高い倫理観 健康、安全、環境 とセキュリティ (HSES) ビジネスパートナー

6
9
懸念事項の報告
人権
14
18
利益相反
贈答品と接待
30
24
会社情報の保護と
使用
33
ビジネスパートナー
記録の保全
37
高い倫理観
ビジネス
行動規範
45
健康、安全、環境
とセキュリティ (HSES)
マーク
からのメッセージ
イーストマンは、生産性、革新性、
そして倫理的な意思決定を重要視します。当社はこれら
のコアバリューの維持に努めており、
その結果、公正さと高い倫理観を持ちながら事業を
展開する、優れたスペシャルティケミカルカンパニーとしての評判を築くことができまし
た。
この評判を今後も保てるかどうかは、皆さん一人ひとりにかかっています。社内で同
僚たちと互いにどのように接するか、
そして当社のサプライヤー、顧客およびベンダーに
どのように対応するかによって、当社が業界や地域社会からどのように見られるかが決ま
ります。私たちは、難しい判断を求められるときでも、
これらのコアバリューを守り、妥協
せず高い倫理観をもって行動する責任があります。倫理的に行動することは必要不可欠
ですが、
その理由は当社の評判を守り、法律や規制を順守するためだけではなく、単純に
それが正しいことだからです。当社が事業規模を拡大する過程で、私たちは困難な状況
に直面することもあるでしょうが、皆さんが全力を尽くしながら、公正に、正直に、
そして高
い倫理観をもって職務を遂行すると信じています。
イーストマンのビジネス行動規範は、
このような状況において意思決定をする上での指
針として使うことができます。正しい判断ができるようになるために、ぜひこの行動規範
を読み、内容を理解してください。
自分はどう行動すべきか、
またはイーストマンが期待す
る行動について分からないことがある場合は、
グローバルビジネス行動規範オフィス、直
属のマネージャー、人事部または法務部に連絡してください。当社への報告はすべて内
密に処理され、誠意を持って報告した場合、報復を受けないことを約束します。懸念事項
を報告することは、私たち全員に影響を及ぼす可能性がある問題に対処するための重要
な第一歩です。
イーストマンの高い倫理基準を守ることにご協力いただき、心から感謝いたします。
マーク・コスタ
会長兼 CEO
i
ビジネス
行動規範
倫理的なビジネス行動
懸念事項の報告:私たちは困難な状況が生じた場合、質問したり懸念事項を報告することに
より、当社の評判を守ります。私たちが高い倫理観を持って行動するためには、問題や誤りの疑
いがある場合は正直に報告し、お互いに説明責任を果たさなければなりません。
人権:私たちは、全社員の人権と尊厳を尊重します。私たちはあらゆる人たちを受け入れ、皆が
最高の仕事ができる、
グローバルな職場風土を作ります。
利益相反:業務を遂行する際は、当社にとっての最大利益のために行動する義務があります。
利益相反がある場合は報告し、当社が調査を行えるようにしなければなりません。
贈答品と接待:当社は、取引先との間でちょっとしたビジネス上の儀礼のやりとりをすることで、
関係を強化できることを認識しています。ただし、相手のビジネス上の判断に不適切な方法で影響
を与えたり、当社の価値観に反することにつながるような贈答品や接待のやり取りは、絶対に行っ
てはなりません。
会社情報の保護と使用:イーストマンは、当社独自の情報を基に他社と競争し、革新を遂げ、
成長しています。私たちは、
この貴重な資産を紛失、盗難、悪用から守らなければなりません。
記録の保全:私たちには、信頼できる業績情報をステークホルダーたちに提供する責任があり
ます。私たちは、当社の記録を誠実、完全、かつ正確に作成、管理しなければなりません。
ビジネスパートナー:当社は、法律を順守し、高い倫理基準を保つという当社の取り組みに
同意する第三者とのみ、取引を行います。当社は、取引先のビジネスパートナーに対して、高い
倫理観、誠実さ、透明性をもって行動することを期待します。
高い倫理観:当社はすべての取引先から信頼される企業となります。私たちは有言実行を守り、
常に正しいことを行います。
健康、安全、環境とセキュリティ (HSES):私たちは当社、環境および世界を守る存在とな
り、現在および将来の成功を保証します。当社は、業務に関連した怪我はすべて防ぐことができる
と考えています。私たちは家庭や職場において互いに怪我のないよう気を配る必要があります。
ii
ビジネス
行動規範
目次
マークからのメッセージi
倫理的なビジネス行動ii
はじめに
ビジネス行動規範の目的2
行動規範の適用対象2
私たちの責任3
行動規範と法律4
グローバルビジネス行動オフィスの役割 4
行動規範に違反した場合の措置5
懸念事項の報告
相談方法または懸念事項や違反の報告方法7
調査8
報復の禁止8
人権
ハラスメント10
多様性 11
差別 11
社員のプライバシー12
組合結成と団体交渉の自由12
人身売買、強制労働および児童労働13
就業時間と報酬13
利益相反
利益相反とは15
顧客やビジネスパートナーとの間の個人的
な利害15
社外の雇用15
他組織への投資16
他社の取締役への就任16
同僚との個人的な関係17
贈答品と接待
贈答品、接待、旅費の供与や受け取り19
贈答品20
接待21
旅費22
特別なケース22
不適切な贈答品と接待23
公務員23
会社情報の保護と使用
当社の情報の保護25
他社提供の機密情報27
他社に関する情報27
インサイダー取引28
社外とのコミュニケーションと社外からの情
報提供依頼29
ソーシャルメディア29
記録の保全
正確な会計帳簿31
詐欺的行為31
記録の管理32
監査に対する不適切な影響力行使の禁止 32
ビジネスパートナー
製品やサービスに対する支払い34
公務員への支払いと贈答35
腐敗防止35
高い倫理観
公正な取引38
当社製品の誠実な販売促進と広告38
競争法/独占禁止法39
輸出規制 42
経済制裁、禁輸およびテロ対策42
マネーロンダリング43
ボイコット禁止43
個人の政治的活動43
会社の政治的活動44
慈善寄付44
政府との契約締結44
健康、
安全、
環境とセキュリティ
(HSES)
安全で健康的な職場の提供46
安全性46
社員の健康47
環境保護49
当社製品の持続可能性の実現 49
適用除外
参考情報
グローバルビジネス行動規範オフィスの
イントラネットサイト51
ポリシー、標準実施要領およびガイドライン51
グローバルビジネス行動オフィス51
イーストマンのビジネス行動ヘルプラインの
電話番号とウェブサイト 51
ポリシーとその他の参考情報52
免責事項52
iii
はじめに
” 行動規範が
重要な理由”
1
ビジネス行動規範の目的
イーストマンは、高い倫理観を持って業務を行っていることを誇りにして
います。当社は、優れた会社を築くためには、良い業績を出すだけではな
く、
それ以上のことを実践しなければならないと信じています。
イースト
マンで働く社員はこれまで、高い倫理観をもって行動することがもっとも
重要であり、非倫理的な行動は許されないという会社風土を作り上げて
きました。当社は、
この倫理的なビジネスの実践により、当社の顧客、サ
プライヤー、株主、同僚、
そして私たちが生活し働く地域社会などのステ
ークホルダーと、良い関係を築くことができました。
そして、
このステーク
ホルダーたちによる信頼のおかげで、今後も成長と革新を続けていくこ
とができます。
このビジネス行動規範(以降、
「行動規範」
)は、当社の今後の成功に必要
な倫理的なビジネス行動を示しています。私たちは、
この倫理的なビジ
ネス行動を指針として、同僚たちや主要なステークホルダーたちと接し
なければなりません。
行動規範の適用対象
ビジネス行動規範は、
イーストマンで働く全社員、すなわち役員、取締役、
そしてすべ
ての役職レベルの社員に適用されます。
また、
この行動規範は、
イーストマンの子会
社や(イーストマンの参加比率に従い、合理的な範囲において)
ジョイントベンチャー
(「JV」)にも適用されます。行動規範の適用が不可能な場合、当社はJVやJV参加企業
が同様の指針に従うよう、可能な限りのことをします。本文書内の「イーストマンケミカ
ル」
、
「当社」および「イーストマン」
という表記は、
これらすべての事業体を指します。
2
私たちの責任
私たちはこの行動規範を指針として使い、正しい方法でビジネスを行
うという当社の評判を守らなければなりません。
したがって以下のこと
をする必要があります。
•• 行動規範を読み、
その内容を理解する
•• 行動規範に関するトレーニングコースやその他各
自に割り当てられた研修コースを適時に受講する
•• 行動規範を順守しながら行動をとり、違反に気付
いた場合、
または違反が疑われる場合は、本行動
規範の「相談方法または懸念事項や違反の報告
方法」の項に記述されている手順に従って報告する
•• どう対応すべきか分からない場合は、助言を求める
当社で管理職に就いている場合は、
さらなる責任があ
ります。当社は、マネージャーに対して、
リーダーシッ
プを発揮し、チームワークを重視することを期待して
います。マネージャーには、次のような行動が求めら
れます。
•• 見本となる行動をとり、部下たちに対して、各自に
適用される本行動規範や当社のポリシー、法律を
理解させる
•• 部下たちが質問や懸念事項の報告をしやすい、
オープンドアの環境をつくる
•• 自分の責任範囲におけるリスクを把握し、
そのリス
クを低減するための対策を講じる
•• 自分の責任範囲にある会社記録を確認する際は、
注意を払う
•• 違反が疑われる場合は報告する
•• 部下による報告は速やかにエスカレートする
•• 直属の部下たちの研修やキャリア開発に力を入れる
3
行動規範と法律
当社の業務運営と社員には、多くの国々や地域の法律が適用されます。私たちは、当社の行動規範と該
当するすべての法律、規則および規制に従わなければなりません。当社の行動規範の中で、法律と矛盾
している部分がある場合は、必ず厳しい方の規定を順守してください。
イーストマンの本社は米国にある
ため、多くの場合、米国の法律が世界中の社員に適用されます。
また、米国以外の国も、国境を越えて自
国の法律を当社の業務運営と社員に適用する場合があります。適用される法律が不確かな場合や、該当
する法律の間で矛盾があると思われる場合は、行動をとる前に法務部に相談してください。
グローバルビジネス行動規範オフィスの役割
グローバルビジネス行動規範オフィス
(GBC)の役割は、法的リスクを最小限に抑え、
当社のブランドと評判を守り、高い倫理観をもってビジネスを行う文化を推進し、懸念
事項がある場合の安全な報告先を社員のために用意することです。GBCは、倫理およ
びコンプライアンスプログラムがその目標を達成できるようにするために、以下のこ
とを行います。
•• 倫理的な行動と、
コンプライアンス重視の文化を推進する
•• 質問や懸念事項の報告を内密に行う手段を用意し、現地の法律の下で認められる
場合は、匿名性を確保する
•• 効果的なトレーニングプログラムを社員のために用意する
•• 懲戒処分を決めるときは、
その内容が適切であること、
そして一貫性があることを
確認する
•• 当社に影響を及ぼすコンプライアンス関連のリスクを認識し、
そのリスクを最小限
に抑えるために努める
•• 倫理的なジレンマを解決できるようにするために、当社のポリシーに関する情報を
提供する
•• 不正行為の報告があった場合、調査を実施し、評価を下す
•• 問題解決に役立つ参考情報を社員に伝える
当社は、倫理的にビジネスを行うことにより、
当社の顧客、
サプライヤー、株主、同僚および
地域社会と、良い関係を築くことができました。
4
行動規範に違反した場合の措置
当社の行動規範、ポリシーまたは法律に違反した場合は、
それに関
与した当事者とイーストマンにとって重大な結果を招く可能性があり
ます。私たちは、
自身の行動に責任を持たなければなりません。非倫
理的もしくは違法な行為に関与した場合、
またはこのような行為を指
示、容認、承認、助長した場合は、現地の法律に従い、解雇を含む懲戒
処分が科せられ、状況によっては、政府告訴の対象となる可能性もあ
ります。
当社の懲戒処分手続きは、当社の価値観に基づき、社員の尊厳を考
慮して行い、違反行為に対して相応しく、一貫性のある処分内容とし
ます。社員に対する体罰や精神的または身体的な暴力は、絶対に許
容されません。
また、苛酷または非人道的な処置も認められません。
忘れないでください。非倫理的な行動をとると、私たち全員がリスク
を抱えることになります。評判が損なわれ、当社のステークホルダー
に悪影響を与え、状況によっては私たちも、会社または個人として、罰
金を科せられたり、民事責任や刑事責任を問われたりする場合があり
ます。
したがって、私たちは全員が、行動規範違反や法律違反を避け
なければなりません。
私たちは正しいこと
をするために尽くします。
5
懸念事項の報告
” 問題に気付い
たら、報告して
ください。”
私たちは困難な状況が生じた場合、質問したり懸念事項を報告
することにより、当社の評判を守ります。私たちが高い倫理観を
持って行動するためには、問題や誤りの疑いがある場合は正直
に報告し、お互いに説明責任を果たさなければなりません。
6
懸念事項の報告
相談方法または懸念事項や違反の報告方法
当社は、行動規範の違反が疑われる場合、
それを責任を持って報告することを奨励しています。皆さんは、
疑わしい行為があったり、法的解釈が明確でない場合、相談する義務があります。
そのような状況にあり、対処法が分からないときは、ためらわずに相談してください。
行動規範または法律の違反が疑われる場合は、当社に速やかに報告してください。適時に報告していた
だくことで、被害を防ぐことができる場合があります。
質問がある場合や問題を報告する場合の連絡先
グローバルビジネス行動規範オフィス
社内で報告する場合:
• 電話番号:+1.423.229.5552
• メールアドレス:[email protected]
イーストマンビジネス行動ヘルプラインの電話番号とウェブサイト
• 米国またはカナダから報告する場合のフリーダイヤル番号:
1.800.455.5622
• 米国またはカナダ以外から報告する場合のフリーダイヤル番号:
AT&T アクセスコードをダイヤルして、案内が聞こえたら下記の番号をダイ
ヤルします:800.455.5622 または 1.800.455.5622。
• 電話の応対は英語で行われます。他の言語での応対を希望する場合:
»» 通訳者を依頼するために、希望する言語を伝えてください。
»» 通訳者の手配に 2~3 分要する場合があります。
»» 電話を切らないでお待ちください。
• ウェブサイト:www.eastman.ethicspoint.com
ビジネス行動ヘルプラインは、機密性が確保された、24 時間利用可能なホットラインです。電話をすると、
世界的に有名な独立系サービスプロバイダーで働く、
コミュニケーションスペシャリストが対応します。
ホットラインを利用するときは、名前を伝えていただければ、問題の調査に役立ちますが、現地の法律で
認められている場合は、匿名で報告をすることも可能です。
懸念事項のその他の報告先:
•• 人事部のマネージャーまたは人事担当者
•• 法務部
•• 管理職の社員
•• コーポレート監査部
7
懸念事項の報告
調査
当社は、不正行為の疑いの報告をすべて真摯に受け止めます。報告された内容については内
密に調査を行い、行動規範、当社のポリシーまたは法律に違反しているかどうかを判断して、
適切な是正措置を講じます。調査への参加を求められた場合は、全面的に協力し、すべての質
問に完全かつ正直に答えてください。当社では、すべての調査を該当する法律に準拠して行う
ことを、ポリシーとして定めています。
ホリーは、同僚のジョンが USB メモリにファイルを保存し、その USB メモリをポケットに入れ
るのを見かけました。彼女は、最近ジョンがリクルーターから何度か電話を受けていることを
知っています。そして、ふと、彼は転職先に持って行くために当社の機密情報をUSBメモリに保
存しているのでは、と疑います。ホリーは報告すべきでしょうか。ジョンは友人なので、勘違い
だった場合の悪影響を恐れています。
ホリーには関係ないことなので、報告
すべきではない。
ホリーは、ジョンに対して、彼女の頼
み事を聞かなければ報告すると言う
べきである。
ホリーは、自分が目撃したことの事実
を報告し、それが誰なのかは伏せる
べきである。
ホリーは、自分が目撃したことを報告
すべきである。
報復の禁止
当社にとって、当社が対処する必要のある、潜在的な問題の特定につながる意見は貴重です。
報復は決して許容されません。率直に意見を述べることは正しいことです。誠意を持って懸念
事項を報告した場合は、結果的に違反がないと判断されたとしても、
その報告をした社員が懲
戒処分や報復を受けることは一切ありません。同様に、調査に協力した社員や第三者への報復
も許容されません。報復を受けた、
または報復の脅しを受けたと思う場合は、速やかにグロー
バルビジネス行動規範オフィスに報告してください。
8
人権
” 敬意 をもって
対応されるこ
とを期待して
ください。”
私たちは、全社員の人権と尊厳を尊重します。私たちはあらゆる
人たちを受け入れ、皆が最高の仕事ができる、
グローバルな職
場風土を作ります。
9
人権
ハラスメント
同僚に対する敬意と公平な対応
当社は、皆が公平に、敬意を持って対応されるべきであると考えています。
ハラスメントは、社員たちが互いを信用しない、働きづらい職場を作り出
し、
目標達成の妨げとなります。
そのため、ハラスメントは当社において相
応しくない行動であり、一切許されません。
ハラスメントは、威圧的、敵対的、排他的または不快な職場環境を生み出
す、迷惑な行為です。ハラスメントは、発言、性的誘いかけ、不適切な接待、
不適切な画像表示など、
さまざまな形をとる場合があり、同僚、マネージ
ャー、サプライヤー、請負業者、顧客などがハラスメントを行う場合もあり
ます。不快感を与えるコンテンツ、中傷、不適切な言葉、および他者をネタ
にする
「冗談」の使用や流布は、敬意を払わない失礼な行動であり、当社
の職場にはふさわしくありません。
セクシャルハラスメント
ハラスメントには、性的なものもあります。例えば、迷惑な性的誘いかけや性的
なジョーク、発言、および業務時間中または当社のリソースを使ってポルノやそ
の他の不適切なコンテンツを見ることなどが含まれます。
いじめと集団暴力
いじめや集団暴力も一種のハラスメントであり、組織的、持続的または継続的
な敵対行為と定義されています。例えば、直接、
または電子メール、
ソーシャルメ
ディアやその他のデジタルコミュニケーションを使って、相手に屈辱を与えたり、
孤立させたり、仲間はずれにするなどの行為です。いかなるいじめは、一切許さ
れません。当社ではチームワークが重要なので、
このような行為があると、関係
者全員が被害を受けることになります。
最近オペレーション部に配属されたばかりのアンバーは、毎日、セスとチェイスから口笛を吹
かれたり、不適切な言葉を投げかけられています。周りの同僚たちからも見られて、恥ずかしい
思いをしています。でも新しい仕事場で敵を作りたくはありません。アンバーはどうすべきでし
ょうか。
アンバーは、このような行為が続くことを容認してはなりません。報告すべきです。当社は、社員
が職場でこのような不適切な行為をとることを許しません。このような行為に気付いたり、目撃
したりした社員は、報告してください。
10
人権
多様性
当社は、多様な観点が創造性や革新性を促進すると
考えています。
あらゆる観点を受け入れるグローバル
文化において、一人ひとりの社員がチームに貢献で
きます。
多様性とは、各自が持っている強みを活用し、弱みを
最小限に抑えることで、一人ではできないことを集団
として可能にすることを意味します。当社は、多様性
により、強い会社になり、競争力をつけ、皆にとって働
きやすい場所にすることができます。
差別
当社は多様性を重要視しているので、対象者のスキ
ルや能力、潜在能力以外の個人的特徴を基に雇用
上の決定を下すことはありません。当社は、雇用、報
酬または昇進の面で、人種、民族、宗教、性別、性別認
識、性的指向、年齢、障がい、出身国、
その他法律によ
り保護される特徴を基に差別することを認めません。
あらゆる観点を受け入れるグローバル文化では、
一人ひとりの社員がチームに貢献できます。
当社は、
多様性により、強い会社になり、競争力をつけ、
皆にとって働きやすい場所になることができます。
11
人権
社員のプライバシー
私たちは皆、
さまざまな個人情報を会社に提供しているので、
これ
らの情報の安全性と機密性を守る責任があります。
個人情報とは、特定の個人を直接的または間接的に識別する情報
を指します。個人情報の例には以下のものが含まれます。
•• 職歴
•• 政府発行の個人識別番号
•• 連絡先情報
•• 配偶者の有無
•• 病歴
•• 業績評価
個人情報の収集や使用を規制する法律は多くの国で施行されて
いますが、対象となる個人情報の種類、個人情報がどのように保
護されるか、
そして取り締まりの仕組みは国によって異なります。
個人情報を取り扱う権限がある場合は、各自の職務に必要な情報
のみを取り扱うようにし、適用されるプライバシー関連の法律があ
る場合は必ずそれを順守してください。
組合結成と団体交渉の自由
当社には、社員のニーズに応え、
それ以上の対応をするという、強い意志があります。
当社のポリシーや社内手続きは、
オープンかつ正直なコミュニケーションを図ることが
でき、すべての社員を尊重する職場環境で、積極的かつモチベーションが高い社員が
働けるようにすることを主眼としています。
当社は、現地の法律に従い、組合結成の自由と団体交渉権を尊重し、すべての法的義
務を守ります。
12
人権
人身売買、強制労働および児童労働
当社は、強制労働を禁止するなど、人権を守ります。人身売買は断固として認めま
せん。当社は、適用法規の条件を満たす、
またはそれ以上の職場環境、給与および
諸手当がある、安全、健康的かつ理想的な職場を提供し、各自の業務実績に応じて
報酬を支払います。当社は児童労働関連のすべての法律を順守し、違法な児童労
働の排除に対する取り組みを支持します。
また、当社のビジネスパートナーに対しても、同様の倫理的な行動をとることを期
待します。
就業時間と報酬
当社は、勤務時間や、現地の法律に基づく時間外手当の支払いを含む、
給与の規程を適切に保ちます。
これには、性別にかかわらず、同等の仕
事に対して同等の報酬を支払うことも含まれます。
13
利益相反
” ビジネス上の
判断は利点
に基づき、下し
てください。”
業務を遂行する際は、当社にとっての最大利益のために行動す
る義務があります。利益相反がある場合は報告し、当社が調査
を行えるようにしなければなりません。
14
利益相反
利益相反とは
利益相反は、社員の個人的な利害や活動が、当社の最大利益のために行動する能力
に影響を与える、
またはそのように見られる場合に生じます。当社のポリシーは、利益
相反がある場合、
またはその可能性がある場合は、「利益相反の適用除外申請」をグロ
ーバルビジネス行動規範オフィスに提出することを定めています。以下に、一般的な利
益相反の例を挙げます。
顧客やビジネスパートナーとの間の個人的
な利害
私たちは、当社の顧客やサプライヤー、ベンダー、請負業者、エージェントまたはディス
トリビューターを含むビジネスパートナーとの関係を、個人的に活用して利益を得る、
または得ようとしてはなりません。当社の社員は、提案や決定を行う際、私情に左右さ
れてはなりません。
社外の雇用
イーストマンは、社員の勤務時間外の活動については、利益相反がなければ、干渉しません。
以下に該当する場合は、社外のビジネス活動に携わることができます。
•• 当社と顧客またはビジネスパートナーとの関係に悪影響を与えない。
•• 当社との間の雇用契約の条項に違反しない。
•• 安全性、健康、職務、勤務への悪影響がない。
•• 当社での勤務時間を社外のビジネス活動のために利用しない。
•• 当社の社員、資産(ITシステムや電話など)
、資材、
オフィス用品もしくは機器を、社外のビジ
ネス活動のため、
または個人的な利益のために利用しない。
グローバルビジネス行動規範オフィスから書面による事前の承諾を得ずに、
当社の関心分野、
顧客
または競合会社に関連するサプライヤーやコンサルタントの下で働くことは禁止されています。
昨年、デニスはイーストマンの同僚たちと共に、他社のエンジニアたちと協力して大きなプロジ
ェクトに参加しました。そのエンジニアたちはデニスの技術的な知見に感心し、非常勤のコン
サルティング契約をデニスに提示しました。デニスはこの申し入れを受けたいと思っています。
その場合、彼はまず何をすべきでしょうか。
イーストマンとイーストマンの取引先または競合先の両方の下で働いた場合、利益相反が生じ
る可能性があります。彼は、この申し入れを受ける前に、当社の管理職に相談してから、グロー
バルビジネス行動規範オフィスに適用除外申請を提出し、承諾を得るべきです。
15
利益相反
他組織への投資
私たちは、個人的な投資をする場合、
イーストマンの利害と対立し
ないようにしなければなりません。私たちは、顧客、サプライヤー、
競合会社、エージェント、
ディストリビューター、当社との取引に関
係する者や関係するかもしれない者、
または当社が関与するビジ
ネスベンチャーに対して、多額の投資をしたり、
その他の経済的利
害関係をもってはなりません。
これは当社の社員だけでなく、社員
の同居家族や親しい知り合いにも適用されます。上場企業の証券
に対する比較的小規模な投資は、通常、違反の対象と見なされま
せん。
同様に、私たちは、事前にグローバルビジネス行動規範オフィス
に「利益相反の適用除外申請」を提出して書面による承諾を得て
いない限り、
イーストマンにサービスを提供する会社を所有した
り、
その会社の下で働くことはできません。
これも、当社の社員だ
けでなく、社員の同居家族や親しい知り合いにも適用されます。
直接的または間接的な利益相反が生じる取り引きは、
自ら承認、
実行または許可してはなりません。
このような利益相反がある場
合は、
グローバルビジネス行動規範オフィスに相談してください。
他社の取締役への就任
私たちは、事前にグローバルビジネス行動規範オフィスに事実関
起こりうる事態
を想定し、
ありきたりの
方法で満足し
ない。
係を報告し、承諾を得ていない限り、
イーストマンと競合関係や取
引関係がある会社の下で、役員、取締役、パートナー、
コンサルタン
ト、社員、
ディストリビューターまたはエージェントなどの形で働く
ことを控えなければなりません。場合によっては、当社の経営幹部
の承諾を得る必要もあります。慈善団体や職能団体の役員に就い
て地域社会に積極的に貢献することは当社が奨励する活動であ
り、事前の承認は必要ありません。ただし、当社での職務遂行を妨
げない場合に限られます。
16
利益相反
同僚との個人的な関係
当社のポリシーは、勤務時間外および当社敷地外における同僚との個人的な関係
(感情的または性的な関係など)には、通常、適用されません。ただし、当社のポリシ
ーは以下のことを禁じています。
•• 個人的関係が職場での業務の妨げとなる
•• マネージャーが部下と個人的関係を結ぶ
•• マネージャーの部下として家族や同居人が働く
•• 個人的関係の一方が、相手の雇用上または解雇の判断、手当や給与、職務、昇進、
業績評価、懲戒、
その他の雇用上の条件に影響を与えることのできる場合
イーストマンのサプライヤー、顧客または競合会社を、当社社員の同居家族や親し
い知り合いが所有したり、
その下で働く場合も、利益相反が生じます。
このような状況
がある場合は、
自分の立場を利用して入札プロセスや交渉に影響を及ぼしてはなり
ません。サプライヤーの選定や請求書の承認手続きに直接関わっている場合は、た
だちに当社の管理職に知らせ、
その意思決定プロセスから外れてください。
ご存じですか
「親しい知り合い」には、親しい個人的関係があり、ただちに、
また
は将来的に、直接的または間接的な金銭面の恩恵をもたらしてく
れる相手が含まれます。
その例としては、親戚、名付け親または幼
馴染みといった特に親しい人、同居している者などが含まれます。
トマスは、リディアをデートに誘いたいと思っていますが、二人とも同じ調達部で働いています。
同僚とデートすることは当社ポリシーの違反でしょうか。
二人が個人的な時間を使い、当社敷地外で個人的関係を持つ場合は、問題ありません。ただ
し、その個人的関係が職場での業務の妨げとなる場合、二人の間に直接的な上下関係がある
場合、または一方が相手の手当、給与、職務、昇進、業績評価、懲戒、その他の雇用上の条件
に影響を与えることのできる場合は、当社が立ち入ります。もしデートの誘いをリディアに断ら
れた場合は、その後繰り返しデートに誘うとセクシャルハラスメントと見られる可能性がある
ので、トマスは諦めるべきです。会社で個人的関係を持とうとするときは、適切な判断を心が
けてください。
17
贈答品と接待
” 贈答品によって
良好なビジネ
ス関係が損な
われることの
ないようにし
てください。
当社は、取引先との間でちょっとしたビジネス上の儀礼のやりと
りをすることで、関係を強化できることを認識しています。ただし、
相手のビジネス上の判断に不適切な方法で影響を与えたり、
当社の価値観に反することにつながるような贈答品や接待の
やり取りは、絶対に行ってはなりません。
18
贈答品と接待
贈答品、接待、旅費の供与や
受け取り
贈答品や接待のやりとりは、ビジネス上の信用関係の構
築につながります。当社が事業をおこなう多くの国では、
贈答品や接待のやりとりがビジネスの重要な部分を担っ
ています。
しかし、中には、取引先の相手や会社について、
私たちが客観性を保つことを困難にさせる贈答品や接待
もあります。取引先と対応する際、贈答品の授受、食事や
接待の提供、
または旅費の立て替え払いを行うときは、注
意しなければなりません。
これらの実施が認められるの
は、合理的な金額であり、相手組織に適用される法律や
会社ポリシーを順守するものであり、ビジネス上の判断
に不適切な提供を与えることが目的でない場合に限られ
ます。
また、高い頻度で贈答品や接待を提供することは認
められません。
第三者に贈答品や接待を提供した場合は、当社の会計帳簿に反映させる必要
があります。
不適切な影響を与えるため、
またはビジネスの誘導を目的とする贈答品や接
待の供与または受け取りは認められません。
このような行為は当社のポリシ
ーに反するだけでなく、各国の腐敗禁止法に違反する可能性もあります(詳し
くはビジネスパートナーをご覧ください)
。
これは、供与する場合でも、受け取
る場合でも同じです。贈答品や接待のやりとりは、サプライヤー、顧客、
その他
の取引先との対応の中で生じる可能性があります。
イーストマンの代理人とし
て行動する第三者も、
この原則に従う必要があります。
贈答品や接待のやりとりは、
ビジネス上の信用関
係の構築につながります。
しかし、中には、取引先
の相手や会社について、私たちが客観性を保つこ
とを困難にさせる贈答品や接待もあります。
19
贈答品と接待
贈答品
「贈答品」
とは、
イーストマンの社員ではない人との間で、供与
したり受け取ったりする、金銭的価値のあるものを指します。例
としては、個人的なプレゼント、ギフト詰め合わせ、
(供与する側
が同行しない)
スポーツ試合やコンサートのチケット、旅行、別
荘の使用、ギフトカード、現金、ベンダーの抽選で当たった賞品、
宝石類、機器、芸術品などがあります。
贈答品によっては、少額であったり、
またはその内容を考慮した
場合、合理的な範囲に含まれるものがあり、正当な業務上の目
的があり、現金や現金同等物が含まれず、提供頻度が低ければ、
事前に承認を得ることなく、供与や受け取りをすることが認めら
れます。認められる贈答品は、会社ロゴが入ったペン、
シャツ、バ
ックパックや、詰め合わせギフトのような、少額の季節の贈り物
などです。
少額ではない贈答品のやりとりは不適切ですが、状況によって
は承認を得た上で、やりとりをすることができるかもしれませ
ん。
どのレベルの承認が必要かなどの詳細は、
「旅費と接待に関
するポリシー」
と各地域に適用されるポリシーをご覧ください。
当社の社員とその家族は、サプライヤーまたは顧客の製品を割
引価格で個人的に購入できる場合がありますが、
それはその割
引が当社の社員全員に対して適用される場合に限られます。
20
贈答品と接待
接待
「接待」
とは、社外で実施する会食やイベントを指し、提供する側と受
け取る側の両方が出席します。
以下の場合は、接待が認められます。
•• 実際にビジネスの打ち合わせをしたり、ビジネス関
係を強化することが目的である
•• 当社が認めるビジネス慣習の一環である
•• 違法行為ではなく、相手組織の倫理ガイドラインに
も反しない
•• 合理的な金額であり、通常の経費支払いで処理さ
れる
•• 接待される側が要求した接待ではない
•• 賄賂、見返りまたはキックバックと見られない
•• 接待の頻度は低い
•• 相手が当社との取引に関するビジネス上の判断を
変更する原因とならない、
または判断を変更する
原因になると見られない
•• 接待の事実が一般に公開されても、当社や参加し
た社員にとって恥とならない
一部の地域や事業部は、上記に挙げた条件より厳しい
内部ガイドラインやポリシーを規定していたり、贈答
品や接待のやりとりにおいて、特定レベルの承認を得ることを定めてい
る場合があります。
そのような場合は、各自に適用されるガイドライン
に従う必要があります。
ご存じですか
提供する側が出席しない食事やチケットまたは接待は「贈答品」
とみなされます。
したがって、適切な贈答品に関する当社のガイ
ドラインに従わなければなりません。接待をする場合、
またはさ
れる場合は、必ず各自に適用されるすべてのポリシーとガイドラ
インに従ってください。
21
贈答品と接待
旅費
私たちは、時により、正当な業務上の目的があり、第三者のために旅費を負担した
り、第三者に旅費を負担してもらう場合があります。
このような旅費については、特別
な規則に従う必要があります。事前に、書面による承認をバイスプレジデントとグロ
ーバルビジネス行動規範オフィスから得なければなりません。
当社は、正当な業務上の目的があると判断した場合、配偶者、家族、
その他パートナ
ーの旅費関連の経費を精算することを認める可能性があります。
このような精算処
理は特別の規則の対象となるので、経費精算依頼書と共に業務上の目的を記述し、
バイスプレジデントの書面による承認を得て、提出しなければなりません。
特別なケース
特定の贈答品を相手から提示され、
それを受け取ることは当社のガイドラ
インの規定により通常は認められないが、現地の慣習では、受け取りを断
ると気まずくなったり、失礼にあたる場合は、合法であれば会社として受け
取ることができます。
この場合は、ただちに当社の管理職またはグローバ
ルビジネス行動規範オフィスに知らせて、贈答品の適切な取り扱い方法に
ついて相談してください。
贈答品、接待または旅費が認められるかどうか分からない場合は、
グロー
バルビジネス行動規範オフィスに相談してください。
ケンドラは、複数の公務員たちのために贈答品を購入したいと考えていますが、ポリシー違反を疑
われないようにするために、自分のお金で支払おうとしています。これは正しい行動でしょうか。
いいえ。誰が支払ったとしても、イーストマンからの贈答品だと見られます。ケンドラは、法律
や当社のポリシーに違反しないようにするために、公務員のために贈答品を購入または供与す
る前に、グローバルビジネス行動規範オフィスに連絡すべきです。
22
贈答品と接待
不適切な贈答品と接待
当社のイメージに悪影響を与えることが十分考えられる贈答品や
接待をやりとりすることは禁じられています。取引先との社交の場
では、過度なアルコールの摂取を避けてください。風俗店(男性用
クラブ、肌の露出度が高い、
またはヌードダンサーがいる店、売春
やその他性的サービスを行う店など)において、当社のビジネス
の一環として接待をしたり、接待を受けたりしてはなりません。
自
分のお金で支払う場合も同様です。
公務員
政府や国有企業の担当者との取引については、特別な制限事項
が適用されます。政府または国有企業とビジネス取引をするとき
は、事前にグローバルビジネス行動規範オフィスに相談し、特別な
制限事項があるかどうかを確認してください。公務員に対して、事
前にグローバルビジネス行動規範オフィスから特段の承認を得る
ことなく、贈答品、接待、食事、旅費、宿泊費、
その他の金銭的価値
のあるものを提供することは、一切禁じられています。
不適切な影響を与えるため、
または
ビジネスの誘導を目的とする贈答品
や接待の授受は認められません。
23
会社情報の保護
と使用
” 私たちはあな
たの秘密を漏
らしません。
同様に、私た
ちの秘密も漏
らさないでくだ
さい。”
イーストマンは、当社独自の情報を基に他社と競争し、革新を
遂げ、成長しています。私たちは、
この貴重な資産を紛失、盗難、
悪用から守らなければなりません。
24
会社情報の保護
と使用
当社の情報の保護
情報は、当社のもっとも重要な資産の一つです。当社の情報は、認められ
た業務上の目的のためのみに使用してください。情報を社外に公開する
場合は、事前に承認を得る必要があります。
また、当社は、法の下で許さ
れる範囲で、当社の情報の使用を常時監視する権利を有します(会社の
IT ネットワークの監視も含む)
。
企業秘密
「企業秘密」は、いずれかの者に経済的利益をもたらすことので
きる、一般的に公開されていない情報と定義できます。企業秘密
は、適切に保護すれば、永久に秘密にすることができます。
その
ため、当社の企業秘密の保護は最優先としなければなりません。
社内には、
さまざまな企業秘密が存在します。
その一部の例を
以下に挙げます。
•• プロセス動作条件、製品配合、工場設備能力、操作手順、
製造機器、分析手法などの技術的な情報
•• 顧客リスト、価格設定、ビジネス戦略、研究開発プロジェクト、
市場研究などの営業上の情報
この情報は、いずれも当社独自の情報であり、社外に漏らして
はならない情報です。
また、企業秘密は、社内においても、業務
上必要とする相手にのみ伝えることができます。
これは、当社が
第三者から受け取った機密情報の場合も同様です。当社の社員
は、
イーストマンでの雇用終了後も、
イーストマンの企業秘密と
その他の秘密情報を保護する責任があります。
25
会社情報の保護
と使用
知的財産
当社が市場で成功を続けられているのは、社員の創造性と革新的なアイデアによるものです。商標、著作権、特許、発明
などの会社資産は、長年にわたる懸命な努力のたまものです。
•• 商標は、当社および当社製品の名称やロゴを保護するもの。使用には承認を必要とし、商標が付与された製品につ
いては、品質管理を適切に実施しなければならない。
•• 著作権は、技術論文、記事、写真、
ソフトウェアなどを保護するもの。当社は、
イーストマンの著作権の尊重を他者に
期待するのと同様に、他者の著作権についても尊重する。
•• 特許は、新規の製品、
プロセス、機器などを保護するもの。新規の製品やプロセスを商業用として使用する場合は、
イーストマン以外が所有する既存の特許を侵害しないことを確認するために、法務部の許可を得る必要がある。
他の会社資産と同様に、
これらの資産は、個人的な目的のために使用してはなりません。
また、他の会社情報と同様に、
私たちにはこの情報の機密性を保護する責任があります。
ご存じですか
私たちには、すべての形式の会社情報を保護し、業務上の目的の
ためのみに使用する責任があります。個人的な目的のために使用
したり、知る必要のない人に教えたりしてはなりません。
ヴァネッサは、数週間後に生産が始まる新製品の開発で重要な役割を果たしました。以前イースト
マンの同じ部署で働いていた彼女の親しい友人は、今は競合会社の下で働いていますが、共に働
いていたときに発生していた技術的な問題をどう解決したかを聞いてきました。ヴァネッサはその
解決方法を誇りにしていて、説明したくてたまりません。彼女は解決方法を話すべきでしょうか。
いいえ。この技術情報は当社の機密情報として取り扱う必要があります。友人は現在競合会
社で働いているので、この技術情報は教えてはいけません。新製品に関する当社独自の技術
情報を漏らすと、当社の競争上の優位性が失われる可能性があります。
発明
当社が今後も成長を続けられるかどうかは、革新性への取り組みにかかってい
ます。当社での雇用期間中に、当社の既存または検討中のビジネスに関連して
生み出された発明やその他の知的財産は、当社の独占的な財産となることを
忘れないでください。
26
会社情報の保護
と使用
他社提供の機密情報
当社は、機密、部外秘、
またはその開示や使用が制限されていると見な
される可能性のある情報が提供された場合、
その情報に関するすべて
の関係者の権利義務が記載された合意書面が当社の法務部により承
認され、すべての関係者の正式代表者により署名されない限り、
その
情報を受け取らないことを方針として定めています。
このような合意書面を適切に交わすことにより、当社のビジネス、研究、
開発および技術サービスを守ることができます。
また、契約上の信頼関
係があると他社が一方的に主張することを防ぐこともできます。
この合意が結ばれるまでは、他社の機密情報を受け取ったり、
そのよう
な情報について話し合ったりしてはなりません。
このような機密情報の
例を以下に挙げます。
•• 社外の発明者による一方的な情報提供
•• 機密情報の印が付与された製図やマニュアル
•• 設計、
プロセス、手法、
システム、手順または製法
•• 機密の財務情報や事業計画の文書
他社に関する情報
当社は、他社の企業秘密やその他の機密情報を入手するために、違法
あるいは非倫理的な手段を用いることはありません。産業スパイ行為
は一切禁止されています。以前競合会社で働いていた同僚には、
その
会社の機密情報の公開を求めてはなりません。
27
会社情報の保護
と使用
インサイダー取引
私たちは、機密の会社情報を、個人的な利益のために使用してはなりません。会社の
非公開の重要事実(内部情報)
を知っているときは、
その会社の株式を売買してはな
りません。
これは、
イーストマンの株式だけでなく、当社のサプライヤー、顧客、競合
会社、JV のパートナー、買収先候補、
その他の会社の株式や証券の場合も同様です。
重要事実とは、証券の売買や保有の判断において、合理的な投資家が重要だとみな
す情報を指します。
プレスリリースなどを通じて投資家に対して発信されていない情
報は、非公開情報です。
この 2 つの条件に当てはまる情報は、内部情報です。
内部情報の例を以下に挙げます。
•• 企業合併や重要な企業買収の計画
•• 未発表の業績や決算内容
•• 経営陣の大幅な人事異動や大きな組織変更の情報
•• 訴訟の可能性や進行中の訴訟状況の変化
•• 重要な契約または得意先の獲得や喪失
•• 自社株に関する計画
•• 製品の開発情報や販売中止の情報
内部情報を知っている場合は、
イーストマンや他社の株式を売買する
(または他者に売買
を促す)可能性がある家族、友人、その他の人に教えてはなりません。
このような行為は、
内報といいます。
当社の役員と取締役には、上記以外の制限事項も適用されます。株式の売買について分か
らないことがある場合は、法務部に連絡してください。
28
会社情報の保護
と使用
社外とのコミュニケーションと社外からの
情報提供依頼
当社では、社外への発信を統一するために、当社の承認を得た社員のみが、当社の
代表者として社外とのコミュニケーションに関わることができます。
また、最高財務
責任者(CFO)
あるいはインベスターリレーションズ部によって任命された担当者の
みが、
イーストマンを代表して金融業界(証券アナリスト、株主、
ファンドマネージャ
ーなど)
と話をすることができます。
マーケティングコミュニケーションを実施する場合は、マーケティングコミュニケーシ
ョン部が策定したレビューおよび承認の手続きに従う必要があります。
これには、当
社のウェブサイト、
ソーシャルネットワーキングサイト、
オンラインのマーケティング
キャンペーン
(SEO、動画、バナー広告、
ウェビナーなど)における、マーケティングコミ
ュニケーションも含まれます。私たちはこの手続きに従うことにより、科学研究の基
準に基づいて社外へのコミュニケーションを行うことができ、
ステークホルダーの誤
解を招いたり、意図せずに競合製品を中傷したりすることを避けることができます。
ソーシャルメディア
一貫性のある、
正確なコミュニケーションを図ることの重要性は、
ソー
シャルメディアについても当てはまります。
当社のスポークスパーソ
ンとしてトレーニングを受け、
承認を受けていない限り、
イーストマン
の代表者としてソーシャルメディアで情報を発信してはなりません。
•• イーストマンの製品やサービスなど、
当社のことや機密情報ではな
い当社関連の情報を投稿する場合は、
個人の意見であって、
イース
トマンの代表者としての意見ではないことを明確にしてください。
•• ソーシャルメディアを使用するときは、絶対にイーストマンの機
密情報を公開しないように注意してください。
•• ソーシャルネットワーキングサイトを使用するときは、
イーストマ
ンとの関係をどのように表すかに注意してください。
イーストマ
ンの社員であることを明らかにする場合は、同僚たちやステーク
ホルダーにどのように見られたいかを考慮しながら、個人プロフ
ァイルや関連の情報を投稿してください。
イーストマンの会社ブ
ランドは、社員の行動により表現されます。
したがって、皆さんが
投稿することは、
イーストマンの会社ブランドに影響します。
•• イーストマン、
イーストマンの競合会社または取引先に関するデ
ィスカッションやコメントをソーシャルメディアサイトに投稿する
ときは、必ず事前に自分がイーストマンの社員であることを明ら
かにしてください。
ソーシャルメディアサイトでは、競合会社の製
品やサービスを中傷しないでください。
29
記録の保全
” 当社の中核に
あるのはまさに
高い倫理観
です。”
私たちには、信頼できる業績情報をステークホルダーたちに
提供する責任があります。私たちは、当社の記録を誠実、完全、
かつ正確に作成、管理しなければなりません。
30
記録の保全
正確な会計帳簿
当社の記録は、正確かつ完全でなければなりません。
その対象には、会計記録、経費報告、財務
報告、調査報告、勤務時間記録などが含まれます。不適切もしくは不正な会計処理、文書作成、
財務報告は当社のポリシー違反であり、賄賂禁止法などの関連の法律に触れる場合もあります。
詐欺的行為
正確な記録を保つことは、詐欺的行為の防止や発見にも役立ちます。一般的な詐欺的行為は、
受け取ることが認められていないものを受け取ったり、
自分に利益をもたらす何かを受け取る
ために嘘をつくなどにより行われます。詐欺的行為は、社内でも、社外との対応においても禁じ
られています。
詐欺的行為の例を以下に挙げます。
•• 当社資産の窃盗
•• 改ざん
•• 資金、証券、
オフィス用品、
その他の会社資産の横領
•• 不正な金銭取引
•• 経費報告、勤務時間記録、
その他の会社記録の改ざん
•• 不適切な財務報告、
または財務記録における虚偽記載や誤解を招く記載
•• 贈収賄
•• 脱税
また詐欺的行為には、ベンダー、顧客、当社の社員、代理店、第三者、
または当社資産に関する不
正行為やその疑いも含まれます。
ご存じですか
詐欺的行為には、他者を騙したり、誤解を与えるために、意図的に
事実を隠すことも含まれます。
イーストマンの評判は、私たちが高
い倫理観をもって行動し、当社の記録の完全性を守ることにかか
っています。私たちはこの評判を守るために、詐欺的行為の防止と
発見に力を入れなければなりません。
31
記録の保全
マヌエルは、同僚のカーラと共に、大口契約の締結に向けて交渉をしています。交渉が終了すると、
彼は偶然ある電子メールを受け取り、その内容から、カーラと契約先の会社担当者との間で、秘密の
合意を交わしていたことが明らかになりました。その会社は必要以上の数量の注文を発行し、それ
により、カーラの売上コミッションが大幅に増加するというものです。先方は、必要のない分を後で
返品します。マヌエルはどうすべきでしょうか。
カーラがやろうとしていることは、一種の詐欺的行為です。このことを発見したマヌエルは、当社の
管理職またはグローバルビジネス行動規範オフィスに報告すべきです。私たちは皆、当社の記録を
正確、完全、正直な内容に保つ責任があります。
記録の管理
当社の記録は、物理的な記録か電子的な記録かにかか
わらず、当社の記録管理ガイドラインと関連の法的要件
に従って保持する必要があります。
当社の訴訟ホールドの手続きは、当社の記録管理プロ
グラムの中で、必要不可欠な部分を担っています。政府
による調査または訴訟やその可能性に関連して、必要と
なる文書が判明した場合、法務部は、関連する記録を保
持および保管することを指示します。
監査に対する不適切な影響力行
使の禁止
私たちは皆、内部監査や社外の監査法人による外部監査に協力す
る義務があります。協力を要請された場合は、必ず正直に話し、情
報提供の依頼に応じてください。監査人を直接的または間接的に
操ったり、誤解させたりしてはなりません。
当社は、顧客やその他の第三者による監査実施の要求に応えなけ
ればならないこともあります。
このような監査に当社が従わなけれ
ばならないかどうかについて分からないことがある場合は、当社の
管理職または法務部に連絡してください。
32
ビジネス
パートナー
” 良好な関係
が良好なビジ
ネスにつなが
ります。”
当社は、法律を順守し、高い倫理基準を保つという当社の取り
組みに同意する第三者とのみ、取引を行います。当社は、取引先
のビジネスパートナーに対して、高い倫理観、誠実さ、透明性を
もって行動することを期待します。
33
ビジネス
パートナー
製品やサービスに対する支払い
当社は、顧客、サプライヤー、
その他の取引先との対応において、健全なビジ
ネスを行います。私たちは、
どのような状況においても適切な判断を心がけ、
不適切な行動だと見られないようにする必要があります。
販売コミッション、
リベート、割引、掛け売り、売上値引などは、慣例化している
支払い方法です。
しかし、私たちは違法または非倫理的な支払い方法は避け
なければなりません。
そして私たちに適用される外国為替管理の法規制も順
守する必要があります。当社による支払い、
または当社への支払いは以下の
条件を満たさなければなりません。
•• 提供された物品またはサービスの対価として、
そして業
界基準と比較して合理的な金額である。
•• 合意書が適切に文書化され、法務部による確認と承認
を得ている。文書には取引の内容と目的が明確に記述
されている。
•• 支払先は組織の役員、社員またはエージェントではな
く、組織自体が指定されており、かつ別の組織への支払
いではない。支払い条件、支払い方法および送金手続
きは、合意書に明記されている。
•• 請求先は、支払いを受ける組織が指定されている。支
払い行為は透明化を確保する必要があり、関係のない
勘定科目に計上してはならない。
社内でも社外でも共に
働くことで、より多くの
ことを達成することが
できます。
34
ビジネス
パートナー
公務員への支払いと贈答
当社では、公務員または国有企業の担当者への支払いや贈答に関する法規を
順守することを方針として定めています。当社は、公務員にその立場を利用して
当社がビジネスを獲得または維持できるよう働きかけるために、違法な支払い
をしたり、
それを提示もしくは承認したり、贈答品または便宜を提供したりする
ことはありません。金銭的価値のあるものを渡すことも、
それを申し出ることも
違法です。当社が第三者に支払いを行うと、
その第三者が公務員に違法な支払
いをすると分かっている、
または分かっているべき状況であれば、
その第三者
には支払ってはなりません。
ご存じですか
「公務員」には、中央/連邦、州/県または地方自治体政府の職員
(議員を含む)
、選挙候補者、
または外国政府が所有もしくは一
部所有する企業の社員が含まれます。
腐敗防止
当社は、他社に負けない価格の設定、高品質の素材および適時性を基に、製品やサ
ービスの売買を行います。すなわち不適切な支払いは、いかなる形のものも、当社
が実施、提示したり、受け取ることはないことを意味します。
当社がビジネスを展開する国の多くでは、法律により、賄賂、キックバック、
その他の
不適切な支払いの授受、提示、要求を固く禁じています。賄賂とは、相手の行動や判
断に影響を与えるために提供または提示される、金銭的価値のあるものや不適切
な便宜を指します。
このような行動や判断の例としては、当社のビジネスの獲得ま
たは維持や、不公正な優位性の獲得を可能にすることなどが挙げられます。例えば、
通常は入手が不可能な情報を提供したり、期日以降の入札や提案書提出を認める
などです。
キックバックとは、サービス提供の見返りとして、贈賄側が収賄側にコミッションを
支払う行為によく使われる用語であり、一種の賄賂の取り決めです。キックバックは、
贈賄側が見返りとして水増し分の一部を受け取ることを可能にするために、不正請
求や水増し請求として行われることがよくあります。
35
ビジネス
パートナー
メイは、厳しい輸入規制が敷かれている国で、当社の市場シェアを上げる仕事を任されました。
そこで、この地域での仕事の経験がある同僚たちに相談しました。ある同僚は、贈賄を期待す
る公務員を相手に働くことになると言い、他の同僚は、冗談で、税関検査が厳しくても最悪賄賂
を使えばなんとかなると言います。メイは、自分自身とイーストマンの高い倫理観を損ねること
なく、相手と良好な関係を築くにはどうすればいいでしょうか。
メイは、公務員との対応において、丁寧さを保ちながらも毅然とした態度をとり、現地のルー
ルや手続きは尊重するものの、賄賂やその他の腐敗とみなされる取り決めは行わないことを
明確にする必要があります。彼女は、このイーストマンの価値観や決意に同意する味方を現地
で探すこともできます。また忘れてならないのは、厳しい税関検査への最適な対処方法は、規
則と規制の順守に細心の注意を払うということです。
円滑化のための支払い
公務員を相手に仕事をするときは、円滑化のための支払いが一般的な
地域においても、
そのような支払いに応じてはなりません。一般的に、
円滑化のための支払いとは、現地の法律の下で当社が政府に要請す
ることができる、通常の行政手続きの迅速化を目的として、公務員に直
接少額の金銭を渡す行為を指しますが、当社はこのような支払いを認
めていません。
このような行政手続きには、許可やライセンスの発行、
ビザや就労許可の処理、郵便物の集配、電話や水道などの公共サービ
スの提供などが含まれます。公開されている規定の料金体系に基づい
て、政府機関に直接支払うことは認められます。
その場合は、経費として
当社の会計帳簿に計上しなければなりません。
円滑化のための支払いが
一般的な地域においても、
そのような支払いに応じて
はなりません
公務員や議員などに対する贈答物や支払いの合法性について質問が
ある場合は、法務部またはグローバルビジネス行動規範オフィスに連
絡してください。
36
高い倫理観
” フェアプレイ
を心がけまし
ょう。合法的
かつ倫理的
に競争してく
ださい。”
当社の目標は、すべての関係において正直さを守ることです。
当社は有言実行を守ります。私たちは常に正しいことを行い
ます。
37
高い倫理観
公正な取引
私たちは、顧客、サプライヤー、競合会社および他の同僚たちと公正に接する
ことに努めます。情報の操作や隠蔽、秘密情報の悪用、重大事実の不実表示、
その他の不公平な行為によって、
人を不正に利用することはしません。
当社は、
競合会社やその製品またはサービスを中傷することにより、当社の宣伝をす
ることはしません。
当社製品の誠実な販売促進と広告
私たちは、
当社製品の販売促進と広告を、
公平、
誠実、
倫理的な方法で行います。
当社の広告、
ラベル、パッケージ、販売促進では、虚偽や誤解を招く文言を使
用してはなりません。
ジョーンは先日、業界の展示会へ行った際、競合会社で働く友人のキムに会いました。昼食の時、
ジョーンがイーストマンのある製品の価格を引き上げることができれば、キムの会社も類似製品
の価格を確実に同じ金額にできるとほのめかされました。ジョーンはどう返事すべきでしょうか。
ジョーンは、この会話が不適切であることを友人に告げ、その場から離れ、速やかにこの出来
事を法務部またはグローバルビジネス行動規範オフィスに報告すべきです。価格操作は独占禁
止法や競争法に反する行為であり、当事者と会社の両方にとって重大な結果を招く可能性が
あります。
私たちはリスクを管理
しながら、複数の選択肢
が含まれる計画を策定
して前進します。
38
高い倫理観
競争法/独占禁止法
イーストマンは、当社製品、サービスの品質で他社と競争します。不公平なビジネス
やビジネスの略奪、
または不適切な取引の制限につながる、
その他の行動には絶対
に関与しません。
また、競争法に反する、
あるいは反すると見られる行動もとらないよ
うに注意することが重要です。
ご存じですか
競争法の目的は、消費者のために、ビジネス上の競争を促すこと
です。当社では、
イーストマンに適用されるすべての競争法を完全
に順守することを、方針として定めています。
競合会社との対応においては、価格、販売条件および第三者向け生産、顧客/市場/
営業区域の割り当てに関して、取り決めや合意が存在すると見られる行動はとらない
ようにしてください。
そのため、競合会社との会話では、以下の事項の話を避けてくだ
さい。
•• 価格
•• 価格決定方針
•• 入札
•• 割り引き、
リベート、
ロイヤリティまたは販売促進活動
•• 支払い条件、出荷条件、
その他の販売条件
•• 競合会社間における顧客の配分
•• 競合会社間における営業区域の配分
•• 製品の製造数量または販売数量やそれらの割当量
(生産能力別または追加生産能力別の製造または販
売数量に関する、競合会社間の合意)
•• 従業員報酬
39
高い倫理観
実践的な対応例を以下に挙げます。
•• 競合会社が価格設定やその他の話し合うことが禁止されている事
項を話題にし始めた場合は、
その会話をすぐに止めて、法務部、
グロ
ーバルビジネス行動規範オフィスまたは当社の管理職に報告する。
•• 価格リスト、入札または販売条件については、競合会社との売買取
引に関係するものでない限り、
その競合会社に渡さない。
•• 当社が価格を変更したら競合会社がどう動くかを第三者に調査を依
頼したいが、競合会社に連絡しなければ答えが出ない場合は、
その
ような調査は認められない。直接的に行うと法律違反になることは、
間接的に行わないこと。競合会社間の価格変更の「シグナル行動」
は、価格についての合意と見なされる。
•• 競合会社との間で企業買収、企業分割もしくはジョイントベンチャ
ーの交渉、
あるいはその他の事業上の話し合いを行うときは、法務
部の承認を得ずに、価格設定や上記に挙げた事項に触れないよう
にする。
ベンは、イーストマンの担当者として展示会に出展しています。この仕事は過去に何度もやってい
ます。彼は競合会社で働く友人のケントと酒を飲んでいたとき、ケントが仕事の話をし始め、イース
トマンの売上や収益のことを聞いてきました。ベンは、相手を傷つけないようにしながら、公開さ
れている情報だけを伝えました。するとケントは、
「なあ、二社間で価格をちょっと調整できたら、
この業界を牛耳ることができるかもしれないぜ。俺たちも大出世だ。」と言いました。ベンはどう
返事すべきでしょうか。
「俺ももっと早く出世できると思ったんだけ
どな。イエスと言うわけじゃないけど、具体
的には何を考えてるんだい。」
「それにうってつけの製品があるよ。」
「ケント、それは違法なのは分かってるだろ。
俺は興味ないし、絶対に協力できないよ。」
「ケント、それは違法なのは分かってるだろ。
もっと自由に話せるところで夕飯を食べに行
こう。」
40
高い倫理観
ベンチマーキングと情報交換
ベンチマーキングは、情報を交換して分析するための体系的なアプローチです。直
接的または第三者やコンサルタントを通して、競合会社と情報を交換する場合、
また
は独自に競合会社との比較を行う場合は、事前に競争阻害の懸念がないことを確認
しなければなりません。
その理由は、
このような情報交換の中に、価格、販売条件、掛
け売り手続き、原価、生産量、将来設計、報酬などの情報が含まれる可能性があり、
そ
のことが競争法に触れる恐れがあるからです。
したがって、
このようなベンチマーキ
ングや情報交換を行うときは、事前に法務部の承認を得る必要があります。
事業者団体、信用組合および業界団体
事業者団体、信用組合および業界団体の会議では、競合会社と同席す
ることがよくあります。
このような場合は、競争法の順守を確実にする
ために、すべての会議に顧問弁護士が出席するよう手配してください。
これらの団体の会員になるための申請を提出する場合は、事前に書面
による承認を法務部から得てください。会議では、独占禁止法に抵触
する事項や活動に注意する必要があります。他の会員には、絶対に自
社の現在または今後の価格設定や営業活動のことを話してはなりま
せん。話が逸れて企業秘密の事項に触れそうになった場合は、
そのこ
とを他の会員たちに気付かせ、話を元に戻してください。
それでも効果
がない場合は、会議から退席し、
自分の懸念事項が議事録に明記され
ることを確認してください。
バーター取引
当社がサプライヤーからの製品やサービスの購入を判断するときは、
そのサプライヤーによる当社の製品やサービスの購入判断とは無関
係に行います。
イーストマンは、当社の製品とサービス
の品質に基づき、他社と競争します。不公
平なビジネスまたはビジネスの略奪には
絶対に関与しません。
41
高い倫理観
輸出規制
多くの国々では、製品や技術データの他国への輸出に適用される法規制が施行
されています。当社は、当社に適用される世界中すべての輸出規制を順守するこ
とを方針としています。
技術データの輸出はさまざまな方法によって行われます。
•• 米国以外の国の子会社で働く従業員に、技術情報を渡す場合
•• 米国永住権を持たず、米国民ではない当社の社員やコンサルタントに技術情
報を渡す場合
•• 米国系ではない会社や個人に情報を提供する場合
輸出に関する法規制は絶えず変化しているので、米国以外の組織や個人に情報
を提供する場合は、事前に確認する必要があります。製品や技術データの輸出に
ついて質問がある場合は、輸出コンプライアンスの担当者、
グローバルビジネス
行動規範オフィスまたは法務部に相談してください。
経済制裁、禁輸およびテロ対策
当社のポリシーは、当社の資産や社員を使用してテロリストグルー
プやテロリスト活動のために資金提供をしたり、
その他の方法で支
援することを禁じています。
また、当社は米国に本社があるグローバ
ル企業として、経済制裁と禁輸に関する米国や世界中の国の法律を
守らなければなりません。
これらの法律は、
テロリストまたは麻薬密
売者との取り引きや、大量破壊兵器を拡散しているとして指定され
た外国人からの輸入も禁じています。
これらの経済制裁や禁輸措置
の対象国や対象組織と取引を行う場合は、法律の下で認められるか
どうかを法務部が確認する必要があります。
これは、第三者のビジ
ネスパートナーを介する間接的な取引を行う場合も同様です。
42
高い倫理観
マネーロンダリング
マネーロンダリングは、違法活動を通して得た資金の源を隠し、合法的な資金
に見せかけようとする行為です。当社は、マネーロンダリングを禁じるすべての
法律に従います。送金や現金同等物の提供を伴う、疑わしい経理処理があると
きは、事前に経理部長による確認と承認を得る必要があります。
ボイコット禁止
当社は、米国政府が認めていない経済制裁(ボイコット)に参加したり、
これを
支持したりしません。当社はグローバル企業として、違法なボイコットに参加し
ているとみられる言動を慎む必要があります。例えば、対象組織がブラックリス
トに載っていないこと証明したり、ボイコット対象の組織との取引に関する情報
を提供したりしてはなりません。
当社へのボイコット関連の要請は、口頭、
あるいは契約入札、発注書、保険加入
証明、信用状、船積み書類、
ジョイントベンチャーや業務提携の取り決めといっ
た形で行われる場合があります。違法なボイコットへの参加または支持を要請
された場合は、政府に報告する必要があります。
これを怠った場合、米国の法律
に違反します。
これらの法律は、米国内外におけるイーストマンの事業活動に
適用されます。ボイコット関連の要請を受けた場合は、必ず法務部に報告して
ください。
個人の政治的活動
当社は、社員が政治的活動に関わることを奨励しています。
しかし、各自のプラ
イベートの時間と資源を使わなければなりません。政治献金をした場合は、
イ
ーストマンの政府関連部と法務部の特段の事前承認を得ていない限り、経費と
して精算することはできません。
公職を目指す場合は、
それに適用される当社のポリシーを確認し、
イーストマ
ンの政府関連部、当社の管理職または人事担当者に相談してください。忘れな
いでください。当社の政府関連部の特段の承認を得ていない限り、
イーストマ
ンの社名、情報、資産、勤務時間、
その他の資源を、政治的活動のために使用す
ることはできません。
これは利益相反の発生を避けるため、
そして私たちに適
用されるすべての法律の順守を確実にするためです。
43
高い倫理観
会社の政治的活動
会社としての政党への政治献金は、
どの国においても、合法的に行わな
ければなりません。米国でイーストマンが政治献金をする場合、
または
イーストマンに代わって政治献金をする場合は、当社の PAC 諮問委員
会の明白な承認を得る必要があります。
その他の国での政治献金につ
いては、当社の政府関連部、法務部およびグローバルビジネス行動規
範オフィスの明白な承認を得る必要があります。
慈善寄付
当社は、地域社会を支援する方法の一つとして、
そして慈善活動の一環
として、認定団体への慈善寄付を全面的に支持します。
しかし、例えば所
有関係の面などにおいて、外国政府とつながりがある慈善団体につい
ては、賄賂や腐敗行為の疑いをかけられないように、特に注意する必要
があります。
そのため、当社が米国外で寄付を行う場合は、事前にグロ
ーバルビジネス行動規範オフィスの承認を得る必要があります。米国内
の寄付については、事前にグローバル広報・政策部またはイーストマン
ケミカルファウンデーションの承認を得る必要があります。当社が行う
寄付は、適切に計上しなければなりません。私たちは、
もちろん個人的
に慈善団体へ寄付をすることができますが、当社に代わって寄付するこ
とはできません。
政府との契約締結
政府との契約に関する規制は複雑で、民間の営利組織との契約
とは大幅に異なる場合があります。政府調達規制の対象には、
価格設定、原価計算、品質管理と試験、公務員に対する謝礼やキ
ックバックの支払い、元公務員の雇用や雇用継続、政府関連情
報の機密性などが含まれます。政府との契約の妥当性を判断す
るときは、法務部に相談してください。
44
健康、安全、環境
とセキュリティ
(HSES)
” 自分自身と
環境を守っ
てください。”
私たちは当社、環境および世界を守る存在となり、現在および
将来の成功を保証します。当社は、業務に関連した怪我はすべ
て防ぐことができると考えています。私たちは家庭や職場にお
いて互いに怪我のないよう気を配る必要があります。
45
健康、安全、環境
とセキュリティ
(HSES)
安全で健康的な職場の提供
私たちは、各自の職務に適用される健康、安全、環境およびセキュリティ関連
の法規と当社のポリシーの内容を把握する必要があります。
またこれらの規
則を順守できるようにするために、当社が用意した関連情報の存在について
も知っていなければなりません。
Responsible Care® は、化学製品の製造および使用に対する人々の不安の声
に応えて発足された、化学工業界のグローバルイニシアチブです。
イーストマ
ンとその傘下企業は、
この Responsible Care® を通して、業界での化学製品管
理体制を強化するための継続的な取り組みをサポートすることに同意してい
ます。Responsible Care® の原則は、
イーストマンのコーポレート HSES ポリシ
ーに記載されています。
安全性
私たちは安全性を最重要視
しています。
•• 手順と安全規則を守る
•• 安全性を確保するために時間をかける
•• 個人保護用具(PPE)
を着用する
•• 危険要素を認識し、排除する
•• 同僚たちのことも注意する
•• 業務関連の怪我や病気は、すべて報告
する
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健康、安全、環境
とセキュリティ
(HSES)
社員の健康
私たちは、バランスのとれた仕事とプライベートの両立を含む、健康なライフス
タイルの促進を図っています。
業務遂行を妨げる薬物
当社では、出勤中および業務時間中、
アルコールや薬物の影響により、業務遂
行が妨げられることがあってはなりません。
そのため、当社敷地内および業務
遂行中に、違法薬物を所持したり服用したりしてはなりません。
これには、処方
薬または市販薬を処方箋や用法に従って服用しない場合も含まれます。
アルコール類:許可を得ずに当社の敷地内にて所持または摂取することは禁
止されています。以下につながるアルコール摂取は、当社敷地外で業務を遂行
する際においても禁止されます。
•• 当社社員の判断や業務遂行能力に悪影響を与える場合
•• 誰かが危険にさらされる恐れがある場合。
薬物:違法薬物の所持、使用、販売、製造または配布、
そして処方薬の乱用、悪
用または販売は禁じられています。
酒気帯び運転
社用車を運転する場合、
または社用で車を運転する場合は、道路交通法な
どの法律をすべて守るのはもちろんですが、
アルコールや薬物の影響があ
るときに車を運転してはなりません。
以下のいずれかの条件が満たされる場合、運転する能力がないとみなされ
ます
•• 血中アルコール濃度が 0.08% を超えている場合、
または現地の法定アル
コール濃度を超えている場合(低い方の数値が適用される)
•• 違法薬物または処方薬の影響下にあり、安全に車を運転できない状況
の場合
社用車やイーストマンのリース車(レンタカーを含む)
を運転中、飲酒関連の
交通違反で捕まった場合は、
その事実を当社の管理職に報告しなければな
りません。業務(営業など)のためにイーストマンのリース車を日常的に運転
する場合は、別の車を運転中に飲酒関連の交通違反で捕まったときも、報告
する必要があります。
47
健康、安全、環境
とセキュリティ
(HSES)
職場での暴力
当社の職場では、いかなる形態の暴力も許容されません。職場におけ
る暴力の例には、身体的な暴行、身体的な危害または暴行の脅迫、
スト
ーキング、威嚇などが含まれます。職場における暴力や暴力のほのめか
しがある、
またはその疑いがある場合は、ただちに報告する必要があり
ます。誰かに危険が差し迫っていると思う場合は、警備に連絡してくだ
さい。
武器類
当社の敷地内に銃やその他の武器類を持ち込むことは、固く禁じられ
ています(現地の法律の下で明示的に認められている場合を除きま
す)
。
「当社の敷地」の例としては、当社が所有または管理する造成地や
非造成地、会社の建物、駐車場、車両などが含まれます。警備担当やト
レーニングを受けた社員が安全を確保するために当社敷地内で銃を
所持する必要がある場合は、一時的な所持の承認を当社経営陣から得
ることができます。
私たちは、バランスのとれた仕事とプラ
イベートの両立を含む、健康なライフ
スタイルの促進を図っています。
48
健康、安全、環境
とセキュリティ
(HSES)
環境保護
当社は、環境保護に貢献することが、当社が活動する地域社会にとって有益
であることを理解しています。
そのため、私たちは、私たちが生活する地域社
会を保護するために、社内プロセスの評価と改善を継続的に行う必要があり
ます。
それには、危険性を特定するために定期的にリスク分析を実施し、
その
リスクを最小限に抑えるために必要な対策をとります。
このリスク分析では、
科学的要素や経済的要素だけでなく、社会的要素も考慮することにより、適
切な評価が行われるようにします。
私たちは、Responsible Care® の原則を含め、当社に適用される環境関連の法
律や規制、基準を守り、
それ以上のことを目指すことにより、業界内の他社に
対して良い手本を示すことができます。私たちには、環境に悪影響を及ぼす
行為や、当社のポリシーに反する行為がある場合、報告する責任があります。
スティーブンは、工場で働いているときに、少量の化学物質が漏れていることに気付きました。
彼は報告すべきでしょうか。
はい。物質が漏れている場合は、少量であっても報告しなければなりません。スティーブンは、
ただちに管理職に報告し、漏れへの対策や、再発防止と政府当局への報告が必要かどうかを
判断するための調査が実施されるようにする必要があります。
当社製品のサステナビリティの
実現
私たちは約束を
守ります。
当社は、事業で成功するには、サステナビリティの 3 つの柱であ
る、収益の向上、環境への責務および社会的責任に対する取り
組みについて、バランスをとることが必要だと考えています。当社
は、環境への影響と天然資源の使用を最小限に抑えられる方法
で、当社製品を製造することを最優先します。
そして、当社の収益
を向上させるだけでなく、当社の世界中の顧客や消費者たちに
とっても大変有益な、環境に配慮した製品やテクノロジーを開発
しています。
49
ビジネス
行動規範
適用除外
当社のビジネス行動規範は、
イーストマンのすべての社員、役員および取締役に等しく適用されます。
万が一、いずれかの役員または取締役への本行動規範の適用除外が会社のためになると考えられる
場合、適用除外を承認できるのは取締役会または監査委員会のみであり、承認された場合は法の定め
に従い、速やかに公開されます。当社の他の社員に対する適用除外を認めることができるのは、チーフ
コンプライアンスオフィサーまたはチーフコンプライアンスオフィサーが指名した者に限られます。
50
ビジネス
行動規範
参考情報
グローバルビジネス行動規範オフィスのイントラネットサイト
当社には、
倫理とコンプライアンスのプログラムに関するイントラネットサイトがあり、
本行動規範、
ポリシ
ーやガイドライン、
トレーニング、
および倫理とコンプライアンスに関するその他の詳細情報が掲載されて
います。
このイントラネットサイトにアクセスする場合は、
このリンクをクリックしてください: http://myeastman/company/gbc/Pages/GBC.aspx
ポリシー、
標準実施要領およびガイドライン
本行動規範に記載されている事項の詳細は、
当社のポリシー、
標準実施要領およびガイドラインをご覧ください。
皆さんは、
各自の職務に該当するすべてのポリシーを読んで理解する必要があります。
当社のポリシー、
標準実施
要領およびガイドラインのイントラネットサイトにアクセスする場合は、
このリンクをクリックしてください:
http://teams/sites/ts126/Processes%20and%20Documentation/Corporate%20Administrative%20Policies%20
and%20Standard%20Operating%20Procedures.aspx
グローバルビジネス行動規範オフィス
グローバルビジネス行動規範オフィスは、
当社の行動規範やポリシーについて分からないことがある場合や、
行
動規範の違反の疑いについて相談したいことがある場合に利用することができます。
グローバルビジネス行動規範オフィスへの連絡方法:
電話:
1.423.229.5552
電子メール:
[email protected]
ファックス:
1.423.229.8643
郵便:
Office of Global Business Conduct
Eastman Chemical Company
PO Box 431
Kingsport, TN 37662
イーストマンのビジネス行動ヘルプラインの電話番号とウ
ェブサイト
(報告内容は機密扱いとされ、
法律により認められる場合は匿名で報告できます)
:
•• 米国またはカナダから報告する場合のフリーダイヤル番号:電話番号:1.800.455.5622
•• 米国またはカナダ以外から報告する場合のフリーダイヤル番号:AT&T USA ダイレクトコードアクセスコード
を AT&T Access Codes で確認してから、
この番号をダイヤルし、
案内が聞こえたら 800.455.5622 または
1.800.455.5622 をダイヤルします。
•• 電話の応対は英語で行われます。
他の言語での応対を希望する場合:
»» 通訳者を依頼するために、
希望する言語を伝えてください。
»» 通訳者の手配に 2~3 分要する場合があります。
»» 電話を切らないでお待ちください。
•• ウェブサイト:www.eastman.ethicspoint.com
51
ビジネス
行動規範
Office of Global Business Conduct
Eastman Chemical Company
PO Box 431
Kingsport, TN 37662
© Eastman Chemical Company 2015