H27年度9-11月

H2709市民農園講習会資料(池田)
【エンドウの栽培】
播種時期 11 月上旬~下旬
元
肥(以下の肥料(1 ㎡あたり)を、播種または定植 1 週間前に鋤き込んでおく)
苦土石灰 150g、
緩効性化成肥料 100g あるいは発酵済み有機質肥料 120g
完熟堆肥 2kg
◎過りん酸石灰、ようりんがあれば同時に施肥してすき込むとよい。
◎前作の窒素肥料が残っている場合、施肥量は減らす。
◎未発酵の油かすや鶏糞などを肥料として用いる場合は植え付けの 1 か月前
にすき込み、土中で十分に腐熟させておく。
◎マメ科は根に根粒菌が寄生して空中の窒素が固定されるので窒素肥料は
控えめとする。
◎過湿に弱いので排水不良の場所では高畝にする。
◎畝幅は 100~120cm
播
種 株間の生育を揃えるため箱播きあるいは 9cm鉢に播くのが良い。
種子は 1cmくらいの深さに播く。鉢では 1 鉢に 2 粒播く。
播き時を失念した場合は直播する(11 月下旬)。
発芽前後に鳥害に遭いやすいのでネットのトンネルをかけた方がよい。
植え付け 本葉が 2 枚程度になったら(11 月下旬)、苗を 30cm間隔で鉢土の
表面と植え付け場所の土の高さが同じ程度になる深さに植え付ける。
その後の管理 霜よけと土の乾燥防止のために、植え付け後に株元に稲わら、
もみがら、枯れ草、堆肥などを敷くと良い。
◎雑草は小さい間に除草する。
◎厳寒期から早春にかけて鳥の食害を受けやすいので防鳥ネットを張るか、
防寒をかねてトンネルを張る。
◎2 月上中旬と 3 月上中旬に化成肥料か発酵済み有機質肥料を追肥する。
◎つるが伸び始めたら(2 月下旬~3 月)支柱を立てネットを張って誘引する。
◎親づる、子づるに結実しやすいのでこれらのつるを大切にする。
注意点 ①連作は避ける(3~4 年)
②酸性土壌、過湿に弱い。
③早播きして株が大きすぎると冬の寒さで株が傷みやすい。
本葉 3~5 枚程度で冬越しさせる。
④プランターで栽培する時はつるなしの品種の方が良い。
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ソラマメの栽培
播種時期 10 月中旬~11 月上旬
元
肥
(以下の肥料(1 ㎡あたり)を播種又は定植 1 週間前によく鋤き込んでおく)
苦土石灰 120g
緩効性化成肥料 100g あるいは発酵済み有機肥料 120g
完熟堆肥 2kg幅は
畝幅は 100~120cm
◎過りん酸石灰、ようりんがあれば同時に施用してすき込むとよい。
◎前作の窒素肥料が残っている場合は施肥量を減らす。
◎油かす、鶏糞などを使う時は 1 か月前に施用して土中で腐熟させておく。
◎マメ科は根に根粒菌が寄生して空中のチッ素が固定されるので窒素肥料
は控えめとする。
播
種 生育を揃えるため箱播きあるいは 9cm 鉢に播くのが良い。
オハグロ部を下にして縦に 2/3 くらいが土に埋まる様に、また種子
のくぼみのある方が上方になるようにやや斜めに播く。
鉢では 1 鉢に 2 粒播く。
土の表面
播き時を失念した場合は 11 月上旬
までに直播する。
芽の伸びる方向
根の伸びる方向
発芽前後に鳥害に遭いやすいので
ネットのトンネルをかけた方がよい。
植え付け 本葉が 2 枚程度になったら(11 月中下旬)、苗を 40cm 間隔で植え
付ける。
その後の管理
◎霜よけと土の乾燥防止のために、植え付け後は株元に稲わら、もみがら、
枯れ草、堆肥などを敷くと良い。
◎雑草は小さい間に除草する。
◎厳寒期から早春にかけて鳥の食害を受けやすいので防鳥ネットを張るか、
防寒をかねてトンネルを張る。
◎茎が伸び始めてきたら倒伏防止のため、畝の端の土を株元に土寄せする。
◎地際から多数の茎が伸びてきたら遅く出てきた貧弱な茎は切り取り、
1 株 7~8 本仕立てとする。
◎開花し始めたら根を傷めない様に畝の端に化成肥料あるいは発酵済み有機
肥料を追肥する。
注意点 ①連作は避ける。
②酸性土壌に弱い。
③早播きしすぎると大株となって冬の寒さで株が傷みやすい。本葉5枚
程度で冬越しさせる。
④土の乾燥に弱いので乾燥していたら晴天日に水をやる。
⑤春先にアブラムシがつきやすいので早めに防除する。
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ニンニクの栽培
植付時期 9 月下旬~10 月下旬
元
肥(以下の肥料(1 ㎡あたり)を、定植 1 週間前によく鋤き込んでおく)
苦土石灰 120g、完熟堆肥 3kg
緩効性化成肥料 120g あるいは発酵済み有機質肥料 150g
畝幅は 60~80cm。
水はけの良い場所を好むので、水はけの悪い場所では高畝にする。
◎過りん酸石灰、ようりんがあれば同時に施用してすき込むとよい。
◎未発酵の油かすや鶏糞などを用いる場合は植え付けの 1 か月前にすき込み、
土中で十分に腐熟させておく。
植
付
◎冬季の地温確保のために黒マルチを張る場合は条間 30cm、
株間 20cm で
穴をあけておく。
◎六片種など球が数個に分かれるものは手でばらし、腐っているのは取り
除いておく。
◎5cm くらいの深さの植穴を掘り、親球の上下を間違わないよう注意して
植え、土をかぶせる。
その後の管理
◎植え付けから芽が出るまでの間は土が極端に乾燥しないように注意し、
必要があれば水やりを行う。ただし、水やりが多すぎると球が腐る。
◎11 月中下旬と 2 月中旬~3 月中旬に化成肥料か発酵済み有機質肥料を
追肥する。
◎マルチなしの場合、霜よけと土の乾燥防止のために、株元に稲わら、
もみがら、堆肥、枯れ草などを敷くと良い。
◎1 球から芽が 2 つ以上伸びてきたら、最も大きいのを残し、他は根元から
取る。
◎雑草は小さい間に除草する。
◎5 月頃にトウ(つぼみ)が出てきたら摘み取る。
◎梅雨入り前の晴天の日に掘り上げ、半日ほど乾かして日陰の風通しの良い
場所で吊して保存する。
<注意点>
① 食用として売られているニンニクは低温処理を施して発芽しにくいように
されていることがあるので、親球はかならずニンニク生産用のものを使う。
自家生産球を使う場合は冷蔵庫で保管しないようにする。
② 最終の追肥が遅すぎると収穫したニンニクに苦みが出ることがあるので、
3月中に追肥は終える。
③ 連作はなるべく避ける。
④ 葉に縞や斑点があるのは植物ウイルスにかかっている可能性があるので、
次年の親球には用いずに食用として消費する。
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いちごの栽培
植付時期 10 月中旬~11 月下旬
元
肥(以下の肥料(1 ㎡あたり)を、定植 1 週間前によく鋤き込んでおく)
苦土石灰 120g、完熟堆肥 2kg
緩効性化成肥料 120g あるいは発酵済み有機質肥料 150g
畝幅は 60~80cm
◎過りん酸石灰、ようりんがあれば同時に施用してすき込むとよい。
◎未発酵の油かすや鶏糞などを用いる場合は植え付けの 1 か月前にすき込み、
土中で十分に腐熟させておく。
植
付 4~5 枚の葉があり根がしっかりした苗が良苗で、大きすぎる苗は栄養
成長が盛んになりやすいので避けた方がよい。クラウンと呼ばれる葉の
付け根の肥厚部が土に埋まるか埋まらないくらいの浅植えにする。
深植えにすると生育が悪い。株間 30cm、条間 30cm の 2 条植え。
ランナーが伸びて苗となるが、親株側と反対側に第一花房ができるので
親株側をうねの内側にして植えると果実がうねの外側になる。
植え付け後はたっぷり水をやる。
その後の管理
◎霜よけと土の乾燥防止のために、株元に稲わら、もみがら、堆肥、枯れ草
などを敷くと良い。
◎雑草は小さい間に除草する。
◎2 月下旬から 3 月上旬に 1 ㎡あたり 150g 程度化成肥料を追肥する。
◎追肥後に黒マルチを張り、マルチの上から株のある場所を手で探りマルチ
を破って株をマルチの上に出すと地温確保と同時に収穫時に果実が泥で
汚れにくくなる。マルチを張らない場合は 4 月に花房が見えてきたら株の
周囲にわらや枯れ草を敷き、果実が降雨時の泥で汚れないようにする。
<注意点>
①連作はなるべく避ける。
②肥料の濃度障害を受けやすいので、1 箇所にまとめての施肥はしない。
苗の植付深さ
苗の植付
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§たまねぎの植え付け
たまねぎの原産地は中央アジアといわれていますが、原種は未発見ではっきり
したことはわかっていません。日本に伝わったのは江戸時代末期といわれ、明治
初期に北海道で春播き、明治中期に泉南(大阪府)で秋播き栽培が普及しました。
現在、日本で栽培されているたまねぎの品種は明治初期に北海道に導入された
品種が基となっているといわれ、それぞれの地で長年かけて栽培しやすいように
選抜された札幌黄や泉州中高黄などの品種があり、種苗会社で育成された品種と
ともにひろく栽培されています。現在、近畿地方では淡路島や泉南が大きな産地
で、近畿以外では北海道、佐賀県、愛知県などが大きな産地です。輸入物も多く
流通しています。
栽培時期は、本州・九州では秋播き~翌年 4 月以降に収穫、北海道では春播き
~9 月以降収穫。が主です。
食べ方は品種により適・不適がありますが、生食、炒め物、揚げ物、煮物のいず
れも可能な利用用途の広い野菜です。このため、和洋中のいずれの料理でもよく
使われ、生産と消費の多い野菜の一つです。炭水化物が約 8%含まれています。
たまねぎを切り刻んだときに揮散して涙を出させる成分の正体は硫化アリルと
いい、ネギの仲間に広く含まれます。この成分は炒めたり炊いたりすると甘みの
ある成分に変化します。魚や肉の臭み消しにたまねぎが使われることがあります
が、硫化アリルはこの作用にも活躍します。硫化アリル以外にもアリシンや
ケルセチンなどたまねぎに含まれる機能性成分が近年注目されています。
たまねぎは冬春期に栽培される多くの野菜と同様に、ある期間と量の低温に
遭うと花芽をつけるようになります(春化といいます)。たまねぎは緑植物型と
いうタイプに属し、ある大きさ以上の幼植物が低温に遭うと花芽をつけます。
花芽ができるために必要な低温量は品種により違います。花芽ができてトウ立ち
すると玉が肥大しなくなるので、植え付け時に大きすぎる苗は避けるようにしま
す。小さすぎる苗は冬の寒さで傷みやすく越冬率が低下するとともに翌春の玉の
肥大が悪いので苗の大きさの兼ね合いは悩ましいところです。
3-5%程度の株が抽台したときに収量が最大になると言われていますので、多少の
抽台株発生はやむを得ないと割り切った方がよいのかもしれません。
生産者はそれぞれの栽培地でどのくらいの大きさの苗がよいかを長年の経験から
感覚として覚えています。
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H2710 市民農園講習会資料(池田)
【植え付け時期】
早生で 10 月中下旬、中生で 11 月上中旬、晩生で 11 月中旬~12 月上旬。
【元肥】
植え付け 1 週間前までに土にすき込む。畝幅は 80~120cm。
(1 ㎡あたり) ・苦土石灰 150g、
・緩効性化成肥料 100g あるいは発酵済み有機質肥料 120g
・完熟堆肥 2kg、
◎未発酵の 油かすや鶏糞などを肥料として用いる場合は植え付けの 1 か月前に
すき込み、土中で十分に腐熟させておく。
◎過りん酸石灰、ようりんがあれば同時に施肥してすき込むとよい。
◎酸性土にやや弱いので土が低 pH の場合は石灰質資材を多い目に施す。
◎前作の窒素肥料が残っている場合は施肥量を減らす。
◎過湿に弱いので排水不良の場所では高畝にする。
◎冬季の地温上昇と雑草防除を兼ねて穴あきの黒マルチを張っても良い。
【植え付け】
葉数が 3 枚程度、茎基部の直径が 5mm 前後、重さが 4~6g の大きさの苗が
最適です。これよりも大きいほど、春の早期抽台の危険性が高くなります。
株間・条間ともに 15~20cm 間隔くらいで植え付けます。株間・条間が狭くなる
ほど収穫時の玉が小さくなるので適宜に加減すると玉の大きさをある程度調節
できます。
植え付け深さは茎の基部の白い部分が 2cm 程度土に埋まるくらい。
根が傷んだ苗も病気苗でなければ植え付けてよい。
植え付け後は十分に水をやります
(翌日に降雨のありそうな日に植えると水をやらなくても良い)。
植え付け後も 10 日間くらいは土が乾燥したら水をやって苗の活着を促します。
【その後の管理】
マルチ無しの場合は、霜よけと土の乾燥防止のために植え付け後に株間に稲わら、
もみがら、枯れ草、堆肥などを敷くと良い。
◎雑草は小さい間に除草します。
◎年内、2 月上中旬、3 月上中旬に化成肥料か発酵済み有機質肥料を追肥しま
す(堆肥をマルチとして用いた場合は年内の施肥は省略可)。
マルチを張っている場合は肥料が土中に残ってるので生育具合を見ながら
量を加減します。最後の追肥が遅れ窒素肥料が遅くまで効いていると収穫後
の保存中に腐敗しやすくなるので、吊したまねぎとして長期保存する場合は
気をつけましよう。
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H2710 市民農園講習会資料(池田)
【収穫】
茎が 80%くらい倒れた時が収穫適期と言われています。広く栽培される中生や
晩生の品種は 5 月下旬から 6 月中旬の晴天日に収穫します。
極早生や早生の品種は晩生品種と比較すると貯蔵性が低いので風通しの良い
場所で保管し、順次に食用にします。晩生の品種は風通しのよい日陰で吊し
貯蔵すれば年末から年明けまで貯蔵可能です。
同じ品種でも、大玉は中小玉よりも貯蔵性が劣るので注意します。
赤玉の品種は黄玉や白玉の品種と比較すると貯蔵性が劣り、長期貯蔵には向か
ないのが多いので夏が終わるまでに食べきるようにします
(6 月収穫で 8 月下旬ころまで)。
§だいこん・はくさいなどの管理
だいこん、はくさい、にんじんはこまつなやみずなと比べると生育期間が長い
のでけっこう肥料を必要とします。根の肥大開始期や結球開始期の適期に追肥を
与え肥料を効かせることが重要な点です。
1.だいこん
初期の生育を促すと根の肥大がよくなるので、本葉 5~6 枚ころに窒素、カリ
を含む即効性肥料を追肥します。リンは元肥として施用すると効果が高く追肥の
効果は劣ります。
もちろん、リンを含む肥料を追肥することは全く問題ありません。追肥と同時に
株の周りの土の表面を軽く耕すと肥料成分が土の表面を流れてしうことがなく、
また雑草防除や土の中に空気が入りやすくなり良い影響が期待できます。
初期生育を促すという点からは、雑草がひどい場合は除草します。だいこんが
ある程度大きくなれば雑草の方がだいこんとの競争に負けていきますし、気温も
次第に低下していくので雑草の生育は次第に衰えていきます。
2.はくさい
葉の枚数が 15-20 枚くらいになると内側の葉が立ち上がりはじめ、播種後
40-50 日くらいになると結球を始めます。内側の葉が立ち上がり始めてからも
結球できるだけの葉数、葉の大きさや形が継続して保たれる必要があり、日照不
足、肥料不足や土の極端な乾燥や過湿、虫による食害などで生育が抑えられると
結球不良や不結球を起こします。このため、外葉をしっかりと大きくし、結球
開始後も肥効が途切れないようにする必要があります。
早生品種は早くから結球しはじめるので元肥主体の施肥、栽培期間が長くなる
中生や晩生の品種では基肥と追肥をおおよそ等量として栽培の途中で肥料切れを
起こさせないよう数回に分けて追肥することが必要です。窒素質肥料は多すぎる
と収穫時の葉に黒い小さなごま粒状の黒色の斑点が発生(ごま症)しやすくなりま
すのでやり過ぎには注意しましょう。
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3.にんじん
にんじんの可食部は茎の下部と根です。可食部の上部に光が当たると緑色を帯
びるので間引き後に株元に追肥を施し、土寄せをして肩部に光が当たらないよう
にします。この時に葉の付け根に土が入らないように気をつけます。
4.ブロッコリ
ブロッコリの食用部分は蕾です。蕾ができるには低温に遭うことが必要で、
たまねぎと同じく緑植物型の春化反応を示します。極早生から晩生までの品種が
ありますが、極早生品種は比較的小さい植物体や 20℃程度の比較的高い気温でも
感応し、さらに花芽分化開始までに要する低温の期間も短めであるのに対し、
晩生品種は温度に感応するために必要な植物体の大きさが大きく 5℃以下の気温
でないと低温と感応せず花芽分化に必要な低温期間も長期間必要です。低温に
感応して花芽を分化し始める時の茎の太さは蕾の大きさ、すなわち可食部の大き
さを決める大きな要因です。極早生品種は定植後まもなくに花芽分化を開始する
場合もあるので生育が旺盛な苗を植え付け初期生育を活発に行わせることがとて
も重要です。
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H2710 市民農園講習会資料(池田)
§ 9 月の相談内容から重要と思われる質問についてあらためて説明します
1. 夏作トマトの根を掘りあげたらネコブセンチュウが寄生していた。
根にこぶをつくる線虫は日本では数種類が報告されていますが、関東以西では
サツマイモネコブセンチュウの被害がもっとも大きく今回の相談もおそらく
この種と思われます。その名のとおり、サツマイモを含めたイモ類やナス科
(ナス、トマト、ピーマンなど)、ウリ科(キュウリ、ニガウリなど)、アブラナ科
(ダイコン、カブ、ハクサイ、コマツナ、ミズナなど)、ニンジン、マメ類など
家庭菜園でよく栽培される野菜のほとんどが大好物です。
被害を受けにくいのはタマネギ、セロリ、イチゴ、落花生、ソラマメなど一部に
限られます。雑草に寄生することも多いので厄介です。
いったん侵入すると完全な防除が困難というか不可能に近い害虫の一つです。
地温が 15℃以上になると活動が活発になるので春夏作で被害を受けやすく、
秋作でも早い作では被害が発生します。センチュウの密度が高いと日中に葉が
萎れ生育が悪くなりますが、密度が高くない場合は収穫後の根を引き抜いて
初めて感染に気づく場合も多い様です。
前年に全く発生していなかったとすると、苗による持ち込み、汚染畑で使用し
た農機具や作業靴に付着しての持ち込みの可能性が大きいと考えられます。
【対 策】
① 被害を受けた根が見つかった場合、被害が見られなかった株も含め根は
外部に持ち出して廃棄する。根に付いている土は強くふるい落とさない
方が良い。雑草の根も丁寧に取り除いた方が好ましい。
② 完熟堆肥を施用する。
ネコブセンチュウを捕食するミミズやネコブセンチュウに対抗してしかも
植物に被害を及ぼさない善玉のセンチュウ、カビ、細菌など土中の微生物
の種類を増やしネコブセンチュウの増殖を抑える。完熟堆肥を施して土中
の微生物の活動を高め残根を速やかに腐熟させるのは寄生部位を無くす
点でも好ましい。
③ 対抗植物を栽培する。
ネコブセンチュウの増殖を抑える植物はいくつかありますが、種子が入手
しやすいのはマリーゴールドです。マリーゴールドにはアフリカン、
フレンチ、メキシカンの 3 タイプがあり、いずれも効果があります。
特にアフリカンマリーゴールドは生育が旺盛で暑さにも強く適しています。
5 月上中旬に植え付け、8 月上旬に花ごと刈り取り 10cm くらいの長さに
切って株全体をすき込みむと秋作に間に合わせる事ができます。
マリーゴールドを全面に栽培できればそれに越した事はありませんが空い
ている場所や株間で栽培するのも一法です。1 か月ほどかけて土中で完全
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H2710 市民農園講習会資料(池田)
に腐熟させると秋作以降で効果が期待できます。すき込むと⑦の石灰窒素
や⑧の薬剤防除では効果が出にくい表面から 20cm よりも深い部分でも
効果が見られます。
試験例により異なりますが効果の持続期間は 1~2 年です。
④ 輪作の徹底。
栽培面積の限られている中での輪作はなかなか難しいこともあるでしょう
が、少なくとも同じ作物を毎年同じ場所で栽培することは避けます。
⑤太陽熱を利用した土壌消毒
梅雨明け後、土を掘り返して畝立て後に透明マルチで畝を完全に覆いマル
チの周囲に土をかぶせ熱が逃げないようにして、半月程度そのままにして
太陽熱を利用して土を消毒します。
センチュウ以外の害虫や雑草の種子も死んでしまいますので、畑に余裕が
あればぜひ取り入れてほしい対策です。
⑥ 抵抗性品種や抵抗性台木に接ぎ木された苗を栽培する。
⑦ 石灰窒素の利用
石灰窒素は土壌消毒剤としての作用と窒素肥料としての作用の 2 つの働き
をあわせ持っています。土中での分解時にシアナミドというガスを発生し、
これが消毒剤としての効果を発揮します。50~100g/㎡を散布して丁寧に
すき込みます。
すき込み後は作物を植え付けられるようになるまで最短でも半月程度を要
します。肥料として窒素を含むので施用後の窒素施肥は控え目とします。
⑧ 薬剤による防除
いくつかの薬剤がありますが、家庭菜園で使用できる農薬は限られてきま
す。ネマトリンエース粒剤は播種・定植直前に処理するのが最も効果が
高い農薬で使いやすいのですが、栽培できる作物が限られます。
薬剤は地表面から 20cm 程度までのセンチュウ密度を一時的に下げます
が、栽培期間が長い作物では収穫時にはセンチュウの密度が回復している
こともある様です。防除前に雑草も含め土中の根を丁寧に取り除いておく
ことが防除効果を高めることにつながります。
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H2710 市民農園講習会資料(池田)
2. ソラマメやエンドウのハモグリバエ(エカキムシ)対策
ハモグリバエはいろいろな種類がありますが春先のソラマメやエンドウの柔ら
かい葉が大好物です。
① 近くに冬の間の生息場所があるはずですので、それを取り除いたり防除し
ます(例えば、周辺の雑草、秋から栽培しているはくさいやブロッコリなど
のアブラナ科野菜の葉)。
② 例年被害のひどい場所では 1mm 目以下の防虫ネットを被せると被害を
抑えることができます。ただし、ネットの中にハモグリバエが入るとハモ
グリバエを飼うみたいなことになるので入らせないよう注意が必要です。
③ ホームセンターで容易に入手できる農薬としてはマラソン乳剤がありま
す。希釈倍率、散布量、散布回数や散布期限は製品のラベルをよく読んで
ください。
3. ハヤトウリの雌花がつかない。
ハヤトウリは短日性植物といって明るい時間が短くなると開花する習性
(本当は連続した暗い時間が必要)があります。通例、開花は 9 月中下旬頃から
です。街灯や人家からの明かりなどで暗い時間が短いと開花しにくくなるので
植え付け場所は注意が必要です。
4. 葉ネギの葉が途中で折れる。
軟弱に育っているためと思われます。
その原因として、①日照不足、②窒素質肥料の過剰施用、③水のやり過ぎ
(土壌水分の多すぎ)、などが考えられます。
5. しょうがの新葉が黄色い。
石灰質資材のやり過ぎで土の pH が高くなり、土中の鉄が吸収されにくくなっ
たことによる鉄欠乏症と思われます。野菜の種類により好む土壌 pH は異なる
ので石灰質資材を施用する時は注意が必要です。多くの野菜は pH が 5.5~6.5
の間なら好適 pH の範囲といえます。
低 pH を好む野菜では石灰質資材は施用しなくても問題ない場合が多いです。
○低 pH(5~6)を好む野菜::しょうが、など。
○中性に近い pH を好む野菜::ほうれんそう、えんどう、たまねぎ、など。
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§冬野菜の管理・手入れ
【苗の植付け】
11 月が植え付け適期の野菜には、エンドウ・ソラマメ、イチゴ、タマネギなど
があります。エンドウ・ソラマメとイチゴについては 9 月、タマネギについて
は 10 月の資料に詳しく書きましたのでそれらをご覧下さい。
これらの野菜の植え付けは本格的な寒さが到来する 12 月中旬までには終えた
いものです。というのも、本格的な寒さが到来する前に株の根張りをよくして
おくと寒さに対する抵抗力が高まるからです。
・防寒対策
レタスやキクナなどは寒さにやや弱く、強い霜に当たると葉先が褐変する
事があります。そのため、11 月下旬頃から不織布をかけたりビニルトンネル
をすると霜による傷みを軽減できます。
トンネルは密閉すると晴天の日中には気温が上がり過ぎることがあり、夕方
から朝方にかけてはトンネル内が多湿になりやすいので注意しましょう。
小さな孔のあいたフィルムを使うとこのような心配はありません。
はくさいは結球上部をひもやわらでくくっておくと結球内部の葉先が傷み
にくく防寒対策になるとともに、畑での保蔵もできます。
・枯死した地上部の刈り取り
冬野菜ではありませんがアスパラガス、ショウガ、ミョウガなどは茎全体が
黄色くなれば、地面から 5cm ほどのところで切り取って捨てます。
切り取った茎葉は病害防止の点からすき込みは避けた方が無難です。
・適期の収穫
収穫適期を過ぎてからの期間が長すぎるとダイコンは根にスの入る事があり
ます。ス入りは一種の過熟現象で、気象条件や品種にもよりますが 1 月中旬
以降に目立ち始めます。
遅くまで畑に置いておきたい場合はスが入りにくい品種を選ぶとともに、
極端な多肥栽培は慎みましょう。
・病虫害株の措置
線虫、しろさび病、アブラナ科の根こぶ病、モザイク病などの被害が一部の
市民農園でみられるようです。いずれも薬剤を使っても完全に防除すること
は難しいやっかいな病害虫です。
被害株は周辺の健全株への感染源になり、翌年以降の汚染源にもなります。
被害株を見つけたときは地下部も含めできるだけ早くほ場外部へ持ち出して
廃棄しましょう。
地下部に症状が出る線虫や根こぶ病は地下部の持ち出しが病害虫の拡大を
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H2711 市民農園講習会資料(池田)
防ぐ第一歩ですので、可能な範囲で根も除去しましょう。
秋から春にかけて栽培する野菜は白菜、大根、かぶら、水菜、小松菜などアブ
ラナ科の野菜が主になります。いずれも根こぶ病にかかりますので発生株を
見つけたらなるべく早くに廃棄しましょう。
§ 10 月の相談内容から重要と思われる質問についてあらためて説明します
1. オケラの防除
オケラは植物の根やせっかく播いた種子などの植物性物質や、みみずなどの
小動物を食べる雑食性の害虫です。
土に水分のある場所を好み、土の乾燥には弱いです。
① 土表面近くで見つけやすい 4-5 月、9-10 月の耕耘時に捕殺する。
② 収穫残渣などを山積みにして放置しない。水をやりすぎない。
③一部の野菜では、ダイアジノン粒剤 5 の農薬登録があります。
2. たまねぎのべと病対策
たまねぎべと病は 15℃前後のやや低い気温条件で多湿時に多発します。
たまねぎのべと病菌は次のしろさび病菌と同じく植物の生きた細胞・組織から
の養分供給がないと増殖できない菌です。
しかし、休眠胞子は土中で 10 年以上生存することが知られていますので発生
したほ場での連作は禁物です。
① 栽培管理による発生の抑止
高畝栽培などを行い過湿にならないように注意する。発生した区画での
連作は避ける。密植は避ける。
② 農薬による防除
登録のある農薬には、ランマンフロアブル、プロポーズ顆粒水和剤、
リドミル MZ 水和剤などがあります。発生初期に発症部分に丁寧に薬剤
を散布して防除します。
3. アブラナ科野菜のしろさび病対策
風通しが悪く葉の表面近辺の空気湿度が高い、葉が水滴で濡れる、窒素肥料の
過剰施肥、などで発生が助長されます。
① 栽培管理による発生の抑止
栽培密度を高くし過ぎない。頭上灌水を避ける。窒素の適正施肥量を守る。
② 農薬による防除
すべてのアブラナ科野菜というわけではありませんが、ランマンフロアブ
ルなどの登録農薬があります。
しろさび病菌は植物の生きた細胞・組織からの養分供給がないと増殖できない
菌で、発生初期に葉の裏側の菌を洗い流すように丁寧に防除します。
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H2711 市民農園講習会資料(池田)
農薬散布により葉が長い間濡れているとかえって発生が助長されることがある
ので夕方には葉が乾くように注意します。
4.収穫時にタマネギが分球していた。
定植時の苗が大きすぎて苗の段階で既に分けつしていたためです。
その主因は過度の早播きです。品種ごとの播種適期を守りましょう。
近年は温暖な年が多いため、それぞれの品種ごとの播種適期の中では遅めの
播種が良い様です。
また、苗の植付け直後から窒素肥料が効き過ぎると分球が助長されます。
過度の窒素施肥を避けましょう。
5. 余った種子の保存はできるか。
除湿剤・乾燥剤とともに密閉可能な容器に入れ冷蔵庫で保管すると保存できる
ものがあります。
・種子の寿命が短い野菜(1-2 年):タマネギ、ネギ、ニンジン、ミツバなど
・種子の寿命が中程度の野菜(2-3 年):エダマメ、エンドウ、ソラマメ、
スイートコーンなど
・種子の寿命が長い野菜(4-5 年):アブラナ科の野菜など
容器内の湿度が低いほど長期保存が可能です。採種条件や品種による変動
もある様です。
6. キクナの芽が出ない。
キクナはもともと発芽率が低い野菜です。発芽能力のある種子が発芽しなかっ
た原因として 2 つの可能性が考えられます。
① 土の乾燥
発芽能力のある種子が発芽するためには、適正な温度、土壌水分、酸素が
必要です。相談者の区画はやや乾燥気味に管理されていましたので、水分
が十分でなかった可能性があります。
② 光発芽性
キクナは発芽に光を必要する野菜の一つで、播種時の覆土が多すぎると
発芽しにくくなります。
○発芽に光が必要な野菜::キクナ、レタス、ミツバ、ゴボウ、シソなど。
○光が必要でない野菜:トマト、キュウリ、ナス、ダイコンなど。
発芽に光が必要な野菜では播種時の覆土は僅かとします。
十分に水やりをしているにもかかわらず播種から 5-7 日経過しても発芽しない
場合は、早急に再播種をした方がよい場合が多いです。
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H2712 市民農園講習会資料(池田)
§冬野菜の管理・手入れ(12~2 月)
12~2 月は年間で最も寒さが厳しく、日照が少ない時期になります。このため、
野菜の生育は緩慢で作業も少ない時期になります。立春を過ぎる頃からは寒さの
緩む日もあって日差しが強くなったことが感じられ、春野菜の準備を始めること
になります。
【寒起こし】
収穫を終えて冬の間に栽培する予定のない部分は寒起こしをお奨めします。
寒起こしとは、1 月中旬頃までに土を 30cm 程度の深さまで荒く掘り起こして
塊のまま土を厳寒期の寒気にさらすことを言います。寒起こしをすると土壌中
に潜んでいる病原菌や越冬する害虫が寒さにさらされて死滅します。また、
冬季の雑草の繁茂を抑える効果もあります。さらに、土中の水分が凍結と乾燥
を繰り返すことで土の団粒化がすすみ、通気性のよい土になります。
堆肥を施用してから寒起こしをするとさらに効果が高まります。
【鳥害対策】
1 月後半になると木の実などの自然の餌が少なくなるので、ヒヨドリなどが
集団で飛来してあっという間にほとんどの葉を食べ尽くされることがありま
す。鳥除けネット、防虫ネット、寒冷紗などで覆い、ネットと葉の間にすき
間があるようにしておくと安心です。
【じゃがいもの植え付け】
2 月後半になればじゃがいもの植えつけ適期になります。植えつけの適期は
気温が 10℃を超えてからといわれます。気温(地温)が低い間に植えつけると芽
が出てくるまでに日数がかかったり土中でせっかくの種いもが腐ることがある
ので、むやみな早植えは避けるのが無難です。
土が湿りすぎるところ以外であれば土質はあまり選ばずに栽培できます。
排水が良くて適度に腐植質を含む砂質土で品質の良いものが収穫できます。
じゃがいもはナス科の作物ですので、連年同じ場所で栽培したり、トマトや
ナスなどの跡地での栽培は避けます。
以前は、じゃがいもといえば男爵かメークインくらいしか思い浮かびませんで
したが、近年は内部がピンクや紫色の品種や皮が赤や斑の品種が発表され、
いろいろな品種の種いもが売られるようになってきました。
植えつけ準備:植え付け 2 週間前まで(2 月上旬)に肥料をすき込む方法と、
植えつけ時に種いもの間に化成肥料をやる方法があります。化成肥料を使う
場合はどちらでも構いませんが、油かすや鶏ふんなどの有機肥料を使う場合は
植えつけ前に土にすき込んで土になじませておきます。窒素肥料が多すぎると
葉は茂っているがいもは想定よりも小さいということがありますのでやや控え
目が良いでしょう。
石灰質肥料は、土の pH が 6.5 以上になるとじゃがいもの重大病害である
そうか病が発生しやすくなるので、pH が 5.5 以下の場合に 50g/㎡程度を与え
る程度にとどめます。うね幅は 60-70cm くらいとします。黒マルチを張ると
地温が確保されるので芽立ちが早くなり、初期生育が進みます。
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H2712 市民農園講習会資料(池田)
種いもの準備:じゃがいもの表面にはくぼんだ箇所があり、そこから芽を出し
ます。種いもは植え付けの数日前に一片が 30~50g になるように包丁などで
切り分け、切り口を乾かしておくか草木灰をつけて切り口から腐敗しないよう
にします。切り分けるときには、必ず切り分けたいもにくぼみ(芽)が複数ある
ようにします。くぼみの中央には主芽と両脇に副芽があり、中央にある主芽を
大切に伸ばしてやることが重要です。
なお、病害の点から種いもは毎年新しく買うようにして下さい。
植えつけ:既に肥料を施用している場合は深さ 10cm 位の植え穴に 1 つずつ
切り口を下にして植えます。肥料を施していない場合は、深さ 15cm くらいの
溝を掘り、いもといもの間に化成肥料を 1 つかみ入れ、土をかぶせます。株間
は 30cm 程度です。
芽が伸びている場合、芽は傷めない様に植えつけます。伸びているからといっ
て芽かきをして植えると主芽がなくなったためにわき芽が動き出して細い茎が
伸び、収量が少なかったり小いもばかりということになる場合があります。
植え付け後の管理:植えて半月~1 月経つと芽が地表に出てきます。
芽が 10~15cm に伸びたときに勢いのよい 1~2 本を残し、他は手で取り除き
ます。芽かきがすんだら、土を株元に軽く寄せて茎が倒れるのを防ぐとともに、
1 株に 10g 程度化成肥料を与えます。いも類はカリの施肥効果が高いので、
追肥にはカリ成分の多いのを与えるのが良いです。1 回目の芽かきから 2~3
週間したら再度同様に追肥し、根元にたっぷりと土寄せして肥大してくるいも
に光が当たらないようにします。じゃがいもの食用部分は茎です。
新しくできるいもに光が当たると緑色を帯びて食べたときに苦みのでることが
ありますので、じゃがいもの栽培では土よせはぜひ行って下さい。
5 月下旬頃に葉や茎が黄変し始めたら収穫のしるしです。晴れた日に掘りあげ、
風にあてていもをざっと乾かしてから取り入れます。
【春まきダイコン、春まきニンジンの栽培】
2 月下旬以降にダイコンやニンジンを播くとダイコンは 4 月中下旬、ニンジン
は 5 月下旬以降に収穫できます。いずれも晩夏~秋まきと比べると栽培は難し
くなります。その理由は播種時期は気温が低く発芽までに日数がかかることと、
低温に遭うことと日長(1 日の明るい時間の長さ)が長くなるため抽台(花芽が
できてとうだちすること)しやすいためです。早春播きに適した品種を使うこと
と抽台をいかに抑えるかが栽培のポイントです。
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H2712 市民農園講習会資料(池田)
ダイコンは種子が吸水を始めた時から低温に感応します。このため、春播き
栽培では黒マルチをして地温を確保し、さらに 4 月上旬まではトンネルをして
保温に努めて生育を促し、なるべく低温に当てないようにます。
ニンジンはある程度の大きさになった植物体が低温に感応するのでマルチは
しなくても良いですが、トンネルと不織布による被覆は不可欠です。
ダイコン、ニンジンともに低温に感応しにくい品種(晩抽の品種)を用いる必要
があります。ニンジンの金時は小さい時から低温に感応するので、春播きには
向きません。
○ダイコンの抽台性比較(タキイ種苗資料より)
タキイ交配品種の晩抽性比較
晩抽程度
青首品種
白首品種
トップランナー、
三太郎、
大師、
超 晩 抽
桜風
初神楽、春神楽、藤風、つや風、
晩
抽
おしん
やや晩抽
健白、夏みの早生三号、おふくろ
秋神楽、夏の翼、耐病総太り、
白槍、白秋、新八洲、干し理想、
普
通 耐病宮重、緑輝、千都、
耐病干し理想、冬どり大蔵
冬どり聖護院、早太り聖護院
や や 早 抽 関白、YRくらま
白肌美人
早
抽
エベレスト
○にんじんの抽台(とう立ち)の要因(タキイ種苗資料より)
植物体の大きさ(第 1 要因)+ 低温(第 2 要因)+ 抽苔適温(第 3 要因)
+ 長日(第 4 要因)
(1)第 1 要因……植物体の大きさ
早期抽苔株の花芽分化ステージ
展開葉数 根重 総葉数
品
種
名
(枚)
(g) (枚)
12~
金
時
3~4
3
13
16~
黒 田 五 寸
4~9
7
20
19~
チャンテネー
11
15
22
21~
中村鮮紅五寸
13
41
25
(2)第 2 要因……10℃以下の低温
(3)第 3、第 4 要因……長日で、10~25℃で抽苔促進
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H2712 市民農園講習会資料(池田)
§ 11 月の相談内容から重要と思われる質問についてあらためて説明します
1. ニンジンの葉が白くなった
うどんこ病です。密植で風通しが悪い、窒素肥料のやり過ぎ、などで発生しや
すくなります。
発生が少ない時は被害葉を摘んで捨てます。被害が目立つようになれば薬剤を
散布して拡大を防ぎます。にんじんのうどんこ病に登録のある農薬は、ベニカ
マイルドスプレー、アーリーセーフなどがあります。アーリーセーフはヤシ油
由来の天然成分が有効成分で、臭いも少なく収穫前日まで使用できるので家庭
菜園での使用に便利です。
しろさび病菌は生きた植物体の上でないと増殖できない菌なので、菌を洗い流
すように丁寧に散布します。
可食部が既に十分に肥大していれば消毒せずにそのままして収穫していくのも
一法ですが、葉は必ず袋に入れて処分します。
2. アスパラガス関係
茎が黄色くなり枯れたら地表から 5cm 程度を残して刈り取ります。寒さには
強いですが、稲わらなどで寒さ除けをすると芽の保護になります。
アスパラガスには雄株と雌株があります。茎に緑色の実のついているのが雌株
で、晩秋になると実の色は朱色になります。雌株は種子に養分を送るので根株
の充実度が雄株よりも悪く、収量は雄株よりも低くなります。農家が栽培する
品種は超雄性といってすべての株が雄株の品種が多くなってきています。なお、
朱色になった実の中の種子は 3 月に播いてうまく栽培すると 3 年ほどで収穫
できるようになります。
3. ダイコンが曲がったり、また割れする理由
だいこんの食用部は根と茎の下部です。密植、間引きが遅れたなどで子葉(双葉)
までの茎の長さが長くなると地上部が曲がりやすくなります。また、強風など
であおられると根傷みで曲がることがあります。間引き時に土寄せして茎を
まっすぐにして固定すると地上部の曲がりを抑えることができます。
根の先端が固いもの(小石や土塊)や濃度の高い肥料にあたると分岐します。
だいこんやにんじんなどの根が長く伸びる根菜類には「十起こし」という言葉
があり、種まき前に数回土を起こして膨軟にし小石や異物を取り除くいておく
とまっすぐなものが収穫できます。
4.さつまいもを収穫したら茎葉の繁茂程度と比較するといもが小さかった
つるぼけと言って前作の窒素肥料が多く残っていたために葉や茎が茂りすぎ
て、いもに光合成産物が回らなかったためです。さつまいもは肥料を与えなく
ても十分に肥大するほど吸肥力の強い作物ですので、家庭菜園では窒素肥料は
与えずに栽培した方がよいでしょう。
5. 種まき時に肥料は必要か
種子には子葉が展開する頃までの生長に必要な養分が蓄えられているので肥料
は与えなくても問題ありません。直まきする場合は元肥は施用してから播種し
た方が良いですが、生育期間の短い葉菜類では窒素肥料は発芽後に液肥などで
与えることもあります。土の酸性度を矯正するための石灰資材や元肥として
施用した方がよいリン酸は播種前に施用します。私はポットやセルトレイ、
播種箱で育苗する場合には窒素肥料は発芽後に液肥を薄めるか粉状の化成肥料
を溶かして水やりと兼ねて与えています。
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