豊見城市庁舎建設基本計画 平成 27 年3月 沖縄県豊見城市 目 1.基本計画の位置づけ 次 ................................................................................................. 1 .......................................................................................................... 2 (1)共通機能 ............................................................................................................... 2 (2)基本機能 ............................................................................................................... 4 .......................................................................................................... 9 2.庁舎の機能計画 3.庁舎の施設計画 (1)敷地条件の整理 ................................................................................................. 9 (2)敷地利用計画 ................................................................................................... 10 (3)施設計画 ............................................................................................................ 11 (4)配置計画 ............................................................................................................ 15 4.庁舎建設に向けた事業計画 (1)事業方式 ............................................................................... 20 ............................................................................................................ 20 (2)概算事業費、資金計画 ............................................................................... 21 (3)設計者の選定 ................................................................................................... 22 (4)事業スケジュール ......................................................................................... 23 1.基本計画の位置づけ 基本計画は、基本構想で示された基本理念や方針に基づき、新庁舎建設の事業実施 に向け、具体的な機能や部署配置の考え方、事業手法及び事業スケジュールなど基本 設計や実施設計に向けた条件の整理を行うものです。 計画策定にあたっては、 「新庁舎建設検討委員会」において議論を重ねるとともに、 公募による「市民ワークショップ」を開催し、新庁舎建設へ市民意向の反映に努めま す。 ■基本計画の位置づけ 庁舎建設基本構想 〈庁内〉 ・新庁舎建設 検討委員会 庁舎建設基本計画 ○基本計画の位置づけ ○庁舎の機能計画 ○庁舎の施設計画 ○事業計画 基本設計・実施設計 建設工事 完成 1 〈市民〉 ・ワークショップ ・パブリック コメント 2.庁舎の機能計画 (1)共通機能 1)すべての市民に優しい庁舎 高齢者や障がい者、子どもなど全ての人が安心して安全に利用できる庁舎とする ため、ユニバーサルデザインを導入します。 導入にあたっては「高齢者、障害者等の移動等の円滑化促進に関する法律(バリ アフリー新法)」や「沖縄県福祉のまちづくり条例」に準じます。 <案内表示> ・来庁者が迷うことなく目的の場所に行くことができるよう、ピクトグラム※1や 絵記号等を活用し、適切な位置、表示、大きさなど表示方法を統一して誰もが 分かりやすい案内表示を検討します。 <昇降機、階段など> ・エレベーターは、必要な台数を適切な位置に設置し、車イス利用者等へ対応し た設備を検討します。 ・階段などの段差が生じる箇所については、手すりやスロープの設置をはじめ、 点字ブロックについても検討を行います。 <トイレ> ・バリアフリー対応のトイレを各階の適切な場所に、適切な規模の配置を検討す します。 <駐車場> ・身体に障害がある方や高齢者、妊婦など歩行が困難な方の駐車場については、 適切な台数の確保と庁舎への動線を考慮し、適切な位置に配置するとともに、 雨天時など屋根の設置についても検討します。 <セキュリティ> ・庁舎全体のゾーニングを明確にし、市民が利用する空間を創出するとともに、 夜間や休日におけるセキュリティの確保に努めます。 ※1:ピクトグラム 一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サ イン)の一つです。 2 2)環境に優しい庁舎 地球環境への影響を軽減するよう、環境に優しい省エネルギ-・省資源庁舎とす るため、グリーン庁舎※2 を目指します。 <省エネルギー> ・自然通風、自然換気、自然採光の検討を行います。 ・空調などは省エネルギーに配慮した方式、設備・機器を導入する他、太陽光発 電システム導入の検討を行います。 ・断熱性の高い素材等により、日射による負荷の軽減を検討します。 ・雨水の再利用等、節水システムの導入を検討します。 ・敷地内の緑化や透水性舗装などの使用を検討します。 ・LED 電球の採用を検討します。 <省資源> ・建設副産物の発生抑制を検討します。 ・廃棄物等を再利用した資材の活用を検討します。 ※2:グリーン庁舎(環境配慮型官庁施設) 環境基本法の基本理念に則り、計画から建設、運用、廃棄に至るまでの、ライフサイクルを通じた環 境負荷の低減に配慮した官庁施設のことです。 ■グリーン庁舎のイメージ(出典:国土交通省ホームページ) 3 3)維持管理費の低減を図る庁舎 建物の長寿命化を図り、維持管理費の削減など総合的なライフサイクルコストの 低減を目指します。 <建築物> ・構造体の耐久性については、建築工事標準仕様・同解説「JASS5」※3 による 計画供用期間水準「標準」と同程度を目指します。 <維持管理> ・トータルコストに配慮し、維持管理やメンテナンスが安価で容易に行うことが できるよう検討します。 ※3:建築工事標準仕様・同解説「JASS5」:コンクリートの大規模改修までの期間を示します。 (2)基本機能 1)市民サービスの向上(窓口機能) 市民の利用頻度が高い窓口業務については、安全で快適な住民サービスの向上を 図ります。 <総合案内> ・来庁者の多様な用件に対処し、市民の方が気軽に相談できる総合案内の設置を 検討します。 <窓口> ・市民サービス向上のため、豊見城市独自の窓口業務を検討し、これを実現する フロア整備を検討します。 ・窓口業務の効率化を図る設備、機器の導入を検討します。 <待合スペース> ・市民がゆったりと快適に過ごせるスペースを確保するとともに、憩いの場、交 流の場など多様な用途の利用を併せ持つ空間を検討します。 <相談室> ・相談の内容に応じ、プライバシーの保護に配慮した相談室及び相談カウンター の配置を検討します。 4 <その他> ・全体が見渡せるオープンフロアにするとともに、誰もが分かりやすい案内表示 を検討します。 ・市民利用の多いトイレは、おむつ交換台の設置やオストメイト対応についても 検討します。 ・車イス利用者が使いやすいカウンターなど、障がい者への配慮を行います。 ・子ども連れ利用者のための授乳室やキッズスペース等の配置を検討します。 ・来庁者の利便性の向上になる ATM、売店等の導入の検討を行います。 2)防災拠点となる庁舎(防災機能) 地震や風水害などの災害に強い庁舎とするため、新庁舎の耐震安全性については、 「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」を目指します。また、災害時においては 防災拠点としての機能や設備を備えます。 <構造> ・耐震性を確保するため、免震構造の導入を検討します。 <防災拠点> ・防災関係部署に隣接した場所に通信機器等を備えた会議室を配置し、災害時に は災害対策本部として活用します。 ・災害対策本部として、一定期間機能を維持できるようライフラインのバックア ップを確保します。 ・災害時に市民の避難等に対処できるよう、備蓄庫の設置を検討します。 ■耐震安全性区分 耐震安全性の区分 構造体の耐震安全性 Ⅰ類 安全性の目標 大地震動後、構造体の補修をすることなく建築物を使用でき ることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保 が図られるものとする。 非構造部材の耐震安全性 外部及び活動拠点室、活動支援室、活動通路、活動上重要な A類 設備室、危険物を貯蔵又は使用する室等における建築非構造 部材については、大地震動後、災害応急対策活動等を円滑に 行う上で、又危険物の管理の上で支障となる建築非構造部材 の損傷、移動等が発生しないことを目標とし、人命の安全確 保に加えて十分な機能確保が図られるものとする。 また、機能停止が許されない室においては、要求される機能 に応じた検討を行う。 建築設備の耐震安全性 大地震動後の人命の安全確保及び二次災害の防止が図られて 甲類 いるとともに、大きな補修をすることなく、必要な設備機能 を相当期間接続できることを目標とする。 資料:官庁施設の総合耐震・対津波計画基準(国土交通省) 5 3)快適で効率的な執務スペース(執務機能) 効率的・効果的な業務の遂行や機構改革に伴う組織編成に柔軟に対応できる執務 空間の形成を図るため、オ―プンフロア、フリーアクセスフロアを基本とします。 <執務室> ・来庁者と職員の動線が輻輳しないよう配慮します。 ・電子自治体実現のため、庁内情報ネットワークの整備を検討します。 ・個人情報や行政情報の漏洩に配慮しつつ、市民と職員のコミュニケ-ションが 図りやすいようローカウンターの設置を検討します。 <会議室> ・日常的に利用する打合せスペースは各課への設置を検討します。 ・業務の効率化から各階に適正規模及び数の会議室の設置を検討します。 ・大人数で利用する会議室は、全庁的な利用に配慮し適正規模、適正配置及び可 動間仕切りによる柔軟な空間利用を検討します。 <その他諸室> ・書庫やコピー室等業務に不可欠な諸室は、適正規模の適正配置を検討します。 ・快適な職場環境を整えるため休憩室等の福利厚生施設の配置を検討します。 4)市民に開かれた議会(議会機能) 議場としての格式をもつとともに、市民が傍聴しやすい施設整備を目指します。 <議場、委員会室等> ・議員定数に対応した議場、委員会室等の諸室の整備を検討します。 ・議会が開催していない時は、市民利用ができるよう検討を行います。 <傍聴室> ・傍聴席は、誰もが利用しやすいよう配慮します。 6 5)駐車場の確保(駐車機能) 公共交通の利便性の向上及び利用促進を図りつつ、来客用駐車場や公用車駐車場 の必要台数の確保及び、誰もが安全で快適に利用することができる駐車場の整備を 目指します。 <来客用駐車場、駐輪場> ・必要台数 200 台以上の駐車スペースを確保します。 ・敷地条件から、立体駐車場や地下駐車場の検討を行います。 ・道路からの出入り口など、安全な車両動線の検討を行います。 ・駐車場から庁舎への安全で快適な歩行者動線の検討を行います。 ・駐車施設については、高齢者や障がい者、乳幼児連れなどの利用者に配慮した 配置及び動線を検討します。 ・安全性や動線に配慮し、利用しやすい駐輪場の整備を検討します。 <公用車駐車場、駐輪場> ・必要台数 60 台以上の駐車スペースを確保します。 ・敷地条件から、立体駐車場や地下駐車場の検討を行います。 ・道路と敷地の高低差を活かした出入り口の検討を行います。 ・公用に必要となる駐輪場の整備を検討します。 6)多様な交流の促進によるまちづくりへの貢献(交流機能) 市民が気軽に訪れる事ができ、楽しく憩いながら多様な交流が育まれる庁舎づく りを目指します。 <交流空間> ・市民の憩いの場、情報交換の場として多様な交流が生まれる多目的広場の検討を 行います。また、休日や夜間の市民利用についても検討します。 ・市政情報を発信するスペースの検討を行います。 <その他施設> ・食堂又はレストラン、 喫茶店など市民や職員が利用できる施設の検討を行います。 7 7)市のシンボルとなる庁舎(象徴機能) 豊見城市のシンボルとして、市民に愛される庁舎建設を目指します。 <建物> ・周辺環境と調和し、 豊見城らしさをシンプルに表現する庁舎建設を検討します。 <屋外空間> ・水や緑など、自然環境と調和した空間の形成を検討します。 8 3.庁舎の施設計画 (1)敷地条件の整理 ①敷地面積 ・概ね 6,000 ㎡ ②用途地域(用途変更が必要) ・本計画地には、近隣商業地域(ケンペイ率 80%、容積率 200%)と第一種住 居地域(ケンペイ率 60%、容積率 200%)、第一種中高層住居専用地域(ケ ンペイ率 60%、容積率 150%)の3つの用途地域がかかっています。 ・新庁舎建設に向けては、新庁舎の規模や駐車場等の整備を考慮し、近隣商業地 域(ケンペイ率 80%、容積率 400%)への変更が必要になります。 ■計画地位置図 ③地区計画(地区計画の変更が必要) ・本計画地は、宜保地区地区計画区域内にあり、地区区分として住宅地区、沿道 利用地区 A、沿道利用地区 D に指定されています。 ・地区区分により、用途による制限以外に、建物高さの最高限度(住宅地区は 15 m)や建築物の形態又は意匠の制限、垣またはさくの構造の制限がかかってい るため、計画に合わせた地区計画の変更が必要になります。 9 ④高さ制限(航空規制による) ・航空規制による高さ制限により、当該地区は海抜57m以下となります。 ・当該敷地の海抜は約28mであることから、建物の高さ制限は地盤面より約29 mまでとなります。(平均階高を3.5mとすると、8階建の建築が可能) ⑤日影制限 ・沖縄県では近隣商業地域には日影規制は生じませんが、周辺の第一種中高層住 居専用地域と第一種住居地域は日影制限の規制を受けます。 ⑥接道条件と高低差 ・本計画地は東に県道7号線(南北方向の道路)、南に県道68号線(東西方向の 道路)の2つの幹線道路に接道します。隣接する豊見城交差点は5つの道路が 交差し、交通量の多い交差点です。 ・道路と敷地には高低差があり、豊見城交差点から西向け県道68号線は下り最大 3m程度の高低差があります。また、豊見城交差点から北向け県道7号線は緩 やかに上るなど、車・人の導入路として考察が必要になります。 ⑦防災 ・豊見城市における防災マップ等の検証が必要になります。 ⑧建築基準法による斜線制限(近隣商業地域) ・日照や風通しを確保するために道路斜線や隣地斜線の規制を受けます。 (2)敷地利用計画 ●敷地利用:庁舎、駐車場、広場等 ●庁舎規模:延べ床面積概ね 13,000 ㎡ ●駐 車 場:260 台以上 ●広 場:市民交流スペース 10 (3)施設計画 1)新庁舎へ配置する部署 新庁舎へ配置する部署は以下のとおりです。 ■配置する部署 部名等 課名等 総務部 総務課、秘書広報課、人事課、財政課、税務課、納税課 企画部 企画調整課、商工観光課、庁舎建設課 市民健康部 協働のまち推進課、市民課、健康推進課、国保年金課、生活環境課 福祉部 社会福祉課、障がい・長寿課、児童家庭課 都市計画部 都市計画課、振興開発課 経済建設部 道路課、都市施設課、農林水産課 水道部 総務課、施設課、下水道課 学校教育部 学校教育課、学校施設課 生涯学習部 生涯学習振興課 議会事務局、会計課、選挙管理委員会(監査委員)、農業委員会 2)立体的な配置の考え方 市民サービスやセキュリティ等の観点から、各部署の階層配置は市民利用の多い 窓口業務を低層階、中層階は市民があまり訪れないその他執務室、高層階は行政の 中核となる市長室や議会及び防災関連とします。なお、各フロアにおいても市民と 職員の動線に配慮します。 ①低層階 ・市民の利便性の観点から、窓口業務に関する部署を配置します。基本的には 1 階で収めますが、収まらない場合は 2 階への配置も検討します。 ・市民利用が多いものは、戸籍・住民票・印鑑証明に関する窓口及び税金に関す る窓口、高齢者利用の多い国民年金や国民健康保険に関する窓口、この他、子 育てや介護、福祉に関する窓口、保健事業に関する窓口となっており、これら を低層階に配置します。 ②中層階 ・日常的に窓口業務機能を有しない部署を中心に配置します。 11 ③高層階 ・行政の意思決定に関わる主要部署や議会機能を配置します。 ・セキュリティの観点から、重要となる情報通信機能(サーバー)や防災機能、 公文書保管などを配置します。 ④その他諸室について(現庁舎に存在する施設) ○低層階 ・現庁舎で1階に設けられているものに、ハローワーク、市民相談室、相談室、 ファミリーサポートセンター、JA沖縄 豊見城市役所支店があり、このような 市民利用の高い施設の配置が求められます。なお、多目的ホールも市民利用を 考えた場合、低層階が望まれます。 ・保健センタ-は、多くの市民が利用することから(動線の単純化、情報管理な どから)低層階への配置が望まれます。また、保健センターと関連する部署の 配置を検討します。 ○中層階 ・教育長室 ・会議室、打合せスペース、コピー室など業務に必要な諸室を設けます。 ○高層階 ・市長室、副市長室 ・防災室、電算室、庁議室、会議室(全庁的な利用)、倉庫 ・議会場、傍聴席、正副議長室、会派室、委員会室 12 など ■階層別部署配置(案) 階層 高層階 部名等 課名等 総務部 総務課、秘書広報課、人事課、財政課 企画部 企画調整課、商工観光課、庁舎建設課 議会事務局、選挙管理委員会(監査委員) 中層階 都市計画部 都市計画課、振興開発課 経済建設部 道路課、都市施設課、農林水産課 水道部 総務課、施設課、下水道課 学校教育部 学校教育課、学校施設課 生涯学習部 生涯学習振興課 農業委員会 総務部 税務課、納税課 市民健康部 協働のまち推進課、市民課、健康推進課、国保年金課、 生活環境課 福祉部 社会福祉課、障がい・長寿課、児童家庭課 低層階 会計課 13 <参考資料> ■現庁舎のフロア利用 床面積(㎡) 7階 137.26 6階 511.76 5階 661.48 4階 678.32 3階 3,191.36 2階 3,173.27 1階 3,467.39 合計 11,820.84 配置部署等 電機室 多目的ホール 防災室、ホール、会議室、倉庫 保健センター、駐車場 総 務 部:総務課、秘書広報課、人事課、財政課 企 画 部:企画調整課、商工観光課、庁舎建設課 市民健康部:健康推進課 市長室、副市長室、庁議室、議場、傍聴席、議会事務局、 正副議長室、第1委員会室、第2委員会室、第3委員会室、 防災室、電算室、第1会議室、第2会議室、第3会議室、 相談室 市民健康部:協働のまち推進課、生活環境課 都市計画部:都市計画課、振興開発課、 経済建設部:道路課、都市施設課、農林水産課 水 道 部:総務課、施設課、下水道課 学校教育部:教育長室、学校教育課、学校施設課 生涯学習部:生涯学習振興課 第1会議室、第2会議室、第3会議室、会議室、 農業委員会、選挙管理委員会、監査室 総 務 部:納税課、税務課 市民健康部:市民課、国保年金課 福 祉 部:社会福祉課、障がい・長寿課、児童家庭課 会計課 1階大会議室、年金係、ハローワーク、市民相談室、 相談室、ファミリーサポートセンター、オペレーター室、 JA沖縄 豊見城市役所支店 ■市民利用の多い窓口業務(アンケートより) 順位 1 2 3 4 5 6 窓口業務 戸籍、住民票、印鑑証明 市民税、固定資産税、軽自動車税 国民健康保険、国民年金 子育て、介護、福祉 担当課・係 市民課(86.2%) 税務課、納税課(44.6%) 国保年金課(34.0%) 児童家庭課、障がい・長寿課、 社会福祉課(28.9%) 保健事業に関すること(検診・予防接種など) 健康推進課(19.9%) 水道、下水道に関すること 水道部総務課(7.1%) 14 (4)配置計画 1)施設配置の考え方 庁舎、駐車場、広場など新たな庁舎建設においては、敷地条件を踏まえ周辺環境 との調和及び交通への影響を考慮し、次の様な考えを基本とします。 ・豊見城交差点を正面(顔)とし、市民が憩い交流が生まれる広場を設けます。 ・隣接する中学校への日影に考慮した建物配置とします。 ・建物は周辺へ圧迫感を与えないよう敷地境界からセットバックを行い、セット バックにより創出した空間は公共空間と一体的な有効活用を行います。 ・駐車場は、接道状況や交通量及び敷地条件(道路との高低差)を考慮し、必要 な規模を確保するため立体駐車場や地下駐車場の検討を行います。 ・隣接する中学校への環境に配慮し、緑化などを行います。 2)動線の考え方 ①歩行者 ・豊見城交差点をメインの入り口とし、バス停など各方面からアクセスできるよ う配慮します。 ・敷地は道路と高低差があることから、高齢者や障がい者が容易にアクセスでき るよう配慮します。 ・来客用駐車場から庁舎への安全で快適な動線を確保します。 ②車両 ・豊見城交差点の交通量に配慮し、庁舎から発生する車両交通の集中を避けるた め、県道 7 号線、県道 68 号線の二方向の出入り口を検討します。 ・県道 7 号線は敷地との高低差から敷地北側に出入り口を検討します。 ・県道 68 号線は敷地の高低差を利用し、庁舎の地下に出入り口を検討します。 ・各方面からの車の出入りがスムーズに行えるよう関係機関との調整を行います。 15 3)新庁舎建設地のゾーニングの考え方 庁舎、 駐車場、 広場は必要な規模を望ましい形態で確保することが望まれますが、 敷地条件により困難な場合は、庁舎、駐車場、広場のどちらを優先するかによって 幾つかのパターンが想定されます。 <望ましい形態、規模> ・庁舎(市民利用の観点から窓口業務に関する部署を低層階に配置し建築面積 3,000 ㎡の2階を確保) ・駐車場(敷地条件から立体駐車場と地下駐車場の両方を検討し 260 台以上を 確保) ・広場(十分な広さの市民交流広場の確保) 16 <A パターン:必要な庁舎規模と駐車場を確保> ①庁舎を敷地の中央(県道 68 号線側)、立体駐車場を敷地西側(庁舎の地下駐車 場も検討)、広場は豊見城交差点側に配置します。 ②車両動線は、立体駐車場が県道 7 号線側、地下駐車場は県道 68 号線側に出入り 口を設けます。 ③歩行者動線は、豊見城交差点にメインの出入り口を設けるとともに、バス停から の動線も確保します。 ④広場は豊見城交差点に残されたスペースを確保します。 ※広場スペースが小さくなります。 ■ゾーニング(A パターン) 県道 7 号線 駐車場出入り口 立体 駐車場 庁舎 広場 歩行者用 出入り口 駐車場出入り口 県道 68 号線 17 <B パターン:必要な庁舎規模と十分な広場を確保> ①庁舎を敷地西側に配置、広場は東側に配置、駐車場は全て地下に配置します。 ②、③は A パターンと同じ。 ④豊見城交差点側に十分な広さの広場を確保します。 ※地下部分が増えるため建築工事費が高くなります。 ■ゾーニング(B パターン) 県道 7 号線 駐車場出入り口 庁舎 広場 歩行者用 出入り口 駐車場出入り口 県道 68 号線 18 <C パターン:駐車場と十分な広場を確保> ①立体駐車場を敷地北側(庁舎の地下駐車場も検討)、広場は豊見城交差点側、庁 舎を敷地の南側に配置します。 ②、③は A パターンと同じ。 ④豊見城交差点側に十分な広さの広場を確保します。 ※庁舎の建築面積が小さくなることから、市民サービスが低層階に収まらない可能 性があります。 ■ゾーニング(C パターン) 県道 7 号線 駐車場出入り口 立体駐車場 庁舎 広場 歩行者用 出入り口 駐車場出入り口 県道 68 号線 新庁舎建設のゾーニングについては、周辺環境や敷地条件等から前述のパターンが 考えられますが、基本設計を行う中で基本構想の理念や方針を実現する庁舎建設を検 討するものとします。 19 4.庁舎建設に向けた事業計画 (1)事業方式 庁舎建設の事業手法には、公設直営(従来)方式、PFI方式、リース方式などが あげられます。各方式の概要及びメリット、デメリットは以下に示すとおりです。 ■事業手法の比較 公設直営(従来)方式 PFI方式 概要 ・市の財政や資金を用 いて施設の設計、建 設、維持管理、運営 の各業務を委託・請 負契約として別々に 民間事業者に発注す る方式です。 メリット ・発注者の意向を反映 ・民間事業者のノウハ した設計、施工によ ウの活用や事業費の り品質を確保しやす 縮減、財政負担の平 くなります。 準化が期待できま ・地元企業の参入が容 す。 易です。 ・早期に事業を進める ことができます。 ・起債の活用により財 政負担の平準化が可 能です。 デメリット ・事業費の縮減は他の 手法より期待できま せん。 リース方式 ・PFI事業者が施設 ・市有地を民間事業者 を建設し、その後、 に賃貸し、民間事業 施設の所有権を公共 者は資金調達から施 に移管した上で、P 設の設計、建設、管 FI事業者が施設を 理運営を行います。 管理、運営します。 施設整備後に市が長 施設の所有権を移管 期リースを行うもの する時点で建設費が です。 支払われることが多 くなっています。 ・民間事業者のノウハ ウの活用や事業費の 縮減、財政負担の平 準化が期待できま す。 ・民間事業者の意向調 ・リース会社の選定に 査やリスク分担の整 ある程度の期間を要 理等、事前準備に相 します。 当 の 期 間 を 要 し ま ・設計等に発注者の意 す。 向反映が難しくなり ・導入可能性調査やア ます。 ドバイザー費用が発 ・リース期間はリース 生します。 会社の所有となり安 定的な施設利用がで きるとは限りませ ん。 20 「緊急防災・減災事業債制度」の活用を前提としていることから、事前準備に相当 の期間を要するPFI方式は困難となり、リース方式については事業債の対象外とな ります。 これらのことから、「緊急防災・減災事業債制度」の活用については、早期に事業 を進めることができる公設直営(従来)方式とします。 (2)概算事業費、資金計画 1)概算事業費 新庁舎建設に係る工事費は、基本設計や実施設計の段階で詳細に算出しますが、 概算事業費は県内事例を参考に約 41 億円と想定します。 なお、工事費は庁舎の構造やデザイン及び仕様によって異なるほか、資材価格の 変動等により変わります。 ■県内事例 A市 C市 D町 地上5階、塔屋 地上3階 地下1階 地上4階 延べ床面積(㎡) 38,586.0 15,434.0 13,127.6 6,446.0 駐車場 (一般、公用) 117 台 95 台 170 台 建築形態 地上 12 階 地下 2 階 230 台 総事業費 89 億円 B市 57 億円 60 億円 25 億円 注:A市とB市は実施値、C市とD町は計画による値。 2)資金計画 財源は、本市の厳しい財政事情を勘案し、一般財源を抑制するため、「緊急防災・ 減災事業債制度」や「一般単独事業債」の地方債の活用を前提とします。 緊急防災・減災事業債制度は将来返済する元利償還金のうち、70%が普通交付税の 基準財政需要額へ算入することができ、一般財源の負担軽減を図ることができます。 ■財源内訳 項 目 金額(千円) 地方債(緊急防災・減災事業債) 3,470,000 地方債(一般単独事業債) 50,000 一般財源(庁舎建設基金含む) 合 630,000 計 4,150,000 21 (3)設計者の選定 設計者の選定方法には、競争入札方式、コンペ方式、プロポーザル方式があります が、それぞれの概要やメリット、デメリットは以下に示すとおりです。 ■設計者選定方式の比較 競争入札方式 コンペ方式 プロポーザル方式 概要 ・複数の設計者から設 ・複数の設計者から庁 ・設計者の創造力、技 計料の提案を受け、 舎 の 設計 案の 提 案 術力、経験及び実施 最 低 価格 を選 定 し を受け、最も優れた 体 制 等提 案 書に よ ます。 設 計 案を 選定 し ま っ て 審査 す るこ と す。 により、設計者を選 定する方法です。 メリット ・手続きが簡易で、公 ・選定段階で、最も優 ・良質な設計者の選定 平性、透明性が確保 れ た 案を 選ぶ こ と が可能です。 されます。 ができ、デザインや ・選定後、設計に発注 ・最も安く設計できま プ ラ ンを 概ね 確 定 者 や 市民 の 意見 を す。 す る こと がで き ま 盛 り 込み や す く な す。 ります。 ・コンペ方式に比べ費 用 や 時間 が かか り ません。 デメリット ・必ずしも良い設計が ・設計案作成にあた ・選定過程において透 で き ると は限 り ま り、行政は必要な条 明 性 や客 観 性を 確 せん。 件 を 提示 する 必 要 保するため、評価方 があります。また、 法 や 評価 基 準を 明 提 案 を受 ける に あ 確 に する 必 要が あ た り 報酬 が必 要 に ります。 なります。(時間と 費用がかかります) ・設計案を選ぶので、 大 き な変 更は 難 し くなります。 検討の結果、市民や発注者のニーズへの対応、技術・経験・実績を備えた設計者の 選定に優れたプロポーザル方式とします。 22 (4)事業スケジュール 新庁舎の建設は「緊急防災・減災事業債制度」の活用を前提とし、平成 28 年度中 の建設工事の着工が必須となります。このため、平成 27 年度に基本設計・実施設計 に着手、平成 28年度に工事着手の予定です。 ■新庁舎建設計画スケジュール 平成 26 年度 4月 平成 27 年度 3月 4月 平成 28 年度 3月 4月 3月 基本構想・基本計画 ・庁舎建設位置決定 プロポ ーザル 基本設計・実施設計 ・用地測量、地質調査 ・用途地域変更など 建設工事 ・庁舎工事、外構工事など 23
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