訪 問 事 務 所 最も身近なサポーターとして 顧問先のきめ細かな経営支援を行う 創業から今年で 51 年目、地域でも老舗事務所である多 田羅会計事務所では、長年にわたる顧問先との良好な関係を維持しなが らも、時代の変化に応じたサービスを提供しています。 3 代目の所長の多田羅 祥代先生に顧問先の経営支援、 そして事務所内で 最初に、税理士を目指され のは翌 年のことです。実はこ 税理士資格を取得したのは 2003年、 所 長 に 就 任 し た 0877-46-5474 0877-46-8867 設立 1964年 職員数 7名 導入システム/ACELINK NX-Pro 子育てしながら資格取得 祖父、 父の後を継いで 代目に TEL FAX の時期は事務所にとって最も大 変な時でした。 年に 代目の ので、文字通り一からのスター をしようとは思っていなかった しました。大学時代はこの仕事 実家に戻って家業を継ぐことに 略︶県外で就職した後、急きょ 多田羅 祥代先生︵以下、 敬称 を教えてください。 なりました。 先を引き継がなくてはならなく せていただいてきた全ての顧問 それまで事務所がお付き合いさ たのです。私は駆け出しにして、 祖父が相次いで他界してしまっ 父が、そして 年には創業者の 2 多 田羅会計事務所 た理由と事務所を継がれた経緯 04 香川県坂出市八幡町3-7-6 所在地 3 香川県坂出市 00 ︱ の取り組みについて伺いました。 苦労したことも多かったですね。 らく働いてくれている職員たち ための勉強をしなければならず、 ない私を支えてくれたのは、長 ので、子育ての傍ら資格取得の トでした。それに子どもがいた 資格は取得したものの、実務 の経験が浅く、右も左も分から 02 2 月刊税理士事務所CHANNEL た。半世紀にわたる当事務所の 業や美容業などが増えてきまし 運送業に加えて、新規では飲食 顧問先の業種としては、伝統 的に多かった建設業や製造業、 いを継続できています。 うことなく、現在までお付き合 で昔からの顧問先の信頼を損な してくれたりしました。おかげ とめた資料を作成し、私と共有 個々の顧問先の情報を正確にま る﹁先生﹂と呼ばれるような距 で応援したいからです。いわゆ 具体的には、キャッシュ・フ ロー計算書や経営分析など、会 上げたのは、顧問先をより近く た。また﹁サポーター﹂と申し 応えられる体制を築いてきまし そういったニーズに一つひとつ ビス業〟 だと考えているので、 をお客様の要望に応える〝サー 岐にわたります。私はこの仕事 経営に関するアドバイスまで多 は給与計算といった業務から、 てきたように感じており、それ 務所に対するニーズが多様化し り返ると感謝の念に堪えません。 務・会計だけではなく、会計事 社の状態が分かる〝診断書〟を す。 いただくことに力を入れていま 営者の方々に数字に強くなって りました。そこで、顧問先の経 業績を伸ばしていることが分か る企業は、逆境に負けず着実に 数値をよく把握し、行動してい 顧問先を分析したところ、経営 もが担当させていただいている 営環境が続いていますが、私ど ます。地方においては厳しい経 多田羅 迅速な経営判断をサポ ートすることを最も心がけてい り、早めに 率的にな 入検討も効 れば、設備 ています。月次で数値を把握す 決算で数字を見ることを推奨し す。そこで、年次に加えて月次 把握することに尽きると思いま 短いスパンでしっかりと数値を に対応するためには、以前より も続くでしょう。経営者がそれ くなっており、その傾向は今後 られる経営判断のスピードも速 時代の移り変わりとともに求め の業種、業態は多々ありますが、 た時には、可能な範囲で話を伺 なかでそういった雰囲気を察し えているケースも多く、会話の も話すことができない悩みを抱 常に孤独と闘っています。誰に て分かったのですが、経営者は です。私も事務所の代表となっ 多田羅 経営者の立場に立ち、 しっかりと話に耳を傾けること ていることはございますか。 います。 歴史と実績を信頼いただき、銀 離感の間柄ではなく、気になる 提供し、数字を見る目を養って 経営戦略を の推進が挙げられます。顧問先 行や既存の顧問先からの紹介で こと、困ったことがあった時は もらいます。事業展開をしてい 練ることが 私が事務所を継いだ頃から、税 新規の依頼をいただくケースが 気軽に相談できる存在になりた く上で、これらの経営数値を指 できますか でした。今でも当時のことを振 多いです。 いと考え、そう思ってもらえる 標の一つにしていただきたいの ら。会計事 は増えるか ほかにも、仕事上で心がけ また、これまでに数多くの企 業を担当させていただきました ような雰囲気づくりを心がけて です。 自社の利益や売り上げ、 務所、顧問 もしれませ ︱ ので、当事務所にはさまざまな 強みや弱みを見極めることで、 先の双方で んが、それ チームワークの良さを感じる、和気あいあいとした雰囲気の事務所 や資材の購 業種の情報が蓄積されています。 います。 新たな投資や借入を行うタイミ ングの精度が向上します。特に、 手間と負担 応じて会計事務所が果たす役割、 数値を基に経営判断を下すこと われることなく、時代の要請に の重要性をお伝えするように努 以上のメリ 若手の経営者の方に対しては、 立ち位置も変えていくべきだと めています。 〝士業〟のイメージの仕事に捉 これらの面でも評価されている 当業界のおかれた環境は大き のではないかと自負しています。 く 変 わ り ま し た。 昔 な が ら の 月次で数値を見ることで 迅速な経営判断が可能になる 代目として、新たに定め 考えます。 ットがある た経営方針はありますか。 ︱ と確信して 3 ﹁迅速な﹂経営判断のサポート 多田羅 経営者にとって最も身 具体的にはどのような経営 という面については、月次決算 近なサポーターになることです。 支援を行っていますか。 月刊税理士事務所CHANNEL 3 ︱ 事務所訪問 事務所訪問 ことなどまで聞くこともあり、 ますか。 は、どのようなことをされてい ねが相互理解の妨げになる恐れ ます。そういったことの積み重 用語を使ってしまうことがあり 顧問先に対しても何気なく専門 使い慣れているからといって、 ています。また、私たちが普段 み、成長していける事務所にし 整え、若い人材が成功体験を積 惑うことなく遂行できる環境を てもある程度の範囲の業務は戸 用・育成・定着です。誰が入っ 課題となるのが若い人材の採 うようにしています。特に相続 これは相手と深く関わって仕事 かりやすい言葉に置き換える表 聞かせください。 類のこと、会社内の人間関係の は人に知られたくない家族・親 や事業承継の話になると、普段 をする税理士ならではのことだ 多田羅 業務が多様化・複雑化 してきているので、提供するサ のようなものも作成したいと考 お客様に選ばれる価値のある 事務所を目指して と思います。こうしてニーズを ービスを標準化するために一貫 えています。 多田羅 当業界もこれから競争 率が高まり、お客様の見る目が 事務所内の取り組みとして 聞くことができれば、こちらか した方針を進めています。各業 厳しくなってくることが予想さ ︱ ら解決策を提案することができ 標準化の取り組みは、今後の 務のフローを作成するのはもち 事務所の体制づくりも見据えて れます。選ばれる事務所であり あらためて今後の展望をお たいと思います。 ますし、何よりお話を伺ったこ ろん、顧問先からの相談で多い のものです。これから事務所を がありますので、専門用語を分 とを契機に、経営者の方との信 ものに関しては、ケース別に対 ︱ 頼関係はさらに深まります。 発展させていくことを考えた時、 続けるためには、お客様に最適 税 理 士 ま で の 歩 み 応方法の方針をつくるようにし 顧問先の最も身近で頼れるサポーターを目指す多田羅 祥代先生 てほしいと言われたことはなかったそうです。 祥代先生は大 学卒業後に結婚しお子さんが生まれた後に家業を継ぐと決 め、そこから勉強を始めました。2003年に税理士資格を取得、 翌年には事務所の所長となり、初代、先代から受け継いだ 顧問先との良好な関係を継続しながら、新たな顧問先も担当 されています。 りいたします。 した。ますますのご発展をお祈 本日はありがとうございま 重ねていきたいと思います。 今後も顧問先からの信頼を積み クライアントに寄り添えるよう、 としての尊厳・品格を保ちつつ 己研鑽を怠ることなく、税理士 ます。また私個人としては、自 整えることが重要だと考えてい れを安定的に提供できる体制を には、サービスの質を高め、そ 要があります。そしてそのため な価値と満足を提供していく必 税理士でしたが、祥代先生は子どものころから税理士になっ ︱ 事務所の創業者である祥代先生の祖父上、父上はともに 4 月刊税理士事務所CHANNEL
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