第 1章 23区のすがた

第
1 23区のすがた
章
Chiyoda-ku
都心の魅力にあふれ、文化と伝統が息づくまち千代田
千代田区
面積 ………………11.
64㎢
世帯数…………31,
680世帯
人口………………56,
418人
(うち外国人)……2,
520人
予算 ………………472億円
職員数 ……………1,
057人
HPアドレス
http://www.city.chiyoda.lg.jp/
歴史・見所・名所
千代田区は、徳川幕府の成立から現在までの4
00年余り、日本の政
治や経済、文化の中心としての役割を果たし、発展してきました。
明治11
(1878)年に麴町区と神田区が設置され、昭和22
(1947)年に両
※平成26年8月1日現在
区が合併し、千代田区が誕生しました。なお、「千代田区」という名は
※平成26年度一般会計当初予算
江戸城の別名「千代田城」にちなんだものです。
千代田区は江戸城の面影を今なお残す皇居のほか、立法(国会議事
堂)、行政(首相官邸や霞が関官庁街)
、司法(最高裁判所)の三権の主
要機関のほか、世界的なビジネス街として発展する丸の内・大手町、
落ち着いた景観とたたずまいを見せる番町・麴町、世界から観光客が
訪れる秋葉原、古書店街の神保町、スポーツ店街の小川町、繊維街の
岩本町など、他に例のない多様で特徴ある街並みが形成されていま
す。
概要
定住人口は、一時4万人を割っていたものの、都心回帰の流れの中
で、平成13
(2001)年 以 降 増 加 傾 向 を 続 け て お り、現 在 で は 約5万
6,
000人に達しています。一方で、定住人口の十数倍に及ぶ昼間区民
が活動する非常に特徴的な区です。
千代田区は、区民はもとより、区内で活動する昼間区民を活力とす
るとともに、より一層の自治権拡充により自立した自治体として
「千
皇居
区の中央には、面積の12%を
占める「皇居」
代田市」を目指すことを基本方針に掲げています。
その実現に向け、日本の中心・東京の顔として世界や日本全体の社
会経済情勢を見極めながら、多角的・多面的な視点を持ち、柔軟な対
応を図ることにより、全国の自治体をリードする独創的で独自性のあ
る施策を実施しています。
・全国で初めて罰則付き路上喫煙禁止を盛り込んだ「生活環境条例」
千鳥ヶ淵
春のさくらまつりには1
00万
人が訪れる
の制定
・全国初の幼保一元化園である「いずみこども園」の創設
・国の法律に先駆けて不正防止・透明性向上を図る「職員等公益通
報制度」の創設
・23区内で唯一の区立中高一貫校である「九段中等教育学校」の創設
・全国的に珍しい二酸化炭素排出量の削減に関する数値目標を盛り
込んだ「地球温暖化対策条例」の制定
東京駅
東京の表玄関ともいわれる東
京駅は、1日平均約42万人の
乗車がある
20
千代田区
・大都市圏では初となる「高校生等医療費助成」の実施
主要課題
今後も引き続く人口増加に伴い、マンション等集合住宅の居住者や高齢者の単身世帯の増加が
進むものと思われます。暮らし方の変化やさまざまな世代構成による区民の「安全・安心」をより
確固なものとするため、次の重点事項に取り組んでいます。
⑴
危機管理に関する取組み
日本の政治・経済の中枢としての機能を守るため、浸水想定区域の地下街の防災対策などに取
り組んでいます。
⑵
保健福祉に関する取組み
高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるために、医療・介護・介護予防・住まい・生活支
援サービスを一体的に提供する「地域包括ケア」の確立に取り組んでいます。
⑶
次世代育成に関する取組み
保育園等整備や放課後対策の充実など、子育て世代への支援施策を充実させています。また、
ICT教育や語学教育に力を入れ、生きる力を育むための教育に取り組んでいます。
⑷
東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取組み
海外からの観光客などに向けて千代田区が持つ魅力を発信するために「シティプロモーション
の推進」、利便性の向上のための「コミュニティサイクル事業」などに取り組んでいます。
将来展望
人口が増加し、社会・経済構造や区民の意識が大きく変化する中で、地域に住み、働き、学
び、集うすべての方が、互いにその存在を認め合い、尊重し合うことが重要です。そこで、安全
・安心で快適に住み続けられる社会、孤立することなく、つながりや助け合いを実感できる社
会、生涯にわたり充実した文化活動を行える社会を実現するため、行政としてこれまで以上に、
区民ニーズに即した効果的な施策を展開していかなければなりません。
しかし一方では、行政の施策だけで安全の確保や、安心して暮らせる地域づくりを実現するこ
とは不可能であり、区民のみならず千代田区に集うすべての方が地域に関心を持ち、地域課題を
共有し、その解決に向けて主体的に取り組み、協力するという仕組みづくりを行政が支援するこ
とも必要です。
これらの社会経済情勢の変化や行政のあり方に対応するため、区政の指針である基本構想の実
現に向けた「基本計画」の改定により、10年後のめざすべき姿を明らかにしています。平成27年度
からこの計画のもと、区民をはじめ、区内で活動するさまざまな主体が、互いに認め合い、尊重
しあう「共生」の理念と、ライフラインの供給元である地方との連携を図るため「地方との共生」の
理念を柱に、千代田区に住み、働き、学ぶすべての人びとが、安心して暮らすことができる豊か
な地域社会の実現に向けて、取り組んでいきます。
千代田区
21
Chuo-ku
生涯躍動へ
都心再生 ━━ 個性がいきる
中央区
面積 ………………10.
12㎢
世帯数…………78,
887世帯
人口 ……………136,
630人
(うち外国人)……5,
107人
予算 ………………826億円
職員数 ……………1,
446人
ひととまち
HPアドレス
http://www.city.chuo.lg.jp/
歴史・見所・名所
中央区は江戸以来、400年にわたって我が国の文化・商業・情報の
中心として発展してきた、長い歴史と伝統を誇る由緒あるまちです。
いつの時代においても先駆的な役割を担い、飛躍・発展を続ける活気
※平成26年8月1日現在
とにぎわいにあふれています。明治維新後の文明開化で、いち早く銀
※平成26年度一般会計当初予算
座煉瓦街が建設されるなど日本の近代化をリードしてきたのはその一
例です。
中央区は、昭和22
(1947)年3月15日、日本橋区と京橋区が統合され
て誕生しました。区域の東西両端の最小距離は約3㎞、南北間は約
5.
5㎞、面積は約10㎢と他の区と比較しても小さな区です。
一方、中央区は江戸五街道の起点であり、現在も日本国道路元標の
ある「日本橋」、我が国を代表する繁華街
「銀座」、日本のウォール街
「兜町」、江戸文化を今に伝える「歌舞伎座」、世界的な観光地でもあ
る食文化の拠点「築地」、高層住宅と昔ながらの町並みが調和する「佃」
などを擁し、小さくともキラリと光る、魅力あふれる都心のまちで
す。
概要
中央区はその名の示すとおり、東京23区のほぼ中央に位置し、その
区域は、両国橋下流の隅田川右岸に沿って帯状のひろがりをみせる日
本橋・京橋地域と隅田川河口に位置する佃および明治以降これに隣接
して埋め立てられた月島・晴海から成り立っています。
中央区の人口は、平成9(1997)年4月に戦後最低となる71,
806人に
まで減少し、都心の空洞化や地域活力の低下が深刻化しました。そこ
日本国道路元標が設置されて
いる国の重要文化財「日本橋」
で中央区は、基本構想に掲げる「定住人口10万の都心中央区」の形成を
目指し、区をあげて人口増と居住継続に向けた総合的な施策を推進し
ました。その結果、平成18
(2006)年4月に目標の10万人を達成した後
も人口は増え続け、平成25
(2013)年4月には、46年ぶりに13万人を回
復しました。特に子育て世代を中心に増加が著しく、かつては4
00人
台だった出生数も平成26年は年間で1,
838人を数え、まちには未来を
世界に冠たるショッピングス
トリート「銀座」
担う子ども達の元気な声と希望があふれています。
今後も、基本構想に掲げる将来像
「生涯躍動へ
性がいきる
都心再生 ━━ 個
ひととまち」の実現に向けて、区政の一層の質の向上と
躍進に努めていきます。
主要課題
高層住宅と下町情緒が調和す
る「佃」
22
中央区
①
中央区では、集合住宅に居住する世帯が全世帯の88%を占めて
います。また、区内事業所における従業者数は約7
2万1,
000人と
膨大な昼間人口を抱えており、東日本大震災では交通機関の停止
により多数の帰宅困難者が発生しました。このため、住む人にも
働く人にも安全で安心な地域防災力の向上が求められています。
②
人口増加が顕著であり、特に30歳・40歳代の子育て世代が人口
構成の中心をなしています。また、子育てニーズが多様化する一
方、家庭や地域での子育て機能の低下も懸念されています。この
ため、保育所などの待機児童解消をはじめ、子育て支援サービス
の充実が緊急の課題となっています。
③ 「団塊の世代」が地域社会に戻り、健康で社会への参加意欲が高
東京湾最大のイベント
「東京
湾大華火祭」
い高齢者の増加が見込まれます。このため、生涯を通じて健康
に、個人の状況に応じて、社会で活躍できるような仕組みづくりが求められています。
④
地球温暖化など、地球規模で起きている環境問題に対して、国や都との連携を進めなが
ら、区民・事業者・区が一体となって行動していくことが求められています。
⑤
地域経済発展のため、区内中小企業のさらなる活性化が求められています。また、東京駅
前地区の再生、名橋「日本橋」上空の高速道路撤去、築地市場移転後の築地の活気とにぎわい
の継承・発展など地域の個性を生かしたまちづくりに向けた取組みを推進していく必要があ
ります。
将来展望
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会やその後の区全体の良好なまちづくりを見
据えながら、各施策の積極的な推進を図っていきます。
①
災害に強い都心のまちづくり
地域を核とした防災力の向上、高層住宅や帰宅困難者対策など区の特性に応じた防災対策を
進め、「自助」
「共助」
の一層の強化と
「公助」が一体となった総合的な防災力の向上を図りなが
ら、災害に強いまちを実現します。
②
子どもが輝く子育て・教育のまちづくり
誰もが安心して子どもを生み、喜びを持って育てることができるよう、保健・医療・福祉・
教育などの各種施策を有効的に組み合わせながら提供し、総合的な子育て支援策を推進してい
きます。
③
すべての人々の健康と高齢者の生きがいのあるまちづくり
区民の「命と健康を守る」ため、乳幼児から高齢者までの個々のニーズに応じた各種検診の充
実や、健康教育やスポーツ活動の支援による心身の健康づくりの推進、「70歳就労社会」の実現
など、生涯にわたり躍動できるまちづくりを進めていきます。
④
地球にやさしい水と緑のまちづくり
「中央区エコタウン構想」を踏まえ、本区の地域資源や特性を最大限に生かした環境都市づく
りを進めるとともに、環境活動の拠点施設である環境情報センターを中心に、環境意識の普及
啓発や環境活動団体の支援を充実させていきます。
⑤
歴史と先進性を生かしたにぎわいのあるまちづくり
江戸以来の歴史と伝統を継承しながら、常に時代の変化や新しさを取り入れてきた本区の文
化特性を生かし、活気と魅力あふれるまちづくりを進めます。
中央区
23
Minato-ku
やすらぎある世界都心・MINATO 区民一人ひとりが誇りに思える成熟した国際都市
港区
面積 ………………20.
34㎢
世帯数 ………123,
467世帯
人口 ……………238,
587人
(うち外国人)……18,
370人
予算 ……………1,
397億円
職員数 ……………2,
220人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.minato.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
港区の地域は歴史的には、幕末外交・明治維新の拠点として、ある
いは、文明開化における鉄道・ガス・新聞の発祥地として、さまざま
な分野にわたる転換の舞台となってきました。
現在の港区の姿は、昭和22
(1947)年3月15日、旧赤坂区、旧麻布
区、旧芝区の3区の合併にその誕生をさかのぼります。なお、「港区」
という名称は、3区合併を機に、各区の関係者から提案されたものの
うち、「今後の我が国の発展は貿易の振興にあるが、その素材ともい
える東京港を包含している」として「東港区」が候補となり、そこから
「東」の1字を除いて、「港区」となったことに由来します。
現在、港区は、陸・海・空の数多くの交通の結節点として位置する
とともに、多様な地域資源の集積を背景とした情報発信地として、我
が国社会経済における主要な地域となっています。これまで多様な主
体により培われてきた都市環境と、伝統性と近代性を両立させなが
ら、港区は今後も、区民とともに、誇りに思えるまちとしての発展を
目指していきます。
概要
ア
地理
港区は、東京都のほぼ南東部に位置して、東は東京湾に面し、その
北端でわずかに中央区に接し、北は千代田区と新宿区に、西に渋谷
区、南は品川区、東は江東区にそれぞれ隣接しています。
イ
地理的特徴
港区の地形は、北西一帯が高台地となっている一方、南東の東京湾
に面した部分は埋立地からなっています。土地の高低差が大きく、名
前がついているものだけでも80余りの坂があります。
ウ
人口推移
港区の人口は、昭和59
(1984)年から長期的な減少傾向に転じ、平成
7(1995)年には、15万人を割り込みましたが、平成9(1997)年からは
前年比増加傾向となり、平成21
(2009)年には四半世紀ぶりに20万人台
芝地区
「芝だらだら祭」
を回復し、平成2
6
(2014)年1月1日には235,
337人に達しました。ま
た、推計の結果、平成32年度までの間、毎年5,
000人程度の増加が見
込まれています。
エ
特徴のある取組み
区民が区政に参画し、地域の課題の解決策や、まちの将来を、とも
麻布地区
「麻布十番納涼まつり」
24
港区
に議論し、協働により目標を達成する「参画と協働」を区政運営の基本
姿勢としています。
また、平成18
(2006)年4月1日からは、区民に信頼され、より便利
に、より身近な区役所をめざし、区民の最も身近にある支所の機能を
高めるため、5つの地区に総合支所を設置し、地域の課題を地域で解
決する取組みや、区民のくらしの隅々にまで目の行き届いた港区なら
ではの質の高い行政サービスを展開しています。
主要課題
⑴ 大幅な人口増加を見据えた行政サービスの充実
あらゆる世代の人口増加を見据え、子育て支援、教育や高齢者
施策など、区民生活に欠かすことのできない行政サービスの取組
を充実します。
⑵ 「参画と協働」の取組の充実
赤坂地区
「赤坂氷川祭」
町会・自治会、商店会をはじめ、事業者や大使館、NPO等の
多様な主体とともに、都心区ならではの「参画と協働」の取組を発
展させ、にぎわいと活力ある魅力的なまちづくりを進めていきま
す。
⑶
想定される危機に対する「安全・安心」の強化
近い将来発生が予想される首都直下地震などの危機において、
高輪地区
「義士祭」
被害や影響を最小限にとどめるため、自助、共助、公助を基盤と
する安全・安心に向けた取組を更に強化します。
⑷ 「環境と都市機能」のバランスのとれたまちづくりの推進
まちづくりの動きの加速が予想される中、区は基礎自治体とし
て区民が快適に住み続けられる環境と都市機能のバランスに配慮
し、人にやさしい良質な都市空間・居住空間を維持、創造してい
きます。
⑸ 「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」を見据え
たまちづくりの推進
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を最大
芝浦港南地区
「芝浦運河まつり」
の好機と捉え、国際化やバリアフリー化など、将来を見据えたま
ちづくりを推進するとともに、積極的に区の魅力を発信します。
将来展望
「区役所・支所改革」や「参画と協働」により築いてきた区民や地域と
の強固な信頼関係を活かし、これまでの取組みを一層強化すること
で、夢と希望に満ちた、
「区民一人ひとりが誇りに思える成熟した国
際都市」の実現に向け、区の総力を挙げて集中的に取り組んでいきま
す。
港区
25
Shinjuku-ku
『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち
新宿区
面積 ………………18.
23㎢
世帯数 ………203,
855世帯
人口 ……………326,
868人
(うち外国人)……35,
274人
予算 ……………1,
399億円
職員数 ……………2,
674人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.shinjuku.lg.jp/
歴史・見所・名所
多くの人が住み・働き・学び・訪れる場として多様な魅力を持ち、
国内外の人々をひきつけるまち新宿。新宿区は昭和22
(1947)年3月15
日、旧四谷・牛込・淀橋の3区が統合して誕生しました。「新宿」の地
名は、江戸時代に甲州街道の新しい宿場として「内藤新宿」が設置され
たことに由来し、新宿御苑や新宿駅が全国的にも有名だったことか
ら、区名に採用されたものです。
日本一の乗降客数を誇る新宿駅、誰もが安心して楽しめるまちを目
指して「歌舞伎町ルネッサンス」が進む歌舞伎町、西新宿の超高層ビル
街、多彩な文化を感じられる大久保などは、昼も夜もにぎわいがあふ
れます。
一方、区内の区立公園で最大の面積を誇る新宿中央公園やアユが遡
上する神田川、ホタルが見られるおとめ山公園などの豊かな水辺とみ
どり、風情ある景観が守られている神楽坂の街並みなど、心安らぐ歴
史と文化の魅力も併せ持っています。また、神田川の流域を中心に染
色業や印刷関連業が今も地場産業として盛んで、伝統技術が継承され
ています。
概要
おとめ山公園
散策や遊びを通して身近に自
然と触れ合える場として拡張
整備しました。
新宿モア4番 街 オ ー プ ン カ
フェ
道路環境を改善し、街のにぎ
わいを創出するため全国で初
めて「道路を活用したオープ
ンカフェ」を常設しました。
26
新宿区
23区のほぼ中央にある新宿区は、武蔵野台地の東端に位置します。
小高い台地とそれに挟まれて東西に延びる下町低地に沿って、神田
川、妙正寺川、外濠などの水辺が区の外周を沿うように取り巻き、こ
うした地形が、由緒ある坂や斜面緑地などの貴重な自然として残され
ています。
新宿は多様な顔を持つ懐の深いまち。都市の水辺とみどり、歴史や
文化などの土地の記憶を大切にしながら、30万人を超える区民が暮ら
す生活都市として、また、世界中から多くの人が訪れる国際観光都市
として新たなにぎわいと活力の創出に地域ぐるみで取り組んでいま
す。
全国初となる新宿モア4番街の道路を活用したオープンカフェの常
設、新宿駅周辺全域をアートで彩る「新宿クリエイターズ・フェスタ」
の開催のほか、新宿にゆかりが深い夏目漱石の旧居跡を
(仮称)
「漱石
山房」記念館として整備・復元を進めるなど、新宿に暮らした多くの
文化人の貴重な足跡を後世に伝える取り組みも進めています。
また、23区では最も多く、人口の一割を超える外国人区民が暮らす
特徴を財産とし、交流とにぎわいある多文化共生のまちづくりを進め
るとともに、子育て環境の整備にも力を入れており、望む人が安心し
て産み育てられるよう、待機児童解消や自宅での子育て支援を充実さ
せて、ここ数年は子どもの出生数も増加しています。
「暮らしやすさも賑わいも一番のまち」を目指し、新宿ならではの地
域の力と多様性を「新宿力」として、やすらぎとにぎわいのまちづくり
を進めています。
主要課題
新宿区では、基本構想
(平成20年度∼)と総合計画
(平成20年度∼29
年度)の策定にあたって、次の点を主要課題としました。
①地域分権、地域主権の時代においては、新宿区や地域が、その個
性や特色を活かしたまちづくりを進めることが大切である。
②区民のくらしを支える観点から、社会的なセーフティネットの維
持は、区が果たさなければならない大きな役割の一つである。
③次代を担う子どもたちにしっかり引き継いでいくことができる、
持続可能なまちづくりが求められている。
将来展望
これらの課題を踏まえて、基本構想において、おおむね20年後の新
宿区の「めざすまちの姿」として、
「『新宿力』で創造する、やすらぎと
にぎわいのまち」を掲げ、その実現に向けて、6つのまちづくりの基
本目標と20の個別目標を示しています。
⑴
染の小道
落合・中井のまちを染め物の
ギャラリーに見立てたイベン
トで、妙正寺川の川面を色と
りどりの染め物が彩ります。
新宿クリエイターズ・フェス
タ2014
新宿駅周辺全域が舞台のアー
トイベント。まち全体がワク
ワクする巨大なアート空間に
変わります。
区民が自治の主役として、考え、行動していけるまち
ひら
①参画と協働により自治を切り拓くまち
②コミュニティの活性化と地域自治を推進するまち
⑵
だれもが人として尊重され、自分らしく成長していけるまち
①一人ひとりが個人として互いに尊重しあうまち
②子どもの育ち・自立を地域でしっかり応援するまち
はぐく
③未来を担う子どもの、一人ひとりの生きる力を育むまち
④生涯にわたって学び、自らを高められるまち
⑤心身ともに健やかにくらせるまち
⑶
安全で安心な、質の高いくらしを実感できるまち
①だれもが互いに支え合い、安心してくらせるまち
②だれもがいきいきとくらし、活躍できるまち
③災害に備えるまち
④日常生活の安全・安心を高めるまち
⑷
持続可能な都市と環境を創造するまち
つく
①環境への負荷を少なくし、未来の環境を創るまち
②都市を支える豊かな水とみどりを創造するまち
③人々の活動を支える都市空間を形成するまち
い
⑸
まちの記憶を活かした美しい新宿を創造するまち
①歴史と自然を継承した美しいまち
②地域の個性を活かした愛着をもてるまち
③ぶらりと道草したくなるまち
⑹
多様なライフスタイルが交流し、「新宿らしさ」を創造してい
くまち
①成熟した都市文化が息づく、魅力豊かなまち
②新宿ならではの活力ある産業が芽吹くまち
③ひと、まち、文化の交流が創るふれあいのあるまち
新宿区
27
Bunkyo-ku
ふみ
文京区
面積 ………………11.
31㎢
世帯数 ………112,
401世帯
人口 ……………206,
359人
(うち外国人)……7,
298人
予算 ………………762億円
職員数 ……………1,
780人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
みやこ
歴史と文化と緑に育まれた、みんなが主役のまち「文の京」
HPアドレス
http://www.city.bunkyo.lg.jp/
歴史・見所・名所
文京区は、江戸の面影を色濃く伝える史跡や文化資産の多い、歴史
的なまちであり、また、伝統ある大学や多くの学校のある文教の地と
しても知られています。
昭和22
(1947)年3月15日、東京都の区部が22区(のちに23区)に改編
されたときに、旧小石川区と旧本郷区が合併して誕生しました。区名
については、旧小石川区役所職員の応募の中から親しみやすく、
“文
教の府”というイメージがふさわしく、両区の性格を端的に表してい
るということで、「文京」という名称が選ばれました。
区内には、由緒ある神社・仏閣、歴史を語る建造物が数多く残って
いるほか、明治時代には東京大学をはじめとする多くの学校がつくら
れ、さらに森鷗外や夏目漱石などの近代文学史上にその名を残す文豪
たちが活動の拠点とし、文京のまちの礎を築きました。道沿いに点在
するそのような文人たちの旧居跡や文学碑を眺めながら、散策を楽し
むことができます。
また、小石川後楽園や六義園など江戸の大名屋敷庭園の面影をよく
残している庭園もあり、緑と文化財に恵まれたまちといえるでしょ
文京シビックセンター
区有施設と区役所からなる総
合施設。25階の展望ラウンジ
からは、富士山、秩父連峰、
筑波山を望むパノラマ
う。
概要
坂と台地のまち
武蔵野台地の東縁部にあたり、「坂のまち文京」といわれるように、
こう配の急な坂やがけと、江戸川(神田川)や千川・藍染川(共に現在
暗きょ)などがつくった低地の部分、また関口台、小日向台、小石川
台、白山台、本郷台の5つの台地に分かれ、台地と坂、台地に囲まれ
東大赤門
(旧加賀屋敷御守殿
門)
この地に上屋敷を構えていた
加賀藩主が、将軍家から夫人
を 迎 え る た め に1827年 に 建
立。国の重要文化財
たいくつかの谷から成り立っています。
また、古くから大学や私塾が多く、文化人が好んで住む地域で、名
だたる文豪たちがいくつもの坂道に足跡を残しています。鷗外と無縁
坂、漱石と団子坂、啄木と切通坂、一葉と菊坂がその例といえます。
文教のまち
江戸時代に官学の府ともいうべき湯島聖堂や昌平坂学問所のあった
この地は、明治時代に入ると広大な武家屋敷の跡地に教育機関が多く
集まりました。区内には、平成26
(2014)年8月時点で、19もの大学・
文京つつじまつり
300年以上の歴史を持つ根津
神社のつつじ苑では、春に約
100種3,
000株のつつじが咲
き誇る
短期大学が所在しています。
産業
印刷・製本業は、本区を代表する産業で、大手印刷会社から中小の
印刷・製本関連の事業所まで軒を連ねています。また、本郷・湯島地
28
文京区
区は、東京大学医学部が開設された明治時代から医療関連産業のメッ
カとしても知られ、メディカルタウンとして有名です。
さらに、近年では、区内大学が有する知的財産を活用すべく、ベン
チャー企業など、産学連携により産業界に新たな活力をもたらそうと
する動きも出てきています。
文の京こどもまつり
趣向を凝らしたイベント、ス
ペシャルステージや高校生企
画など、子どもたちが主役と
なるたくさんのイベントを開
催
主要課題
基本構想実施計画の着実な実施
基本構想は、本区の行政計画の最上位に位置づけられる行政運営方
針で、平成22
(2010)年6月に策定しました。この基本構想を着実に実
施するため、平成23
(2011)年3月に策定した「基本構想実施計画(平成
23∼25年度)」に引き続き、平成2
6
(2014)年3月には新たに
「基本構想
実施計画
(平成26∼28年度)」を策定し、その実現に向けて取り組んで
います。
無作為抽出方式や一般公募方式により選出された区民委員が約40%
を占める区民協議会で多様な意見を聴き、計画化した2
49事業の着実
な実施を通じて基本構想の実現を図っていきます。
新たな公共プロジェクト
(文
京ミ・ラ・イ対話の様子)
地域課題の解決を図る担い手
を創出する取組み。区内NP
Oとの意見交換会、文京ミ・
ラ・イ対話や文京社会起業講
座等を開催
行財政改革推進計画の推進
平成24
(2012)年3月に行財政改革推進計画(平成24∼28年度)を策定
しました。本計画は、健全な財政運営の確保と区民サービスの向上の
両立を志向する計画で、具体的には、「多様な主体との協働」
「公有地
及び区有施設の有効活用」
「受益者負担の適正化」
「効率的な庁内体制の
構築」などを計画しています。
本計画の着実な実施を通じ、個々のサービスに求められる品質を高
めることで、本区の現在と未来に責任を持つ区政運営を行い、区民か
ら長期的な信頼を得るという「品質志向の区政運営」の確立を図ってい
きます。
将来展望
ふみ
みやこ
基本構想では、「みんなが主役のまち」
「「文の京」らしさのあふれる
まち」
「だれもがいきいきと暮らせるまち」の3つの基本理念を踏ま
え、本区の1
0年後を想定した「将来都市像」
を“歴史と文化と緑に育ま
ふみ
みやこ
れた、みんなが主役のまち「文の京」”と定めました。
この基本構想の実現に向けて策定した「基本構想実施計画(平成26∼
28年度)」では、さらに今後の課題となる高齢化の進展、出生数の増加
や子育て世帯の転入を主な背景とした人口増などに対応するための事
業についても、盛り込みました。
これにより、よりよい将来都市像の実現に向けて、子どもから高齢
者まで、全ての人々が安心して、いきいきと暮らせる地域社会を築け
るよう、取り組んでいきます。
文京区
29
Taito-ku
にぎわい
いきいき
したまち台東
台東区
面積 ………………10.
08㎢
世帯数 ………109,
300世帯
人口 ……………189,
338人
(うち外国人)……13,
230人
予算 ………………952億円
職員数 ……………1,
680人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.taito.lg.jp/
歴史・見所・名所
台東区は、昭和22
(1947)年3月15日に下谷区と浅草区の合併によっ
て誕生しました。区の名称は「ダイトウ」と濁らず「タイトウ」と発音し
ます。
『台』は「台覧」や「台臨」という言葉のように、もともと気品の高い文
字で、『東』は「日出ずるところ」であり、日の出の若さや力強さを象徴
します。これらのことから
「台東」という文字は、
「めでたい」
「気品」
「若さ」
「活気」を意味します。
また、『台』は「臺」の字に通じ上野の高台、『東』は上野台の東に位置
する浅草といった区の地勢を表しています。このように「台東区」とい
う区名には、文字そのものの意味と地勢的な意味の二つが込められて
います。
台東区は、東京の北の玄関として交通の要所になっているほか、伝
統、歴史、芸術などの豊かな文化資源を有し、四季折々の多彩な行事
を通じて多くの来街者があります。
[観光] 上野公園
(寛永寺・動物園・博物館・美術館・不忍池)、浅
草寺、雷門
など
[イベント] 浅草流鏑馬・三社祭・入谷朝顔まつり・ほおずき市・
隅田川花火大会・浅草サンバカーニバル・酉の市
など
概要
台東区は、東京23区のほぼ中心に位置し、西は上野の山と、東は隅
田川に接した典型的な下町で、23区の中で最も小さい面積となってい
ます。
また、それぞれのまちには個性があり、副都心として利便性をもつ
まち、受け継がれてきた歴史と伝統が生きているまち、伝統的な産業
の活動が活発なまちなど、多彩な姿があります。
区の人口は、一時15万1,
000人台まで減少した時期もありました
台東区役所
が、その間、マイホーム取得支援や各種家賃支援等の定住施策をはじ
め、子育て支援や教育、健康・福祉等の区民生活に密着した施策や環
境・産業・文化・都市基盤整備などの施策を総合的に展開してきたこ
とにより、近年では増加傾向にあります。平成24
(2012)年7月の住民
基本台帳法改正後の人口(外国人を含む)では、18万人を超えました。
上野(旧東京音楽大学奏楽堂)
上野公園を中心に、多彩な美
術館・博物館等が並ぶ
「上野
の山文化ゾーン」
は、芸術・
文化的な魅力があります。
30
台東区
今後も、暮らし、働き、訪れる、すべての人が満足する魅力を備え
た「にぎわい
いきいき
んでいきます。
したまち台東」の更なる実現に向けて取り組
主要課題
台東区は、平成16年度に策定した新たな台東区基本構想で掲げる、
将来像「にぎわいと活力のまち」
「いきいきとした個性あるまち」
「暮ら
しやすいまち」の実現のため、区民の皆様とのパートナーシップのも
と、区政に取り組んでいます。
【各分野の課題例】
にぎわいと活力のまち
・事業者の知識と経験を活かして、経営革新の支援に力を注ぎ、
浅草(三社祭)
浅草は、浅草寺の門前町とし
て発展し、現在では三社祭や
浅草サンバカーニバルなど祭
りやイベントの宝庫となって
います。
個々の事業者の自己革新を伸張する。
・にぎわいと活力の維持、向上のため、観光産業を積極的に振興す
る。
・すべての区民の手によって、文化を受け継ぎ、広げつつ、新たな
文化を創造し、生活や産業、観光などの活動に活かしていく。
いきいきとした個性あるまち
・区民主体のまちづくりの推進により、いきいきとした個性ある美
しい街を実現し、まちのにぎわいと活力を高める。
台東区循環バスめぐりん
大人・子供ともに1
00円で区
内3路線を運行しています。
・良好な生活環境を維持するとともに、次の世代に引き継げる、持
続可能な社会の構築に努める。
・一人ひとりが価値を追求することと、社会とのつながりを大切に
することの両面を調和させ、充実する。
暮らしやすいまち
・だれもが健康の増進に努め、地域の中で支え合い、自立して自己
実現を図っていける社会を目指す。
・子どもを生み育てることに、喜びと自信がもてるようにするため
に、次の世代の育成を地域全体で支援する。
世界遺産登録推進(国立西洋
美術館)
国立西洋美術館本館は、近代
建築の巨匠ル・コルビュジエ
が設計した日本で唯一の建物
です。現在、世界各地のル・
コルビュジエの建築作品とと
もに、世界遺産登録を目指し
ています。
将来展望
平成27年度からの10年間における各分野の施策の方向性、目標、主
な取組みを示す台東区長期総合計画を策定しています。この計画を着
実に実施していくことで、基本構想に掲げる将来像、基本目標の実現
を目指します。
【将来像と基本目標】
にぎわいと活力のまち
・産業の活性化
・まちの魅力の創出
・文化が息づく豊かな生活の創出
いきいきとした個性あるまち
・個性を活かしたまちづくりの推進
・うるおいのある生活環境づくり
・学びと交流の仕組みづくり
暮らしやすいまち
・健康づくりと、自立生活を支える基盤づくり
・次の世代の育成
台東区
31
Sumida-ku
∼水と歴史のハーモニー∼人が輝く いきいき すみだ
墨田区
面積 ………………13.
75㎢
世帯数 ………138,
173世帯
人口 ……………257,
203人
(うち外国人)……9,
597人
予算 ……………1,
066億円
職員数 ……………1,
929人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.sumida.lg.jp/
歴史・見所・名所
墨田区は、昭和22
(1947)年3月15日に、北部区域の向島区と南部区
域の本所区が1つになって誕生しました。区名は、昔から広く人々に
親しまれてきた隅田川堤の通称“墨堤”の呼び名の「墨」と、“隅田川”の
名の「田」の2字を選んで名付けられました。
区内には、墨堤の桜、隅田川花火大会、大相撲、伝統工芸、史跡な
どの伝統文化が数多く残されており、江戸からの伝統が引き継がれて
いる墨田区ならではの「下町情緒」がまちの至る所に感じられます。
さらに、区内で活躍した文人墨客も数多く、碑なども多数存在する
ほか、墨田区で生まれた葛飾北斎を顕彰する「すみだ北斎美術館」の開
設準備を進めています。
また、世界一の高さ(634m)の自立式電波塔である東京スカイツ
リーが、平成24
(2012)年5月22日「押上・業平橋地区」に開業しまし
た。東京スカイツリー周辺地区の整備や隅田川を中心とした水辺空間
の再整備・有効活用を進めたことで、東京東部地域の一大観光拠点と
なり、国内外から多くの来客で賑わいをみせています。
概要
地理
墨田区は、東京都の東部に位置し、東は旧中川を境に江戸川区、西
は隅田川を境に荒川・台東・中央区、南は北十間川・横十間川・竪川
などを境に江東区、北は旧綾瀬川を境に足立区、荒川を境に
飾区に
接するなど、その周囲の多くを水辺に囲まれたまちです。区域は東西
4.
77㎞、南北6.
12㎞と南北にやや長く、面積は1
3.
75㎢です。地形的
には、海抜最高4m、最低マイナス1.
2mの平たんな低地で南西部か
ら北東部にかけて緩やかに傾斜しています。
八代将軍徳川吉宗が植えたと
される墨 堤 の 桜 は、地 域 の
人々によって現在に受け継が
れています。
人口推移
戦後における墨田区の人口は、国勢調査によると昭和35
(1960)年の
33万人余をピークに平成7(1995)年の21万人余まで減少傾向が続きま
した。しかし、その後、都心回帰などを背景に増加に転じ、住民基本
台帳及び外国人登録によると、平成22
(2010)年7月には、区の基本計
画で定めた目標人口である25万人を超えています。
区の特性・特徴
ⒸTOKYO-SKYTREE
平成24年5月に開業した東京
スカイツリーを核として、賑
わいのあるまちづくりが進ん
でいます。
32
墨田区
墨田区は、隅田川をはじめ豊かな水辺に恵まれた、江戸の歴史や文
化が薫るまちです。また、下町らしい地域コミュニティが色濃く残
り、中小製造業などものづくりのまちの特徴も有しています。
主要課題
⑴
大地震等に耐えうる災害に強いまちづくりの推進
災害に弱い地域特性を有している墨田区において、ハード面では
「燃えない・壊れないまちづくり」の一層の推進に、ソフト面では災
害発生時にも速やかに対応できる仕組みづくりの構築に取り組んでい
ます。
⑵
子育て支援と高齢者施策の推進
子育てや子どもの教育を地域ぐるみで支援するため、次世代育成支
援行動計画等に基づいて保育園の待機児童解消等、きめ細かな対応を
進めています。
また、元気な高齢者のニーズに応える一方で、特別養護老人ホーム
等の施設介護の整備を進めつつ、在宅高齢者の見守り体制の充実にも
取り組んでいます。
夏の風物詩である隅田川花火
大会では、毎年90万人以上も
の人が、夜空を彩る絢爛な花
火の競演に酔いしれます。
⑶
東京スカイツリー効果を十分に活かし、区政全般を活性化さ
せる施策の推進
東京スカイツリー開業後、多くの観光客が墨田区を訪れています
が、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催決定によ
り、外国人観光客の増加が期待されます。これを区全体の地域振興に
つなげるため、東京スカイツリーへの来街者を区内全域に回遊させる
など、さまざまな施策に取り組んでいます。
⑷
さらなる財政基盤強化に向けての行財政改革への取組
多様なニーズに適切に対応できるよう強固な財政基盤の構築を図る
ため、より創意工夫を凝らした不断の行財政改革に取り組む必要があ
ります。特に、区施設が今後一斉に老朽化等による改修や建替えの時
期を迎えるため、「公共施設マネジメント実行計画」に基づき、施設の
適切な維持保全や機能転換・複合化等による施設の有効活用を推進し
ていきます。
将来展望
国 技 館5,
000人 の 第 九 コ ン
サートは、墨田区の
「音楽都
市 づ く り」を 象 徴 す る コ ン
サートとして毎年2月に開か
れています。
平 成24年3月 か ら 区 内 を3
ルートで巡る循環バスの運行
が始まり、多くの区民や観光
客に親しまれています。
墨田区では「すみだの未来」を切り開くべく、新たな時代に向けて、
区に関わる多くの人々の英知を結集し、平成17
(2005)年11月に新しい
「墨田区基本構想」
(構想期間:平成1
7∼37年)を策定しました。この
基本構想で掲げた「∼水と歴史のハーモニー∼人が輝く いきいき
すみだ」
というまちづくりの基本理念を区民、地域、NPOや企業
等、本区で活動する全ての人々が共有するとともに、それぞれの役割
分担のもと一緒に力を合わせて魅力や活力ある
「すみだ」をつくる
「協
治(ガバナンス)」
によるまちづくりを進めていきます。また、隅田川
をはじめとする豊かな水辺やものづくりなど、すみだ固有の魅力を今
に活かすとともに、将来にわたって高めていくことで「すみだらしさ」
を確立し、多くの人々が「すみだに住みたい」
「すみだで働きたい」
「す
みだを訪れたい」と思うまちにしていきます。
そして、東京スカイツリーや現在推進している大学の誘致が区に与
える変化を踏まえながら、それらを観光、産業、防災、教育や福祉な
どの施策に活かしていくことで、墨田区基本構想で掲げるすみだの
「将来の姿」の実現を目指します。
墨田区
33
Koto-ku
みんなでつくる伝統、未来
水彩都市・江東
江東区
面積 ………………39.
99㎢
世帯数 ………248,
379世帯
人口 ……………492,
366人
(うち外国人)……22,
242人
予算 ……………1,
743億円
職員数 ……………2,
737人
HPアドレス
http://www.city.koto.lg.jp/
歴史・見所・名所
区名の由来
江東の区名は、隅田川の東に位置する地理的な意味から名付けられ
たもので、江東の「江」は深川、「東」は城東の意味も含んでいます。江
※平成26年8月1日現在
東の地名は、古くは江戸時代から使用されており、広く隅田川の東部
※平成26年度一般会計当初予算
を指す意味もありました。
江東区の生い立ち
江東区は、江戸時代までは東京湾に注ぐ河川のデルタ地帯の一部
で、海面と散在する小島があるだけでした。しかし、亀戸周辺には、
人が住んでいたことを示す伝説や地名が残されています。
江東区の発展は、江戸初期からの埋め立てに始まります。初期に
は、深川八郎右衛門や砂村新左衛門一族が新田開発を行い、深川地区
や城東地区の礎をつくりました。
深川地区は、区内を縦横に走る掘割や河川を利用した木材・米・油
問屋の町として栄え、江戸市民の遊興地としてもにぎわいました。一
方、城東地区は、江戸近郊の農地として、野菜類を江戸市民に供給し
早くから促成栽培が行われていました。また、江戸近郊の行楽地とし
ても知られていました。
発展する豊洲・有明エリア
豊洲新市場、オリンピック・
パラリンピック競技会場の整
備など、更なる進化が見込ま
れる臨海部エリア
明治時代になると、広い土地と水運を利用した東京の工業地帯とし
て発展し、昭和22
(1947)年に深川・城東の2区が合併して、現在の江
東区が生まれました。
概要
江東区の地理
江東区は、東に荒川、西に隅田川が流れ、南は東京湾に面していま
す。また、内部河川や運河が縦横に走っており、まさに「水彩都市」の
横十間川親水公園と和船
豊かな水辺と緑に囲まれた水
彩都市。緑の中の都市
「CITY
IN THE GREEN」の実現を目
指します
名にふさわしいまちです。
人口推移
江東区の人口は、平成10年より増え続け、現在も人口増加の傾向は
続いています。区南部地域を中心とした大規模集合住宅の建設に伴う
社会増や、外国人の増加が特徴的です。
区の特性・特徴
江東区には運河や内部河川が数多くあり、水辺と緑が創り出す美し
深川八幡祭
江戸三大祭りのひとつ。別名
「水かけ祭り」のとおり、沿
道から勢いよく清水が掛けら
れる
34
江東区
い景観が大きな魅力の一つとなっています。また、東京湾に面する区
南部地域に、臨海副都心などの広大な開発地を有していることも特徴
的です。
さらに、江戸切子や木場の角乗、深川八幡祭りなど江戸の歴史・文
化や人情味あふれる下町情緒が色濃く残る一方で、臨海部においては
東京の新しい顔といえる豊洲や有明といったまちの開発が着実に進め
られています。また、2
020年東京オリンピック・パラリンピックで
は、多くの競技会場が臨海部に整備予定であるほか、築地市場が豊洲
に移転整備されるなど、伝統と未来の両面を活かしながら発展を続け
ていくことも江東区の大きな特徴として挙げられます。
主要課題
東京ゲートブリッジ
東 京 湾 に 架 か る 別 名「恐 竜
橋」。歩道からは東京スカイ
ツリーや臨海副都心、富士山
も見渡せる
今後の区政運営にあたり、全力を挙げて取り組むべき主な課題は、
以下のとおりです。
①
築地市場の豊洲移転整備
東京都による築地市場の豊洲移転について、土壌対策、交通対
策、にぎわいの場の創出及び環境まちづくりへの配慮といった課
題の解決を都に求めていきます。
②
中央防波堤埋立地の帰属
未だに帰属先が決まっていない中央防波堤埋立地について、歴
川の駅
旧中川と小名木川の合流部に
ある水辺のにぎわい拠点
「川
の駅」。水陸両用バスの進水
シーンが見られる
史的経緯を踏まえ、帰属問題の解決に取り組んでいきます。
③
オリンピック・パラリンピックを踏まえた新たな展開
2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、区内に多くの
競技会場が配置される予定であり、本区のまちづくりに大きな影
響を与えることとなります。区では、オリンピック・パラリン
ピック開催を契機に、開催後も見据えたまちづくりなど、区のさ
らなる発展に向け、必要な施策に取り組みます。
④
南北交通の利便性の向上
水辺のアイドル
「コトミちゃ
ん」
水鳥をイメージして作られた
区の観光キャラクター。さま
ざまなイベントで活躍中
区の南北を結ぶ交通網の利便性を高めるため、国や都、鉄道事業者等と緊密に連携し、豊
洲−住吉間における地下鉄8号線の延伸の一日も早い実現を目指します。
将来展望
平成21
(2009)年3月、江東区は、概ね今後2
0年を展望し、区の将来像を「みんなでつくる伝
統、未来
水彩都市・江東」
と定めた新たな「江東区基本構想」を策定し、平成2
2
(2010)年3月に
は、基本構想の実現を図るための総合計画である「江東区長期計画」
(計画期間:平成22年度∼31
年度)を策定しました。
計画の策定にあたっては、区民代表等からなる長期計画策定会議や区民説明会、パブリックコ
メント、グループインタビューなどを通して多くの区民の要望や意見を反映させるとともに、そ
の進行管理にあたって区民等の視点から施策の進捗状況を評価する外部評価を平成22年度から新
たに導入するなど、本計画は「みんなでつくる」という基本構想の理念に則ったまちづくりを行っ
ていく区の姿勢を明確にしています。区は、区民とともに全庁を挙げて長期計画の着実な推進を
図り、全ての区民が生き生きと暮らせるまちの実現に向けて取り組んでいきます。
江東区
35
Shinagawa-ku
輝く笑顔
住み続けたいまち
品川区
面積 ………………22.
72㎢
世帯数 ………205,
179世帯
人口 ……………371,
382人
(うち外国人)……10,
571人
予算 ……………1,
462億円
職員数 ……………2,
474人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
品川産業支援交流施設
区内の研究開発型企業や情報
通信企業等が相互に連携し交
流・情報交換できる拠点を開
設します。新産業・新ビジネ
スを創出の場とし、世界で活
躍する企業の育成を目指しま
す。
保護者による一日保育士体験
自分の子どものクラスで保育
士体験をし、自宅とは違うわ
が子の姿を発見する貴重な機
会です。
平塚橋会館跡高齢者複合施設
区民集会所の跡地を活用し、
住み慣れた地域での生活を継
続できる よ う、セ ー フ テ ィ
ネットとしての特別養護老人
ホームを整備するほか、多世
代が交流できる地域交流拠点
を併設します。
36
品川区
しながわ
HPアドレス
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
品川区は古い歴史を持つまちです。
「荏原」の地名は万葉集に、
「大
井」は延喜式に見られる由緒ある地名です。また、
「品川」
は中世には
武蔵国の表玄関・品川湊として、江戸時代には東海道の第一の宿とし
ガラス
て交易の拠点となり、明治時代では官営硝子製造所が設立されるな
ど、近代産業の発祥の地として発展してきました。
また、エドワード・モース博士により発見され考古学発祥の地とし
て全国に知られる大森貝塚をはじめ、今なお江戸の面影を残す旧東海
道の町並みや大名屋敷跡の戸越公園や池田山公園などがあります。
その一方で、再開発が進む大崎は副都心として生まれ変わり、天王
洲周辺には水辺を求めて多くの人が集まります。武蔵小山や中延、戸
越には全国でも有数の商店街があり、にぎわいを見せています。
また、区内には多彩な文化芸術施設や区民の活動・発表の場が充実
しており、品川区民芸術祭を開催し「文化芸術」にふれ親しむ機会を増
やしています。
さらに、こうした歴史や各地域のあゆみ・特色を次の世代に伝える
ため、「品川区史」を約40年ぶりに刊行しました。
概要
品川区は、東京都の南東部に位置し、東京湾に面する臨海部と山の
手に連なる台地から形成され、面積は2
2.
72㎢で、37万人を超える
人々が生活しています。
国際都市東京の表玄関に位置する品川区にはJR・私鉄など14路線
が走り、駅は延べ40あり、交通アクセスが大変充実しています。さら
に、羽田空港の国際化、また将来はリニア中央新幹線の始発駅として
品川駅が計画されるなど、生活都市と国際都市の両面を持つ個性的な
都市として、より一層の発展が期待されています。
また区内には、2
03の町会・自治会があり、自主的な活動を力強く
展開しています。NPOやボランティア団体による活動や企業の社会
貢献活動も活発に行われ、協働によるまちづくりが進められていま
す。
100を超える商店街では、さまざまな地域ブランド品づくりや趣向
を凝らしたイベントを開催し、にぎわいを見せています。
昭和58
(1983)年度から着手した行財政改革により健全財政の確保に
努め、安定的な財政基盤をもとに、独自の先駆的な施策を積極的に展
開しており、平成26
(2014)年の品川区世論調査でも、前回調査に引き
続き9割を超える区民から「これからも品川区に住み続けたい」との高
い評価を得ています。
主要課題
これからの品川区を取り巻く環境は、オリンピック・パラリンピッ
クの開催、リニア中央新幹線の開通、国家戦略特区指定など、大きく
変化することから、こういった状況を絶好の機会ととらえ、区民に
とってプラスとなることをさらに高めていきます。
重点課題
・防火対策の強化 災害に強いまちづくり
首都直下地震などの被害想定をもとに、建物崩壊や火災、津波な
どに対応するために、これまで区が行ってきた防災対策の見直しや
強化を推進していきます。
品川区災害対策基本条例の制定、木密地域不燃化10年プロジェク
トの推進、建物の耐震化促進、地域の初期消火体制強化、津波自主
避難マップ等普及促進、帰宅困難者対策の推進
・オリンピック・パラリンピック東京開催に向けて
将来を見据え、長期的視野に立った事業展開を行い、必要な施策
を着実に実現していきます。
「英語少し通じます商店街」プロジェクト、小中学校における英語
教育の充実、トップスポーツ&障害者スポーツ体験イベント、ビー
チバレー体験ワークショップ、オリンピック・パラリンピック競技
会場周辺の無電柱化
将来展望
品川区基本構想と長期基本計画
スタンドパイプを使用した訓
練
地域の初期消火体制の強化を
図るため、軽量で扱い易いス
タンドパイプセットを配 備
し、防災訓 練 を 行 っ て い ま
す。
「英語少し通じます商店街」
プロジェクト
商店街の店員が「少し」の英語
を習得し、外国人観光客を積
極的に受け入れる雰囲気を地
域全体で作り上げていき ま
す。
平成20
(2008)年4月、新たに品川区基本構想を策定し、平成21
(2009)年4月にはそれに基づく
長期基本計画がスタート、「輝く笑顔 住み続けたいまち しながわ」を目指し、5つの都市像の
実現にむけて、全力を挙げて取り組んでいます。この長期基本計画は、社会経済環境の変化に対
応するため、策定から5年が経過した平成26
(2014)年4月に、計画の改訂を行いました。
だれもが輝くにぎわい都市
・町会・自治会の活動支援、地域団体やNPOとの協働の推進、地域課題の自主的解決の支
援、関係機関と連携した就業支援、産業活性化拠点施設の整備、にぎわいのある商店街づく
り、地域固有の観光資源の整備、外国人観光客の誘致推進、品川区民芸術祭の実施、オリン
ピック・パラリンピックの機運醸成、地域の国際化への対応力の向上
未来を創る子育て・教育都市
・親育ちサポート事業の充実、待機児童対策の推進、小中一貫教育の実践、特別支援学級の開
設・教育活動の充実、ICTを活用した教育活動の推進、青少年の社会的な自立の支援、非
核平和都市品川宣言事業の充実、人権啓発事業の充実
みんなで築く健康・福祉都市
・地域における健康づくりの支援、地域医療連携の推進、在宅介護支援システムの充実、特別
養護老人ホームの整備、障害者の相談支援体制の強化、品川児童学園の機能強化、孤立死防
止など地域での見守り体制のしくみづくり、成年後見センター事業の充実
次代につなぐ環境都市
・水辺空間の利活用促進、しながわ中央公園の拡張整備、子どもたちのアイデアを活かした公
園づくり、景観まちづくりの推進、太陽光発電システム設置の支援、環境教育・環境学習の
充実・推進
暮らしを守る安全・安心都市
・住宅密集地の防災性向上、建物の耐震化、大井町駅・大崎駅・目黒駅・武蔵小山駅周辺地区
の整備、自転車安全利用の推進、地域住民が主体となった防犯対策の強化
品川区
37
Meguro-ku
住みたいまち、住み続けたいまち目黒
目黒区
面積 ………………14.
70㎢
世帯数 ………150,
053世帯
人口 ……………269,
153人
(うち外国人)……7,
078人
予算 ………………903億円
職員数 ……………2,
056人
HPアドレス
http://www.city.meguro.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
太古から人々が住み、集落を形作ってきた目黒。鎌倉幕府の公的記
録をつづった『吾妻鏡』では、建久元(1190)年11月の条に、武蔵武士目
黒彌五郎の名が記されており、歴史上では鎌倉時代までさかのぼれる
※平成26年8月1日現在
「目黒」ですが、地名の由来は定かではありません。江戸時代には、
※平成26年度一般会計当初予算
大都会江戸に生鮮野菜などを供給する典型的な近郊農村として発展
し、将軍のタカ狩りの場としても有名になり、目黒不動尊など目黒三
社への「目黒詣で」に向かう人々を、江戸市中からたくさん招き入れま
した。明治以降は駅を中心に竹林や畑が宅地へと変わり市街化が進
み、昭和7(1932)年に目黒町と碑衾町が合併して目黒区が誕生、平成
24
(2012)年に区制施行80周年を迎えました。
区内には、国の重要文化財に指定された旧前田家本邸、瀧泉寺
(目
こさつ
黒不動)、円融寺などの古刹や東京大学、東京工業大学などの文教施
設も多く、歴史に彩られ、文化の薫り高いまちです。「自由が丘」
「中
目黒」などのおしゃれなエリアもあり、「住んでみたいまち」として人
気の高い地域です。
概要
東京23区の南西部、武蔵野台地の東南部に位置し、目黒川、呑川に
よる谷地と目黒台と呼ばれる台地が織りなす起伏に富んだ地形で、坂
の多いまちをつくっています。面積は14.
70㎢で23区全体の2.
4%にあ
たり、23区中16番目の広さです。交通の利便性が高く、都心に近い良
好な住宅地として発展してきました。
国勢調査に基づく人口は、昭和40
(1965)年に30万人近くに達したの
をピークに減少に転じ、平成7
(1995)年には24万3,
100人となりまし
たが、平成22
(2010)
年には26万8,
330人と回復しています。
目黒区総合庁舎
文化的価値の高い既存建物を
改修し平成15年1月にオープ
ン、中目黒駅周辺の高層ビル
を背景に。
主要課題
1
災害に強い、安全・安心の地域づくり
目黒区地域防災計画に基づき、「自助」
「共助」と「公助」の連携を柱と
して、避難所対策や高齢者・障害者などの災害時要援護者対策をはじ
め、地域防災力の向上に向けて取り組むとともに、震災時の建物の倒
壊や市街地火災等から区民の生命・財産を守るため、不燃化促進や道
路整備を一体的に進める沿道まちづくりを進めています。また、人口
目黒川の桜
区内の目黒川沿いの約3.
8キ
ロに800本ほどの桜が続き、
人気の花見スポット。
38
目黒区
に対する刑法犯認知件数の割合が23区の中で低い水準ですが、警察と
連携して適切な防犯の啓発に努めるとともに、防犯カメラ等防犯設備
設置の補助など、引き続き安全で安心な地域づくりに取り組んでいま
す。
2
子育て支援と教育を充実し、暮らしや健康を支える取り組み
の推進
待機児童ゼロを目指すため、賃貸型による認可保育所や「小規模保
育所」の整備支援などを進めています。また、子どもの生きる力をは
ぐくむ教育の推進、学校の教育・生活環境の改善、中学校の魅力づく
りへの対応も課題であり、魅力と活力にあふれ信頼される学校を目指
して取り組んでいます。
さらに、地域における支え合いの仕組みづくり、介護サービスの充
目黒のさんま祭
目黒区民まつりで行われる、
落語「目黒のさんま」に因んだ
お祭。友好都市・気仙沼市の
皆さんが地元のさんまを焼い
て提供。
実、生活困窮者への対策など広い範囲での支援を進めています。
3
環境を守りはぐくむ地域づくりの推進
私道防犯灯や商店街街路灯などのLED化など環境負荷の少ないエ
ネルギーの利用を促進するとともに、使用済み小型家電の資源回収事
業など、循環型社会づくりを着実に推進しています。
また、身近なみどりの把握と創出、生物多様性の保全への取組みな
ど地域の特性に応じた安全で快適なまちづくりを進めるとともに、区
めぐろ区民キャンパス
めぐろパーシモンホール、図
書館、体育館、心身障害者施
設などの集まる複合施設。
内各所の桜を保全・更新していくための「目黒のサクラ基金」の創設
や、駒場公園旧前田家本邸の保存・修復整備を進め、魅力ある文化的
財産を後世に伝えていく取り組みを進めています。
将来展望
利便性の良さ、良好な居住環境、魅力ある地域資源、まちの治安の
良さなどから、区の世論調査では目黒区に住み続けたいという方が常
に95%前後で推移しています。これらの目黒の良さを継承し、まちの
「価値」を高めるためには、災害や犯罪が少なく、子どもから高齢者
まであらゆる区民が安全に安心して生活できること、身近な生活圏で
医療・保健・福祉・教育をはじめ、買い物や余暇活動などの多様な
サービスが享受できること、美しい街並み・適度な賑わいなどが必要
です。さらに、人と人とがふれあい、支えあう、心豊かな地域社会を
目指し、地域特性に応じた個性豊かで活力のあるまちづくりを地域の
目黒天空庭園
大橋ジャンクションの屋上に
平成25年3月にオープン。巨
大なループ状の回遊式公 園
で、四季折々の草花を楽しめ
る和風庭園。
皆さんと共に展開することが重要です。
区では、目黒区基本構想で掲げる4つの基本目標、「豊かな人間性をはぐくむ文化の香り高い
まち」
「ふれあいと活力のあるまち」
「ともに支え合い健やかに暮らせるまち」
「環境に配慮した安全
で快適なまち」の実現に向け、地域安全、健康長寿、子ども応援、快適住環境、地球温暖化防
止、ふれあい・にぎわいの6つの重点プロジェクトを設定し、関連する施策の積極的な展開を進
めています。
こうしたまちづくりを進めるためには、何より安定した財政基盤が不可欠であり、区有施設見
直し計画への取り組みなど財政上の課題を先送りしない区政運営が必要です。財政健全化に向け
た取り組みを進めながらも、明るい明日の目黒を切り拓き、区民が心の豊かさを感じ、誇りに思
える目黒、希望に満ちた豊かな地域社会を創っていくことで、「住みたいまち、住み続けたいま
ち目黒」の実現を目指していきます。
目黒区
39
Ota-ku
地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた
大田区
面積 ………………60.
42㎢
世帯数 ………369,
616世帯
人口 ……………707,
004人
(うち外国人)……19,
051人
予算 ……………2,
420億円
職員数 ……………4,
247人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
国際都市の玄関となる羽田空
港
大田区は、アジアの拠点とし
て、日本の玄関口として、首
都東京の価値を高めるととも
に、おもてなしの心と魅力が
あふれる「国際都市おおた」を
目指しています。
池上本門寺
日蓮聖人終焉の地。周辺は、
区民の憩いの場であると同時
に、関東で最古の五重塔があ
るなど、歴史遺産の宝庫でも
あります。春の「節分」、秋の
「お会式」は、多くの参詣者
でにぎわいます。
HPアドレス
http://www.city.ota.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
大田区は、昭和22
(1947)年3月15日に大森区と蒲田区の合併により
誕生しました。区名は両区から1文字ずつ取り命名されました。大森
貝塚が示すように、大田区には古代から人々が暮らし、江戸期には海
苔の養殖が盛んに行われました。また、東海道の街道筋にあたってい
たため、人馬の往来で賑わいました。大正期以降は製造業などの中小
工場が集積して戦後の経済成長を支え、現在も「ものづくりのまち」と
して知られています。昭和38
(1963)年には、海苔の養殖が幕を閉じ、
臨海部には羽田空港や大田市場など物流施設が整備されました。台地
部は田園調布をはじめ緑の多い住宅地となっています。
関東で最古の五重塔がある池上本門寺や、尾崎士郎、川端康成、村
岡花子など多くの芸術家が移り住んだ「馬込文士村」では、歴史を感じ
ながら散策が楽しめます。池上梅園、桜坂、多摩川台公園のあじさ
い、田園調布の銀杏並木、羽田漁師町の風情、蒲田・大森の繁華街、
商店街、黒湯温泉なども見所です。
概要
大田区は、高度な技術力を持つ多くの町工場、賑わいのある商店
街、田園調布に代表される美しいまちなみや多摩川などの自然、歴史
ある伝統文化、手軽に楽しめる多国籍グルメなど、多彩な魅力にあふ
れ、「東京の縮図」ともいえるまちです。
平成26
(2014)年放送のNHK連続テレビ小説「花子とアン」の主人公
である村岡花子さんが暮らしたまちでもあります。
大田区では、一人ひとりの区民、自治会・町会、事業者やNPOな
どの団体との連携・協働により、防犯・防災、福祉、子育て、国際交
流などの多様な課題を解決し、魅力ある地域を創造する力を「地域力」
と位置付け、地域力の向上を図りながら区政を運営することで、誰も
が暮らしやすいまちづくりを進めています。
また、日本の空の玄関口である羽田空港を擁する区として、国内外
の都市との交流を積極的に行い、観光や多文化共生などを充実して、
「来て良し、住んで良し」のおもてなしの心と魅力があふれる「国際都
市おおた」をめざしています。
主要課題
①
馬込文士村
尾崎士郎、川端康成、村岡花
子など多くの芸術家が住んだ
まちです。歴史を感じながら
散策が楽しめます。
40
大田区
少子高齢社会において元気と安心を確保するため、保育サービス
基盤の拡充に取り組み、待機児童ゼロをめざすなど、子どもを産
み、育てやすいサービスの充実を図ります。また、元気な高齢者の
社会参加を促進し、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよ
う地域包括ケア体制を構築します。
② 平成26
(2014)年5月1日、国家戦略特別区域の指定が行われ、大
田区など18の自治体が指定を受けました。今後、国や東京都などの
関係機関と連携し、国家戦略特区制度を活用して、大田区の産業を
世界に発信する産業交流施設を空港跡地に整備するなど、国際的な
経済活動拠点となる国際都市実現に向けたまちづくりを、積極的に
展開します。
③ 東日本大震災後の新たな被害想定を踏まえ、倒れない・燃えない
まちづくりの推進や、区民との連携による地域防災力の強化、非常
用食糧や資機材等の備蓄充実など、総合防災力の強化を進めます。
④ 羽田空港の国際線離発着枠の拡大に伴い増加する海外からの観光
客、ビジネス客などの来訪者に、区内回遊を楽しんでいただけるよ
う、大田区の魅力を積極的にアピールし、多言語対応、わかりやす
い観光案内などのおもてなしを充実していきます。
また、交通アクセス向上のため、新空港線
(蒲蒲線)の整備促進
や、アクセス道路の整備を進めていきます。
⑤ 東京オリンピック・パラリンピック開催決定を受け、大会成功に
向けた支援を行います。平成2
4
(2012)年6月に行った
「スポーツ健
康都市宣言」にふさわしいまちをつくるためにも、多様なスポーツ
の普及や、スポーツを通じた健康づくりの啓発、スポーツ施設の充
実、指導者育成などを推進し、
「する」
「みる」
「支える」
の視点でス
田園調布いちょう並木
田園調布駅から放射状に広が
る道に沿って植えられた銀杏
が、美しいまちなみを形作り
ます。
ふるさとの浜辺公園
入江や干潟を持つ都内で初め
ての区立海浜公園です。隣に
は、大森海苔のふるさと館が
あり、海苔づくりの歴史を知
ることができます。
ポーツの環境づくりを進めます。
中央防波堤埋立地帰属問題について、歴史的経緯を正しく踏まえ
た主張を展開し、区民、区議会、区が一体となって早期解決に向け
⑥
て取り組みます。
将来展望
大田区では、平成2
6
(2014)年3月に大田区10か年基本計画
「おおた
未来プラン10年」後期5年計画を策定しました。
基本構想に掲げる区の将来像「地域力が区民の暮らしを支え、未来
へ躍動する国際都市 おおた」を実現するため、3つの基本目標と9
つの個別目標を設け、36の施策ごとに「5年後のめざす姿」を掲げてい
ます。
○基本目標1 生涯を健やかに安心していきいきと暮らせるまち
(子
育て・教育・保健・福祉領域)
出産から高齢期までのライフステージに沿って、子育て支援、学力
大田区平和都市宣言記念事業
「花火の祭典」
毎年8月15日に多摩川河川敷
で行われる「花火の祭典」。た
くさんの人が集い、平和のひ
とときを共有します。
向上や教育相談、健康づくり、障がい者や高齢者への支援、ユニバーサルデザイン、スポーツ振
興、生涯学習、人権擁護などに関する事業を掲げています。
○基本目標2 まちの魅力と産業が世界に向けて輝く都市(都市基盤・空港臨海部・産業領域)
地域の特性を活かしたまちづくり、交通ネットワークの整備、公園や緑の拡充、災害対策、国
際交流、操業環境整備・取引拡大等の産業支援、商業振興、観光振興などに関する事業を掲げて
います。
○基本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち
区民協働、地域の担い手づくり、区民活動への支援、住民の相互支援、地域文化の創造、防災
・防犯力の強化、環境保全、省エネ、ごみ減量・再資源化、効果的な区政運営、区政の透明化や
住民の参画機会の充実などの事業を掲げています。
平成26年度からの後期5年間では、前期5年間の成果と課題、社会経済状況の変化などを踏ま
えながら、区の「5年後のめざす姿」を実現するため、さまざまな事業を実施します。
大田区
41
Setagaya-ku
子どもが輝く
参加と協働のまち
世田谷区
面積 ………………58.
08㎢
世帯数 ………455,
537世帯
人口 ……………872,
971人
(うち外国人)……15,
286人
予算 ……………2,
580億円
職員数 ……………5,
093人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
せたがや
HPアドレス
http://www.city.setagaya.lg.jp/
歴史・見所・名所
「世田谷」の地名は14世紀に登場
「世田谷」の地名は永和2(1376)年、吉良治家が上弦巻半分の地を鶴
岡八幡宮に寄進した文書に登場しています。
世田谷区の誕生
昭和7(1932)年10月1日、世田谷区(世田谷町・駒沢町・玉川村・
松沢村が合併)
が誕生し、東京市へ編入されました。4年後、千歳村
・砧村も編入され、現在の区の姿になりました。
見所・名所
良好な住宅地としてだけではなく、国分寺崖線に代表される樹林地
や湧水地、農地など、23区の中でも緑や水辺などの自然環境がありま
す。また、三軒茶屋や下北沢など活気に満ちた商業地、美術館や文学
館、大小2つの本格的劇場パブリックシアターなど、文化施設が点在
する、さまざまな趣を併せ持つ魅力ある都市です。
概要
世田谷区は東京23区の西南端に位置しています。区域の形は、東西
区役所第一庁舎
約9㎞、南北約8㎞のほぼ平行四辺形。面積は約5
8.
08㎢で23区中、
大田区に次いで2番目に大きいです。
総人口、総世帯数とも東京23区内で第1位です。世田谷は都心に近
く、交通の便がいい住宅地として、大正時代の初めから急激に人口が
増え続けてきました。昭和62
(1987)年をピークに、その後は減少して
世田谷246ハーフマラソン
国道246号等を走るハーフマ
ラソン
きましたが、平成8(1996)年から再び増加傾向にあり、人口は88万人
を擁しています。
主要課題
平成26
(2014)年度に今後10年間の区政運営の基本的指針となる
「基
本計画」がスタートしました。
この20年間、区をとりまく経済・社会環境は大きく変わりました。
とりわけ、経済や文化を中心に人やもの、お金、情報が国境を越えて
動きまわるグローバル化や地球資源の限界等の環境問題に直面してい
ます。東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故に
より、日頃からの災害への備えや、エネルギー問題などの都市の生活
を支えるシステムが脆弱であることを改めて認識しました。また、環
境と共生する暮らしのほか、老朽化が進む都市基盤の更新を進めてい
等々力渓谷
23区内唯一の渓谷で世田谷区
の名所のひとつ
42
世田谷区
く必要があります。
一方、高齢化が確実に進み、核家族化や単身世帯の増加が日々の暮
らしの中で、孤立しがちな都市での生活に大きな影響を及ぼします。
孤立や孤独に対応し、地域社会の安心な暮らしを支える新たなつなが
りの構築が求められています。また、子育て支援や教育の充実を進
め、子どもが社会の中で育ち、成長を社会全体で支えるしくみが求め
られています。
今の変化の激しい時代、多様化する区民ニーズ、めまぐるしく変わ
る区政の課題に常に最善の施策を組み立て続ける必要があります。未
来の見通しが容易ではない中にあって、今後10年間の施策展開を明確
世田谷区たまがわ花火大会
多摩川の河川敷を会場に、都
内では珍しい尺玉を打ち上げ
る華麗な夏の祭典
にするため、重点政策に取り組みます。
区がこれまで、区民とともに築いてきたさまざまな取組みや知恵も
踏まえて、区民とともに歩みを進めます。
【重点政策】
基本構想に掲げる9つのビジョンに込められた目標や理念を踏ま
え、特に重要な課題の解決に向けて、区民との協働を進める中で、基
本計画全体をリードしていきます。
1
せたがやふるさと区民まつり
“みつけよう心のふるさと
ひろげよう心のふれあい”
を
テーマに開催する世田谷の夏
の風物詩
子ども若者が住みたいまちづくり、教育の推進
「子育て応援都市をめざします」
2
高齢者・障害者等の在宅生活を支え、孤立させないための地域包括ケアシステムと住まい
「高齢者を孤立させない都市をつくります」
3
安全で災害に強いまちづくり
「災害に強く復元力のある都市をつくります」
4
自然の恵みを活かして小さなエネルギーで暮らす豊かなまちの実現
「自然エネルギーと新たな活力が生まれる環境共生都市をつくります」
5
世田谷の文化の創造と知のネットワークづくり
「文化・芸術・スポーツを多世代で楽しむ都市をめざします」
6
豊かなコミュニティ活動の発展と住民自治の推進
「コミュニティ活動で互いに支える都市をつくります」
将来展望
平成25年度に区の今後20年間を展望する新たな「世田谷区基本構想」を策定し、その実現に向け
て目標や理念を9つのビジョンにまとめました。
【9つのビジョン】
一、個人を尊重し、人と人とのつながりを大切にする
一、子ども・若者が住みやすいまちをつくり、教育を充実する
一、健康で安心して暮らしていける基盤を確かなものにする
一、災害に強く、復元力を持つまちをつくる
一、環境に配慮したまちをつくる
一、地域を支える産業を育み、職住近接が可能なまちにする
一、文化・芸術・スポーツの活動をサポート、発信する
一、より住みやすく歩いて楽しいまちにする
一、ひとりでも多くの区民が区政や公の活動に参加できるようにする
世田谷区
43
Shibuya-ku
創意あふれる生活文化都市 渋谷―自然と文化とやすらぎのまち―
渋谷区
面積 ………………15.
11㎢
世帯数 ………130,
909世帯
人口 ……………216,
669人
(うち外国人)……9,
038人
予算 ………………827億円
職員数 ……………1,
828人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
「渋谷」の地名のいわれは、その地形からきているという説や豪族の
氏によるという説など諸説がありますが、いずれも確たる文献がなく
はっきりとしてはいません。
「渋谷区」が誕生したのは、昭和7(1
932)年10月1日に渋谷町、千
駄ヶ谷町、代々幡町の3町が合併し、東京市渋谷区として大東京35区
の一環となったときです。その後、交通網の発達や大学立地などとあ
いまって、戦後から高度経済成長期にかけて人口が増加し、「文教住
宅都市」として市街地が形成されました。
また、オリンピックを契機として都市基盤の整備が進展し、渋谷駅
周辺をはじめとして業務・サービス機能の集積が進み、昼間人口は飛
躍的に増大し、「副都心を有するまち」としての性格を強めました。
渋谷駅前広場の忠犬ハチ公像がその実話とともに有名ですが、その
ほかにも竹下通りや、近年開業した渋谷ヒカリエ、表参道原宿東急プ
ラザなども若者を中心に多くの人が集まる人気スポットとなっていま
す。
概要
渋谷区は、東京都23区の西南に位置し、特別区区域の西南部の中心
となっています。面積は1
5.
11㎢で、中心部に明治神宮・代々木公園
という大きな緑地があり、全体の約1割を占めています。
人口(各年とも1月1日現在の住民記録人口)は、昭和38
(1963)年の
26万8,
000人をピークに漸減し、バブル景気後の平成9
(1997)年に18
万3,
000人までになりましたが、その後、都心回帰により増加傾向に
忠犬ハチ公像
飼い主の上野博士が亡くなっ
た後も、
10年間渋谷駅前で主
人の帰りを待ち続けた秋田犬
ハチ公の銅像です。
転じ、平成26
(2014)年8月現在21万6,
669人となっています。
現在の渋谷区は、単身世帯が全世帯の半分を超えており、都市の利
便性を重視する勤労者や学生の多いまちとなっています。副都心地区
を中心に情報サービス業やファッション、IT関連などの産業、高次
な文化機能をはじめとする都市機能が集積し、東京を代表する活力と
雰囲気を備えています。また、良質な住宅地としての都市イメージも
高く、新しい時代の都心居住の場及び文化創造の場として、多様な可
能性を有するまちです。
防災センター
渋谷区の災害対策の拠点とし
て、平成24年6月、渋谷ヒカリ
エ8階に開設。同フロアには、
区民サービスセンターと川本
喜八郎人形ギャラリーもあり
ます。
44
渋谷区
渋谷駅周辺は、平成17
(2005)年12月に都市再生緊急整備地域の指定
を受け、様々な整備計画が進んでいます。平成20
(2008)年6月に地下
鉄副都心線が開通し、平成24
(2012)年4月には渋谷ヒカリエが開業し
ました。渋谷区は、百年先の渋谷の発展を見据え、企業、鉄道事業者、
地域、国、東京都と調整を図りながらまちづくりを進めています。
主要課題
渋谷区は、高次な都市機能が進展しましたが、他方、地域社会にお
ける人間関係の希薄化、近隣型商店街の機能低下など都心地域特有の
問題が生じています。これからのまちづくりにあたっては、「定住で
きるまち」と「副都心を有するまち」の調和を図ることが基本です。
⑴
定住できるまちとしての渋谷区
ここに住みたいと思う多様な人々にとって、安心して豊かに暮らし
続けることができるまちとしての役割を果たしていくことが必要で
す。例えば、高齢者が健康でいきいきと暮らせるように、また、子育
渋谷区くみんの広場
ふるさと渋谷フェスティバル
「平和・国際都市 渋谷 ふるさ
と渋谷」の創造と発信をメイ
ンテーマに、毎年11月初旬に
代々木公園B地区を中心に開
催しています。
てであれば、妊娠期から就学後までの期間にわたり、子どもを産みや
すい、育てやすい環境を整えることが必要です。
⑵
副都心を有するまちとしての渋谷区
文化を創造し、情報を発信するまちとして、性別、年齢、国籍を問
わずここに暮らし、働き、訪れるさまざまな人々にとって、安全で快
適な魅力あるまちとしての役割を果たしていくことが必要です。
⑶
2つのまちを調和させる仕組みの形成
「定住できるまち」と「副都心を有するまち」は、それぞれ相反する部
渋谷駅前スクランブル交差点
渋谷駅は、JR・東急・京王・地
下鉄各線が乗り入れ、
1日当
たり約300万人の乗降客でに
ぎわう渋谷区の表玄関です。
分がありますが、お互いの機能を補ってもいます。相互の調和を図
り、それぞれの活力をさらに引き出す創意と工夫に満ちたまちづくり
を進めることが必要です。
将来展望
誰でも安心して快適に暮らせる生活の場の形成を基本とし、一人ひ
とりの区民が充実した地域生活の中で真の暮らしやすさを実感できる
まちづくりを目指します。また、創造的で活力のある都市活動が展開
されるとともに、さまざまな区民の結びつきの中で多様な文化活動が
活発に営まれる、環境との調和に配慮した躍動感あるまちづくりを目
指します。
旧朝倉家住宅
東京中心部に残る、数少ない
大正期の和風住宅として貴重
であり、平成16年に国の重要
文化財に指定されました。
一
般公開しています。
このようなやすらぎのある生活と豊かな文化が融合するまち
「創意
あふれる生活文化都市
渋谷―自然と文化とやすらぎのまち―」の実
現を目指します。
渋谷区文化総合センター大和
田
最上階のプラネタリウムが特
徴的な建物で、
文化、教育、
健
康、福祉など幅広い分野にお
ける区民活動の拠点です。
渋谷区
45
Nakano-ku
起創展街(きそうてんがい)―中野で未来が動きだす
中野区
面積 ………………15.
59㎢
世帯数 ………190,
719世帯
人口 ……………316,
393人
(うち外国人)……11,
752人
予算 ……………1,
207億円
職員数 ……………1,
978人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
中野駅北口にある区役所本庁
舎(写真中央)とランドマーク
である「中野サンプラザ」
(写
真右)。
HPアドレス
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/
歴史・見所・名所
江戸幕府が開かれると、村々が整備され中野郷は12の村に分けら
れ、幕府の直轄領と旗本・御家人領となりました。また、青梅街道に
中野宿が開かれ、多摩地域からの物資の集積地として栄えました。元
禄年間に5代将軍綱吉は「生類憐みの令」を出し、江戸の野犬を収容す
るための「お囲い」を今の区役所辺りに作りました。綱吉の死後廃止さ
れた「お囲い」の跡地の一部には、8代将軍吉宗が桃を植え「桃園」が作
られました。
明治に入り旧村が合併して中野村と野方村が誕生するとともに、甲
武鉄道(現在のJR中央線)が開通して、中野駅ができると青梅街道沿
いから駅周辺に市街地の中心が移っていきます。さらに関東大震災後
に急激な宅地化が始まり、昭和に入り西武新宿線が開通して区北部も
発展を始め、昭和7(1932)年には東京市の市域拡張に伴い、中野町と
野方町が合併して中野区が誕生しました。その後も郊外の住宅地とし
て発展してきました。
現在の中野は、大都市東京の中の住宅街であるとともに、お笑い・
音楽などのエンターテインメントにあふれる街となり、「中野サンプ
ラザ」を始めとした大・小とりまぜたホール・劇場があり、数々の劇
ま ち
団も活動しています。また、中野駅北西の「中野四季の都市」
に「中野
四季の森公園」
や業務・商業ビル、大学のキャンパスなどが新たに整
備される一方、中野通りや哲学堂公園は桜の名所として親しまれてい
ます。
概要
哲学館(現東洋大学)の設立者
井上円了が私財を投じて建設
した「哲学堂」。平成21年に東
京都指定名勝に選ばれた。
中野の魅力や未来の姿を表す
コ ン セ プ ト ワ ー ド。区 の イ
メージアップをねらう。
46
中野区
中野区は23区の西部、武蔵野台地の東端にあり、神田川、妙正寺川
などが東西方向に流れています。
人口は、現在、31万人程度となっています。人口密度は23区中で2
番目に高く、世帯の半数以上は単身世帯で、20代・30代の人口比率が
高くなっています。住環境は、幅員4m未満の道路が6割を占めるな
ど、過密な一方で都心に近く交通の便が良く、アパート・マンション
などの賃貸住宅が多い、生活利便性の高い、生活都市としての性格を
色濃く持っています。
戦前から住宅地として発展してきたため、企業数は少なく、商業・
サービス業などの第3次産業が全体の8割以上を占めています。区の
中央に位置する中野駅周辺や東部の東中野駅周辺、南部の中野坂上駅
周辺などが、企業の集積やたくさんの飲食店でにぎわっている一方、
道を1本外れると閑静な住宅地が広がっており、北西部では生産緑地
を見ることができます。
中野区は中野区自治基本条例や区民公益活動の推進に関する条例、
地域支えあい活動の推進に関する条例の制定など、現在に至るまでに
培ってきた区民自治の歴史を尊重しつつ、高齢化や環境の問題、健康
づくり、まちづくり、都市観光、区のイメージアップ戦略への積極的
な取組みなど、持続可能な地域社会の実現のために区民とともに着実
な歩みを続けています。
主要課題
「新しい中野をつくる10か年計画
(第2次)」では、基本構想で描く
「多彩なまちの魅力と支えあう区民の力」であふれる中野を実現する
ための方策とともに、区民生活に影響を与える大きな課題の解決のた
め、以下4つの戦略を定め優先的に取り組んでいます。
⑴
まち活性化戦略
中野駅の北西に整備され た
「中野四季の森公園」。
PDCAサイクル
(行政経営システム)
計画
P lan
区民の視点で具体的
な目標を定め、施策
・事業を組立てる
産業を活性化し、人々の活動と文化を生み出すとともに、そのため
の基盤整備を中心とするまちづくりを進めることにより、10年後の中
野を元気でいきいきとしたまちへ変えていきます。
⑵
地球温暖化防止戦略
省エネルギーの推進と自然エネルギーの活用、ごみの発生抑制と資
実施
D o
目標の実現に向け
て、効率的に事業
を実施する
源化の推進を図り、事業者と家庭における二酸化炭素の排出量を削減
するとともに、みどりのネットワークづくりに取り組みます。
⑶
元気いっぱい子育て戦略
あすの中野を託す子どもたち一人ひとりを、家庭、地域、学校のそ
評価
C heck
目標の達成状況を
区民の視点で評価
する(行政評価)
れぞれが連携・協力しながら、社会全体で育てていきます。
⑷
健康・生きがい戦略
気軽に取り組める健康づくりメニューを充実し、健康的な生活習慣
を確立するとともに、生活機能の維持向上に対する取組みを推進し、
改善
A ction
評価をもとに、施策
展開・事業内容を見
直し、改善を進める
生涯現役を続けられるまちを目指します。
将来展望
中野駅北西側(中野四丁目地区)には、かつて警察大学校等跡地と呼ばれていた約14!もの広大
な空間がありました。平成24
(2012)年春に、このスペースはオフィスビルや大学などの先端的な
ま ち
都市機能と、防災性を兼ね備えた豊かな緑・オープンスペースのある「中野四季の都市」として生
まれ変わり、2万人程度の昼間人口が増加し、多様なにぎわいが創出されました。今後は、ハー
ド・ソフト両面での中野駅周辺のまちの将来像の他、整備についての基本的な考え方や実現に向
けた取組みの指針となる「中野駅周辺まちづくりグランドデザインver.3」を基に、区民、民間事
業者、行政が協働でまちづくりを推進し、より良いまちづくりの循環を生み出していきます。
この中野駅周辺地区の整備をはじめ、10か年計画
(第2次)で示した戦略・施策を着実に推進
し、基本構想が描く中野のまちの将来像を実現するため、柔軟で強い経営体質づくりを進めてい
くことが必要です。
「目標と成果による区政運営」
(右上図『PDCAサイクル』参照)を徹底し、発生主義会計の導入
によるコスト管理や資産のマネジメントの強化など、価値の高いサービスを提供していくための
改革を進めています。
また、職員2,
000人体制による「小さな区役所」
を目指すため、人材マネジメントにも注力して
おり、職員が成果を上げるための行動基準(中野区版コンピテンシーモデル)を活用し、職員の自
律的な能力開発や適材配置に活用し、区政の成果向上を図っています。
中野区
47
Suginami-ku
支えあい共につくる 安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並
杉並区
面積 ………………34.
02㎢
世帯数 ………305,
009世帯
人口 ……………547,
213人
(うち外国人)……11,
016人
予算 ……………1,
612億円
職員数 ……………3,
508人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
東京高円寺阿波おどり
毎年8月最終土、日の2日間
開催。例年120万人あまりの見
物客が訪れます。
阿佐谷七夕まつり
毎 年8月 上 旬 開 催。
JR阿
佐ヶ谷駅南口の7
00mの商店
街「阿佐谷パールセンター」を
会場に行われます。
すぎなみアニメキャラクター
「なみすけ」
「なみすけ」は公募により選
ばれた杉並区のキャラクター
です。関連グッズは、区役所1
階 や「杉 並 ア ニ メ ー シ ョ ン
ミュージアム」
(杉並区上荻3
−29−5)などで販売してい
ます。
48
杉並区
HPアドレス
http://www.city.suginami.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
杉並区の地名の由来は、江戸時代初期に青梅街道脇に植えられた杉
並木に始まるとされ、明治22
(1889)年に旧高円寺・馬橋・阿佐ヶ谷・
天沼・田端・成宗の6つの村が合併した際、この「杉並」の名を新しい
村名として採用したことによります。昭和7(1932)年には、杉並町・
井荻町・和田堀町・高井戸町が合併し東京市杉並区が誕生しました。
近世以降は、江戸の近郊農村の様相を濃くしていましたが、関東大
震災後、東京の近郊住宅地として人口が急増し、井伏鱒二などの文人
や軍人、学者、ジャーナリストなどが多く移り住みました。
区内には、江戸時代から「堀之内のお祖師様」として親しまれている
妙法寺、今川家累代の墓がある観泉寺、高円寺の地名の由来である高
円寺、流鏑馬が行われる井草八幡宮などの名所旧跡があります。
また毎年、東京の代表的な夏祭りの一つである高円寺阿波おどりの
ほか、阿佐谷七夕まつり、阿佐谷ジャズストリート、荻窪音楽祭、久
我山ホタル祭りなどが開催されています。
概要
杉並区は、都心に近い住宅都市として早くから開発が進み、都市計
画に見る用途地域でも住居系が約85%を占めています。また、市街地
の拡大等により農地面積は減少する一方、3次産業の従事者が増えて
おり、練馬区と隣接する地域は、アニメ制作会社の集積地となってい
ます。
比較的緑が多い印象のある杉並区も、都市化の進行により緑被率が
減少していまし た が、平 成9
(1997)年 を 境 に 増 加 に 転 じ、平 成24
(2012)年に22.
17%まで回復しました。区を東西に流れる善福寺川や
神田川などの周辺には遊歩道や大きな公園等が整備され、区民の憩い
の場となっています。
区の人口は、昭和61
(1986)年頃からいったん減少に転じましたが、
平成9(1997)年から再び上昇し、近年は転入者の増加により増加傾向
にあります。
区では、平成15
(2003)年、「杉並区自治基本条例」を全国に先駆けて
制定し、区民と行政が役割と責任を分かちあい協働する自治のまちの
実現に向け取り組んできました。また、平成24
(2012)年3月、質の高
い住宅都市杉並の実現に向け、「杉並区基本構想(10年ビジョン)」と、
その実現の具体的道筋となる「杉並区総合計画
(10年プラン)」及び「杉
並区実行計画(3年プログラム)」を策定しました。
主要課題
⑴
少子化・高齢化の一層の進展
今後は、少子高齢化の進展によって、老齢人口(65歳以上)の割合が
増加する一方、生産年齢人口(15∼64歳)及び年少人口(14歳以下)の総
人口に占める割合はそれぞれ減少する見込みです。本格的な少子・高
齢社会、人口減少社会を迎え、高齢者が暮らしやすい社会への備えを
進めるとともに、若者や現役世代がいきいきと地域におけるさまざま
な活動に参加する社会、子どもを産み育てやすい社会をつくっていき
ます。
⑵
変化する東京と杉並のまちづくり
杉並の周辺では、JR中央線の三鷹∼立川間の高架化、中野駅周辺
での大規模な拠点整備などが進められています。区内では、空き店舗
の増加や空き家率の上昇などの空洞化現象や、買い物などでの利便性
の低下も見られます。みどり豊かで良好な住宅都市としての性格は維
持しながら、さらに住みやすい、住み続けたいまちづくりを進めると
ともに、街を訪れる方にとっても魅力のあるまちづくりを進めていき
ます。
⑶
区立施設の再編整備
区立施設の多くは、昭和40∼50年代に建てられており、今後次々に
更新時期を迎えます。一方、施設の現状に目を向けると、少子高齢化
の進展に伴う人口構造の変化等により利用状況が大きく変化してきて
おり、保育園や高齢者施設など不足する施設がある一方、十分活用さ
れていない施設もあります。限られた財源の中で、時代とともに変化
する区民ニーズに的確に応えていくために、都や国とも連携しながら
区立施設の再編整備を計画的に進めていきます。
⑷
荻窪駅上空
区内最大の交通結節点である
荻窪駅周辺地区について、
南
北分断の解消と都市機能のさ
らなる強化を図ります。
大都市型災害への備え
今後、首都直下地震などの大震災が高い確率で発生することが予測
されています。区内には、火災危険度が高い地域があり、建物の耐震
化や不燃化、狭あい道路の拡幅整備などをさらに進めるとともに、
「災害は必ず起きる」
という認識のもと、首都直下地震や都市型水害
などへの備えを充実・強化していきます。
将来展望
杉並芸術会館「座・高円寺」
(杉
並区高円寺北2−1−2)
地域に根差した芸術文化の拠
点として、芸術・文化活動のほ
か、集会、講演会などに広く利
用できます。また、年間を通じ
て演劇、舞踊など、さまざまな
公演を行っています。
南北バス「すぎ丸」
区内の南北を結ぶ乗り合いバ
スを運行しています。現在「け
やき路線」
「さくら路線」
「かえ
で路線」の3路線があります。
「杉並区基本構想(10年ビジョン)」において、10年後の杉並区の将来
像を「支えあい共につくる 安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並」
とし、この将来像を実現するために、以下の5つの目標を設定して取り組んでいきます。
目標1
災害に強く安全・安心に暮らせるまち
地震・風水害等の災害から人々の生命を守り、区民生活や産業などが維持・継続できるまちを
築きます。また、区民がともに支えあい、助けあう地域社会をつくり、安全・安心に暮らせるま
ちを目指します。
目標2
暮らしやすく快適で魅力あるまち
誰もが住み続けたい、住んでみたいと思う快適で利便性の高い魅力的なまちづくりを進め、質
の高い住宅都市を築きます。また、地域の多様な特性に応じたにぎわいや活力と良好な住環境が
調和した居心地の良いまちを目指します。
目標3
みどり豊かな環境にやさしいまち
再生可能エネルギーの利用や省エネルギー・省資源対策の推進を通して、人と地球にやさしい
住宅都市を築きます。また、豊かなみどりを守り育て、うるおいのあるまちを目指します。
目標4
健康長寿と支えあいのまち
一人ひとりが自分の個性を発揮して活動できるよう、居場所とつながりがあるまちを築きま
す。また、すべての区民が孤立せず、ともに支えあいながら、地域で安心して暮らせるまちを目
指します。
目標5
人を育み共につながる心豊かなまち
地域における多様なつながりの中で、心豊かで自立心を持った「次代を担う人」を育むまちを築
きます。また、誰もが文化・芸術や生涯学習・スポーツに親しむことのできる環境を備えたまち
を目指します。
杉並区
49
Toshima-ku
未来へ
ひびきあう
豊島区
面積 ………………13.
01㎢
世帯数 ………166,
244世帯
人口 ……………274,
616人
(うち外国人)……20,
669人
予算 ……………1,
081億円
職員数 ……………1,
983人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
人
まち・としま
HPアドレス
http://www.city.toshima.lg.jp/
歴史・見所・名所
豊島区は、昭和7(1932)年10月の東京市郡合併により、それまで北
豊島郡下にあった巣鴨町・西巣鴨町・長崎町・高田町の4つの町が統
合され誕生しました。
「豊島」の地名は、古代律令制下の武蔵国の郡名にまでさかのぼるこ
とができます。また、万葉集にも「豊島郡」の地名が出てきます。
武蔵野台地の一角を占め、江戸市街の郊外として農産物や庭木の栽
培が盛んな農村地帯で、特に駒込は日本を代表する桜の品種「ソメイ
ヨシノ」発祥の地といわれています。明治から昭和初期までの近代化
の中で鉄道や駅が開通・開業すると、市街地化が進むとともに、学習
院、大正、立教大学の区内への移転が相次ぎました。また、今でも池
袋のランドマークとなっているサンシャイン60がオープンするなど都
内有数の繁華街として開発や発展が続く一方、古き江戸・東京の雰囲
き し も じ ん
気を残す 子母神界隈には、東京で唯一残る都電が走り、雑司が谷に
は明治の文豪夏目漱石らの眠る霊園や旧宣教師館が、そして巣鴨に
は、おばあちゃんの原宿として知られる巣鴨地蔵通り商店街がありま
す。
古いものと新しいものがそれぞれの良さを活かしながら共存すると
ころ、それが豊島区なのです。
概要
新庁舎
区民のみなさんに開かれた新
庁舎をめざし、平成27年5月
から業務を開始。土日通年開
庁による行政サービスの向上
のほか、区の生態や植生を生
かした屋上庭園「豊島の森」の
整備やテラス部分の緑化によ
り、官民含めた全国の環境対
策モデルとなるような
「グ
リーン庁舎」をめざす。
50
豊島区
豊島区は、23区の西北部に位置し、面積は1
3.
01㎢で23区中18番目
の大きさです。平成2
6
(2014)年1月現在の人口は2
71,
643人、人口密
度は1!当たり208.
8人で、日本一の高密都市です。
区内では鉄道5社13路線が走るなど、交通網の発達したとても便利
な街です。区の中心に位置する池袋駅の周辺には、複数のデパートや
サンシャインシティなどの商業施設やオフィスビルが集積し副都心を
形成するとともに、区内各地域で、地域の再生や活性化に繋がるまち
づくりが展開されています。
また、平成27
(201
5)年5月からは新庁舎での業務が開始されます。
新庁舎では、総合窓口や福祉総合フロアを設置し、年末年始と祝日を
除いた土日の通年開庁やコールセンターの導入により、全国にも例を
見ない高いレベルの行政サービスを実現します。このほか、屋上庭園
「豊島の森」の活用などを通じた“環境のシンボル”、最先端の「総合防
災システム」
の導入などによる“防災のシンボル”、新庁舎まるごと
ミュージアムなどによる“文化のシンボル”として、これまでにない新
時代の庁舎を整備します。
主要課題
◆安全・安心都市づくり
日本一高密な都市となった豊島区で「住みたいまち・訪れたいまち」
としての価値を高めるためには、まちに暮らし続けていこう、また、
まちを訪ねてみようという信頼感を醸成していくことが必要です。こ
の信頼感こそ「安全・安 心」に 他 な り ま せ ん。豊 島 区 で は、平 成24
(2012)年にWHO協働センターによるセーフコミュニティの世界認証
を取得しました。認証取得後も5年に一度の再認証を節目として、長
期的視点に立ち、多様な主体との連携を図りながら、けがや事故等の
予防活動を継続することで、「安全・安心創造都市」を着実に実現して
いきます。
◆文化創造都市づくり
日本漫画の聖地「トキワ荘」や池袋モンパルナス、演劇やアニメ、サ
ブカルチャーなどさまざまな文化資源を有する豊島区は、平成26年度
に「国際アート・カルチャー都市構想」を取りまとめ、国家戦略特区提
セーフコミュニティ国際認証
都市
平成24年11月、豊島区はWH
O協働センターが推 進 す る
「セーフコミュニティ」のメ
ンバーとして、国際認証を取
得。日本では5番目、東京の
ような大都市からは初めての
取得となった。
案をしました。地域が持つ力を最大限に引き出し、新たなブランドづ
くりによって都市イメージを向上させ、世界都市への成長を目指す豊
島区。文化の力で価値を創造しつづけるまちとして、さらなる挑戦を
続けていきます。
◆環境都市づくり
便利で快適な都市として、多くの人々に選ばれ、日本一高密な都市
となった豊島区。この街で活動する私たちには、将来の世代への責任
があります。それは、活力を維持しながら、環境への負荷を最大限減
らす都市としていくことです。高密でありながらも、豊かなみどりを
育て、環境に配慮した省エネルギー資源循環型のまちづくりを進め、
賑わいと活力にあふれ、人と環境にやさしい「四季を感じられるまち」
染井吉野桜によるまちづくり
江戸時代の染井村(現在の豊
島区駒込地域)
発祥が伝えら
れる「ソメイヨシノ」を区の大
切なブランドとして活用し、
地域の方々とともに広く区内
外に発信していくプロジェク
トが始動。接木から育てた苗
木を区内施設などに植樹し、
駒込生まれのソメイヨシノで
四季の感じられるまちづくり
を広げていく。
としての新たなるステージを目指します。
将来展望
今まさに豊島区は、80年を超える歴史の中で最大の変革のチャンス
を迎えています。
豊島区を、四季を感じられる安全・安心な文化都市へと大きく変貌
させる『豊島区大改造』のリーディングプロジェクトである新庁舎整備
をはじめとして、新ホール、新区民センターの整備など、現庁舎地周
辺は新たな文化・賑わいの発信拠点に生まれ変わります。さらに、池
子母神
緑の木々の中、江戸時代から
変わらぬ姿を残す 子母神境
内。東京で 唯 一 残 る 都 電 を
使ってお参りに行ってみ よ
う。
袋駅や駅周辺の整備、造幣局東京支局跡地の活用、不燃化特区と特定
整備路線の整備や、小中学校改築、高齢者福祉施設の整備など、区内
のあらゆる場所で大きなプロジェクトが目白押しです。また、日本創
成会議により「消滅可能性都市」のひとつとされたことを真摯に受け止
め、人口減少社会、超高齢化・少子化に対応した次期基本計画
(平成
28年度∼)の策定に着手しています。
この絶好の機会を逃すことなく、豊島区大改造を力強く推進し、環
境や人に優しく、高度な防災機能を備えた安全・安心なまち、新旧の
文化資源を有機的に活用した賑わいのあるまち、そして誰もが住みた
い・訪れたいと思う、東京の中でもひときわ個性と魅力を発揮するま
ちづくりを力強く進めていきます。
トキワ荘のヒーローたち
かつて豊島区椎名町
(現・南
長崎)にあった「トキワ荘」。
跡地近くの区立南長崎花咲公
園には、手 治虫や赤塚不二
夫など、住まわれた漫画家の
似顔絵とサインが盛り込まれ
た 記 念 碑「ト キ ワ 荘 の ヒ ー
ロ ー た ち」が 設 置 さ れ て い
る。
豊島区
51
Kita-ku
少しずつ、いい顔になる
北区
面積 ………………20.
59㎢
世帯数 ………182,
622世帯
人口 ……………337,
277人
(うち外国人)……15,
393人
予算 ……………1,
337億円
職員数 ……………2,
468人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
コミュニケーション・マーク
花いっぱいの元気な北区を象
徴するマーク。「さくら」の花
び ら で「北 区」の イ ニ シ ャ ル
「K」をデザインしている。
飛鳥山公園
八代将軍徳川吉宗が1,
270本
もの桜の木を植え、庶民には
じめて「お花見」で飲めや歌え
やを容認した公園。
あすかパークレール
都内で一番低い山・飛鳥山の
公園入り口から山頂までの高
低差約18mを2分で結ぶ、あ
すかパークレール。ゆっくり
と登る姿がかたつむりに似て
いることから、車両の愛称は
「アスカルゴ」と名付けられ
た。
52
北区
HPアドレス
http://www.city.kita.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
お う じ い な り もう
飛鳥山の桜、滝野川の滝浴びと紅葉、さらに王子稲荷詣でと、江戸
時代の北区は変化に富んだ自然と豊かに広がる農村地帯、緑あふれる
うるおいの場所として、四季を通じて多くの人々が訪れる行楽地でし
た。
明治時代以降は軍施設や軍需工場が次々に設置され、軍都として栄
こ す ぎ ほうあん
いたやはざん
むろう
える一方、田端周辺に小杉放庵や板谷波山等、また芥川龍之介や室生
さいせい
犀星等が多く住まい、昭和初期まで続いた田端文士芸術家村が形づく
られました。
現在、飛鳥山公園には国指定重要文化財である旧渋沢栄一邸の晩香
廬と青淵文庫、渋沢史料館、北区飛鳥山博物館、洋紙発祥の地にちな
む紙の博物館が並び、西ケ原のジョサイア・コンドル設計の建物とバ
ラで名高い旧古河庭園とともに、多くの人が訪れています。また、軍
の史跡でもある中央公園文化センターはその端正なたたずまいがロ
ケーションスポットとして人気が高く、造兵廠レンガ倉庫は平成2
0
(2008)年に新中央図書館としてよみがえるなど、歴史が今に息づいて
います。
概要
武蔵野台地の縁辺部から東京低地へと連続した地勢を有する北区
は、飛鳥山の桜や、荒川、隅田川、石神井川といった水辺空間に囲ま
れた、緑豊かな自然が魅力のまちです。これら河川周辺は緑の憩いの
空間として整備され、また、旧古河庭園など特色ある公園も数多くあ
り、赤羽自然観察公園では「自然保護区域」を設け、放置を前提とした
植生管理をしています。
一方、JRの駅が都内最多の1
1駅あり、地下鉄、都電が区内を走
り、交通の利便性も抜群です。元気な商店街もあり、とても暮らしや
すい環境がそろっています。
このような北区の持つ魅力をわかりやすく演出し、そのイメージを
外に向かって発信するため、平成8(1996)年に「北区イメージ戦略ビ
ジョン」、平成24
(2012)年に「北区イメージ戦略ビジョン(KISS)第
2次行動計画」
を策定し、平成26年度からはシティプロモーションに
取り組んでいます。
若手職員等がさまざまな作戦を企画しながら活動したり、北区にゆ
かりのある著名人・文化人(内田康夫氏、ドナルド・キーン氏、倍賞
千恵子氏、弦哲也氏、水森かおり氏)
に「アンバサダー
(大使)」を委嘱
し、さまざまなメディアを通じて北区の宣伝にご協力をいただいてい
ます。このような活動から「北区内田康夫ミステリー文学賞」等が生ま
れ、各分野で活躍する人たちを応援しています。
主要課題
北区の高齢化率は25%を超え、23区において最も高く、今後、人口
減少や少子高齢時代を迎えるにあたり、地域コミュニティのあり方や
生産年齢人口の減少を大きな課題として捉えています。また、
「4つ
の重点戦略」を中心に、「3つの優先課題」に積極的に取り組むことと
しています。
地域のきずなづくり
区民一人ひとりがゆとりと豊かさと夢を感じられる北区とするため
に、町会・自治会や地域ボランティア、商店街や企業の枠組みだけで
はなく、これからの地域活動の重要な担い手として期待される団塊の
世代の方々や、元気な高齢者が活躍できる、また、世代を超えた人々
が主体的にまちづくりに取り組み、地域で支え合うことで、人が育
ち、まちが育つ「地域のきずなづくり」を推進できる施策の展開を行っ
ていきます。
北区立中央図書館
1919年に建設された赤レンガ
倉庫(旧陸上自衛隊十条駐屯
地275号棟)と新築部分を一体
化した、愛称
「赤レンガ図書
館」。2011年に第2
7回日 本 図
書館協会図書館建築賞を 受
賞。
子育てファミリー層・若年層の定住化
子育て世代や将来的な子育てニーズに対応できる子育て施策を推進
するとともに、保育の質と量の向上を目指すほか、小中学校の児童・
生徒の更なる学力の向上に向けた取組みを進めていきます。また、仕
事と家庭生活の両立など、女性の活躍を支援する仕組みづくりも行
い、北区で学び、働き、暮らし、育てるための「子育てファミリー層
・若年層の定住化」を幅広く展開していきます。
健全で安定的な財政運営の確保
北区では、公共施設の更新需要に対応するための公共施設再配置方
針を策定するなど、国や都に先駆け、行財政改革に積極的に取り組ん
できましたが、今後も少子高齢化をはじめとする諸課題に向け、役割
分担の見直しや内部努力の徹底などを図っていきます。
旧古河庭園
鹿鳴館の設計を手がけたジョ
サイア・コンドルによる英国
ルネサンス風の洋館と洋風庭
園、京都の庭師・植治の手が
けた日本庭園とが美しい調和
を生み出している。
4つの重点戦略
「子ども」・かがやき戦略 北区の未来を担う子どもたちの健
やかな成長のため「子育てするなら北区が一番」
「教育先進都
市・北区」の実現を目指します。
「元気」・いきいき戦略 高齢者・障害者など全ての区民の健
康づくりや福祉に取り組み「長生きするなら北区が一番」を目
指すとともに、産業・文化・まちの活性化を推進します。
「花*みどり」やすらぎ戦略 環境共生都市を目指し、やすら
ぎとうるおいを与える魅力ある都市空間を整備し、魅力あふ
れる美しいふるさとづくりを推進します。
「安全・安心」・快適戦略 誰もが安全で安心して暮らせる、
快適な社会の創出を推進するとともに、
「地震・水害に強い
安全・安心なまちづくりに全力」で取り組みます。
新荒川大橋緑地の芝桜
毎年4月頃に約64,
000株の芝
桜(植栽面積7,
14
4平方メー
トル、全長:約500メートル、
幅:約20メートル)
が満開を
迎え、色鮮 や か に 土 手 を 彩
る。河川敷を散歩する人々の
目を楽しませるとともに、新
荒川大橋や荒川に架かる鉄橋
を走るJR京浜東北線・東北
本線の車窓からも楽しむこと
ができる。
3つの優先課題
①「地震・水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」で取り組むこと
②「長生きするなら北区が一番」を実現すること
③「子育てするなら北区が一番」をより確かなものにすること
将来展望
「区民とともに」を基本姿勢に、「4つの重点戦略」
と「3つの優先課
題」に積極的に取り組むほか、王子駅・十条駅などの駅周辺のまちづ
くりや、東京オリンピック・パラリンピックの開催とその後を見据え
たまちづくりなど、あらゆる場面において協働の精神のもと、区民一
人ひとりがゆとりと豊かさと夢を実感できるまちづくりを推進し、北
区の将来像に掲げる「ともにつくり未来につなぐ ときめきのまち
‐人と水とみどりの美しいふるさと北区」の実現を目指します。
ふるさと北区 区民まつり
毎年秋に区内産業の振興とふ
るさと北区の実現を目指 し
て、王子・赤羽・滝野川の3
会場で開催。地元中学校の楽
器演奏や踊りのステージがま
つりを 盛 り 上 げ、ヒ ー ロ ー
ショーなどの子ども向けイベ
ントや露店・地方物産展、フ
リーマーケットなど、多彩な
催しを楽しむことができる。
北区
53
Arakawa-ku
区政は区民を幸せにするシステム
荒川区
面積 ………………10.
20㎢
世帯数 ………108,
084世帯
人口 ……………208,
419人
(うち外国人)……15,
869人
予算 ………………932億円
職員数 ……………1,
539人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
江戸時代の荒川区は、奥羽・日光街道の宿場町として栄え、汐入大
根、荒木田大根、三河島菜などの近郊農村地帯としても有名でした。
明治時代には、大工場が相次いで設立して工業地帯が形成され、更に
常磐線の開通等により交通網が整備され、人口も倍増しました。
昭和に入り区内面積の約半分が戦災にあいましたが、戦後急速に再
建され、現在の住商工混在の街並みが形成されました。昭和40
(1965)
年以降は、産業構造の変化や工場規制等による大工場の移転等が続
き、その跡地等が新たな街づくりの拠点となっています。
区内の見所・名所としては、都内唯一の区立遊園地の「あらかわ遊
園」や、区民の足として親しまれている都電荒川線と「花の観光地づく
り大賞」にも選定された沿線のバラ、ファッションの街として情報発
信し、区内外から多くの人々が訪れる日暮里繊維街などが挙げられま
す。
荒川区シンボルキャラクター
あら坊と妹のあらみぃ
概要
荒川区は、東京2
3区の北部に位置し、区の東北部には隅田川が流
れ、南西部に標高約20mの台地があります。地形は東西に長く、大部
分は起伏がなく平たんです。
区の面積は10.
20㎢であり、区内にはJR(山手線・京浜東北線・常
磐線)、つくばエクスプレス、京成線、東京メトロ(千代田線・日比谷
都内唯一の区立遊園地の
「あ
らかわ遊園」
線)、日暮里・舎人ライナーの駅が合わせて8駅あるのをはじめ、平
成22
(2010)年7月には京成電鉄の「成田スカイアクセス」も開業し、日
暮里から成田空港まで36分で結ばれるようになりました。また、区民
の身近な足として利用されている都電荒川線や都営バスに加え、平成
17
(2005)年4月に荒川区コミュニティバス「さくら」が運行を開始し、
順次路線を拡充し、交通利便性は更に高くなっています。
人口は、昭和35
(1960)年の28万5,
480人をピークに、平成1
0
(1998)
区民の足として親しまれてい
る都電荒川線とその沿線のバ
ラ
年の16万9,
394人まで減少を続けましたが、その後の町屋地区や汐入
地区の再開発などにより平成2
6
(2014)年には20万8,
419人に増加しま
した。
主要課題・将来展望
区の目指すべき将来像を「幸福実感都市
あらかわ」として、物質的
な豊かさや経済効率だけでなく、心の豊かさや人とのつながりを大切
ファッションの街として情報
発信している日暮里繊維街
54
荒川区
にした、区民一人ひとりが真に幸福を実感できるまちを目指し、次の
課題に優先的に取り組んでいきます。
∼幸福実感都市
⑴
あらかわ∼
生涯健康都市
女子栄養大学と区内飲食店が開発した「あらかわ満点メニュー」、首都大学東京と共同開発した
「荒川ころばん体操」、若い世代から生活習慣を見直し、区民の早世予防・健康寿命の延伸を図
る「35∼39歳健診」、区民の誰もが身近な地域で、症状に応じた糖尿病の治療を受けられるよう医
療連携体制の構築を図る「糖尿病対策協議会」の設立、胃がんや肺がんなど5種類のがん検診を区
直営で行う「荒川区がん予防・健康づくりセンター」の設置などにより区民の健康づくりを推進し
ていきます。また、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、介護予防事業を
強力に推進し、地域包括ケアシステムの実現を目指すとともに、障がい者が一生涯地域で生活で
きるようグループホーム等の整備促進を図ります。
⑵
子育て教育都市
保育施設の整備の推進による保育定員のさらなる拡大や、病児・病後児保育の事業拡充、在宅
育児家庭の育児不安等の解消を図る子育て交流サロンや、専用一時保育室の拡大、放課後子ども
総合プランの推進など、子育て支援策の充実を図ります。また、各小中学校の特徴を生かした
「学校パワーアップ事業」の推進や学校図書館の更なる充実、子どもたちにこれからのグローバ
ル社会をたくましく生きぬく能力を育成するため一人一台体制での「タブレットPC」の活用、地
域社会を担う人材を育成する「荒川コミュニティカレッジ」など、教育・学習環境の整備に努める
とともに、生涯学習・生涯スポーツのさらなる振興を図ります。
⑶
産業革新都市
モノづくりに関わる新事業展開を支援する
「MACCプロジェクト」を推進するとともに、
「あ
らかわ就労支援センター」を中核として区民の就労の促進を図り、企業支援と雇用確保の両面か
ら地域産業の活性化を目指します。また、地域のコミュニティの中心である商店街の活性化を図
るとともに、日暮里繊維街、都電荒川線、あらかわ遊園、奥の細道矢立初めの地などの地域資源
を活用し、一層の賑わいを創出します。
⑷
環境先進都市
区民・事業者・区それぞれが「環境区民」として、エネルギーマネジメントシステムの導入など
による省エネルギー化や節電に取り組み、再生可能エネルギーの利用拡大を図ることにより、環
境負荷の少ない低炭素地域づくりを推進します。また、ごみの減量や集団回収の充実を図り、3
Rを推進するほか、「あらかわバラの市」の開催、街なか花壇の設置など、花と緑による潤いと安
らぎのある街づくりを進めます。
⑸
文化創造都市
東京藝術大学等と連携し、芸術・文化振興を図るとともに、区内の芸術文化団体による国内外
の交流を深めます。また、「伝統工芸技術継承者育成支援事業」等、伝統工業技術の継承を支援し
ます。併せて、より一層の町会・自治会事業への積極的な支援を行い、町会・自治会の活動力を
高めることにより地域力の向上を図り、町会加入率の向上をめざします。また、ふれあい館の整
備を進めるなど、地域コミュニティの機能をさらに高めます。
⑹
安全安心都市
切迫する首都直下地震に備え、全国の自治体に先駆けた国土強靭化地域計画の策定、木密地域
不燃化10年プロジェクトの不燃化特区、永久水利施設を整備・活用した新たな地域消火・送水
ネットワーク体制の構築、駅前再開発や街の個性を生かした景観形成、バリアフリーの街づくり
を促進するとともに、コミュニティバス「さくら」の路線拡大などにより、災害に強く利便性の高
い都市基盤の整備に努めます。また、防犯カメラを区が自ら、町会等が整備することが難しい繁
華街や幹線道路などに整備し、さらなる犯罪抑止効果の向上を図るとともに、全小学校への
「ス
クール安全ステーション」の設置等により、児童の安全対策を推進します。
荒川区
55
Itabashi-ku
いきいき暮らす緑と文化のまち“板橋”
板橋区
面積 ………………32.
17㎢
世帯数 ………285,
547世帯
人口 ……………542,
887人
(うち外国人)……17,
380人
予算 ……………1,
916億円
職員数 ……………3,
529人
HPアドレス
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
「板橋」という地名が史料に登場するのは古く、『延慶本平家物語』に
よると、治承4
(1180)年に挙兵した源頼朝が「武蔵国豊島ノ上滝野川
ノ板橋」に布陣したという記録が確認できます。
「板橋」の地名は、明
※平成26年8月1日現在
治22
(1889)年の町村制実施によって町名として採 用 さ れ、昭 和7
※平成26年度一般会計当初予算
(1932)年には東京市板橋区が誕生。昭和2
2
(1947)年に特別区とな
り、同年8月に練馬区を分離して現在の板橋区になっています。平成
24
(2012)年には区制施行80周年を迎え、これを契機に新たなオフィ
シャルロゴの制定も行っています。
板橋区は、武蔵野台地北東部と荒川低地をあわせ持ち、今もなお武
蔵野の面影を残す豊かな緑と広大な荒川河川敷という自然に恵まれ、
多くの人々が生活を営み、文化をはぐくんでいます。平成14年度に
は、区制施行7
0周年を記念して、板橋ならではの自然景観、都市景
観、名所・旧跡、イベントを「板橋十景」として選定しています。その
中の一つの「いたばし花火大会」は、毎年8月に荒川河川敷で行われ、
ギネス記録として認定されたこともある大ナイアガラの滝などで、区
内外の多くの人々を魅了しています。また、毎年3月に実施される
「板橋Cityマラソン」
は、荒川河川敷内にコースがあり、制限時間が
7時間と長く走りやすいため完走率も高く、全国各地から毎年多くの
市民ランナーが集まる人気の大会です。
概要
オフィシャルロゴ
区の歴史や文化の素晴らしさ
を発信し、未来に向かって新
しく切り開いていく“進取の
気概”を表現しています
板橋区は東京23区の北西部に位置し、区内には東武東上線・都営三
田線・JR埼京線・東京メトロ有楽町線・副都心線の5本の鉄道路線
が走り、主要幹線道路として中山道・川越街道・環状7号線・環状8
号線・首都高速5号線などが通っています。
昭和7(1932)年当時の人口は約12万人でしたが、戦時中の軍需工場
の集中等により昭和15
(1940)年には23万人を超え、戦後の復興と高度
成長期を経て、高島平団地の開発や工場跡地のマンション建設等によ
り人口は増加し、平成2
6
(2014)年8月現在では約5
4万人(外国人を含
む)となっており、住宅都市・生活都市としての顔を持っています。
一方、区内には、近隣商店街を中心とする商業、埼玉県境に近い赤
塚地域における都市農業、荒川沿岸部などの工業が併存しており、都
内有数の産業都市としての顔も持っています。平成24
(2012)年工業統
いたばし花火大会
荒川の夏の風物詩。対岸の戸
田市とあわせて1万発を超え
る花火が夏の夜空を彩ります
56
板橋区
計調査(従業員4人以上)の従業者数、製造品出荷額等及び付加価値額
において、23区中第2位という実績を誇っています。近年では、歴史
的に強みを持ち、かつ今後の成長が期待される光学産業に焦点をあ
て、「光学の板橋」としてのブランドイメージの確立を目指し、戦略的
・体系的に事業を推進しています。
環境分野においては、さまざまな先進的施策を展開し、「環境自治
体」として高い評価を得ています。特に区内小学校から始まった「緑の
カーテン」
は、NPOや地域と協働した普及活動を展開し、今では全
国へと広がりを見せています。また、当区が発祥である、乳幼児を抱
える保護者が気軽に立ち寄れる「赤ちゃんの駅」が、グッドデザイン・
ライフスケープデザイン賞を受賞するなど、子育て支援施策について
も積極的に取り組んでいます。さらに、東日本大震災から得られた教
訓を踏まえて、震災対策の充実に取り組んでいます。
主要課題
板橋Cityマラソン
フルマラソンに加え、小・中
学生や車椅子の方対象のコー
スも設定。早春の荒川の自然
を満喫できます
少子高齢化の一層の進行や人口減少社会の到来が予測される中で、
高齢者や障がい者をはじめ、誰もが元気で社会参加できる環境づくり
や、次代を担う子どもたちの教育・健全育成が課題となっています。
加えて、老朽化した公共施設が一斉に更新時期を迎え始めることによ
る財政負担の増加に備えて、ファシリティマネジメントの観点から、
計画的な施設維持・更新を行うための取組が急務となっています。ま
た、東日本大震災の発生により明らかになった、防災・発災時の課題
への対応の強化や建築物の耐震性の向上と不燃化促進など、災害に強
い、安心・安全なまちづくりを推進していく必要があります。
赤ちゃんの駅
民間施設を含む1
70ヶ所以上
の施設を「赤ちゃんの駅」とし
て指定。授乳やオムツ替えな
どに利用でき、「赤ちゃんと
一緒でも安心して外出で き
る」と好評を得ています
低成長経済が続く中、区の財政は今後も厳しい状況が続くことが予
想されることから、持続的な発展を可能とする区政経営を目指して、
健全な財政基盤を確立するとともに、「もてなしの心」で区民本位の区
政を実現するための職員の意識改革と組織づくりが重要となっていま
す。
将来展望
板橋区は、「基本構想」
(平成17
(2005)年議決)において、おおむね20
年後の区の望ましい将来像を「いきいき暮らす緑と文化のまち
“板
りんりんちゃん
区の花「ニリンソウ」の妖精を
モチーフにした観光キャラク
ターです
橋”」と定め、その実現に向けた長期的指針として平成18年度から27年
度までの10か年の「基本計画」を平成18
(2006)年1月に策定しました。
また、平成25
(2013)年1月には、人口減少社会へと向かう厳しい局
面を乗り越える持続可能な区政を目指して、当面の課題への対応はも
とより、区の魅力と活力を高める成長戦略と一体となった経営構造改
革の展開を柱に、中長期的な総合計画である「いたばし未来創造プラ
ン」を策定しました。
現在、新たな「基本構想」と平成28年度を初年度とする次期基本計画
の策定作業を進めており、「いたばし未来創造プラン」で示した方向性
をさらに発展させ、板橋区の魅力を高めて戦略的に内外に発信するこ
とにより、東京で一番住みたくなるまちの実現に向けた長期ビジョン
を描くことを目指して取り組んでいます。
改築した本庁舎南館
耐震性や老朽化、狭隘化など
の課題を解決し、防災対策の
強 化、環 境 へ の 配 慮、区 民
サービスのさらなる向上など
を図っています
板橋区
57
Nerima-ku
練馬区
面積 ………………48.
16㎢
世帯数 ………350,
660世帯
人口 ……………714,
536人
(うち外国人)……13,
110人
予算 ……………2,
319億円
職員数 ……………4,
490人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.nerima.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
「練馬」という地名の由来については、関東ローム層の赤土をねった
ところをねり場といったことなど諸説がありますが、いずれも定説に
はなっていません。
江戸時代、練馬の地域は都心部へ野菜を供給する一大近郊農村でし
た。関東大震災以降の急激な人口増加によって市街地化が著しくなっ
たため、区独立の機運が高まり、激しい運動が展開されました。東京
の区制の変遷を経る中での紆余曲折ののち、そうした運動の成果が
実って昭和22
(1947)年8月1日に板橋区から分離・独立し、特別区の
中で一番新しい23番目の区として誕生しました。
練馬区は、23区の中では、今なお武蔵野の面影を残すみどり豊かな
自然が多く見られ、国の天然記念物に指定されている沼沢植物群落の
ある石神井公園や東京ドーム約13個分にあたる60万㎡以上の敷地を有
する光が丘公園などの都立公園、練馬発祥の農業体験農園、近年人気
のブルーベリー観光農園など、まちに潤いを与えるみどりに溢れ、身
近に農を楽しめる住環境と言えます。
また、練馬区は、日本初のカラー長編アニメ映画「白蛇伝」や30分連
続テレビアニメ「鉄腕アトム」が制作された日本アニメーションの発祥
の地としても有名です。現在も90社を超えるアニメ製作関連会社が区
内に所在し、日本最大のアニメ産業の集積地となっています。
概要
四季を通じて歴史と自然を楽
しむことができる、まち歩き
観光の名所「石神井公園」
住宅地の中にも、散歩や散策
をしながらみどりを楽しむこ
とができる憩いの森
58
練馬区
練馬区は、23区の北西部に位置し、東西約10㎞、南北約4∼7㎞、
面積48.
16㎢で23区の中では5番目の面積を有しており、ほぼ長方形
をしたほとんど高低差のないなだらかな台地状の地形をしています。
人口は、現在、71万人を超え、23区中2番目の人口規模になっていま
す。
都市化や宅地化が進み人口が増加することに伴い、まちのみどりが
減少する傾向にありますが、今もなお多く残る農地や屋敷林の保全や
公園・緑地の整備により、みどりが区の面積に占める割合である緑被
率は平成23年度の調査によると25.
4%と23区では第1位であり、農地
の面積についても23区で最も広い面積を保有しています。
一方、区内には西武池袋線、西武新宿線、東武東上線、東京メトロ
有楽町線、都営大江戸線などの運行に加えて、東京メトロ副都心線の
乗り入れ、さらに、西武池袋線が東京メトロ副都心線を経由して東急
東横線、横浜高速みなとみらい線との相互直通運転を開始するなど、
近年の交通網の整備により、都心などへのアクセスも飛躍的に向上し
ています。
このように練馬区は、みどりの豊かさと都市生活の利便性が両立し
た多様性のある住宅都市として発展を続けています。
主要課題
⑴
子育ての支援
少子化が進む中、すべての子どもたちを視野に入れた総合的な子育
て支援施策が必要となっています。効果的な待機児童対策を進めると
ともに、練馬区ならではの幼保一元化の仕組みづくりや子育て家庭へ
の支援策の充実を進めています。また、小学校の全児童を対象とした
新たな放課後児童対策に取り組んでいます。
⑵
高齢者の生活を支える仕組みづくり
今後、高齢化がさらに進み、介護をはじめとするさまざまなニー
ズが拡大します。高齢者が自宅や地域で暮らし続けることができるよ
う、一人ひとりの状況に応じて、生活全般を支援する体制をつくるこ
とが必要となります。医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的
に提供される仕組みを構築します。
⑶
地域医療の充実
練馬区の人口1
0万人あたりの一般・療養病床数は23区で最も少な
く、病床の確保が大きな課題となっています。
区民が、できる限り住み慣れた地域で、急性期から回復期・慢性
期、在宅医療まで、切れ目のない医療を受けられるようにすることが
求められています。このため、区西部地域での在宅療養を支える新病
院の整備や、既存病院の増床・機能の拡充などにより、医療提供体制
の充実を推進していきます。
⑷
23区にありながら気軽に楽し
める「ブルーベリー観光農園」
都市農業の振興
練馬区は、23区で最も大きな農地面積を有していますが、都市農地
・農業に関する制度上の問題から農地面積が減少しています。都市農
業は、防災や環境、食育という多面的な役割を担っていることから、
練馬区をはじめ都内38自治体では、都市農地に関する基本法の制定を
はじめ、関係する法令や税制の見直し・改善を要請しています。
また、観光農園や体験農園など都市農業の魅力を活かした農業者の
取組の支援、農の学校による農業の支え手の育成などに取り組んでい
ます。
⑸
Ⓒ練馬区公式アニメキャラク
ター「ねり丸」
「アニメ・イチバンのまち練
馬区」を区内外に広くPR
交通利便性の高いまちづくり
区西部地域における鉄道空白地域を解消するため、地下鉄大江戸線
の延伸の実現に取り組んでいます。また、都市計画道路の区内の整備
世界的に有名な植物学者、故
牧野富太郎博士の住居跡であ
る「牧野記念庭園」
自然の中で冒険遊びが楽しめ
る「こどもの森緑地」
率は23区平均を大きく下回っているため、安全な市街地の形成と地域交通網の確保に加え、広域
的な交通ネットワーク構築の観点からも着実に道路整備を進めていきます。外環の2の整備と合
わせて西武新宿線の立体化の実現にも取り組み、交通利便性の高いまちづくりを推進していきま
す。
将来展望
練馬区は、みどり豊かな環境と都市の利便性が両立した良好な住宅都市として発展を続け、71
万人の人口を擁する大都市となりました。これからも、さらに飛躍する可能性を有しています。
その可能性を開花させるために、区民のリアルな行政需要にこたえる施策の方向性と戦略計画を
示す「区政運営の新しいビジョン」を策定し、着実に取組みを進めていきます。
練馬区
59
Adachi-ku
子どもの未来のために、今。
足立区
面積 ………………53.
20㎢
世帯数 ………323,
050世帯
人口 ……………672,
849人
(うち外国人)……22,
962人
予算 ……………2,
564億円
職員数 ……………3,
431人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
西用水沿いの「桜」
春は、何といっても「桜」
区内には、見所もたくさん。
「桜」は、区の木。
足立の花火大会
平成26年の夏も大空に大輪が
咲き、約40万人の観客から歓
声が沸き上がりました。
HPアドレス
http://www.city.adachi.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
現在の足立区が位置する場所は、かつて海辺に接する低湿地帯で、
たくさん葦が生えていたことから「葦立ち」と呼ばれ、「足立」になった
という説があります。
日光街道第一の宿場として江戸時代から「千住宿」が設けられ、それ
以降、足立区は「千住」を中心に発展してきました。現在、北千住駅の
1日の利用者数は、JR、東京メトロ、つくばエクスプレス、東武ス
カイツリー線を含め150万人を超えています。
名所・見所としては、松尾芭蕉の「奥の細道」の矢立初めの碑、千住
の旧日光街道周辺をはじめ、創建8
26年、開基は空海といわれる関東
三大師の一つである「西新井大師」周辺、伊興地域の
「寺町」周辺、「足
立の花火」など数多くあります。また、足立区は23区中、区立公園面
積№1を誇り、保木間の「元渕江公園」
(生物園)
、「花畑記念庭園」
(桜
花亭)、鹿浜の「都市農業公園」、谷中の「しょうぶ沼公園」をはじめ、
区の木、花である桜やチューリップの名所なども多く、区民にもとて
も愛されています。
概要
足立区は東京都23区の最北端に位置し、四方を川に囲まれ、緑や自
然が多く残る中、利便性の高い暮らしやすいまちに、日々、発展して
います。
日暮里・舎人ライナーやつくばエクスプレスの開通、区内を縦横に
きめ細かく巡る現在12路線の循環コミュニティバス「はるかぜ」の運行
などにより、交通網も整備され、西新井地区や新田地区、千住大橋地
区などの拠点開発も大きく進み、総人口も67万人を超えました。
千住地域には5つの大学が開設され、1万3,
00
0人を超える大学生
を迎えています。千住のまちは、昔ながらの路地や銭湯、祭りなど下
町の風情や気風を残しつつも、徐々に若者も集まる街へと変貌しまし
た。大学連携も年ごとに展開領域が広がり、産学連携においては、新
商品の開発や販売促進プロジェクト、近隣大学、他自治体との連携拡
大に向けた検討も開始し、さらに実効性ある活動を進めています。
主要課題
広告事業推進中!
民間企業から無償で提供され
た広告物入りのバッグを母子
保健手帳と一緒に配付。
60
足立区
【将来を支える土台を築く】
全国的に人口減少と少子高齢化が進行する中、足立区も例外ではな
く、昨年度、区が実施した人口推計によると、平成26
(2014)年をピー
クに、その後、人口は減少に転じる見込みです。
人口構造においては、特に高齢化が急速に進行しています。こうし
た社会構造の変化に対応し、区民サービスの水準を維持・向上させて
いくために、次のテーマに取り組んでいます。
⑴
ボトルネック的課題の克服
区のボトルネック的課題である「学力、治安、健康、貧困の連鎖」の
一日も早い解消に向けた施策を戦略的に推進し、これまでの区の
「弱
み」を「強み」へと変えていきます。
⑵
自治体間競争に勝ち抜く「魅力の創造」
都市基盤の整備、戦略的なエリアデザインや教育、保育など子育て
のしやすい環境整備を進めることで、区の魅力を創造し、自治体間競
争に勝ち抜く力を高めて、担税力のある若年層を呼び込み、定着させ
ていきます。
「ギャラクシティ」のがんば
るウォール
ギャラクシティは、遊びなが
ら学べる複合体験型施設 で
す。
⑶ 「地域のちから」の醸成
「自助・共助・公助」のあり方を見直すとともに、人と人との絆づく
りに注力することで「地域のちから」を醸成し、そこで培った地域社会
との協働関係をさらに確固なものにすることで新たな区政の担い手を
発掘していきます。その上で、区民や地域の自己責任だけでは解決で
きない領域での事業展開も積極的に進め、急増する高齢者が生きがい
を持って暮らすことができる健康長寿社会を実現していきます。
⑷
「都 市 農 業 公 園」の チ ュ ー
リップ
「チューリップ」は、区の花。
区政改革のさらなる推進
最少の経費で最大の効果を発揮することはもとより、区が真に担う
べき役割を厳しく見極め、メリハリの利いた事業の選択と集中を行う
とともに、専門性はあるものの定型的な処理を繰り返す「専門定型業
務」の外部化を推進することで、増大する行政需要に対応するための
人材と財源を生み出していきます。
⑸
新たな課題に即応できる人材の育成と効果的活用
区政改革を着実に推進し、その成果を確かなものにしていくために
は、職員一人ひとりが、区政の進むべき方向をしっかりと認識する必
要があります。足立区では、常に高いモチベーションを持ち、区が抱
あだちベジタベライフ
区民の生活習慣を改善して、
糖尿病予防へつなげ、健康な
生活へ。
える課題の的確な現状認識と論理的な原因分析に基づき、課題解決す
る能力を有する人材の育成に努めていきます。
足立区職員数は、区民1,
000人あたり5.
1名と23区でも最少比率を堅
持していますが、足立区では、これからも職員が一体となって、積極
果敢に区政改革に取り組むとともに、区民や地域との強固な協働関係
を築くことで、区民が将来にわたり安心してくらし続けることのでき
るまち「足立」の土台構築に向けた施策を展開していきます。
将来展望
今後も、シティプロモーションの観点から区の魅力を掘り起こし、
磨き、創造し、よりわかりやすく効果的に区政情報を発信すること
で、区民と共に、さらに安心、安全で暮らしやすいまちをつくってい
きます。
おいしい給食
給 食 は 食 育。児 童 み ん な
で、さやむきしたグリーン
ピースが、当日の給食に。
足立区
61
Katsushika-ku
夢と誇りあるふるさと
飾区
面積 ………………34.
84㎢
世帯数 ………217,
586世帯
人口 ……………449,
650人
(うち外国人)…14,
609人
予算 ……………1,
727億円
職員数 ……………2,
935人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
飾納涼花火大会
飾の夏の夜空を彩る
涼花火大会
飾納
山本亭
大正末期から昭和初期に建築
された和洋折衷の建物から日
本庭園を眺めることができま
す。
堀切水辺公園
毎年5月の終わりから6月中
旬まで、花菖 蒲 を 楽 し め ま
す。
62
飾区
飾
HPアドレス
http://www.city.katsushika.lg.jp/
歴史・見所・名所
飾区の地域に多くの人々が定住するようになったのは、弥生時代
から古墳時代前期になってからのことです。
奈良時代には、 飾周辺に1,
191人住んでいたことが正倉院に保管
されている「養老五年下総国 飾郡大嶋郷戸籍」に記録されています。
古代から 飾郡、中世から近世にかけては、 西と呼ばれ、明治時代
になると、小菅県などを経て東京府となり南 飾郡に属しました。昭
和7(1932)年10月1日に、本田町、奥戸町、亀青村、新宿町、金町、
南綾瀬町、水元村の7か町村が合併し東京都 飾区が誕生し、平成24
(2012)年には、区制施行80周年を迎えました。
区の東側には、江戸川、西には荒川・綾瀬川、中央には中川が流れ
ており、都内屈指の水郷景観を誇る都立水元公園や花菖蒲の名所
「堀
切菖蒲園」など、水と緑が調和した美しい環境がそこここで見られま
す。
また、映画
「男はつらいよ」の舞台となった
「柴又」や、漫画「こちら
飾区亀有公園前派出所」の舞台となった
「亀有」、漫画
「キャプテン
翼」の作者にゆかりのある「四つ木」、昭和レトロな雰囲気が残る
「立
石」など、人情味あふれる下町らしい暮らしや街並みそのものが魅力
でもあります。
概要
飾区は、東京都の北東端に位置し、東は江戸川を境に千葉県松戸
市に、西は足立区・墨田区、南は江戸川区、北は大場川を境として埼
玉県八潮市・三郷市に接しています。約95%が宅地
(工業地・商業地
含む)であり、残りを農地と鉄道用地がほぼ二分しています。また、
都市計画地域の指定状況は、住宅系用途が51.
2%と大きな割合を占め
ています。
本区の総人口は、平成22年度まで増加傾向が続いていましたが、そ
の後は増減を繰り返しています。今後は減少に転じていくと推計して
います。
本区では、区民満足度の高い行政サービスの提供とスピードアップ
を図るため、高齢・障害・介護分野に係る相談・手続きが一か所でで
きる「福祉総合窓口」
やお子さん連れの方も安心して利用できる
「子育
て支援窓口」を設置し、見やすく分かりやすい窓口表示、どなたでも
利用しやすいカウンターの設置など、ユニバーサルデザインを徹底
し、利用者の利便性向上に努めています。
また、災害に強いまちづくりをはじめ、区が直面するさまざまな課
題を解決するためには、区政のあらゆる分野で、区民や事業者と区に
よる協働の取組みが不可欠であるとの考えのもと、「区民との協働」を
推し進めています。
さらに、平成25
(2013)年4月には、東京理科大学 飾キャンパスが
開設され、さまざまな分野での事業連携の充実を図り、大学の機能や
特性を活かした新たな事業展開を進めています。
主要課題
⑴
子どもが元気に育ち、豊かな人間力を育む環境づくり
保育所の待機児童解消への取組みや子育てに対する不安感軽減のた
めの支援は、引き続き緊急の課題です。
また、子どもたちの学力・体力向上を促進するため、教員の授業力
向上に向けた研修をはじめ、学習教材の充実など教育環境の整備を計
画的に進めていきます。
⑵
健康でともに支えあい、いきいき暮らせる地域社会づくり
区民がいつまでも健康でいきいきと暮らせるよう、健康づくりや介
護予防、スポーツや生涯学習などへの取組みを支援していくととも
に、高齢者や障害者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよ
う、支えあう地域社会をつくっていきます。
⑶
大空翼像
四つ木・立石地区の商店街を
中心に、人気キャラクター8
体が設置されています。
Ⓒ高橋陽一/集英社
両津勘吉祭姿像
亀有地区を訪れる人たちを迎
える「こち亀」銅像
Ⓒ秋本治・アトリエびーだま
/集英社
住み続けたいと思える、安全・安心なまちづくり
地震や水害等の自然災害はもちろんのこと大規模事故、感染症など
さまざまな危機から区民の貴重な生命、生活を守っていくとともに、
ハード・ソフトの両面から災害に強いまちづくりの実現を目指しま
す。
⑷
飾の良さを活かした、魅力と活力あふれるまちづくり
中小企業や商店街が集中している本区では、地域産業に活気がある
ことが、まちに活力と賑わいを生み出します。地域産業の活性化や環
境振興、文化振興などに取り組むことで、人が賑わう新たなまちの魅
力を創出するとともに、国内外に本区の良さを積極的にPRしていき
ます。
⑸
飾 区 ご み 減 量・3R推 進
キ ャ ラ ク タ ー り ー(Ree)
ちゃん
飾区のごみを減らし
「3つ
のR(リデュース・リユース
・リ サ イ ク ル)」を 推 進 す る
キャラクターです。
区民とともに築く、人にやさしく住みよいまちづくり
ユニバーサルデザインについては、ハード面の成果が得られてきた
一方、誰もがわかりやすい情報提供の方法やサービス利用のしやすさ
など、ソフト面のさらなる取組みを進めていきます。
また、環境に配慮したまちづくりに向けて、区民・事業者・区によ
東京理科大学
飾キャンパス
る地球温暖化対策や節電対策の取組みを継続するとともに、太陽光発電などの再生可能エネル
ギーの普及を一層促進していきます。
将来展望
飾区では、「夢と誇りあるふるさと
飾の実現」を基本理念とした平成25∼34年度の10年間を
計画期間とする新たな基本計画を平成24年度に策定しました。
新たな基本計画は、「区民との協働」を計画を貫く理念に掲げ、「協働を推し進める環境づくり」
「かつしか学力向上プラン」
「減災協働プロジェクト」
「魅力ある観光まちづくり」
「花いっぱいのま
ちづくり」
「再生可能エネルギーの創出」
など11項目の重要プロジェクトと、上記5つの主要課題
とその取組み、行財政運営の取組指針などで構成されています。
この基本計画を着実に推進することにより、区の基本構想に掲げる将来像「水と緑ゆたかな心
ふれあう住みよいまち」の実現を図っていきます。
飾区
63
Edogawa-ku
生きる喜びを実感できる都市
江戸川区
面積 ………………49.
09㎢
世帯数 ………322,
428世帯
人口 ……………679,
428人
(うち外国人)……24,
461人
予算 ……………2,
202億円
職員数 ……………3,
647人
※平成26年8月1日現在
※平成26年度一般会計当初予算
HPアドレス
http://www.city.edogawa.tokyo.jp/
歴史・見所・名所
江戸川区は、昭和7(1932)年に7町村が合併し、人口10万人で誕生
しました。昭和30年代には、急増する人口に都市基盤整備が追いつか
ず、水害や公害などに悩まされることとなりました。そこで、区画整
理事業をはじめ、下水道の整備や鉄道の誘致、公園の造成などさまざ
まなまちづくり事業を推進していきました。同時に、「ゆたかな心
地にみどり」という標語を掲げ、区民と行政が手を携えながら取り組
む「環境をよくする運動」を展開し、今では快適で安心して暮らすこと
のできるまちへと発展を遂げています。
見所や名所は区内全域に点在し、東京湾になぎさを甦らせた
西臨
海公園は、区内外から年間300万人以上の方が訪れます。また、下水
道の整備により役割を終えた河川が、水と緑豊かに生まれ変わった親
水公園は総延長9,
61
0mが整備され、四季折々の情景が人々の心に潤
いを与えます。このほか、小松川千本桜やバラが咲き誇るフラワー
新川千本桜
耐震護岸整備に併せて桜を植
樹し、新たな名所に
ガーデン、小岩菖蒲園など花の名所も数多くあり、彩り豊かな景観が
広がっています。歴史ある新川を江戸情緒あふれる街並みに整備し、
賑わいある空間を創出する「新川千本桜」も、新たな名所として注目を
集めています。
8月の第1土曜日に行われる江戸川区花火大会では、14,
000発の花
火が夜空を彩り、139万人の観客を楽しませます。
概要
新川さくら館
新川の歴史や魅力を伝え、来
訪者の交流拠点となる施設
⑴
西に荒川・中川、東に江戸川・旧江戸川、南には東京湾を臨み、
区の三方を川と海に囲まれています。公園面積の広さや街路樹
(区
道)の数は23区一を誇り、全国初の親水公園とともに、水と緑豊か
なまちなみを創出しています。
⑵
毎年約6,
000人の子どもが誕生し、合計特殊出生率は1.
45と都が
公表を開始して以降、21年連続で23区トップの値です。
盛んな金魚の養殖
日本三大産地の一つ。
「観賞
魚フェア」には3万人が来場
⑶
充実した公共施設や都心へのアクセスの良さ、幅広い世代が心を
寄せる自然環境などが魅力となって、昭和58
(1983)年以降、区民世
論調査における永住意向は70%以上の高水準を維持しています。
⑷
老人クラブ会員数は約18,
000人、介護保険第一号被保険者認定率
は23区一低い値であり、元気な高齢者が多いと言えます。
⑸
事業所数は約21,
000か所、従業員の6割以上が区民であり、職住
が近接しています。
一之江境川親水公園
かつての清流を甦らせた区民
のオアシス「親水公園」
⑹
小松菜の生産や金魚の養殖、伝統工芸品等の地場産業が盛んです。
⑺ 「自分たちのまちは自分たちで良くしていく」という文化が根付い
ており、さまざまな地域活動が活発に行われています。
64
江戸川区
主要課題
⑴
財政上の課題
本区歳入の35%以上を、景況や税制改革の影響を受けやすい都区財
政調整交付金に依存しており、必ずしも安定しているとは言えません。
また、歳出面では、福祉施策や生活保護、介護保険などにかかる福祉
関係費が予算の半分以上を占めるまでになっています。
そこで平成24
(2012)年度からは、厳しい状況でも揺らぐことのない
財政基盤を堅持するため、すべての事務事業を対象にした大規模な施
策の見直しに取り組み、今日的な施策のあり方を常に追求しています。
⑵
防災上の課題
本区は、三方を川と海に囲まれ、陸域の7割が満潮位以下という低
江戸川区花火大会
夜空を彩る夏の風物詩
「江戸
川区花火大会」
く脆弱な地盤の上に成り立っているため、今後想定される首都直下地
震や頻発する集中豪雨、大型台風の襲来などを考えると、防災対策の
一層の充実が求められます。
近年の大規模災害から見て、木造密集市街地の整備事業や建物の耐
震化、洪水や高潮からまちを守るスーパー堤防の整備などに加え、区
民の防災意識の向上や自主防災組織の育成といった「自助・共助」の取
り組みが一層重要となっています。
小松川平井地区総合防災訓練
3,
500人が参加する地域主体
の防災訓練
⑶ 2020年東京オリンピック・パラリンピック
本区では
西臨海公園の隣接地を会場に、カヌー(スラローム)競技が開催されます。世界各国
から多くの来場者を見込む中、街並みの整備をはじめとしたハード面に加え、青少年に夢と希望
を与えるとともに、区民が「おもてなしの心」をもって2020年を迎えられるよう、さまざまな気運
醸成の取り組みを進めていきます。
将来展望
本区では、平成13
(2001)年、安定した財政基盤を確立するために健全財政推進本部を設置し、
随時、施策の抜本的な見直しを含めた行財政改革を断行してまいりました。その結果、1,
700を
超える全国市区町村の中で、実質公債費比率が直近5年間で3度も全国一となり、将来世代に負
担を先送りしない“健全財政”を標榜する自治体として評価を得ています。
また、平成14
(2002)年には長期計画「えどがわ新世紀デザイン」を策定し、「共育」
「協働」の理念
のもと、区民と力を合わせながらより良い地域づくりを進めてきました。長期計画も後期10年の
半ばに差し掛かる中、これまでの取り組みが多くの成果をもたらし、理想の地域社会実現に向け
着実な歩みを見せています。
しかし、今後、本区を取り巻く環境は厳しさを増していきます。多くの子どもが生まれ、元気
な高齢者が多いと自負する本区にも少子高齢化の波は押し寄せ、いずれは人口減少期が到来しま
す。人口構造が大きく変化していく中、少子高齢化への対応のみならず、そこから派生する公共
施設の有効活用や学校の統廃合など、将来の江戸川区像を見据えながらどのように取り組んでい
くかが課題となっています。
これまで本区には、さまざまな課題を区民と一丸となって克服し、水と緑豊かな住みよい都市
へと発展を遂げてきた歴史があります。その中で育まれた地域を愛する心は、時代が移ろい、
人々を取り巻く環境が変わっても、着実に現代へ受け継がれています。今後も困難な課題に直面
していくと思われますが、先人たちから続く「地域の力」をもとに、江戸川区らしさあふれる取り
組みを展開し、「生きる喜びを実感できる都市」の更なる発展に向け、努力を重ねていきます。
江戸川区
65