平成27年4~6月期の実績・7~9月期の見通し 中小企業景況情報 本情報は、県内12商工会で 実施した中小企業景況調査の 集計結果(180企業)をまとめた 平成27年度第1回 発行・長崎県商工会連合会 長崎市桜町4-1 長崎商工会館8階 建設業 問い合わせ先 TEL 095(824)5413 〔主要景況項目の動向〕 期 平成26年 主要項目 売 4月~6月 上 額 採 資 業 算 金 況 繰 の 動 り 向 . . . . 平成27年 7月~9月 10月~12月 1月~3月 4月~6月 7月~9月 (見通し) = . = . . = . . = . . . . . = . . . . . 曇 曇時々雨 雨 # 晴D・I 50.1~100 $ 晴時々曇 . D・I 20~△20 = D・I △20.1~△50 ☂ D・I △50.1~△100 D・I 20.1~50 〔調査対象企業のコメント〕 ・ 材料をはじめ全ての経費が増加しているにもかかわらず、製品を納める価格だけが値下げもしくは現状維持を求められる ので、どこで補っていけば良いかわからない。 製 ・ 引合いや問い合わせが減少している。また、物産展等に参加しているが、厳しい販売が続いている。今後も消費税が8% 造 になってからの状況が続くと考えられる。 業 ・ 消費税増税があるたびに悩まされる資金調達。雇用を維持しながら、消費税負担が一番の課題。 ・ 消費低迷による売上減が続いている。資金繰りも厳しさを増す。売場の確保も難しくなっている。新たな販路を探している が今のところうまくいっていない。他社が持っていない商品を売り込み中。 ・ 人口減少、景気の悪化、持ち家志向の変化等生活スタイルの変化により、需要の減少に加え、CMやセールス力の不足で 顧客が住宅メーカーに流れていっていると考える。まず景気回復を第一に取り組んでほしいと切に思う。 ・ 県内の仕事量は減少しているが、関東、東北、福岡の仕事が増加している。オリンピックの工事も出ているので、2~3年は 期待している。 建 ・ 個人で仕事を受けているため、タイミングが重なった場合の外注費が発生するので、仕事量の調整が難しく、売上高と利 設 益が比例しない。 業 ・ 下請け業者の確保が困難で、公共工事では、受注単価より高い金額で、下請け業者に発注する業種があり、利益確保が 困難である。 ・ 仕事の引合いが多くなってきたが、従業員技術者の高齢化が目立ち、対応を早急に施すつもりである。人材をいかにして 確保できるかが今後の課題である。 ・ 業界において、地方問屋の淘汰が進んでいる。品揃えに不便さを感じてきている。更に増税後の仕入れ単価の上昇が目 立つようになってきた。仕入れコストの増加により、利益の確保が難しくなってきた。 ・ 固定客の方に助けられている。日曜日・祭日の現金のお客が見込めない。仕入単価が上がってもすぐに値上げできずに 小 いる。私たちも高齢化しておりいつまで営業できるか。設備も老朽化、明るい材料がない。 売 ・ 消費税8%が徐々に重荷になっている。商品代が高いので、消費税込で商談しているとすごく値上がり感があるようで、他 業 店へ見積りを取りに行かれる方もいる。 お客さまを買う気にさせる催しをするようにしている。タイミングがとても大事だと思い、展示会をしている。 ・ 原油の価格変動によって変わらず仕入れ値が安定しないが、その都度販売価格には今のところ転嫁はできている。ただ今 後さらに需要が減少していくのは間違いない。 ・ 消費税増税はかなりきつい。時間がとまったように動きが見られない。ネット通販などの利用で人とのつながりが薄れてきて いる感じ。 サ ・ お客様のニーズに対応できていないと思う。利用単価も減ってきているので、売上として残ってこない。機械も古いので ー サービスの面でも不安がある。 材料費は上がるのに、売値は上げられない。飲み放題の宴会、他では酒の質を落としている店が増える中、瓶ビールを出 ビ ・ している当店ではごまかしがきかず、利益が上がらない。 ス ・ 過疎が進んで、人口も減っていて、昔からのお客さまも高齢になり、顧客も減ってきていてとても不安。お店の件数も増えて 業 いるので不安。顧客の皆様は必ず来てくれるので、助かっているところもある。 ・ 商売上の常とはいえ多い日は多く、少ない日は少ないという現象があり、田舎の飲食店では従業員の配分が難しい。利用 者のニーズも聞きながら少しでもそれに近づく努力をしていきたい。 - 1 - ① 【建設業】 売上の動向 完成工事額の状況 -前年同期比 今年D.I. 前年D.I. 60% 増 加 40% 企 業 44.5 33.3 25.9 25.9 18.5 11.2 20% 減 0% 少 企 -20% 業 △ 7.5 △ 14.9 △ 26.0 △ 33.4 33.3 -40% 40.8 -60% 40.8 51.9 26年 4月~ 6月 26年 7月~ 9月 51.9 26年10月~ 12月 27年 1月~ 3月 27年 4月~ 6月 今期、売上が「増加した」と答えた企業は25.9%と、前期の18.5%から7.4ポイント増加した。 「減少した」と答えた企業は40.8%と、前期の51.9%から11.1ポイント減少した。このため今 期D・I値は△14.9と、前期の△33.4から18.5ポイント改善した。「来期の見通し」では、増 加すると予測した企業は18.5%、減少すると予測した企業は33.3%で、これにより来期のD・I値 は△14.8と、今期の△14.9から0.1ポイントの改善を予測している。 ② 【建設業】 採算の動向 採算の状況 -前年同期比- 40% 好 転 20% 企 業 今年D.I. 前年D.I. 22.2 18.5 11.1 11.1 11.1 0% 悪 化 企 -20% 業 △ 14.8 37.0 26年 4月~ 6月 △ 25.9 29.6 △ 25.9 -40% △ 14.8 △ 18.5 37.0 26年 7月~ 9月 33.3 26年10月~ 12月 27年 1月~ 3月 37.0 27年 4月~ 6月 今 今期、採算が「好転した」と答えた企業は11.1%と、前期の18.5%から7.4ポイント減少した。 一方、「悪化した」と答えた企業は37.0%で、前期の33.3%から、3.7ポイント増加した。 従って、今期のD・I値は △25.9と、前期の△14.8から11.1ポイント悪化した。 「来期の見通し」では、好転を予測した企業は14.8%、悪化を予測した企業は29.6%で、これに より来期のD・I値は△14.8で、今期の△25.9から11.1ポイントの改善を予測している。 - 2 - ③ 【建設業】 新規設備投資の状況 ※投資内容は複数回答 (%) 項目 期 今 期 (27年4~6月) 来 期 (27年7~9月) 付 O 帯 A 施 機 械 車 両 ・ 運 搬 具 設 0.0 50.0 100.0 20.0 20.0 60.0 実し 施て ・ 計い 画る 土 建 地 物 7.4 0.0 18.5 0.0 建 設 機 器 福 利 厚 生 施 設 他 実し 施て ・ い 計な 画い 50.0 50.0 0.0 0.0 92.6 20.0 0.0 0.0 20.0 81.5 そ の 今期設備投資を行った企業は7.4%で、前期設備投資を行った企業(18.5%)を下回った。 来期は今期を上回る18.5%が設備投資を計画している。 ④ 【建設業】 経営上の問題点 経営上の問題点の推移(一位の問題点・上位5つ) 40% ① ② ③ ④ ⑤ 熟練技術者の確保難 民間需要の停滞 材料価格の上昇 従業員の確保難 官公需要の停滞 ① ② 20% ③ ④ ⑤ 0% 25年 4月~ 6月 25年 7月~ 9月 25年10月~ 12月 26年 1月~ 3月 26年 4月~ 6月 26年 7月~ 9月 26年10月~ 12月 27年 1月~ 3月 27年 4月~ 6月 今期の経営上の問題点は、「熟練技術者の確保難」が27.3%で第1位となった。第2位が「民間需要の停 滞」で22.7%、第3位は「材料価格の上昇」、「従業員の確保難」及び「官公需要の停滞」で9.1%であっ た。材料価格が上昇傾向にある他、熟練技術者や従業員の確保難による人手不足が経営上の問題点となっているこ とが窺える。 ⑤ 【建設業】 来期の見通し 売 上 (収 入 ) 額 27年 1~3月期 △ 33.4 傾向 採 算 27年 資 金 繰 り 27年 業 況 27年 4~6月期 7~9月期 1~3月期 4~6月期 7~9月期 1~3月期 4~6月期 7~9月期 1~3月期 △ 14.9 △ 25.9 △ 11.6 △ 14.8 △ 14.8 △ 14.8 △ 11.5 傾向 傾向 △ 18.5 △ 11.5 4~6月期 7~9月期 △ 7.4 △ 22.2 傾向 (注) 増加・好転、 不変、 減少・悪化を示す。 来期の見通しは、「売上(収入)額」「採算」の2項目で改善を示し、「資金繰り」「業況」の2項目で悪化を 示している。経営上の問題点として熟練技術者の確保難が第一位となっており、調査対象企業のコメントでも従業 員や下請業者の確保難に悩まされているとの声が多い。 - 3 - 景 況 概 要 長崎県の全産業 【売上】 今期改善を示したのは、「製造業」(38.3ポイントの改善)、「建設業」(18.5ポイントの改善)、 「小売業」(14.9ポイントの改善)、「サービス業」(3.2ポイントの改善)の全業種で改善を示してお り、「製造業」では平成26年1~3月期以来のプラス値となった。 来期の見通しでは、改善を示したのが、「建設業」(0.1ポイントの改善)、「サービス業」(5.7ポイ ントの改善)の2業種で、悪化を示したのは「製造業」(8.9ポイントの悪化)、「小売業」(2.2ポイン トの悪化)の2業種であった。 製造業 建設業 小売業 サービス業 売上(完成工事)額の推移 -前年同期比- 40% 20% 0% -20% -40% -60% 25年 4月~ 6月 25年 7月~ 9月 25年10月~ 12月 26年 1月~ 3月 26年 4月~ 6月 26年 7月~ 9月 26年10月~ 12月 27年 1月~ 3月 27年 4月~ 6月 27年 7月~ 9月 (見通し) 【採算】 今期改善を示した業種は、「製造業」(23.6ポイントの改善)、「小売業」(12.7ポイントの改 善)、「サービス業」(0.7ポイントの改善)の3業種で、悪化を示したのは「建設業」(11.1ポイント の悪化)の1業種であった。 来期の見通しでは、改善を示したのは、「建設業」(11.1ポイントの改善)の1業種で、悪化を示したの は「製造業」(3.7ポイントの悪化)、「小売業」(0.7ポイントの悪化)、「サービス業」(11.3ポ イントの悪化)の3業種であった。 製造業 建設業 小売業 サービス業 採算の推移 -前年同期比- 0% -20% -40% -60% 25年 4月~ 6月 25年 7月~ 9月 25年10月~ 12月 26年 1月~ 3月 26年 4月~ 6月 26年 7月~ 9月 26年10月~ 12月 27年 1月~ 3月 27年 4月~ 6月 27年 7月~ 9月 (見通し) 〔注〕 本レポートの中で「D・I」とある記号は、ディフュージョン・インデックス(景気動向指数) の略です。 例えば各調査項目について増加(又は上昇、好転、長期化)と答えた企業の割合から 、 減少(又は低下、悪化、短期化)と答えた企業の割合を差し引いた値を示す表示です。 マクロ指標等では表れにくい経営者マインドを敏感につかむ事ができます。 - 4 -
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