まち・ひと・しごと創生 佐井村地域創生総合戦略 平成27年9月 青 森 県佐 井 村 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 Ⅰ.基本的な考え方 1.総合戦略策定の趣旨 (1)総合戦略策定の意義 …………………………………………………………………………… 01 (2)総合戦略の概要と期間 ………………………………………………………………………… 01 (3)マネジメントサイクルの確立 ………………………………………………………………… 01 (4)基本方針 ………………………………………………………………………………………… 02 Ⅱ.基本目標の設定 ………………………………………………………………………………………03 Ⅲ.今後の施策の方向性 1.基本目標① 地域資源を活かした産業の成長化により安定した雇用を創出する (1)産業として成り立つ水産業の確立 …………………………………………………………… 5 (2)水産業の成長産業化 …………………………………………………………………………… 6 (3)地域資源の観光コンテンツ化 ………………………………………………………………… 7 (4)観光業の成長産業化 …………………………………………………………………………… 7 2.基本目標② 魅力ある居住空間創出により新しい人の流れをつくる (1)賑わい空間の創出 ……………………………………………………………………………… 9 (2)移住の推進 ……………………………………………………………………………………… 10 3.基本目標③ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる (1)出生率を向上させる子育て支援策の実施 …………………………………………………… 12 (2)安心して子育てを楽しめる環境の形成 ……………………………………………………… 13 (3)魅力ある優れた教育機会の提供 ……………………………………………………………… 14 -0- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 Ⅰ 基本的な考え方 1.総合戦略策定の趣旨 (1)総合戦略策定の意義 国では人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対して、政府一体 となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生 することを目指して、平成 26 年 9 月に「まち・ひと・しごと創生本部」を設立しまし た。この中で、東京一極集中の是正や若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、 地域の特性に即した地域課題の解決の3つの視点を基本に、魅力あふれる地方の創生 を目指すことになります。 佐井村では、平成 23 年度からスタートした佐井村第 4 次長期総合計画を従前どおり 着実に推進するとともに、本村が抱える地域課題のうち、特に今後の人口減少対策に 重要と位置付けられる事業について、まち・ひと・しごと創生の方針を踏まえ、地域 総戦力で佐井村創生のために集中して取り組むための指針として、まち・ひと・しご と創生佐井村地域創生総合戦略(以下「地域創生総合戦略」という。)を策定します。 (2)総合戦略の概要と期間 ① 総合戦略の概要 地域創生総合戦略は、まち・ひと・しごと創生法(平成 26 年法律第 136 号)第 10 条に基づき、 「まち・ひと・しごと創生佐井村人口ビジョン」において示す本村の人口 の現状と将来展望を踏まえ、本村が抱える人口減少の克服と地域課題の解決に向けた 取組みを加速し、 “小さくてもキラリと光る村”の実現を目指して地域住民のみなさん と共に積極果敢に行動するため、そのために必要な施策・事業の基本的な考え方を示 すために策定します。 ② 総合戦略の期間 地域創生総合戦略の対象期間は、平成 27(2015)年度から平成 31(2019)年度まで の 5 年間とします。 (3)マネジメントサイクルの確立 この「地域創生総合戦略」では、5年間の取組みに対する各政策分野の基本目標を 設定するとともに、それぞれの政策について重要業績評価指標(KPI)を設定し、 検証・改善を図るための仕組みとしてPDCAサイクルを運用します。 このPDCAサイクルは、 「佐井村第4次長期総合計画」の検証と一体的に運用する こととし、産官学金労で構成する「佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略会議」に おいて検証を実施していくこととし、必要に応じて地域創生総合戦略の見直しを行っ ていくこととします。 -1- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 (4)基本方針 長期的な人口の安定を図ることは地方創生の重要なテーマであり、本村においては 他地域より数十年早いスピードで人口減少社会を迎えている中で、その解決を見出せ ないまま現在に至り、その道筋は決して容易なことではありません。従来型の安易な 補助金による人の誘致は、これまでの無目的・無戦略な企業誘致と同様に、他市町村 との過剰な競争に陥りかねません。 まち・ひち・しごと創生佐井村人口ビジョンで述べたように、人口減少という流れ を率直に受け止め、ただ人口減少を悲観するだけでなく、その中でも地域の活力やこ の地に住む人々が郷土に対する誇りを持ち続けられるような政策展開を図ることが特 に重要です。 そのためには、人口減少時代における居住空間としての魅力創出や地域資源を活か した産業の成長化政策などに重点を置き、この 5 年間で集中して取り組み、少しずつ 成果を産み出していくことが必要です。 こうしたことから、地域創生総合戦略では、地域資源を活かした産業の成長化のた めに特に水産業と観光業に特化した政策と居住空間としての魅力創出のために交流人 口を通じた空き家の活用対策、若者の定住化対策、そして、結婚・出産・子育て対策 を最優先として取組み、“小さくてもキラリと光る村”の実現を目指していきます。 -2- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 Ⅱ 基本目標の設定 国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」及び青森県の「まち・ひと・しごと創生青 森県総合戦略」を勘案した上で、本村が地域創生総合戦略の対象期間で集中的に取り組 む必要のある最優先課題を勘案して人口減少に歯止めをかけるため、水産業と観光業に 特化した地域資源を活かした産業の成長化対策、居住空間としての魅力創出のための移 住交流定住化対策、若い世代の結婚・出産・子育て対策として、それぞれ3つの基本目 標を設定します。 〈基本目標①〉 地域資源を活かした産業の成長化により安定した雇用を創出する 村内への定着や村外からの移住などを促進するためには、生活の基盤となるしご とづくりが最も重要となります。 本村の産業別就業者数(平成 22 年国勢調査値)は、上位から建設業 256 人(23.7%)、 漁業 201 人(18.6%)、観光を含むサービス業 187 人(17.3%)であり、建設業に関 しては時の景気に左右される面があるものの村の主要産業であることに変わりはあ りませんが、漁業と観光業が村の基幹産業となっています。 そこで、高品質で多種多様な水産物の活用や豊富な地域資源の観光コンテンツ化、 地域住民や企業・団体が持つアイディアや技術力などを出し合って、本村の持つ地 域資源を活かした産業の成長化により安定した雇用機会の創出を図ります。 数値目標 :平成 32(2020)年 ■新規就業者(漁業)数:佐井村漁業協同組合調べ 8 人(平成 26(2014)年:0 人) ■水産物漁獲金額:青森県海面漁業に関する調査報告書 現状より増加(平成 26(2014)年:401,089 千円) ■水産加工品出荷額等:佐井村漁業協同組合第 49 事業年度業務報告書 255,000 千円(平成 26(2014)年:242,841 千円) ■佐井村産水産品輸出額:ジェトロ青森「青森県の貿易」 1,000 千円(平成 25(2013)年:0 千円) ■観光入込客数:青森県「観光入込客統計調査」 150,000 人(平成 25(2013)年:123,016 人) ■述べ宿泊者数:佐井村調べ 3,000 人以上(平成 26(2014)年:2,700 人) ■体験型・滞在型観光利用者数:Sai ツーリズム構築推進プロジェクト協議会調べ 350 人以上(平成 26(2014)年:268 人) -3- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 〈基本目標②〉 魅力ある居住空間創出により新しい人の流れをつくる 村を支え、育てていくのは「ひと」であり、「人は人に集まる」との考えの下、 本村の「ひと」の魅力を高めていくことで、首都圏在住の潜在的移住希望者の本村 への新しい「ひと」の流れづくりを進めます。 そのため、特に若い世代の移住や村内定着を促進するため、地域資源を活かした 産業の成長化政策や魅力的な生活環境づくりを進め、誰もが活躍できる社会環境づ くりを進めます。 数値目標 :平成 32(2020)年 ■転入数:青森県「人口移動統計調査」 現状より増加(平成 26(2014)年:37 人) ■転出数:青森県「人口移動統計調査」 現状より減少(平成 26(2014)年:70 人) 〈基本目標③〉 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる 人口減少を抑制するためには、結婚・妊娠・出産・育児をしやすい環境の整備が 不可欠です。 本村の出生率は近年 1.40 前後で推移していますが、若い世代が安心して働ける 「しごと」を創出し、結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目のないライフステージに 応じたきめ細かな支援に取り組むことにより、子どもを産みたい人が更に子どもを 産みやすい育てやすい環境を整える取組みを進めます。 数値目標 :平成 32(2020)年 ■合計特殊出生率:厚生労働省「人口動態統計」 現状より増加(平成 20-24(2008-2012)年:1.40) -4- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 Ⅲ 今後の施策の方向性 1.基本目標① 地域資源を活かした産業の成長化により安定した雇用を創出する (1)産業として成り立つ水産業の確立 ① 新規就業者の確保 本村の基幹産業である漁業は、漁業従事者の平均年齢が 60 歳を超え、一部の集落を 除いては後継者もいなく、十数年先の産業としての存続が危惧される状況にあります。 そのため、漁業を今後も本村の基幹産業として残すため、漁業の担い手を外部に求 め、就業希望者が経験ゼロからでも円滑に漁業に就業できるよう就業準備段階におけ る資金の給付を行うとともに、就業相談会等の開催、漁業現場における短期・長期実 地研修、漁業活動に必要な技術取得等、求職団塊に応じた支援を行うことで、漁業へ の就業と定着を図り、漁業の高付加価値化を担う人材の確保・育成を図ります。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■新規就業者数:佐井村漁業協同組合調べ 8 人(平成 26(2014)年:0 人) 具体的な事業 ・漁師縁組事業 ・国立大学法人長崎大学水産学部との交流連携事業 ② 経営体制の強化 本村の漁業の経営形態は、その殆どが個人経営体で営まれており、近年の燃油・漁 業資材高騰と魚価の低迷、高船齢化及び漁具の老朽化による修繕費等維持費管理費の 増大などにより厳しい経営状況に置かれています。 このような状況を改善し、収益性が高く安定した漁業経営への転換を図るため、経 営コストの削減と安定した水揚げによる生産金額の向上を図るため、民間資本等を活 用した共同経営体への移行を進めます。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■漁業生産法人設立:佐井村漁業協同組合調べ 1 法人(平成 26(2014)年:0 法人) 具体的な事業 ・佐井村漁業創生プロジェクト事業 -5- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 (2)水産業の成長産業化 ① 価格決定力のある流通販路拡大の展開 本村は地理的な面から生ずる流通ハンディにより良質な水産資源が市場に出荷され るまで時間を要することから、生産者の収入となる価格が安価で取引され、生産者が 思うような収入を得ていない状況にあります。 このことから、他生産地との差別化を図るために平成 24(2013)年から導入し取り 組んでいる魚の高鮮度処理技術の一つである「活〆神経抜き」鮮魚による販路を更に 拡大し、市場相場に委ねられる既存の体質からの転換を徐々に図るため、生産から販 売までを一貫して行うことで自ら価格を決定することができる体制の構築を支援しま す。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■活〆神経抜き鮮魚直販取引件数:佐井村漁業協同組合調べ 28 件(平成 26(2014)年:23 件) ■魚〆師数:佐井村漁業協同組合調べ 15 人(平成 26(2014)年:10 人) 具体的な事業 ・活〆神経抜き技術講習会の開催 ・佐井村「新しい販路」開拓事業~ヒトとモノが共創した特産品で村をPR~ ② 商品開発と付加価値向上の推進 本村には高品質で多種多様な水産物を製造加工し、付加価値を付けて販売を行う佐 井村漁業協同組合直営の加工場があり、これまでも加工品の生産拡大や販路拡大によ る漁協経営及び漁家経営の向上に寄与しています。 今後も本加工場による既存製品の生産拡大及び販路拡大を図るとともに、未だ利用 されていない水産物を活用した6次産業化の推進による新たな商品開発や製品の付加 価値向上、新産業の創出に取組みます。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■加工生産グループ創業数:佐井村総合戦略課調べ 1 者(平成 26(2014)年:0 者) ■水産品及び加工品の輸出額:ジェトロ青森「青森県の貿易」 1,000 千円(平成 26(2014)年:0 千円) 具体的な事業 ・地域資源を活用した創業支援事業 -6- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 ・佐井村「新しい販路」開拓事業~ヒトとモノが共創した特産品で村をPR~ ・漁協水産加工場の HACCP 認定取得支援事業 (3)地域資源の観光コンテンツ化 ① “Sai”ツーリズムの推進 本村ならではの何気ない地域資源は、外から見れば佐井村を強く印象付ける観光コ ンテンツになる可能性を秘めています。 これらの足元にある地域資源を活かした観光商品開発を充実させ、それを国内外に 向けて効果的、戦略的に発信することで更なる交流人口の拡大を図るとともに、関連 する新たな事業の創出を促進します。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■日本型 DMO 創設数:佐井村総合戦略課調べ 1 組織(平成 26(2014)年:0 組織) ■体験型・滞在型観光利用者数:Sai ツーリズム構築推進プロジェクト協議会調べ 350 人以上(平成 26(2014)年:268 人) ■民泊受入れ件数:佐井村総合戦略課調べ 3 軒(平成 26(2014)年:0 軒) ■多言語案内板設置施設数:佐井村総合戦略課調べ 3 箇所(平成 26(2014)年:0 箇所) 具体的な事業 ・“Sai”ツーリズム構築推進プロジェクト事業 ・インバウンド観光誘客対策事業 ・圏域内ネットワーク強化によるゴールデンルート構築事業 (4)観光業の成長産業化 ① 戦略的な誘客活動の推進 本村は国指定名勝及び天然記念物に指定されている「仏ヶ浦」をはじめ、豊かな自 然資源と漁村景観を背景とした本村の観光の玄関口ともいえる津軽海峡文化館「アル サス」、四季のうつろいが満喫できる願掛公園「ケビンハウス」や「縫道石山」、風土 や歴史を伝える「海峡ミュージアム」や「三上剛太郎生家」をはじめ、現在、下北地 域が連携して本地域に数多く存在する特徴的な大地や地域資源を守り、研究するとと もに、学習の場や観光資源として、それを活用していくため、日本ジオパークの認定 を目指す取組みを進めています。 今後は、これらの多種多様な観光資源を活用し、交通事業者や旅行会社と連携した 効果的なプロモーション活動の展開や個人客をターゲットとした誘客活動を積極的に -7- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 進めていきます。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■観光入込客数:青森県「観光入込客統計調査」 150,000 人(平成 25(2013)年:123,016 人) ■観光遊覧船利用者数:青森県「観光入込客統計調査」 45,000 人(平成 25(2013)年:38,600 人) ■述べ宿泊者数:佐井村総合戦略課調べ 3,000 人以上(平成 25(2013)年:2,700 人) 具体的な事業 ・観光プロモーション事業(佐井村特別番組制作事業、他) ・下北まるごとジオパーク構想推進事業 ・北海道新幹線開業を契機とした新たな仏ヶ浦航路の検討 ・千金温泉施設の活用検討 -8- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 2.基本目標② 魅力ある居住空間創出により新しい人の流れをつくる (1)賑わい空間の創出 ① 地域経済圏の形成 本村の観光の玄関口ともいえる津軽海峡文化館「アルサス」周辺は、観光客はもち ろん地域住民も集うエリアであり、観光物産拠点施設「アルサス」を中心に小規模な 商店街が形成されている他、国指定名勝及び天然記念物「仏ヶ浦」への観光船発着所 もあるなど、ある意味で「まち・ひと・しごと」がコンパクトながらも凝縮されたエ リアとなっています。 今後、人口減少が進む中で地域内経済の規模が縮小していく中で、それを補うため には交流人口の増加に伴う外貨獲得に主眼をおいた施策が必要となっていきます。 このことから、本エリア周辺を更なる賑わい創出の空間の場として環境整備を進め、 新たな創業・起業を促すことで、本村の地域経済圏としての規模の拡大を進めます。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■新規創業件数:佐井村総合戦略課調べ 2 件(平成 26(2014)年:0 件) 具体的な事業 ・津軽海峡文化館「アルサス」周辺賑わい創出事業 ・地域資源を活用した新事業創出支援事業 ・チャレンジ販売施設整備事業 ② まちなか空間の再生 まちなかは様々な社会インフラが集積し、テーマに応じて人が集い、かつてはまち の顔として賑わっていましたが、子どもや若者の流出により高齢化が顕著となり、空 き家や空き店舗が目立っていますが、今なおかつての面影が色濃く残っているエリア もあります。 現在では、これらの地域資源を観光資源として活かし、観光客をまちなかへ誘客す る“まち歩き”の取組みが行われています。 今後は、 “さいのまちなか”の観光資源化を促進し、地域住民と観光客が触れ合う場 の創出を図りながら、まちなか空間の再生を進めます。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■まち歩き利用者数:Sai ツーリズム構築推進プロジェクト協議会調べ 150 名(平成 26(2014)年:125 名) ■空き店舗活用軒数:佐井村総合戦略課調べ 2 軒(平成 26(2014)年:0 軒) -9- 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 具体的な事業 ・“彩のまち歩き”ガイド魅力向上事業 ・まちなか空間再生支援事業 (2)移住の推進 ① アプローチの強化 移住定住人口を増やすためには、単に「訪れたい」という意識を醸成するだけでな く、実際に「住みたい、住んでみたい」と思わせるような情報発信を行っていくこと が必要です。 そのためには、このむらに対する「憧れ」をただ喚起するだけでなく、それに加え 実際にこの地で暮らしていく上でのメリットや他と差別化されたまちの魅力を、対象 者に最も効果的な形で発信していくことが求められます。 このことから、暮らしの場としてのこのまちの魅力を発信しつつ、移住相談支援窓 口の設置などの徹底したサポート体制の構築を図り、対象者に応じた効果的な情報を 戦略した上で発信することで移住意識の醸成を図ります。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■移住に関する相談・情報提供の件数:佐井村総合戦略課調べ 現状より増加(平成 26(2014)年:4 件) 具体的な事業 ・佐井村特別番組制作事業 ・移住セミナーへのブース出展 ・認定NPО法人ふるさと回帰支援センター、青森暮らしサポートセンターなど との連携 ② 受入体制の強化 移住に係る負担を極力軽減するため、住む場所や働く場所の確保などの様々な課題 の解決をサポートする移住支援窓口を設置するとともに、一定の条件の下で移住時に 必要となる住宅の改修や引越しなどに要する費用の支援など、地域住民との関係構築 のための支援を進めます。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■お試し移住件数:佐井村総合戦略課調べ 現状より増加(平成 26(2014)年:0 件) ■移住件数:佐井村総合戦略課調べ 現状より増加(平成 26(2014)年:1 件) - 10 - 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 具体的な事業 ・空き家活用対策(改修支援や引越し支援など) ・お試し居住体験 ・地域おこし協力隊の採用 ・サテライトオフィス導入に向けた環境づくり - 11 - 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 3.基本目標③ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる (1)出生率を向上させる子育て支援策等の実施 ① 未婚化対策及び晩婚化対策の推進 未婚化や晩婚化は、女性の社会進出や自立等価値観の多様化の側面がある一方で、 過疎化や地域活動の減少等社会環境の変化により、独身男女が出会う機会が減少して いることも一因です。 このことから、結婚し、将来子どもを持ちたいと考えている若者の希望を阻害する 要因を踏まえた自然な形で結婚支援策が展開される環境を整えることにより、出生率 と大きな相関を有する男性の未婚率の低減等を図ります。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■出会いの場の創出取組件数:佐井村総合戦略課調べ 3 件(平成 26(2014)年:0 件) ■婚姻件数:青森県「保健統計年報」 現状より増加(平成 25(2013)年:5 件) 具体的な事業 ・若者が企画運営するイベントへの人的、財政的支援 ・さい(再)婚活イベントの実施 ② 女性が働きやすい環境の整備 多様な保育ニーズへの対応や子どもの放課後等の居場所の確保等、女性が働きなが ら、安心して子育てできる環境を整えることにより、出生率と相関を有する女性の就 業率の向上等を図ります。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■3歳未満児の保育所入所率:佐井村住民福祉課調べ 60.0%(平成 26(2014)年:47.6%) ■女性の就業率:国勢調査 40.0%(平成 22(2010)年:35.9%) 具体的な事業 ・特別保育サービスの充実 ・保育所通所困難者への通所支援の実施 ・病後児保育サービスの実施 ・放課後児童クラブの実施 - 12 - 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 (2)安心して子育てを楽しめる環境の形成 ① 子育てしやすい環境の充実 核家族化・少子化の進行、地域の人間関係の希薄化、厳しい社会経済情勢など、今 日の子育てを取り巻く環境に起因し、多くの子育て世代、とりわけ母親が子育てに対 して大きな不安や負担感を抱いています。 「住みたい、住み続けたいまちづくり」を実現していくためには、こうした子育て 世代の不安や負担感を軽減していくことなどによって、安心して子育てを楽しみ、そ の未来の喜びを感じることができる環境を形成していくことが必要です。 このことから、多様な保育ニーズへの対応や子どもの放課後等の居場所の確保など を行い、子育てと仕事の両立できる環境の充実を図るとともに、子ども同士、親同士、 親子が交流し、楽しめる場所や機会を充実させるなど、積極的に子育てを楽しむこと ができる環境の充実を図ります。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■子育て支援の環境や支援への満足度:佐井村子ども・子育て支援事業に関 するニーズ調査報告書 就学前児童 60.0%(平成 26(2014)年:満足+やや満足+普通 49.0%) 小学校児童 80.0%(平成 26(2014)年:満足+やや満足+普通 75.0%) 具体的な事業 ・夏冬休み期間などの就学児童預かりサービスの実施 ・児童交流センター「ぽぽらす」の施設充実 ・さいっこ公園(公共施設跡地を活用した公園、既存公園の遊具等)の整備 ・特別保育サービスの充実(Ⅲ-(1)-②の再掲) ・保育所通所困難者への通所支援の実施(Ⅲ-(1)-②の再掲) ・病後児保育サービスの実施(Ⅲ-(1)-②の再掲) ・放課後こどもプランの充実(Ⅲ-(1)-②の再掲) ② 子どもの育ちへのきめ細かな支援 発達障がいや被虐待等、様々な問題で特別な援助を必要とする子ども・若者に対し、 個に応じた継続的かつ総合的な支援を推進するとともに、母子保健や子育て相談など の充実により、親の子どもの育ちやしつけに対する不安や悩みの軽減を図ります。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■乳幼児健康診査受診率:佐井住民福祉課調べ 5ヶ月児検診 100.0%(平成 26(2014)年:116.7%) 10ヶ月児検診 100.0%(平成 26(2014)年:100.0%) - 13 - 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 1歳6ヶ月児検診 100.0%(平成 26(2014)年:100.0%) 2歳児検診 100.0%(平成 26(2014)年:087.5%) 3歳児検診 4歳児検診 5歳児検診 6歳児検診 100.0%(平成 26(2014)年:100.0%) 100.0%(平成 26(2014)年:100.0%) 100.0%(平成 26(2014)年:080.0%) 100.0%(平成 26(2014)年:092.9%) 具体的な事業 ・母子保健事業の充実 ・子育てに関する公的な相談機関(保健師)のあり方を検討 ・子育て支援センター機能の充実 (3)魅力ある優れた教育機会の提供 ① 教育システムの基盤強化 本村では、子どもの発達に即した継続性、発展性を担保した教育システムで、これ までも子どもの学力や社会性の向上等に取組んできており、それらを更に洗練、進化 させ、子どもの9年間の成長を見通した継続性、発展性のある教育を展開するととも に、多くの友だちや多様な人たちとの交流機会、他人との切磋琢磨の機会、成功体験、 失敗体験などを得ることができる環境の提供等を図ります。 また、優れた指導者や学習機会の提供等、個々の子どもの才能を最大限に伸ばす環 境の充実を図ります。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■教育環境に対する満足度:佐井村第4次長期総合計画アンケート調査結果 30.0%(平成 22(2010)年:たいへん満足+満足 22.6%) 具体的な事業 ・幼保小連携を含む幼児教育の推進 ・「さいっこ塾」への人的、財政的な支援 ② 学校規模及び学級規模の適正化 当面、確実に児童生徒が減少していくと見込まれる中、児童生徒数の減少に伴う学 級数や教職員数の減少によって生じる教育活動の制約や教職員の専門性、多様性の低 下に対する懸念などに対処し、望ましい教育環境を将来にわたって維持し続けていく ため、地域及び保護者の理解を得ながら活力ある学校づくりを推進します。 - 14 - 佐井村まち・ひと・しごと創生総合戦略 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■教育環境に対する満足度:佐井村第4次長期総合計画アンケート調査結果 30.0%(平成 22(2010)年:たいへん満足+満足 22.6%) 具体的な事業 ・公立小中学校の統廃合等の検討 ・廃校した跡地利用の検討 ③ 夢・希望のかなう就学環境づくり 近くに高等学校や高等教育機関が存在しない本村においては、多くの中学生が高等 学校に進学する際に、更に高等教育機関へ進学する高校生に至っては、全てが親元を 離れ村外での下宿生活等を余儀なくされ、若者の流出につながっています。 また、下宿費等が家計の大きな負担となっており、経済的事情から進学を諦めざる を得ない家庭環境下にある子どももいるほか、出生率の伸び悩みの一因にもなってい ます。 このことから、経済的事情から将来の自分の夢や希望を諦めることなく、自らの将 来に希望の持てる就学環境づくりを進めます。 重要業績評価指標(KPI) :平成 32(2020)年 ■教育環境に対する満足度:佐井村第4次長期総合計画アンケート調査結果 30.0%(平成 22(2010)年:たいへん満足+満足 22.6%) 具体的な事業 ・高等教育機関(高等学校を含む)就学支援事業 ・奨学資金貸付事業の充実 - 15 -
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