裁判所は自らの存在意義を否定 生活保護の大運動を

(№40)
2015年2月10日
生 存 権 裁 判 を 支 援 す る 全 国 連 絡 会
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今年1月19日、広島・新潟の生存権裁判事件
について、また、同月21日には秋田の生存権裁
判事件について「上告棄却」の決定がされたこと
について、1月30日、最高裁前での抗議の集会
を開催しました。雪のなか、抗議の宣伝には 38
人の支援者、集会には 36 人が駆けつけました。
集会後は厚生労働委員に対して要請と記者会見
をおこないました。
(右写真:集会で激励のあいさつをされた日本共
産党田村智子参議院議員)
裁判所は自らの存在意義を否定
「裁判所の存在意義が問われるほどの、プアな内
容である」、長年生存権裁判に関わり続けている、新
井章弁護士の言葉です。1月30日、抗議の宣伝行動、
している、生活保護基準の引き下げに対する大規模
な裁判で反撃したい」と話されています。
生活保護の大運動を
広島、新潟、宮城(青森の代理として発言)は、この
集会では、老体に鞭うち、国民生活を守るために必死
間の裁判闘争により労働組合やさまざまな団体からの
でたたかってきた原告に対しての仕打ちに、参加者か
支援の輪がひろがったことを紹介。「裁判の傍聴や集
ら「三行半」「門前払い」「省エネ判決」等々、今回の不
会に労働組合の分会の方々まで旗をもって参加して
当決定に対して、怒りの言葉が渦巻きました。また当
くれた。我がこととして生活保護の問題に取り組んでく
日はあいにく参加できませんでしたが、秋田県生活と
れた」と運動のひろがりを語り、これからの基準引き下
健康を守る会連合会の鈴木正和会長は、「今回の決
げ反対の裁判で、さらなる世論をひろげていく決意を
定はまったく不当なもので許せない。今年5月に予定
固めました。
福島県の会開催
県内の最低生活保障を考える学習会
52人参加
生存権裁判を支援する福島県
の会は、去る12月20日、
『福
島県での生活保障を考える学習
交流会』を開催し52人が参加
しました。国民の最低生活を保
障する制度が福島県内ではどの
ようになっているかを各分野の
方から報告していただき、第二
部で全国連絡会の井上会長が
「生存権裁判から学ぶ」と題し
て講演しました。各分野からの
発言です。
社会保障が命を縮める
福島県社会保障推進協議会・齋藤和衛 事務局長
福島県の最低賃金問題
福島県労連・労働相談センター・小川英雄
所長
「医療・介護総合法」なるものができ、関連する
最低賃金制度は、生活保護制度、最低年金制度(未
分野が法律で19にも及び、一括で成立させられま
実施)と併せて、憲法25条のいう「健康で文化的な
した。今後の社会保障財源は消費税の範囲に抑える
生活」を送る上で極めて重要な制度です。しかし改定
という方針まで盛り込まれています。
された福島県の最賃時間額は1時間689円で月1
民医連の調査によると、医療機関への受診の手遅
2万円を割り、年144万円程度にしかなりません。
れで死亡に至ったケースが56例報告されており、
この額では「ワーキング・プア―」を改善できません。
その半数以上が65歳未満で働き盛り、無保険もし
全労連は全国一律で当面「1時間1000円」を求
くは資格証明証の所持者でした。福島県でも国民健
めています。この額だと年208万円でかろうじて
康保険料の滞納者は20%と、何年も変わっていま
ワーキング・プアを脱する形になります。アメリカ
せん。社会保障が命を縮める、そこまで来ています。
では各州で大体時給を8.5ドルにする(1ドル12
生活保護基準は他の多くの制度に連動しており、
0円で換算すると1020円)提案が議会を通過し
この基準を元に戻しさらに引き上げることが、社会
ています。日本でも早く生活できる最低賃金制度に
保障水準を引き上げることにつながります。
していきましょう。
年金引き下げに抗議する
奨学金は収入?生活保護
全日本年金者組合福島県本部・佐藤征司 書記長
福島市生活と健康を守る会・安田稲子 事務局長
昨年、年金者組合が「2・5%の年金引き下げは
福島市に住むNさん母子は、生活保護を利用して
不当」と全国で12万6千人余の行政不服審査請求
います。Nさんの娘さんは高校進学にあたり、福島
を行い(県内は 2304 人)、現在、再審査請求の裁決結
市と民間の給付型奨学金を受けることができました
果を待って「裁判闘争」を準備している段階にあっ
が、福島市福祉事務所は収入扱いし保護費の減額を
ては、生存権裁判の「支援」というよりは、ともに
強行しました。納得できず不服審査請求を行いまし
たたかう立揚で、自らの「生存権」として「年金引
たが、福島県は却下の裁定を下しました。現在、再
き下げ阻止」の裁判闘争を考えなければならないと
審査請求を行っています。
考えています。
私たちは「Nさんを支える会」を結成し、不当な
生活保護行政を正す運動に取り組んでいます。