国立大学関係の平成28年度概算要求 及び平成28年度税制改正要望について 平成27年9月17日 文部科学省 高等教育局 国⽴⼤学経営⼒戦略(平成27年6⽉) 1.基本的考え⽅ ○ 我が国社会の活⼒や持続性を確かなものとする上で、新たな価値を⽣み出す礎となる知の創出とそれを⽀える⼈材育成を担う国⽴⼤学 の役割への期待は⼤いに⾼まっており、「社会変⾰のエンジン」として「知の創出機能」を最⼤化していくことが必要。 ○ 国⽴⼤学は、法⼈化のメリットをこれまで以上に⽣かし、新たな経済社会を展望した⼤胆な発想の転換の下、新領域・融合分野など 新たな研究領域の開拓、産業構造の変化や雇⽤ニーズに対応した新しい時代の産業を担う⼈材育成、地域・⽇本・世界が直⾯する経済 社会の課題解決などを図りつつ、学問の進展やイノベーション創出などに最⼤限貢献できる組織へ⾃ら転換。 ○ 各国⽴⼤学は、 ・ 既存の枠組みや⼿法等にとらわれない⼤胆な発想で、学⻑がリーダーシップとマネジメント⼒を発揮し、組織全体をリードする将来 ビジョンに基づく⾃⼰改⾰・新陳代謝を実⾏ ・ 確かなコスト意識と戦略的な資源配分を前提とした経営的視点で⼤学運営を⾏うことで経営⼒を強化。 ○ ⼤学共同利⽤機関法⼈は、⼤学の枠を越えた分野のナショナルセンターとして、研究者コミュニティ全体、⼤学の機能強化及び社会へ の貢献を最⼤化させる役割を果たすため、経営⼒を強化。 ○ ⽂部科学省は、基盤的経費である国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦の⽔準を確保しつつ、⾃⼰改⾰に取り組む⼤学等にメリハリある重点⽀援 を実施するとともに、必要な規制緩和を⾏う。 2.具体的内容 (1)⼤学等の将来ビジョンに基づく機能強化の推進 (3)財務基盤の強化 収益を伴う事業の明確化、寄附⾦収⼊の拡⼤、 各⼤学等の機能強化の⽅向性に応じた取組をきめ細かく⽀援する ⺠間との共同研究等の拡⼤ ため、国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦の中に3つの重点⽀援の枠組みを 新設 (4)未来の産業・社会を⽀えるフロンティア形成 (2)⾃⼰改⾰・新陳代謝の推進 「特定研究⼤学(仮称)」 ・ 機能強化のための組織再編、⼤学間・専⾨分野間での連携・連合 「卓越⼤学院(仮称)」 ・「学⻑の裁量による経費(仮称)」によるマネジメント改⾰ 「卓越研究員(仮称)」 の創設 ・ 意欲と能⼒のある教員が⾼いパフォーマンスを発揮する環境の整備 また、これらの⼤学改⾰を後押しするため、研究成果の持 ・ 経営を担う⼈材、経営を⽀える⼈材の育成確保 続的創出のための競争的研究費改⾰もあわせて実施。 1 国⽴⼤学経営⼒戦略の実⾏のための平成28年度概算要求 主な内容 国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦ 1,136,513百万円(対前年⽐41,967百万円増) 〔第3期中期⽬標期間〕 〔第2期中期⽬標期間〕 評価に基づく メリハリある配分を実施 機能強化の⽅向性 に応じた重点配分 特別経費 ⼀般経費 特殊要因経費 機能強化促進係数 (仮称)により捻出 される財源も活⽤ ⾼等教育 共通政策課題対応 基幹経費 (学⻑裁量経費含む) 特殊要因経費 ※括弧内の⾦額は、前年度予算額 【機能強化の⽅向性に応じた重点配分】 404億円(新規) 3つの重点⽀援の枠組みを新設し、新領域の開拓、地域ニーズや産業構造 の変化に対応した⼈材育成等を⾏う組織への転換を促進。 重点⽀援①:地域のニーズに応える⼈材育成・研究を推進 重点⽀援②:分野毎の優れた教育研究拠点やネットワークの形成を推進 重点⽀援③:世界トップ⼤学と伍して卓越した教育研究を推進 【⼊学者選抜改⾰への⽀援】 20億円(新規) ⇒学⼒を多⾯的・総合的に評価する⼊学者選抜への転換・充実に向けた 体制整備を重点⽀援(アドミッション・オフィスの整備・強化等) 【⼤学間の連携・協⼒に基づく取組への⽀援】 394億円(310億円) ⇒「共同利⽤・共同研究拠点」及び「教育関係共同拠点」で実施される ⼤学全体の機能強化に貢献する教育研究の取組を重点⽀援 等 【附属病院の機能・経営基盤強化】 240億円(240億円) ⇒国⽴⼤学附属病院における⼈材育成、地域医療の中核拠点、⾼度先進 医療などの機能を強化するための診療基盤の整備⽀援策を拡充 【学⻑の裁量による経費の区分】 ⇒学⻑のリーダーシップを予算⾯で発揮し、組織の⾃⼰変⾰や新陳代謝を 進めるため、教育研究組織や学内資源配分等の⾒直しを促進する仕組み を導⼊。 国⽴⼤学経営⼒強化促進事業 18,800百万円(対前年⽐2,000百万円増) 「国⽴⼤学経営⼒戦略」(平成27年6⽉16⽇⽂部科学省)に基づき、国⽴⼤学の⾃⼰変⾰を進め、新陳代謝を図るため、意欲と能⼒のある 教員がより⾼いパフォーマンスを発揮する環境整備や経営を⽀える⼈材等の育成・確保等を推進し、国⽴⼤学の経営⼒の強化を促進する。 2 平成28年度国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦における3つの重点⽀援枠について 【重点支援①】 【重点支援②】 主として、地域に貢献する取組とともに、専門分野の特性に配 慮しつつ、強み・特色のある分野で世界・全国的な教育研究を 推進する取組を中核とする国立大学を支援 北海道教育大学 室蘭工業大学 小樽商科大学 帯広畜産大学 旭川医科大学 北見工業大学 弘前大学 岩手大学 宮城教育大学 秋田大学 山形大学 福島大学 茨城大学 宇都宮大学 群馬大学 埼玉大学 横浜国立大学 新潟大学 長岡技術科学大学 上越教育大学 富山大学 福井大学 山梨大学 信州大学 岐阜大学 静岡大学 浜松医科大学 愛知教育大学 名古屋工業大学 豊橋技術科学大学 三重大学 滋賀大学 滋賀医科大学 京都教育大学 京都工芸繊維大学 大阪教育大学 兵庫教育大学 奈良教育大学 和歌山大学 鳥取大学 島根大学 山口大学 徳島大学 鳴門教育大学 香川大学 愛媛大学 高知大学 福岡教育大学 佐賀大学 長崎大学 熊本大学 大分大学 宮崎大学 鹿児島大学 琉球大学 【重点支援③】 主として、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のあ る分野で地域というより世界・全国的な教育研究を推進 する取組を中核とする国立大学を支援 筑波技術大学 東京医科歯科大学 東京外国語大学 東京学芸大学 東京芸術大学 東京海洋大学 お茶の水女子大学 電気通信大学 奈良女子大学 九州工業大学 鹿屋体育大学 政策研究大学院大学 総合研究大学院大学 北陸先端科学技術大学院大学 奈良先端科学技術大学院大学 15大学 主として、卓越した成果を創出している海外大学と伍して、 全学的に卓越した教育研究、社会実装を推進する取組 を中核とする国立大学を支援 北海道大学 東北大学 筑波大学 千葉大学 東京大学 東京農工大学 東京工業大学 一橋大学 金沢大学 名古屋大学 京都大学 大阪大学 神戸大学 岡山大学 広島大学 九州大学 16大学 55大学 3 国⽴⼤学の機能強化を推進するための組織整備の例 重点支援① 地域のニーズに応える人材育成・研究を推進 弘前大学 豊橋技術科学大学 アグリ・ライフ・グリーン分野における地域の特性・資源を 活かしたイノベーション創出・人材養成を行うため、理工学 部及び農学生命科学部を再編。 青森県の豊富な自然エネルギー(風力、地熱、太陽光、バ イオマス等)を活用して次世代エネルギーシステムを構築 できる人材、りんご等の地域農産物の加工や輸出を促進 する人材等を養成し、地域創生に寄与 エレクトロニクス先端融合研究を中心に、地域企業を始め とした国内外の企業・研究機関から多様な人材等を募り、 「技術科学社会実装研究拠点(仮称)」を設置。学内への企 業誘致に積極的に取り組む等、学外との連携による工学 系人材の育成、研究成果の社会実装により、「産学連携活 動の拠点」や「地域産業界との連携」を一層推進 宮崎大学 宮崎県内の自治体や企業等と連携し、県内全域をフィール ドとした課題解決型実習や長期インターンシップを必修化 した「地域資源創成学部」を設置。経営系をコアに農学・工 学等の理系分野を加えた異分野融合カリキュラムを構築し、 地域の社会・経済をマネジメントできる人材を養成し、地方 創生に寄与 重点支援② 分野毎の優れた教育研究拠点やネットワークの形成を推進 東京芸術大学 電気通信大学 ロンドン芸術大学、パリ国立高等音楽院等から世界一線級のアー ティストユニットを誘致し「芸術研究院」を設置するとともに、グローバ ル展開を加速度的に推進するため「国際芸術創造研究科」等 戦略的な大学院組織を新設。海外一流芸術大学との国際共 同カリキュラム構築や飛び入学を起点とした早期教育プログラム導 入等を通じて世界トップアーティストの戦略的育成を推進し、国際 的芸術教育研究拠点としての機能を強化 情報通信領域で高い研究実績を誇る情報理工学研究科と情 報システム学研究科を有機的に融合させ、「情報理工学域」、 「情報理工学研究科」を設置。学生が段階的、探究的に専門 分野を選択する学士課程・博士前期課程の一貫した新しい教 育システムを構築し、グローバルな舞台で活躍する高度専門 技術者を育成 重点支援③ 世界トップ大学と伍して卓越した教育研究を推進 北海道大学 北海道大学の強みを集約した総長直下の教育研究組織に、 海外から一線級教育研究ユニットを誘致し、先端的国際共 同研究により生み出される実績をもとに、教育組織改革に 結びつけ、新学院「医理工学院」、「国際感染症学院」等の 設置計画に加えて、新たに「ソフトマター国際大学院」、「サ イバー情報学専攻」等を設置し、世界大学ランキング100 位以内を目指す。 千葉大学 東京工業大学 文理混合による課題解決型教育プログラムを実施する「国 際教養学部」を設置。海外留学を必修化するとともに、高 度な学修支援を行うスタッフを配置の上、学生個々の課題 設定に応じたテーラーメイド教育を実施。学問横断的な総 合科学の観点から日本発の文化や先端技術を理解し、国 際課題の発見・解決能力を有するグローバル人材を育成 し、大学全体の国際化及び教育機能の強化を先導。 新たな研究領域と世界トップレベルの研究成果を創出する ため、研究組織を有機的に集約した「科学技術創成研究 院」を設置。海外大学、国内大学等の第一線の研究者、研 究グループと人材交流を推進するとともに、海外一流企業 等の研究拠点を広く受け入れることにより、「世界の研究ハ ブ」を実現。 4 平成28年度国⽴⼤学法⼈等施設整備費概算要求の概要 (平成26年度補正予算 194億円) 事 業 概 要 平成27年度 一般会計予算 487億円 〔上記の他 財政投融資資金 411億円〕 【平成28年度一般会計要求・要望額:635億円】 【国立大学法人等施設整備事業】 〔上記の他 財政投融資資金 379億円〕 著しく進行する施設の老朽化に対し、安全・安心な教育研究環境の基盤の長寿命化や耐震化を図りつつ、国立大学 法人等の機能強化等へ対応するため、重点的・計画的な施設整備を推進 施設の老朽化により安全面・機能面に問題 ◆今後、建築後50年以上の建物が急増 (万㎡) ■保有面積 2,760万㎡ ■築後25年以上の要改修面積 846万㎡(30.7%) ■築後50年以上の建物面積 267万㎡( 9.7%) → 今後5か年で 23.1%に急増 改修済面積 要改修面積 (未改修面積) 老朽化対策の機会を捉えた 国立大学法人等の機能強化等への対応 イノベーション創出 グローバル人材育成 異分野間での共同研究とフレキシブルな 施設利用が可能なオープンラボを整備 自然・自発的に多文化交流できるスペー スを整備 アクティブ・ラーニング 全学共用の研究スペース 経年25年未満 の建物 外壁・建具落下の危険 50年 45~ 40~ 35~ 30~ 25~ 20~ 15~ 10~ 5~ 0~ 以上 49年 44年 39年 34年 29年 24年 19年 14年 9年 4年 経年別保有面積の推移(平成27年5月1日) 過密な研究室(機能低下と事故) [ライフライン(給排水・ガス管、電力・通信ケーブル等)] ◆故障・事故が増加し教育研究に支障 安定したライフラインの確保 配管の腐食 電気ケーブルの劣化 学生が主体的に学修できるオープンな スペースを整備 大学の戦略上重要な研究プロジェクト等 に機動的に対応できるスペースを確保 5 科学研究費助成事業(科研費) 〜科学上のブレークスルーに向けた挑戦性の追求〜 【平成28年度概算要求の概要】 平成28年度要求・要望額:241,966百万円(※) うち優先課題推進枠要望額:44,225百万円 (平成27年度予算額 :227,289百万円) 【対前年度 : 14,677百万円】 平成28年度助成額 :241,032百万円 (平成27年度助成額 :231,790百万円) 【対前年度 : 9,242百万円】 科研費はすべての分野にわたり、独創的な「学術研究」を幅広く支援。科研費改革を加速するため、 新たな学問領域の創成や異分野融合などにつながる挑戦的な研究や、次代を担う研究者が独立する 基盤づくりへの支援を強化。 課題・背景 ○ 基盤研究費の縮減を背景とする研究計画の短期志向・リスク回避傾向 ○ 融合的研究など「壁」を越えた研究に対するグローバルな学術的要請とのミスマッチ ○ 次代を担う研究者をめぐる環境の劣化 期待される挑戦 ✓ 新たな学問領域の創成に向けた探索 ✓ 複数の研究者による協働の普及・深化 ✓ 研究者の大胆なテーマ転換 →学際的研究、異分野連携(文理、医工など)、研究方法 の革新(データ科学など) 1) 「知の開拓」挑戦プログラムの創設 将来の新たな学問領域の創成や、異分野融合につながる「知の開拓」に挑戦す る研究を支援。 ※ 従来の基盤研究種目とは異なる仕組みの構築 〇大胆な挑戦的研究を見出す総合審査方式の全分野展開 ✓ 既定の専門分野の枠にとらわれないアイディア・計画の斬新性を重視 ✓ 異分野の審査員による多角的なチェック 〇複数の研究者が対等のペアを組む共同研究代表者制(Co-PI)の導入 等 ※ 研究費総額 1,000~3,000万円 (研究期間:3~6年) ※ 丁寧な審査や柔軟な研究遂行のため「基金」により措置 2) 独立基盤形成のための重点支援 次代を担う研究者が、異動後、自立的なPIとして挑戦的な研究を継続的・安定 的に遂行できるよう、メリハリのきいた研究費配分の仕組みを導入。 ◆上記に加え、国際共同研究の加速に向けた取組や各種の制度改革(競争的研究費改革への対応を含む) などを併行して推進。 【※補足】平成23年度から一部種目について基金化を導入したことにより、予算額(基金分)には、翌年度以降に使用する研究費が含まれるため、予算額と当該年度中に研究者に助成される見込の額 である助成額を並記。助成額には、前年度以前に造成した基金からの助成分を含む。 6 平成28年度 国⽴⼤学法⼈等関係税制改正要望事項の概要(寄附税制の拡充) (1)国⽴⼤学法⼈等への個⼈寄附に係る税額控除の導⼊(新設)【所得税等】 改正内容 平成23年度税制改正により、学校法人(公益社団・財団法人、社会福祉法人等)への個人寄附に係る税額 控除と所得控除の選択制が導入されたが、国立大学法人等についても、同様の制度を導入する。 国立大学法人への寄附に対する税制措置 所得税(要望:所得税と税額控除の選択制) ○ 税額控除((寄附金額-2,000円)×40%を所得税 額から控除※)と所得控除との選択制の導入 ※所得税額の25%を限度 所得税(現行:所得控除のみ) (寄附金額-2,000円)を所得から控除 ※減税額(いずれも夫婦と子供2人(大学生と高校生)の給与所得者を想定) す。 税額控除 年収 (所得税率) 500万円 (5%) 寄附金額 700万円 (10%) 1000万円 (20%) 1500万円 (33%) 控除額(円) 年収 (所得税率) ※枠内が、より高額な控除額を指 所得控除 500万円 (5%) 寄附金額 700万円 (10%) 1000万円 (20%) 1500万円 (33%) 控除額(円) 1万円 3,200 3,200 3,200 3,200 1万円 400 800 1,600 2,640 5万円 14,875 19,200 19,200 19,200 5万円 2,400 4,800 9,600 15,840 10万円 14,875 39,200 39,200 39,200 10万円 4,900 9,800 19,600 32,340 100万円 14,875 41,375 144,625 381,600 100万円 49,900 83,900 199,600 257,540 参考 経済財政運営と改革の基本方針(平成27年6月30日閣議決定)(抜粋) 第3章 「経済・財政一体改革」の取組―「経済・財政再生計画(仮称)」 5. 主要分野毎の改革の基本方針と重要課題 [4]文教・科学技術、外交、安全保障・防衛等 国立大学法人に対する個人からの寄附金について、国立大学法人運営費交付金等の効率化・重点化と併せて、所得控除と税額控除 の選択制を導入することについて検討する。 7 (参考)これまでの国立大学改革の流れについて 8 我が国が直⾯する課題と求められる⼈材像・⼤学像 我が国が⽬指すべき社会 ・持続的に発展し、活⼒ある社会 ・⾃⽴した個による多様性に富み、⾃然と共⽣する 成熟社会 ・⾼齢者・⼥性の参画が⼀層拡⼤した社会 ・⽣涯学習の⼀層の拡⼤と⼈材の流動性が⾼まる社会 我が国が直⾯する課題、 将来想定される状況 ・急激な少⼦⾼齢化の進⾏、⼈⼝減少 ・⽣産年齢⼈⼝減少、経済規模の縮⼩ ・財政状況の悪化 ・グローバル化によるボーダレス化 ・新興国の台頭による国際競争の激化 ・地球規模で解決を要する問題の増加 ・地⽅の過疎化・都市の過密化の進⾏ ・社会的・経済的格差の拡⼤の懸念 ・産業構造、就業構造の変化 ・地域におけるケアサービス (医療・介護・保育等)の拡⼤ 求められる⼈材像 ・⽬指すべき新しい⼤学像 ・⽣涯学び続け、主体的に考え、⾏動できる⼈材 ・グローバル社会で活躍する⼈材、イノベーションを 創出する⼈材 ・異なる⾔語、世代、⽴場を超えてコミュニケション できる⼈材 ・学⽣がしっかり学び、⾃らの⼈⽣と社会の未来を 主体的に切り拓く能⼒を培う⼤学 ・グローバル化の中で世界的な存在感を発揮する⼤学 ・世界的な研究成果やイノベーションを創出する⼤学 ・地域再⽣の核となる⼤学 ・⽣涯学習の拠点となる⼤学 ・社会の知的基盤としての役割を果たす⼤学 9 我が国における⽣産年齢⼈⼝の減少 全⼈⼝に占める⽣産年齢⼈⼝の割合 単位:千人 90,000 63.8% 81,735 80,000 60.7% 59.2% 58.7% 76,818 73,408 70,845 58.1% 56.6% 70,000 67,730 70.0% 53.9% 52.4% 63,430 57,866 60,000 60.0% 51.5% 50.0% 53,531 50,000 50,013 40,000 30.0% 15歳〜64歳の⼈⼝(単位:1,000⼈) (⽣産年齢⼈⼝) 30,000 40.0% 20.0% 20,000 10.0% 10,000 0.0% 0 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 出典:国⽴社会保障・⼈⼝問題研究所「⽇本の将来推計⼈⼝」(平成24年1⽉推計) 10 ⽇本と世界における論⽂数の推移 1,400,000 1,318,547 日本 全世界 1,200,000 1,000,000 800,000 600,000 685,977 400,000 200,000 78,199 63,396 0 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 ※ Article, Reviewを分析対象とし、整数カウントにより分析。年は出版年。 ※ トムソン・ロイター Web of Science XML (SCIE, 2014 年末バージョン)を基に、科学技術・学術政策研究所が集計。 出典:科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2015」調査資料-238 (平成27年8月)を基に文部科学省作成 11 国⽴⼤学法⼈化以降の流れ 《国⽴⼤学法⼈化の意義》 ・⾃律的・⾃主的な環境の下での 国⽴⼤学活性化 ・優れた教育や特⾊ある研究に向 けてより積極的な取組を推進 ・より個性豊かな魅⼒ある国⽴⼤ 学を実現 《国⽴⼤学を取り巻く環境の変化》 ・グローバル化 ・少⼦⾼齢化の進展 ・新興国の台頭などによる競争激化 (平成28年度〜) 持続的な“競争⼒”を持ち、 ⾼い付加価値を⽣み出す 国⽴⼤学へ 第2期中期⽬標期間 (平成22〜27年度) 法⼈化の⻑所を⽣かした改⾰を本格化 第1期 中期⽬標期間 改⾰加速期間 (平成16〜21年度) 新たな法⼈制度 の「始動期」 今後の国⽴⼤学の機能 強化に向けての考え⽅ (平成25年6⽉) ミッションの 再定義 国⽴⼤学法⼈ スタート 国⼤協の 動き 平成16年度 (2004年4⽉) 第3期中期⽬標期間 平成22年度 (2010年4⽉) 平成23年6⽉ 国⽴⼤学の機能強化 -国⺠への約束- グローバル化、イノベー ション創出、⼈事・給与シ ステムの弾⼒化 など 国⽴⼤学改⾰プラン (平成25年11⽉) ⾃主的・⾃律的な改善・ 発展を促す仕組みの構築 平成25年度 (2013年4⽉) 平成25年5⽉ 「国⽴⼤学改⾰」の基本的 考え⽅について-国⽴⼤学 の⾃主的・⾃律的な機能強 化を⽬指して- 国⽴⼤学経営⼒戦略 「社会変⾰のエンジン」と して知の創出機能を最⼤化 平成28年度 (2016年4⽉) 平成27年6⽉ 「国⽴⼤学の将来ビジョン に関するアクションプラン (中間まとめ)」 12 国⽴⼤学改⾰のこれまでの動き 平成24年度 中央教育審議会「新たな未来を築くための⼤学教育の質的転換に向けて」答申 「ミッションの再定義」開始 教育再⽣実⾏会議第三次提⾔ 平成25年度 教育振興基本計画、⽇本再興戦略 今後の国⽴⼤学の機能強化に向けての考え⽅ 国⽴⼤学改⾰プラン 「⽇本再興戦略」改訂2014、⾻太の⽅針、科学技術イノベーション総合戦略2014 平成26年度 今後の国⽴⼤学の機能強化に向けての考え⽅(改訂) 国⽴⼤学法⼈等の組織及び業務全般の⾒直しについて 平成27年度 第3期中期⽬標期間における国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦の 在り⽅について(審議まとめ) 国⽴⼤学経営⼒戦略 「⽇本再興戦略」改訂2015、⾻太の⽅針、科学技術イノベーション総合戦略2015 平成28年度 第3期中期⽬標期間 開始 13 これからの⼤学教育等の在り⽅について 〜教育再⽣実⾏会議第三次提⾔概要〜 (平成25年5⽉28⽇) ・大学の教育・研究機能を質・量ともに充実! ・平成29年までの5年間を「大学改革実行集中期間」に! グローバル化に対応した教育環境づくりを進める ❶徹底した国際化を断⾏し、世界に伍して競う⼤学の教育環境をつくる。 →海外⼤学の教育ユニット誘致。⽇本の⼤学の海外展開拡⼤。国際化を断⾏するスー パーグローバル⼤学(仮称)。今後10年で世界⼤学ランキングトップ100に10校以 上ランクイン。地域社会のグローバル化を担う⼤学など ❷意欲と能⼒のある全ての学⽣の留学実現に向け、⽇本⼈留学⽣を12万⼈に倍増し、 外国⼈留学⽣を30万⼈に増やす。 →⼤学⼊試等におけるTOEFL等の活⽤。企業等との協⼒による留学⽀援の新た な仕組みの創設。ギャップタームにおける留学促進など ❸初等中等教育段階からグローバル化に対応した教育を充実する。 →⼩学校英語の抜本的拡充(早期化、時間増、教科化、専任教員等)の検討。少⼈数教育。 スーパーグローバルハイスクール(仮称)。国際バカロレア認定校の増(200校に)。 ❹⽇本⼈としてのアイデンティティを⾼め、⽇本⽂化を世界に発信する。 →国語教育、我が国の伝統・⽂化についての理解を深める取組の充実。 ❺特区制度の活⽤などによりグローバル化に的確に対応する。 学生を鍛え上げ社会に送り出す 教育機能を強化する ○ 社会⼈基礎⼒、基礎的・汎⽤的能⼒等の社会⼈として必要な 能⼒の育成のため、能動的な活動を取り⼊れた授業や学習法 など教育⽅法を質的転換。学修時間の増加、組織的教育の確 ⽴など教学マネジメントを改善し厳格な成績評価を⾏う。 ○ ⼤学・専⾨学校等は、地域の⼈材育成ニーズに応えた実践的 な教育プログラムを提供し、国が⽀援。 社会を牽引するイノベーション創出のた めの教育・研究環境づくりを進める ○ 国は、10〜20年後を⾒据えた「理⼯系⼈材育成戦略」(仮称)策定。 国・地⽅において、「産学官円卓会議」(仮称)設置。 ○ ⼤学発ベンチャー⽀援ファンド等への国⽴⼤学による出資を可能に。 ○ 体系的な博⼠課程教育の構築など⼤学院教育の充実。 ○ 初等中等段階の理数教育強化(専科指導、少⼈数教育、SSH等)。 大学等における社会人の学び直し機能を強化する ◯ ⼤学・専⾨学校等は、職業上必要な⾼度な知識や、新たな成⻑産業に対応し たキャリア転換に必要な知識の習得など、オーダーメイド型の教育プログラ ムを開発・実施。 ○ 国は、⼤学・専⾨学校等で学び直しをする者や社会⼈受講者の数の5年間で の倍増(12万⼈→24万⼈)を⽬指し、社会⼈への⽀援措置、事業主への経 費助成を⾏う。 大学のガバナンス改革、財政基盤の確立により経営基盤を強化する ◯ ○ ○ ○ ○ 国⽴⼤学全体の改⾰⼯程を策定。年俸制の本格導⼊などの⼈事給与システムの⾒直し、運営費交付⾦の戦略的・重点的配分など。 学⻑・⼤学本部の独⾃予算の確保など、学⻑がリーダーシップをとれる体制整備。教授会の役割の明確化など法令改正も含めたガバナンス改⾰。 ⼤学の財政基盤の確⽴、基盤的経費のメリハリある配分。国の公募型資⾦への間接経費措置。⺠間資⾦調達のための税制検討。 私⽴⼤学における建学の精神に基づく質の⾼い教育、全学的教育改⾰を重点⽀援。教育の質保証の総合的仕組みの構築。 学⻑、知事、産業界の代表等で構成する総理主催の「⼤学将来構想サミット」(仮称)を開催。 14 国⽴⼤学改⾰プラン 改⾰加速期間中(平成25年〜27年度)の国⽴⼤学の機能強化の取組 ミッションの再定義 各⼤学と⽂部科学省が意⾒交換を⾏い、研究⽔準、教育成果、産学連携等の客観的データに基づき、各⼤学の強 み・特⾊・社会的役割を整理・公表 社会の変化に対応できる教育研究組織づくり • 機能強化のための改⾰の取組(組織再編、予算、⼈材や施設・スペー ス等の資源再配分)を国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦等により重点⽀援 • 各⼤学の改⾰の取組を第2期中期計画に反映 → 各⼤学の取組への配分及び影響額を3〜4割に 国際⽔準の教育研究の展開 積極的な留学⽣⽀援 • 海外⼤学のユニット招致、国際共同⼤学 院の創設、外国⼈教員の積極採⽤、英語 による授業拡⼤等の国際化を断⾏する⼤ 学を重点⽀援 • ⽇本⼈学⽣等の海外留学を⽀援する官⺠ が協⼒した新たな制度の創設 • 重点地域等を設定し、外国⼈留学⽣を戦 略的に受⼊れ • 海外拠点を活⽤した現地選抜、渡⽇前⼊ 学許可を促進する仕組みの構築 ⼤学発ベンチャー⽀援 理⼯系⼈材の戦略的育成 • 国⽴⼤学から⼤学発ベンチャー⽀ 援会社等への出資を可能とする仕 組みの創設 → 第185回臨時国会で産業競争⼒強 化法が成⽴、平成26年4⽉1⽇ 施⾏ • 理⼯系⼈材育成戦略の策定 → 平成27年3⽉に策定 ⼈事・給与システムの弾⼒化 • 国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦の必要額を確保し た上で退職⼿当にかかる配分⽅法を早期に⾒ 直し、競争的資⾦における間接経費の確保 • 改⾰の取組への重点⽀援に際して、年俸制等 の導⼊を条件化、適切な業績評価体制の確⽴ • シニア教員から若⼿・外国⼈へのポスト振り 替えを積極⽀援 → 1万⼈規模で年俸制・混合給与を導⼊ → 若⼿・外国⼈に対し、1,500⼈の常勤教員の ポストを政策的に確保することを⽬指す ガバナンス機能強化 評価の体制強化 第186回通常国会で、学校教育法及び国⽴⼤学法⼈法の⼀部を 改正する法律が成⽴、平成27年4⽉1⽇施⾏ 国⽴⼤学法⼈評価委員会の評価体制の強化(産業界等⼤学関係 者以外からの委員増等)、先進的取組の積極的発信 等 15 国⽴⼤学等の機能強化を推進する改⾰構想(平成26年度からの取組) 世界水準の教育研究活動の飛躍的充実 北海道大学 東北大学 群馬大学 北海道大学の強みを集約した総長直下の教育研究組織に海外か ら一線級教育研究ユニットを誘致し、先端的国際共同研究により 生み出される実績をもとに、新学院「量子医理工学院」及び「国際 感染症学院」を設置 東北大学の強みであるスピントロニクス分野にシカゴ大学やミュン ヘン工科大学等から世界トップクラスの研究者を招へいし、国際 共同大学院を構築 筑波大学 東京大学 東京医科歯科大学 国際的通用性のある教育システム(学位プログラム制・日本版 チューニング・企業や外国の大学との学位プログラムの実施)を構 築し、大学のグローバル化を推進 東京大学のグローバル化を飛躍的に加速するため、世界から人 材の集う「知の拠点」国際高等研究所を形成し、カリフォルニア大 学バークレイ校等から世界レベルの研究者を招へい。最先端国際 共同研究の成果を教育へ転用 海外拠点地域にあるチリ大学、チュラロンコン大学等とジョイント ディグリーコースを設置し、国際性豊かな医療人の養成を推進す るとともに、世界競争力の強化及び日本式医療技術の国際展開 に貢献 東京農工大学 名古屋大学 京都大学 「グローバルイノベーション研究院」の設置やグローバル教育制度 (英語による教育や全学生の海外経験支援等)の創設により、国際 理系グローバルイノベーション人材の養成を推進 四半世紀にわたるアジア法整備支援の蓄積を踏まえ、アジア各国 の大学の協力を得て、法学等のアジアキャンパスを設置。各国の 専門家・政府高官に博士号を授与する環境を整備 工・理・医薬系の各分野トップレベルの研究者をハーバード大学や オックスフォード大学等から招へいし、国際連携スーパーグローバ ルコース(仮称)を構築。大学院生への研究指導を通じて世界と競 う人材を育成 京都工芸繊維大学 大阪大学 九州大学 世界ランキング15位に選出された実績等を踏まえ、建築・デザイン 分野で海外一線級のスタンフォード大学等からの研究者招へいや 海外拠点整備等により機能を強化 認知脳システム学や光量子科学等について、カリフォルニア工科 大学やフランス国立科学研究センターから世界トップクラスの研究 者を招へいし、国際的研究者が集う拠点を形成 国際コースの拡充や新規採用教員の5年間英語講義提供の必須 化などの展開を見据えつつ、欧米の大学(リーズ大学等)との連携 による「国際教養学部(仮称)」を設置 全学教員ポストを学長のリーダーシップで再配置可能な組織とし たうえで、重粒子線治療の強みを活かした総合腫瘍学等に関する 教育研究拠点を海外研究機関から研究者を招へいして形成 各分野における抜本的機能強化 秋田大学 福島大学 一橋大学 鉱山学部の蓄積を活かした国際資源学部を中心に、国内外の資 源に関わる企業・政府機関等の多様な分野で活躍できる人材の 養成を行い、我が国の資源・エネルギー戦略に寄与。同時に教育 文化学部、理工学部を含めた全学的な組織再編成による人的資 源を再配置 福島の復興・再生・発展のために、環境放射能研究所を環境放射 能の動態と影響を解明する先端研究拠点として機能を強化し、新 たに5部門13研究分野を設置して研究機能及び研究拠点としての 運営力を強化 学士課程プログラムの改革を推進し、新入生全員を対象とした短 期語学留学を必修化するとともに、チューニングによるカリキュラ ム調整などにより大学教育の国際的な互換基盤を整備。学位の 国際通用性向上を図ることによりスマートで強靱なグローバルリー ダーを育成 東京工業大学 福井大学 長崎大学 「世界標準の教育」を保証するため、世界トップクラスの大学のカ リキュラムに対応した教育システムへの転換を図る。MIT等の海 外トップ大学から研究者等を招へいし、世界の理工系人材の交流 の拠点化を推進 教職大学院を附属学校に置き、大学ではなく附属学校を拠点校と して教師教育を展開。拠点校に教職大学院の教員が出向き教育 実践を行うことで、福井県全8,000人の教員の資質向上に寄与 世界トップレベルのロンドン大学等と連携した熱帯医学GH(グロー バルヘルス)校を創設。ケニア等の熱帯地域・開発途上国におけ るフィールド研究を強化し、WHO等国際機関における熱帯医学・ グローバルヘルス専門家を育成 16 国⽴⼤学等の機能強化を推進する改⾰構想(平成27年度からの取組) 世界水準の教育研究活動の飛躍的充実 東京芸術大学 熊本大学 自然科学研究機構(大学共同利用機関法人) ロンドン芸術大学、パリ国立高等音楽院等から世界一線級 のアーティストユニットを誘致し、「芸術研究院」を設置。海 外大学との国際共同カリキュラム構築等を通じて国際水準 の芸術系人材育成を推進し、国際的芸術系教育研究拠点 としての機能を強化 生命科学分野(発生医学、エイズ学)をけん引する研究司 令塔として「国際先端医学研究機構」を設置。オックス フォード大学やシンガポール大学等から世界一線級の研 究者を招へいし、感染領域や造血領域等で国際的に卓越 した研究を推進 天文学・生命科学をはじめとする異分野連携による新分野 創成を加速するため、アストロバイオロジーセンター(仮称) を創設。プリンストン大学等から世界一線級の研究者を招 へいし、国際的・先端的な共同利用・共同研究を推進 各分野における抜本的機能強化 帯広畜産大学 東京外国語大学 お茶の水女子大学 獣医・農畜産分野において、国際通用性を備えつつ、食の 安全確保に資する教育課程及び10社以上の食品関連企業 等との連携により即戦力人材を育成。新たに「グローバル アグロメディシン研究センター」を設置し、コーネル大学等か ら研究者を招へいし、国際共同研究を推進 日本研究・日本語教育に関する実績を踏まえ、新たに「国 際日本学研究院」を設置。コロンビア大学、ロンドン大学 等から世界トップレベルの研究者を招へいし、国際的な日 本研究を深化し、日本の発信力、国際的なプレゼンス向 上に寄与 国立女子大学ならではの重点研究領域として「グローバ ル女性リーダー育成研究機構」を設置。国内外から女性 研究者を招へいし、女性のリーダーシップ育成と男女共同 参画社会の実現に貢献する研究教育を通じて、世界で活 躍できる女性リーダーの育成機能を強化 金沢大学 信州大学 浜松医科大学 がん進展制御研究の実績等をいかし、全学的な研究司令 塔機能を担う「新学術創生研究機構」を設置。カリフォルニ ア大学等から世界一線級の研究者を招へいし、世界レベ ルの研究者・若手研究者・成績優秀な大学院生が共同して 分野融合型プロジェクト研究を推進 和歌山大学 観光学分野で世界トップクラスのサリー大学等との連携実 績をいかした「国際観光学センター」を設置し、世界一線級 の外国人研究者を招へい。我が国初の国連世界観光機関 の観光教育・訓練・研究機関認定(tedQual)の取得等を通じ、 アジアにおける観光研究ハブを形成 「繊維・ファイバー工学」等の信州大学が強みとする5つの 分野に学内資源を集中させ「先鋭領域融合研究群」を設置。 MIT等から世界一線級の研究者を招へいし、国際教育研 究拠点を目指すとともに高度研究力と国際的実践力を有 する理工系グローバル人材を育成 「光医学教育研究センター」を設置し、光医学で一線級の 研究者を招へい。光産業でイノベーション創出をけん引す る地元企業等と連携した共同研究等により医療機器開発・ 実用化を推進。光医学の素養を持った高度専門人材の輩 出と地域産業の発展に寄与 鳥取大学 山口大学 乾燥地科学の研究実績を踏まえ、「国際乾燥地域研究教 育機構」を設置。世界トップクラスの海外大学等から研究 者を招へいし、農学・社会科学・医学系等の研究者ととも に国際共同研究を推進。研究成果を活かした国際乾燥地 域科学の大学院設置を構想 山口県内の自治体や企業等と連携した実践的課題解決型 プロジェクトや学生の長期海外留学を必修化した「国際総 合科学部」を設置。徹底した全学的教育改革により、地元 企業の海外事業展開や地域の課題解決・発展に資する人 材を育成し、地方創生に寄与 17 新時代のニーズにあわせて変わる国⽴⼤学 佐賀⼤学 芸術地域デザイン学部(H28予定) 愛媛⼤学 社会共創学部(H28予定) 福井⼤学 国際地域学部(H28予定) 秋⽥⼤学 国際資源学部(H26) 産業・⽂化の振興といった地域ニーズを踏まえ、 アートを通じて地域社会に活⼒を与えられる⼈材を 養成。【⾃治体と連携したフィールド実習、佐賀県 有⽥窯業⼤学校の資源を活⽤した実践教育】 フィールドワークを重視し、⽔・紙産業の振 興など地域社会の持続的発展を担う⼈材を養 成。【県内の⾃治体・企業と連携し、新たな 寄附講座の設置とコンソーシアムの構成】 地域の諸課題を国際的な視野で解決し、持続 発展に寄与できる能⼒を持つ⼈材を養成。 【県内の⾃治体・企業等と連携し、地域課題 探究・解決に取り組むアクティブラーニング を展開】 新たな資源技術と将来の資源・エネルギー戦略 の発展・⾰新を担うグローバル⼈材を養成。 【海外の資源フィールドを活⽤したグローバル 実習の実施】 ⻑崎⼤学 多⽂化社会学部(H26) ⼭⼝⼤学 国際総合科学部(H27) 政治・経済、⽂化、社会活動分野等で存在感 をもって国際的に活躍できる⼈⽂社会科学系 グローバル⼈材を養成。【海外体験の必須化 や⻑崎県の特性を踏まえたオランダ特別コー スの設置】 国際社会及び科学技術に関する複眼的・総合 的な諸問題の調整・解決に貢献する⼈材を養 成。【⻑期留学の必修化、デザイン思考を備 え、⾃治体・企業と連携した課題解決型プロ ジェクトの実施】 ⼤分⼤学 福祉健康科学部(H28予定) ⼭梨⼤学 ⽣命環境学部(H24) 果樹栽培やワイン産業など地域産業の特性を踏 まえ、持続的な⾷料⽣産と供給を担う幅広い視 野を有した⼈材を養成。【ワイン⽣産など地域 資源を活⽤した実践的な活動を実施】 ⽂理の枠組を超えて、グローバル 化、イノベーション、地⽅創⽣など 我が国が直⾯する重要課題に対応 宇都宮⼤学 地域デザイン科学部(H28予定) 医療と福祉を融合し、「地域包括ケア」を実 践できる⾼度な専⾨性を有したマネジメント ⼒を有したリーダーを養成。【県内の⾃治体 と連携し、医療・福祉地域現場での臨床実習 の実施】 宮崎⼤学 地域資源創成学部(H28予定) 地域資源に新たな価値を創成し、成⻑産業の 振興と地域活性化を図るため、畜産・農業・ 観光等の地域資源のマネジメント⼈材を養成。 【県内の⾃治体・企業等と連携し中⼭間地等 での課題解決型実習を実施】 社会制度、まちづくり、防災・減災などの重層 的・複合的な地域課題に対応できる⼈材を養成。 【県内の⾃治体・企業等と連携し、全学⽣が参 加する地域プロジェクト演習の実施】 ⾼知⼤学 地域協働学部(H27) 徳島⼤学 ⽣物資源産業学部(H28予定) 千葉⼤学 国際教養学部(H28予定) 地域の⾏政・産業の課題解決のため、協働を 通じて産業振興や地域活性化を担う⼈材を養 成。【県内の⾃治体・企業と連携して徹底し た実習とステークホルダー参画型の学部運営 を実施】 ヘルス・フード・アグリとバイオを融合した⽣ 物資源を活⽤した6次産業化及び産業創出⼈材を 養成。【徳島県の農場を活⽤し、県内の⾃治 体・企業等と連携した実践型フィールド実習の 実施】 科学的基礎知識を踏まえて⽇本発の⽂化や先端 技術を理解し、課題発⾒・解決能⼒を有したグ ローバル⼈材を養成。【短期留学の必修化や⾶ び⼊学の実績等を踏まえた国際先進科学プログ ラムの実施】 ※H28に関しては、現在構想中であり、内容の変更が有り得る 18 国⽴⼤学の機能強化を⽬指した先導的取組の事例 ◆社会や地域における現代的課題の解決に貢献する人材養成に取り組む例 山口大学 国際総合科学部 【新設】 改組 転換 教育学部 4新課程の廃止 経済学部 3学科等の廃止 (H27開設) 学部の基本設計をディシプリン・ベースドからアウトカム(人材像)・ベースドに転換し、文理融合型教育を行うことにより、 科学技術リテラシーと英語によるコミュニケーション能力と課題解決能力を併せ持つ、国際的に活躍できる人材を養成。 国際学部 地域デザイン科学部 【新設】 改組 転換 宇都宮大学 (H28開設準備中) 教育学部 教育学部 工学部 農学部 教員養成課程の充実 2学科における定員減 1新課程の廃止 1学科の廃止 5学科における定員減 社会科学の素養も身に付けた建築都市デザインや社会基盤デザインの技術者や、地域を調査分析する理系スキルを 身に付けたコミュニティデザインの専門職業人を育成する理系を中心に文理融合した地域系の学部を設置。 ◆特定領域の課題解決や発展充実に寄与する教育研究の新展開に取り組む例 和歌山大学 (H27) 「国際観光学センター」 の設置 観光学分野で世界トップクラスのサリー大学等との連携実績をい かしたセンターを設置し、世界一線級の外国人研究者を招へい。我 が国初の国連世界観光機関の観光教育・訓練・研究機関認定 (tedQual)の取得等を通じ、アジアにおける観光研究ハブを形成。 ◆学際的分野融合や国際連携等により教育研究の高度化に取り組む例 東京大学 (H28開設準備中) 文学部 「人文学科」の新設 文学部 改組 思想文化学科 歴史文化学科 言語文化学科 行動文化学科 の廃止 現行4学科を1学科に改組することで専門領域内での学修に自足する傾向を解決し、俯瞰的な視野から「人間」と「社会」を めぐる知を活用しうる人材を育成。 19 国⽴⼤学法⼈運営費交付⾦予算額の推移 20
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