「再生可能エネルギー」統括官、ジャン・バランドラス

フランス外務・国際開発省
8 号-2015
年9月
号-
「再生可能エネルギー」統括官
「再生可能エネルギー」統括官、ジャン・バランドラス
統括官、ジャン・バランドラス
フランス政府は 2012 年 12 月以来、部門別
月以来、部門別輸出
部門別輸出戦略を実施しています。
輸出戦略を実施しています。6
戦略を実施しています。 部門(
部門(持続可能な都市、
健康、農産加工業、通信、文化・クリエーション産業、観光
健康、農産加工業、通信、文化・クリエーション産業、観光輸出
観光輸出)
輸出)が設置されました。フランスの総
が設置されました。フランスの総
合的提案と輸出ブランドイメージを構築するため、各部門
合的提案と輸出ブランドイメージを構築するため、各部門の
各部門の中小企業が
中小企業が結集し
結集しました。再生可能エネ
ました。再生可能エネ
ルギーは 7 番目の部門
番目の部門です。ジャン・バランドラスは
部門です。ジャン・バランドラスは 2015 年 5 月 21 日、国連気候変動枠組条約第 21
回締約国会議(COP21)の議長を務めるローラン・ファビウス外務・国際開発大臣と、マティ
)の議長を務めるローラン・ファビウス外務・国際開発大臣と、マティアス・
回締約国会議(
)の議長を務めるローラン・ファビウス外務・国際開発大臣と、マティアス・
フェクル貿易・観光振興・在外フランス人担当大臣から、「再生可能エネルギー」
フェクル貿易・観光振興・在外フランス人担当大臣から、「再生可能エネルギー」統括官
、「再生可能エネルギー」統括官に任命され
統括官に任命され
ました。
ジャン・バランドラスは大都市や海外県・海外領土で、県レベルの行政
幹部を数年間にわたり務める中で、自治体やその歴史的、社会的、文化的
特性に対する関心を育みました。バランドラスはフランス国立行政学院と
パリ政治学院の出身で、地方自治体の業務を指揮するには近接性、現実性、
実際性が不可欠であり、社会的・経済的アクターと手を携えることが重要
だと考えています。自治体の運営幹部から再生可能エネルギー部門の管理
者への転身は方向転換ではありません。現地に適応した持続可能な解決策
の追求という同じ論理に基づいているからです。彼にとって「再生可能エ
ネルギーを発展させることは、プロジェクトに併走し、当事者意識を持つ
地元住民と協調、調和しながら、長期的に腰を据えて取り組むことです」
「再生可能エネルギー」統括官は、
「再生可能エネルギー」統括官は、とりわけ 12 月にパリで開催される COP21 を見据えな
を見据えながら、貿
易のためにどのような役割を演
どのような役割を演じるのでしょうか?
「再生可能エネルギー」はフランス電力会社(EDF)、エンジー、アレバ、アルストムのような大
手グループ企業が圧倒的優位に立つエネルギー産業の下で、現在成長中の小さな部門です。この部門
のアクターは多種多様で、開発モデルもニーズもさまざまです。私の使命は企業と特に再生可能エネ
ルギーの労働組合、さらに行政との間の対話を強化、明確化しながら、企業に適用可能な仕組みを調
整するとともに、国際レベルで事業の成長を確保することです。
広報部広報課
フランス外務・国際開発省
再生可能エネルギー部門を優先輸出分野にすることは、COP21 が近づくにつれて大きな意味を持っ
てきています。フランスはまさに COP21 で、温暖化対策に取り組む姿勢とこの最先端部門への模範的
な支援を示さなければなりません。
エネルギー分野のイノベーションが、他
エネルギー分野のイノベーションが、 他 分野のイノベーションをどのように促進
分野のイノベーションをどのように 促進するのでしょう
促進 するのでしょう
か?
イノベーションは何よりもまず技術であり、ますます多様化しています。数年前、風力と太陽光が
この部門の花形でした。今日では、エネルギー備蓄や海洋再生可能エネルギーのような新しい解決策
が出てきています。これらの「脱炭素化」技術は性能、効率ともに高まっています。それによって島
しょ地区や孤立地区は、エコな上に非断続的で安定した基本エネルギーにアクセスできます。これら
の技術の組み合わせが、民間セクターに新しい発展の展望を与えています。
一方、イノベーションによって、周囲の環境に組み込まれた、より包括的な再生可能エネルギー計
画の立案も可能になります。中でもレユニオン島で開発されたアグリネルジー(Agrinergie®)の事例
は、その代表例です。これはグリーンエネルギーの生産と温室栽培の組み合わせです。ソーラー
ファームは地場生産と同時に、太陽光パネルの下で育つ有機農産物のショートサプライチェーンを促
進しています。
関連企業は COP21 に何を期待していますか? 企業はどのように臨むのでしょうか?
世界レベルでは、企業は温室効果ガス排出量の上位国が国際的な約束をする中で、再生可能エネル
ギーに対する立場を明確に示すことを期待しています。フランスでは、
COP21 が気候変動問題に対する自覚を促し、エネルギー関連産業全体に対す
る期待と課題を明らかにした明確なロードマップが発出されることを期待し
ています。今年 12 月に世界中の注目がパリに集まることで、それがすべて可
能になります。エネルギー移行は公的機関の行動と民間のイニシアティブが
組み合わされれば可能です。COP は新興市場における開発の見通しを立てる
とともに、再生可能エネルギーへの各国の取り組みを評価する機会にもなり
ます。
「脱炭素化」解決策と再生可能エネルギーの拡大はどこに好機をもたらす
のでしょうか?
フランスでは 2014 年、グリーン電力が最終消費量の 20%を占めています。再生可能エネルギーが
フランスのエネルギーミックスに占める割合を 2030 年までに 32%、発電量で 40%に引き上げること
が目標です。したがって再生可能エネルギーの伸び代は極めて大きいと言えます。今日、完成の域に
達した風力、太陽光、水力のような技術は、一部の地域では化石エネルギーや原子力と競争できるレ
ベルです。再生可能エネルギーはフランス国内はもとより、海外にも成長と雇用創出をもたらすとと
もに、気候変動対策に関する目標の達成にも寄与します。エネルギー供給網の不安定性に直面する海
外県・海外領土では、再生可能エネルギーはエネルギー備蓄またはエネルギー安全保障を強化する多
種多様な技術によるアプローチといった新しい解決策をもたらしています。
広報部広報課
フランス外務・国際開発省
フランスの再生可能エネルギー拡大のために、どのような強みや長所が
フランスの再生可能エネルギー拡大のために、どのような強みや長所が海外県・海外領土
どのような強みや長所が海外県・海外領土に
海外県・海外領土にはあり
ますか?
海外県・海外領土の発電コストは、1 メガワット時当たり 60 ユーロのフランス本土に比べて平均で
3 倍から 4 倍に上ります。再生可能エネルギーは発展段階でも、海外領土では競争力があります。海外
領土はまさに実験とイノベーションの研究所です。レユニオン島では、太陽光発電と蓄電システムの
組み合わせからアグリネルジーに至るまでプロジェクトが増える一方、マルティニックでは海洋温度
差発電プロジェクトが発展しています。加えて、これらの島しょ地域では用地が少ないため、企業は
現地に適応した解決策を見いだすために創意工夫が求められます。太陽光発電と農業を組み合わせた
アグリネルギーは、こうした一連の制約の中から生まれ、発展を続けています。フランスの海外県・
海外領土は、地元住民との共同企画による、したがって住民に受け入れられた真の自治体プロジェク
トを構想することができます。これらのプロジェクトによって、再生可能エネルギーのための革新的
な解決策を小規模に実物大でテストすることが、よそよりも容易にできます。
海洋エネルギー
海洋エネルギーは太陽光や
太陽光や風力ほ
風力ほど知られていま
ていませんが、その潜在能力
潜在能力は
能力はより大きいよう
きいように
ように思われ
ます。この分野で、
分野で、ま
で、まだ若いこの市場で
市場で、フランスは
フランスはどのように
ように地位を
地位を確保す
確保するのでしょうか?
しょうか?
フランスは 1,100 万平方キロメートルに及ぶ世界 2 位の海洋面積を擁します。北海、英仏海峡、大
西洋、地中海に面した 4 つの沿岸地方、海外県・海外領土、中でも熱帯の排他的経済水域が大きな強
みとなっています。船舶製造活動企業団体(GICAN)によると、海洋再生可能エネルギーは 2030 年に
発電量 20 ギガワット時に達し、フランスのエネルギーミックスの 10%を占める可能性があります。フ
ランスでは数多くの技術が開発され、実証実験が行われています。例えば、着床式または浮体式の洋
上風力発電、海流発電、波力発電、海洋温度差発電(OTEC)などが挙げられます。とはいえ、これら
のイノベーションは大規模発電所の稼動には至っていません。これらの技術の輸出を成功させるため
に、稼動実演とショーケースの創設を組み合わせることが今後数年の課題です。
ロルリーヌ・フェルダー
注:記事本文中の発言や意見は、現代フランスの実情に関する情報提供を目的とし、いかなる公的性格も帯びません。
広報部広報課