太田ジオリサーチ SUGDAS 応用マニュアル SUGDASで機械点を移動した際の地形図作成方法について SUGDASで用いているコンパス付き Laser Ace 300 は、方位が固定されていますので、 機械点を移動した際に、それぞれの計測で共に計測された1点があれば簡単に合成するこ とができます。ここでは、2003 年 7 月に鹿児島県菱刈町で発生した崩壊現場の計測実例を 通して、その方法について解説いたします。 ■CADソフトの設定(前準備) 計測データをとる前に事前にCADソフトの設定を調整しておくと便利です(必須事項 ではありません)。 以下にその手順を示します。 設定1.図面縮尺の設定 (今回の例では 1:500 にします) 設定2.ファイルシートのプレビューのチェックを外しま す。(これがチェックされているとソフトが落ちてしまう ことがあります。バグとも言えますが、改善の見込みがあ りません。) 設定3.[システム]→[ディレクトリ設定] でデータ変換のパスを、La-rec で作成したデ ータ保管場所に設定します。 設定 3-1.菱刈町の現場では、機械点が4種類ありま す(3回移動) 1/5 太田ジオリサーチ SUGDAS 応用マニュアル 設定 4-1.A_POINT など小さなポイ ント記号に変更します。 設定4.文字とポイントの大きさの設定をします。デフォ ルト値でやるとポイントや字が重なって見えなくなるこ とがあります。線描画アイコンのポイント設定(右端)コ マンドでポイントの大きさを設定します 設定 4-2.菱刈のデータは密なので、文字の大きさを 1.0mm に設定します。[abc]アイコン→文字設定で変更 します。 特別の文字(基準点位置など)を異なる 色で表示したいときは、その文字を選択 して[続成変更]で設定します。 以上の設定でデータを読 み込んだときの表示は、左 図のように見やすくなり ます。ポイント・測点番 号・標高値が表示されてい ます。この例では、A001 点が合成の際の基準点と なるため、色を変えて強調 しています。 2/5 太田ジオリサーチ SUGDAS 応用マニュアル ■La-in2 からのデータ入力 機械点を移動して計測したデータを合成する(通称「盛りかえ」)方法を説明します。 下図に示すように、異なる計測データの中に、共通の位置が計測されているデータが1点 あれば合成が可能です(方位がコンパスで固定されているので)。その際、共通点の高さが 同じになるように修正する必要があります。 機械点が移動する場合、隣接する測定 区間で共通する点を取る方法もあり ますが、例えば機械点1で計測した基 準点を、他の計測で参照してもかまい ません。位置と標高データをあわせる ことにより合成は可能となります。 「盛りかえ」編集の原理 A001 が 100 になり、他のデ ータも補正されています。 La-in2 では、反転させた測点の標高を補正することにより、その他 すべてのZ座標を同時に補正することが可能です。この図では、A001 の標高値を強制的に 100 にすることにより、他のデータは自動的に (100-0.880)だけ大きな値に補正されます 3/5 太田ジオリサーチ SUGDAS 応用マニュアル 基準点を「基準位置」として移動します。これ には位置指定移動コマンドを用います 基準点の高さを La-in2 であわせたデータを、 それぞれ離れた場所にプロットします(機械 点が同じ場合であれば La-in2 で読込時に重 ね合わせることができますが、それ以外の点 の場合、CAD 上の操作で重ね合わせます) A001 の点に重ね合わせようとしています 4つのデータを合成すると左図のような分 布となりました。図上で上が北方向になり ます。 地形図を作成する際の問題点は 1)測点が斜め方向に分布しているので、 地形図作成の矩形範囲を選択した際にデー タのない箇所が多くなる 2)計測できた崩壊地内と、計測できてい ない植林地の間の地形は不連続に変わって いるので、このまま Kriging アルゴリズム で補完すると妙に丸まった等高線になって しまう。 ということです。これを回避するために、 「図形の回転」と「ダミーデータの入力」 を行います。 4/5 太田ジオリサーチ SUGDAS 応用マニュアル 図形の回転と未崩壊地の高さ入力(現地観察から ダミーデータを入れる) 計測した菱刈町の崩壊現場 op-acont で描かれた等高線と、説明用の記載・塗色 5/5
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