コミュニケーション研修 (口頭のコミュニケーションの基礎。抜粋) 声を出す!

まず、施設内コミュニケーションをよくするのは…
禁無断転載、不許複製
• 働きやすい環境をつくるため
– 保育の仕事はストレス度が高い(人間環境が狭い。「休
み時間」と言っても、一人で外に出ることもできない)
– 言うことを聞かないのが当然、の子どもを相手にする
コミュニケーション研修
(口頭のコミュニケーションの基礎。抜粋)
この内容は、夏の終わり頃には
エイデル研究所より出版予定
掛札逸美(博士・社会/健康心理学)
NPO法人 保育の安全研究・教育センター
http://daycaresafety.org/
• 情報を回すことで、安全をつくり、職員と保護者の安心を
つくるため → 職員の仕事と心を守る
• 情報を回し、相談をし、戦略を立てることで、保護者対応の
質を上げるため → 職員の心を守る
• もちろん、パワハラなどを防ぐため
掛札逸美、2015年
コミュニケーションとは?
情報が回らない園、上がってこない園は危険
• 組織内コミュニケーションは、リスク・マネジメントの基礎

相手に、

相手が
• 危なさや安全、保護者・家族対応などについて、自由に話し
あえる「風通しの良い」保育所(施設)をつくる
– 「これは危険」「ヒヤリハットした!」「対応、困ったなあ」と
思った時、先輩、主任、園長に伝えられる?
– 先輩、主任、園長は、情報をきちんと受け止められる?
– 報告・連絡・相談は、「したつもり」では、絶対にダメ
声を出す!
掛札逸美、2015年
自分の
ように(形で)、
ことを(が)
伝え(わ)ること
ことを受け止めること
• 自分(たち)自身がこの努力をしないでおいて、
「伝わるはずだ」「伝わらないのは相手が悪い」
「苦情が突然、降ってわいてきた」と思っていたら、
まともなコミュニケーション(園内での情報共有、
保護者との関係づくり)はできない 掛札逸美、2015年
1
掛札逸美、2015年
ちなみに、「スキル」とは…?
• ほぼすべて「言い方(=声のトーン)」! (内容よりずっ
と大事)
子ども時代から身につけていくもの
知識・
技術
新しい知識
を学ぼうと
いう姿勢
知識や技術を必要な
時、適切に使う手法
スキル
学ぶ
スキル
物事の見
方、態度
姿勢(態度)
「成長しよう」「よ
+ り良くなろう」と
いう意思、希望
+
スキルを身に
つけ、効果
的・効率的に
使おうとする
姿勢
コミュニケーション・スキルの基礎の基礎
性格、気質
性格、気質はなかなか
変えられないが、性格
や気質の表現である
「行動」を、対人関係、
職場でコントロールする
スキルを身につけるこ
とはできる
• 怒った声、いらいらした声、冷たい声で言ったことは、相
手に伝わらない(ネガティブな感情だけが伝わる)
• おとな同士の会話であっても、おとなの声にこもっている
ネガティブな感情を、子どもたちはキャッチする(乳児で
あっても。これは実験から明らか)
→ 子どもも先生を怖がる、バカにするといった行動をとる
• 自分の声のトーンに気づく、自分の声のトーンをコント
ロールする
掛札逸美、2015年
掛札逸美、2015年
コミュニケーション・スキルの基礎の基礎
• ネガティブな感情ばかり伝えていたら、あなたは何も
言ってもらえない人、聞いてもらえない人になります!
(=裸の王様)
• 「なんでも言ってね」「なんでも、おっしゃってくださいね」
(やわらかく)、「言ってくれてありがとう!」「教えてくだ
さって、ありがとうございます!」(笑顔で明るく)
真の笑顔。
笑顔と声の
トーン
声出しのワーク、声がけのワーク
• 相手に「ネガティブ」ととられない声のトーンを実感して
みましょう(簡単ではありません!) → 園内でも皆で
ワークを
• 他の職員の、子どもへの声がけ、保護者への声がけ
を聞いて、「もう少し明るくしてみたら?」「あ、ありがと
う、言ってくれて。また言ってね!」「うん、私にも、気
づいたら言ってね」
→ 「言われ慣れる」「言い慣れる」文化へ
• 「好き嫌いではない」「仕事は仕事」を明確に!
掛札逸美、2015年
2