割合【参考指標】
本学の平成27年度の入学者271名(大学261名、大学院10名)のうち、長崎県内出身者は約9割で、具体的な数
字としては250名(大学243名、大学院7名)である。
長崎県において、高等教育機関として高等教育の機会保障に貢献していると考える。
表2-15 平成27年度入学者における県内出身者の割合
大学
大学院
合計
入学者
261
10
271
うち県内出身者
243
7
250
県内出身者の割合
93.1%
70.0%
92.3%
[資料]長崎純心大学 平成27年度 学校基本調査回答結果
⑥ 卒業者における県内企業等就職者の割合【参考指標】
平成26年度の卒業者のうち、8割の学生が県内企業等に就職しており、大学として、長崎県における人材の確
保に貢献し、人材供給の役割を果たしていると考える。
表2-16 就職先の状況(平成26年度卒業生)
大学
構成比
県内
227
80.2%
県外
56
19.8%
合計(卒業者数)
283
100.0%
大学院
構成比
8
80.0%
2
20.0%
10
100.0%
8
計
235
58
293
構成比
80.2%
19.8%
100.0%
3.研究による経済効果
(1)研究活動による効果
本学は、民間企業との共同研究等は実施していないため、この効果については算出できない。
4.社会貢献活動による経済効果
(1)地域の教育力の向上
① 地域住民の学習機会の増加【参考指標】
本学では、教育研究成果を地域に還元するため公開講座を実施している。本学の生涯学習センターが平成26
年度に取り扱った講座は17講座(シリーズで複数回開催分も1講座とみなす)で、参加者総数は1,896名であっ
た
なお、今回の調査では生涯学習センターが取り扱っていない講座は除外している。
② 高大連携事業の実施状況【参考指標】
高大連携事業としては、本学の教員が講師となり、高等学校への出張講義を実施している。平成26年度の実施
回数は13回である。また、系列校である高等学校に対しては、別途定期的な講義の実施や大学体験の企画も
行っている。
このような活動をとおし、大学として、地域の高校生に対して教育効果を生じていると考える。
③ 学生によるボランティア活動【参考指標】
大学にボランティアビューローという機関を設けており、各種ボランティア活動の窓口として、学生に対する情報
提供を行っている。
現在、ボランティアビューローには175名の学生が登録しており、様々なボランティア活動をとおして地域への貢
献を果たしている。
9
5.消費活動による効果
(1)地域経済の活性化
① 教育・研究に伴う消費【分析指標】
大学が使用する教育研究経費が長崎県へもたらす消費(経済効果)については、人件費に相当する費用(費
目の内訳から謝金と判別できる経費等)や地元発注率が明確ではないため、今回の調査では算出せず、今後
の課題としたい。
② 教職員・学生の消費【分析指標】
ア.教職員の消費
本学の教職員人件費(教員669百万円、職員246百万円、合計 915百万円)に、教職員の県内及び長崎市
内在住比率を乗じ、発生する所得を算出。 その結果、県内に発生する教職員所得合計は816百万円、うち長
崎市内で発生する教職員所得合計は569百万円となる。
次に県内及び長崎市内教職員所得合計に、総務省「会計調査」の地域別「消費性向」(長崎市)の値を乗じ
て、消費額を計算する。
表5-1 在住地別役員及び教職員数
項目
市内在住
教職員数
県内在住
県外在住
(長崎市内除く)
合計
うち県内
(再掲)
常勤
53
15
3
71
68
非常勤
84
40
29
153
124
小計
137
55
32
224
192
常勤
22
14
0
36
36
職員
非常勤
21
9
0
30
30
小計
43
23
0
66
66
合計
180
78
32
290
258
※職員数は法人職員及び大学職員の合計。
※次のものは含めていない。
役員報酬、人件費以外で人件費に相当する費用(謝金等や科研費で発生する費用)。
教員
表5-2 教職員人件費とその消費額
(単位:円)
県内在住
長崎市内在住
人件費
人件費
人件費
在住比率
消費額
在住比率
消費額
(所得)
(所得)
教員人件費 669,071,847
85.7% 573,490,155 494,126,887
61.2% 409,209,121 352,580,122
職員人件費 245,594,144
100.0% 245,594,144 211,607,242
65.2% 160,008,306 137,865,324
合計
914,665,991
- 819,084,299 705,734,128
- 569,217,427 490,445,446
※県内在住教職員の人件費は、各人件費を県内在住比率で按分したもの。
[資料] 学校法人 純心女子学園「平成26年度計算書類:人件費支出内訳表」
[資料] 総務省「平成26年家計調査」より、長崎市の消費性向の数値を算出
〇波及効果の計算
県内在住教職員による産業別消費額を、「平成17年長崎県産業連関表(生産者価格評価表)(地域内競争
輸移入型・108部門)」の民間消費支出をもとに設定する。
次に、その産業別消費額に同表より算出した県内自給率を乗じ、県内に発生する最終需要額(直接効果)を
計算する。 推計の結果、県内に発生する最終需要額(直接効果)は、505百万円となる。
表5-3 消費による生産誘発額
県内就職者の消費額
直接効果(県内最終需要額)
単位:百万円
706
505
10
イ.学生の消費
大学独自の調査データが無いため、日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査結果」より居住形態別で支
出額の合計を消費単価とみなし、本学の居住形態別学生数を乗じ、学生による消費支出を算出した。
結果、学生全体においては、年間に約2,170百万円の消費が発生する。
表5-4 居住形態別学生数
2015.5現在
自宅
下宿、アパート、その他
合計
大学院生
大学院生
大学生
(前期課程) (後期課程)
963
18
5
230
4
0
22
5
1,193
表5-5 居住形態別学生生活費
合計
986
234
1220
単位:千円
大学院(前期課程)
大学院(後期課程)
下宿、アパー
下宿、アパー
自宅
自宅
ト、その他
ト、その他
支出
1,670
2,294
1,889
2,568
学生数
18
4
5
0
消費総額(小計)
30,065
9,175
16
0
消費総額(合計)
2,158,079
[資料]日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査結果」の以下の表の区分「その他」の私立データを使用
2-1表 居住形態別・地域別学生生活費の内訳(大学・短期大学)
2-2表 居住形態別・地域別学生生活費の内訳(大学院)
大学
下宿、アパー
自宅
ト、その他
1,661
2,257
963
230
1,599,736
519,087
11