小集団改善活動 (QCサークル活動) を 推進するために必要な 知識と

QCサークル岐阜地区
第3回 小集団改善活動
支援者・推進者研修会
2015年1月29日
QCサークル岐阜地区世話人
QCサークル指導士 中島憲治
1
小集団改善活動
(QCサークル活動)
と共に成長する
・・・サークル指導のポイント・・・
2
〔Ⅰ〕小集団改善活動の
目指すところ
1.小集団(QCサークル)
による改善活動
3
(1)改善とは・・・
•より高いレベルをめざして・・・
S D
A C
P D
A C
S D
A C
維持活動
⇒固有技術
問題の
気づき
改善活動⇒管理技術
問題の
改善
維持活動
⇒固有技術
4
(2)小集団改善活動とは・・・
(QCサークル綱領『QCサークルの基本』から)
QCサークルとは
第一線の職場で働く人々が
継続的に製品・サービス・
仕事などの質の管理・改善
を行う小グループである。
5
この小グループは
運営を自主的に行い
QCの考え方・手法などを活用し
創造性を発揮し
自己啓発・相互啓発をはかり
活動を進める。
6
この活動は
QCサークルメンバーの能力
向上・自己実現
明るく活力に満ちた生きがい
のある職場づくり
お客様満足の向上及び社会
への貢献
をめざす。
7
経営者・管理者は
この活動を企業の体質改善・
発展に寄与させるために
人材育成・職場活性化の重要な
活動として位置づけ
みずからTQMなどの全社的活動
を実践するとともに
人間性を尊重し全員参加をめざ
した指導・支援 をおこなう。
8
(3)小集団活動の基本理念
人間の能力を発揮し、無限の
可能性を引き出す。
人間性を尊重して、生きがい
のある明るい職場をつくる。
企業の体質改善・発展に寄与
する。
(QCサークル綱領『QCサークルの基本』から)
9
(4)小集団活動のメリット
モチベーションが上がる
⇒現場のことを任せてもらえる
⇒個性・能力・技術・技能が発揮できる
コミュニケーションが良くなる
⇒情報の共有化が図れる
⇒仲間同士、目標ベクトルが一致する
コンプライアンス意識が高まる
⇒責任感と存在感が生まれる
⇒改善の成果が認められる=ほめられる
10
2.組織と小集団活動
① 小集団活動の位置づけ
② 組織と小集団活動
③ 小集団活動における
役割分担
11
(1)小集団活動の位置づけ
業務を執行する管理者
改善を推進する推進者
管 理 者
推 進 者
業務と改善の
・指導・支援
・教育・訓練
業務を遂行する社員
改善を実施する小集団
員
業
務
小 集 団
改
善
社
業務と改善は一体
職制と小集団活動も一体
12
(2)組織と小集団活動
トップ:推進責任者
第1階層
推進事務局
第2階層
第3階層
第4階層
管理者:推進者
管理者:推進者
社員:小集団
社員:小集団
管理者:推進者
社員:小集団
業務と改善は一体
職制と小集団活動も一体
社員:小集団
13
(3)小集団活動における役割分担
•トップは・・・
⇒小集団活動の環境を整える
•管理者は・・・
⇒小集団活動を指導・支援する
•社員は・・・小集団活動を実践する
•推進事務局は・・・
⇒小集団活動をサポートする
14
(3)-1.トップの役割
•全組織的活動として位置づける
•活動を正しく理解する
•小集団活動が育つ環境をつくる
•活動の方針を示す
•小集団活動に関心を示す
•成果を正しく評価する
•推進事務局には適材を選ぶ
15
(3)-2.管理者の役割
•トップに活動状況を伝え理解を求める
•トップ方針を受けて部課方針を示す
•必要な知識と技法を教育する
•幅広い知識と技術を習得させる
•自ら率先して改善活動を実践する
•苦労と時間を惜しまず指導支援する
•活動を正しく理解する
•自己啓発と相互啓発を促す
◆ 叱る・ほめる・みてやる
16
(3)-3.推進事務局の役割
◎ 全体活動として小集団活動を育てる
TPMなどとの関係を踏まえた推進計画
◎ 改善活動を実践し、自らが教育現場に立つ
部門の改善事例の手本・QC研修会講師
◎ 組織内外の情報を収集し活用する
B/Mによる各部署への展開
◎ 推進者の活動を支援する
◆ 心得『推進の主役は管理者、黒子に徹する』
17
(3)-4. アドバイザーの役割
① サークルの指導と支援
◎運営に対する指導
・サークル会合(日程、時間、場所・・・)
・活動の進め方(役割分担、PDCA・・・)
・活動の進捗(計画と実績、参加人数・・)
・メンバー構成(職域、職種、人数、役割)
・アイテム整備(参考資料、文献・・・)
18
◎改善に対する指導
・テーマの選定(問題と課題の抽出)
・データの収集と解析(手法)
・改善アプローチの手順(手法)
・対策案の検討(アイディアの発掘)
・発表のテクニック(資料とプレゼン)
19
(3)-4. アドバイザーの役割
② 指導・支援の心構え
•『一生懸命取り組んでいる』という認識で接する
•特別な立場でなく、共に勉強するという姿勢
•理解、納得、やる気にさせ、育てるという気持ち
•知識を与えるだけでなく『熱意』を伝える
•抽象論ではなく、具体的な方法論で指導する
•気軽に相談できるという印象を与える
20
(3)-4. アドバイザーの役割
③ 求められる知識と実践経験
•部署内の改善活動の実態把握
活動理念 導入の変遷 推進組織体制
活動方針 活動計画 運用規約 etc
•改善の必要性と改善の基本
•改善の手順(アプローチ)
•手法の使い方
•事例の評価と指導
21
(3)‐5. リーダーの役割
◎ QC的考え方を駆使し、上司とメンバー
の協力を得て、テーマを解決する。
◎ そのために・・・
・ストーリーに沿って計画的に活動を進める
・手法を使って、改善ステップを進める
・メンバーに役割を分担し、協力を得る
・活動状況を上司に報連相し、指導を得る
・自信をもって成果を発表できるように努力
22
引き続き
「サークルレベルを知ろう」
・・・サークル指導のポイントを
見つける・・・
について解説します
23
〔Ⅱ〕サークルレベルを知ろう
…サークル指導のポイントを
見つける・・・
24
1.サークルレベルを知る…とは
サークルの活動状況を評価して
点数付け、又はランク付けし、
そのサークルが、どんな水準の
知識・能力を持っているのか、モ
ラールはどのような水準にある
のかを把握し、サークルの指導
育成に役立てます。
25
2.なぜ“レベル把握”が必要?
◆サークルに
最適な支援・指導をするために・・・
サークルの実情に即した指導を・・・
◆リーダーと
レベルを突き合わせ・・・
差異を明確にして支援・指導を・・・
◆支援者・リーダー双方が
活動のPDCAをうまく回すために・・
26
3.「レベル把握」から
「指導実践」まで・・・手順
ステップ1.レベル把握
サークルの平均的な「能力」「職場の明るさ」を把握
ステップ2.指導方法の決定
把握結果を踏まえ、指導方向を決める
ステップ3.指導計画の立案
レベルに応じ、指導計画を立案する
ステップ4.指導の実践とフォロー
継続的な支援・指導でサークルを育成する
27
レベル把握表
項目
年 月
年 月
(イ)
点
点
5
良い
(ロ)
4
(ハ)
(ニ)
(ホ)
Y
軸 3
合計
平均
〔把握項目〕
明るく働きがいのある職場
2
(イ) 人間関係とチームワーク
(ロ) QCサークル会合実施状況
上司・スタッフ・関連部署との連携
(ニ) QCや仕事の知識・技能を向上させよ
うという意欲
(ホ) 職場の5Sとルール遵守
(ハ)
1
1
3
2
レベル
4
5
高い
X軸
〔把握項目〕
項目
年 月
年 月
サークルの能力
(イ)
点
点
(イ)
(ロ)
(ハ)
(ニ)
(ホ)
(ロ)
QCの基本的な考え方と問題解決のステップ
QCサークル活動の運営の仕方
QC手法の使い方と活動結果のまとめ・発表
多技能・ローテーション
改善技能・改善能力
(ハ)
(ニ)
(ホ)
合計
平均
28
レベル把握表:詳細
5
Dゾーン・1
Cゾーン・1
Bゾーン
Aゾーン
明るい職場、
4 能力は低い
明るい職場、
能力やや低
い
明るい職場つ
くり、知識、活
動、よくやって
いる
トップレベル
良い
〔把握項目〕
明るく働きがいの
ある職場
イ)人間関係とチーム
ワーク
ロ)QCサークル会合
実施状況
ハ)上司・スタッフ・関
連部署との連携
ニ)QCや仕事の知
識・技能を向上さ
せようという意欲
ホ)職場の5Sとルー
ル遵守
Cゾーン
3
Y
軸
明るい職場づくり、
知識・活動、平均的
Dゾーン
明るい職場
2 つくり、知識
においても、
努力が必要
1
1
レベル
Cゾーン・2
能力高いが、活気ない
Dゾーン・2
能力そこそこ・職場に活気ない
2
X軸
3
4
高い
〔把握項目〕
QCサークルの平均的な能力
イ)
ロ)
ハ)
ニ)
ホ)
QCの基本的な考え方と問題解決のステップ
QCサークル活動の運営の仕方
QC手法の使い方と活動結果のまとめ・発表
多技能・ローテーション
改善技能・改善能力
29
5
「明るく働きがいのある職場」
に関するレベル把握項目
(イ)~(ホ)の項目を参考にして、サークルがどのレベルに該当するか1~5で判定する
良
い
5
4
Y
軸
3
2
1
レベル
項目
◆全員元気良く業務や活 ◆計画的会合し事前準備もし
動もテキパキとやり活気が てあり効率が良い
ある。
◆積極的に本音で議論してお
◆信頼関係も強く本音で り活気がある
議論しながら進めている (会合回数、月3回以上)
◆雰囲気は明るく仲間意 ◆予定通りに実施し、全員積極
識や協調性もある
的に発言する
◆業務や活動も協力して ◆本音の議論になると多少遠
進めている
慮が出る
(会合回数、月3回以上)
◆みんな仲良く協調性も ◆予定通りに実施しているが
ありにぎやかだ
リーダー主導になっている
◆業務や活動はリーダー ◆本音も出るが黙って従う人も
主導でやっている
いる
(会合回数、月2回以上)
◆業務連絡や会話などハ ◆予定をときどき変更している
キハキせず活気が感じら し、開いても事前準備をしてい
れない
ないことが多く、雑談で終わる
◆協調性がいまいちで業 事が多い
務や活動も遅れがち
(会合回数、月1回以上)
◆全般的に暗い雰囲気が ◆会合は開くが意見はない
あり仲間意識や協調性も ◆リーダーもまとめが出来ず、
なく業務や活動も目標見 開かないこともある
達が多い
(会合回数、月1回以下)
◆上司・スタッフ・関連部署と ◆全体にレベルアップしよう ◆挨拶はいきいきと元気良く、
常に連携し、難問に積極的 という雰囲気があり、定期的 職場の雰囲気が明るい
に取組、活発に活動している に勉強会・研修会を行ってい ◆4Sは全員自主的に行い、良
る
好なレベルを維持している
(挨拶は全員が実施)
◆活動内容によっては、上 ◆レベルアップしたいという ◆挨拶は元気よく出来る
司・スタッフ・関連部署と連携 雰囲気があり、たまに勉強会 ◆4Sは全員協力し、まずまず
し活動している
等を行うが単発に終わって のレベルを維持
いる
(挨拶は90%以上が実施)
(イ)
(ハ)
(ロ)
人間関係と
チームワーク
QCサークル会合
実施状況
◆活動は自分たちだけで
やっており、重要ステップ
(テーマ選定、対策立案等)
になると上司に相談する
◆レベルアップしたいという
雰囲気があり、一部自己啓
発に励んでいる
◆まだ全体の行動になって
いない
◆困ったときは相談するが、 ◆一部にレベルアップしたい
サークル単独活動のときが という雰囲気はあるが、行動
多く、身近な問題解決の域を には移せない
脱しきれない
◆挨拶はキチンとしている
◆4Sはまずまずのレベル維持
だが、一部の人だけが実施
◆ルール違反はない
(挨拶は80%以上が実施)
◆挨拶はするが活気がない
◆職場はときどききれいにする
が維持できない
◆ルール違反もときどき発生
(挨拶は50%以上が実施)
◆上司が声を掛ければ報告 ◆全体が、仕事をやってい ◆挨拶が出来ない
や相談に来るが、サークル ればいいという雰囲気であ ◆4Sは定常的に不十分
からの働きかけはない
り、レベルアップしようという ◆ルール違反も多い
意識はない
(挨拶実施率は50%以下)
上司、スタッフ、
関連部署との連携
(ニ)
QCや仕事の知識技能を
向上させようという意欲
(ホ)
30
職場の5Sと
ルール遵守
「QCサークルの平均的な能力」
に関するレベル把握項目
タテ軸の(イ)~(ホ)の項目を参考にして、サークルがどのレベルに該当するか1~5で判定する
(イ)
◆メンバーの大半は用語 ◆一部は理解しているが ◆半数は理解しており
◆大半が理解しており各 ◆大半が身についており
QCの基本的な考え方と を知っている程度で理解 日常業務や問題発生時に サークルリーダー主導で 自が日常業務や問題発生 自然に実践できる
問題解決のステップ
はしていない
実践できない
実践できる
時になんとか実践できる
(ロ)
QCサークル活動の
運営の仕方
(リーダーシップ)
◆メンバーの大半は運営 ◆一部は理解しているも ◆半数は理解しており
◆大半が理解しており
◆大半が理解しており自
の仕方を知らず、上司の のの実際の活動となると サークルリーダー主導で テーマリーダー主導のもと らの役割りを自覚し自主
指示がなければやれない 上司の指導でしかやれな 活動をすすめていくことが 皆が協力しながら活動を 的に活動できる
い
出来る
すすめていくことが出来る
(ハ)
QC手法の使い方と
活動結果のまとめ・発表
◆メンバーの大半はQC7
つ道具やQCストーリーを理
解していないため、活動結
果をうまく表現出来ない
(ニ)
他技能の向上
・ローテーションなど
◆同職種の他チームと比較 ◆遅れている
して非常に遅れている
(良くない)
(20%以下)
(40%以下)
(ホ)
改善技能・改善能力
(改善に対するやる気)
◆自らは改善しようという ◆従来のやり方に固執し ◆自ら進んで改善すること ◆自らの問題ととらえ、さ ◆常に問題意識を持って
意識はなく上司の指示に がちだが、上司に言われ はあまりないが、上司に言 らに工夫を凝らした改善を おり、新たな発想で積極
対しても消極的
たことについては何とかや われたことはキチンと実施 実施する
的に改善(or進言)する
る
する
把握
レベル
◆一部は手法を1~2使
いこなせ、まとめ方も知っ
ているが応用が出来ず画
一的にしか出来ない
◆半数は手法を3~4使 ◆大半はQC手法、QCス ◆大半はすべて理解して
いこなせ、QCストーリーに トーリーを使いこなせ、要 おり、的を得た使い方や重
沿ってまとめることが出 領よくまとめや発表が出来 点指向ができ、メリハリの
来、発表も出来る
る
あるまとめや発表が出来
る
◆普通
◆進んでいる
◆非常に進んでいる
(良い)
(たいへん良い)
(50%以上)
(70%以上)
(80%以上)
1
2
3
4
531
X軸 高い
レベル把握表の記入例
項目
H25.4.
H26.4.
(イ)
3
4
(ロ)
2
3
(ハ)
3
3
(ニ)
2
3
(ホ)
3
3
合計
13
16
平均
2.6
3.2
5
良い
4
H25.4.
X=1.6
Y=2.6
H26.4.
X=2.4
Y=3.2
Y
軸 3
〔把握項目〕
明るく働きがいのある職場
2
(イ) 人間関係とチームワーク
(ロ) QCサークル会合実施状況
上司・スタッフ・関連部署との連携
(ニ) QCや仕事の知識・技能を向上させよ
うという意欲
(ホ) 職場の5Sとルール遵守
(ハ)
1
1
3
2
レベル
4
5
高い
X軸
〔把握項目〕
項目
H25.4.
H26.4.
サークルの能力
(イ)
1
2
(イ)
(ロ)
(ハ)
(ニ)
(ホ)
(ロ)
2
3
(ハ)
2
2
(ニ)
1
2
(ホ)
2
3
合計
8
12
平均
1.6
2.4
QCの基本的な考え方と問題解決のステップ
QCサークル活動の運営の仕方
QC手法の使い方と活動結果のまとめ・発表
多技能・ローテーション
改善技能・改善能力
32
レベルに応じた指導ポイント-1
Dゾーンサークルの指導ポイント
指導方向
●知識も不足しており、活動も
低調なので、上司が積極的
に指導・支援をおこなう
●活動の計画的な教育・指導・
メンバーとのコミュニケーショ
ンが不可欠
●QCサークル活動の意義、
基本的な考え方や進め方な
どを、メンバーと一緒に勉強
していくことが大切
●「ほめて育てる」を基本に、
動機づけをおこなう
項目
主な具体的指導項目(例)
サークル
の
能力
①PDCAの考え方、事実とデータによる行動、後工程はお客様、
重点指向など、基本的な考え方と進め方を職場の具体例に
置き換え、メンバーと一緒に勉強する
②問題解決のステップについて一緒に勉強し、それに忠実に改
善活動を進め、常に進捗状況を把握する
明るい
職場
①活動は何のためにやるのか、ねらい、趣旨など、理解納得す
るまで話し合う
②職場の目標を説明し、問題点を話し合い、共有化を図り、改
善の必要性を認識してもらう
③活動終了後は担当メンバーを褒め、激励しアドバイスをする
D-1
能力が
低い
①QC手法を使わせてみる・・・インストラクターや事務局と一緒
に、出来るように仕向ける
・チェックシート⇒層別⇒パレート図作成⇒問題を検討
⇒特性要因図作成
・繰り返し、基礎の勉強を・・・
D-2
職場の
活気が
ない
①まずは“あいさつ”が出来る風土つくり⇒自分から声掛けを
・ミーティングでは、輪番で一言発言を・・・
②問題点・課題の共有化⇒「見える化」の実施
・意見や問題提起には素早い回答
・メンバーの意見は大切に扱う
33
レベルに応じた指導ポイント-2
Cゾーンサークルの指導ポイント
指導方向
●知識と活動が伴ってきたが、
さらにBゾーンへステップ
アップする動機づけが必要
●知識面の必要性を理解して
もらい、正しいデータの取り
方、手法の使い方、書き方
等を指導する
項目
主な具体的指導項目(例)
サークル
の
能力
①活動の基本的な考え方、進め方を再度勉強させ、正しい知識
を身につけさせる
②問題解決のステップはポイントを勉強させ、より高レベルな活
動にチャレンジするよう仕向け、活動の喜びを味わわせる
③手法の正しい使い方、書き方を指導し、活動で実際に使わせ、
知識向上の必要性を認識させる
明るい
職場
①職場の方針に従って職場の理想像を描かせ、現状と比較す
る中で問題発見の視点を養成し、実効ある改善を学ばせる
②適時、中間報告をさせ、活動の評価をし、完遂するよう励ます
③活動終了報告会を設け、活動プロセスがよかったのか評価を
行い、次回活動に生かすよう指導する
D-1
能力が
低い
①職場の上司や講師(例:指導員・インストラクター)に、研修会・
勉強会を開いてもらい、知識向上の機会を増やす
②外部発表会に参加させ、優秀な事例に触れさせる
③問題解決の方法、手法の正しい使い方を学ばせる
D-2
職場の
活気が
ない
①明るい職場づくりを進めるために、メンバー全員で議論させ、
問題点を絞り、チームワーク向上を図る
②支援者として会合に参加し、適宜アドバイスをし、方向付けの
支援をおこなう
34
レベルに応じた指導ポイント-3
Bゾーンサークルの指導ポイント
指導方向
●知識と活動が伴ってきたが、
さらにAゾーンへステップ
アップする動機づけをする
●活動の楽しさや達成感など
を味わってもらい、やる気を
維持する
項目
主な具体的指導項目(例)
サークル
の
能力
①職場の目標について説明し、問題点を話し合い、改善の必要
性を認識してもらう
②問題解決のステップやQC手法・ストーリーは、ポイントを教え、
的を得た正しい使い方を指導する
③社内外の大会に派遣し、他サークルの活動を聴講してもらう
ことにより、刺激を与えレベルアップを図る
④他サークル(優秀サークル)とのジョイント(交流会など)で視
野を広げる
明るい
職場
①QCサークル活動によって生まれる効果等について話し合い、
年間計画立案のアドバイスを行い、活性化への動機づけをお
こなう
②少しレベルの高いテーマにチャレンジするよう仕向け、バック
アップ・支援に徹し、解決できるようにする。そして、社内外で
発表の場づくりをし、達成感を味わってもらう
③適宜、中間報告の場を設け、活動の評価と慰労を行い、最後
までやり抜くよう激励する
③活動終了報告会を設け、活動プロセスをよく聞いてやり、評価
と慰労を行い、活動継続への動機づけを行う
35
レベルに応じた指導ポイント-4
Aゾーンサークルの指導ポイント
指導方向
●知識もあり活動もよくやって
いるサークルに対しては、自
主性を尊重し、進む方向付
けをしてやり、見守っていくこ
とが基本
●間違った方向へ向かってい
るときは、その都度、軌道修
正をしてやる
●このレベルのサークルは、
改善の効果が伴わないと達
成感は感じない
仕事とQCサークル活動を区
別せず、業務に関連した活
動を奨励する
項目
主な具体的指導項目(例)
サークル
の
能力
①前後工程、市場環境などの情報を適時提供し、問題意識を持
たせ改善活動の動機づけを行う
②専門技術習得の奨励と場づくりを行い、自分たちの手で改善
してもらうことで、技能向上につなげる
③関連部署との合同活動を奨励し、守備範囲を超えた、よりレ
ベルの高い活動にチャレンジしてもらう
④より高度な手法を教育し、実際に使ってもらう
明るい
職場
①部署長の方針を伝達することで、職場の問題点を明確にし、
改善に結び付ける
②同一ショップでの交流の場づくりを行い、改善の横展やヒント
を与え、動機づけを行う
③職場の管理項目について、常に関心を持って巡視し、メン
バーとのコミュニケーションを深める
③活動終了報告会を設け、活動の評価と慰労を行い、活動継続
への動機づけを行う
36
4.まとめ
レベル把握と
サークルとのコミュニケーション
レベル把握はサークルと正しいコミュニ
ケーションをはかるための手段
定期的に実施・・・目安;年2回程度
同時に、サークル自身もレベル把握を・・・
比較して、差異を埋めていく活動を・・・
37
引き続き
「サークルと共に成長する」
について解説します
38
〔Ⅲ〕サークルと共に
成長する
組織・職場の実情に合わせた
QCサークル活動の進め方
先進企業のマネでなく
自職場に合った進め方を!!
39
QCサークル活動の活性化は・・・
◆ サークルの進路は見えていますか?
⇒ 活動の目的、進路(目標)が判らなかったら
・・・道に迷って、まともな活動ができない。
⇒ トップが活動の必要性、目的、目標を
示さなければ・・・サークルは動かない。
⇒ 上司は自らの方向を示していますか?
・意思を織り込まない上司(オウムがえし)
では、指導も出来ない。
40
1.やらされ感の改善
QCサークル活動の基礎
<重点の再確認>
本物のQCサークル活動とするため
☆QCサークル活動は誰のため?
☆良いテーマの見つけ方
41
管理者の役割
TQM活動
人
事
管
理
TQC活動
TPM活動
TPS活動
業績向上
人材育成
職場活性化
人材育成
人材活用
職
場
外
活
動
QCサークル活動
人を育て
人を活かし
業績を上げる
42
QCサークル活動の基本理念
•人間の能力を発揮し、
無限の可能性を引き出す。
自分のため
•人間性を尊重して、
生きがいのある明るい職場をつくる。
仲間のため
•企業の体質改善・発展に寄与する。
会社のため
43
QCサークル活動は 誰のため?
サ
ー
ク
ル
活
動
自己啓発
自分のため
仲間のため
みんなで
改 善
相互啓発
結果として
ネ
タ
仕
事
組織のため
(業績・人材)
職場の問題
本来は
職制の仕事
活動を通して
自分自身の知識技能を高め、よりよい仕事をする44
よいテーマの見つけ方<一般論>
不具合項目
他
人
も
判
ら
な
い
他
人
も
判
る
難しい
テーマ
緊急
慢性
判りやすい
テーマ
自分で判る
自分で判らない
職制の
テーマ
サークルの
テーマ
よいテーマ ⇒ 身近で、具体的なテーマ
45
改善活動の着眼点(仕事とは?)
仕事 = 作業 + 考える
みんなで「考える」ことがQCサークル活動の原点
作業 = 正味作業 + 付随作業
良い仕事をするための着眼点
正味作業⇒お金になる作業
例:ボルト締付、溶接、塗装吹付
付随作業⇒お金にならない作業
例:歩行、運搬、工具を持つ、部品を持つ
諸悪の根源
品質・生産性などの諸悪の根源は
やりにくい作業
46
<補足説明>
★不良が多いと、困るのは職制や会社
中には、不良が多いと仕事が増え、喜ぶ人も
★作業者は、不良が原因で
突発残業や手直し作業に、困っている
職場の元気の源
★やりにくい作業の改善で
自分の仕事が少しでも楽になれば
さらに改善意欲が増す
結果として
生産性や品質向上など業績向上に大きく貢献
47
実践ではQCのためのテーマ探しはしないこと
職場の問題
・品質不良
・生産性(出来高)未達
・コスト(工数)未達
諸悪の根源
仕事のやりにくさ
サークル 平成 年度活動計画
◆サークルスローガン◆
◆サークルメンバー紹介・抱負など◆
メンバー
4人の例
やりにくい仕事を
・各自1件提案し
◆サークルス年度目標◆
・サークル全員で
・1ヶ月で改善する
活動内容
担当
4月
改善活動
目標: 件/年
計画
○○○○
実績
●●●
サークル会合
目標: 回/月
計画
実績
全員のテーマが
・すべて完了したら
・リセットして進める
5月
6月
根深いテーマ
7月
8月
○○○○
9月
10月 11月 12月
根深いテーマ
○○○○
1月
2月
根深いテーマ
●●●
●●
1ヶ月で解決できない
根深いテーマは
3ヶ月かけて、確実に改善
3月
48
2.形骸化した
活動からの脱却
職場の問題と
それに合せた問題解決
49
職場に合せた 問題解決の進め方
今まで経験した
ことのない
新たな問題
課題追求の活動
職場の問題
5
5~10
現場に多い
開発に多い
80~90%
根の深い
難しい問題
原因も対策も
分かっている
ような問題
対策優先の活動
原因追求の活動
どこにもある
慢性的問題
内容に合せ、進め方を選ぶ
50
問題解決の3つの型と使い分け
問題解決の為の3つの型
問題解決型 あるべき姿に近づけるために
悪さを追及する活動
課題達成型 ありたい姿に近づけるために
良さを追求する活動
施策実行型 対策が見えているから
まず対策を優先する活動
51
3つの型の使い分け
テーマの内容により、次のように使い分けて下さい
テーマ
経験のない仕事
取り組むテーマの対象は?
従来からの仕事
見当がついている
対策の見当がついているか?
要因も対策も見当が付かない
できない
要因の解析ができるか?
できる
課題達成型
問題解決型
施策実行型
良さ追及の活動
悪さ退治の活動
対策重視の活動
事実(現場・現物・現時点)に基づく管理が最重要
52
問題解決の3つの型のステップ
№
1
課題達成型
テーマ選定
2
3
攻め所の明確化
4
目標設定
問題解決型
施策実行型
テーマ選定
テーマ選定
現状把握
現状把握
対策の狙いどころ
目標設定
5
活動計画作成
6
要因解析
目標設定
7
方策の立案
8
成功シナリオの追
及
対策検討
対策検討
9
成功シナリオの実
施
対策実施
対策実施
10
効果確認
効果確認
効果確認
11
標準化
標準化
標準化
12
管理の定着
管理の定着
管理の定着
・理想の追求
・真因の究明
・対策の重視
特徴
53
3.目で見てわかる
QCサークル活動
活動状況の見える化の工夫
QCサークル活動活性化のポイント
QCサークル活動
停滞・沈滞の主要因
★活動状況が目に見えない
★見えないため上司も放任
54
“見える化”のポイント
<手段>
みんなで
情報を
共有する
全員の
ベクトルを
合せる
現状のレベルを
見えるようにする
会社目標を
達成させる
結果が
出る
現状が
見える
改善が
進む
異常が
判る
目標達成に向け
改善を継続する
総力を
結集する
<目的>
目標、計画に対して
異常が判るようにする
見せるのが目的ではありません
みんなで改善を進めるための道具です 55
目で見る帳票 4点セット
全社、部門ごとの
サークルごとの
年間推進計画
年間活動計画
全社、部門ごとの
改善テーマごとの
テーマ進度管理
改善経過報告
留意点:現場の書き物を減らす
56
目で見て分かる 職場掲示
全社、部門ごと
現場のサークルごと
掲示板
(ベニヤ板)
年間推進計画
その都度
記録
掲示
テーマ進度管理
年間活動計画
改善経過報告
世話人の
フォロー
アドバイス
掲示の効用:情報の共有 お互い勉強
57
留意点
①掲示するのは サークルの責任
②進まないのは 世話人の責任
③発表会や報告は「現場の生の資料」で
・現場の書き物はお金にならない
・少しでも書き物を減らす工夫を
58
まとめ
★QCのためのQC活動でなく
仕事に密着したQC活動で
結果を出すこと
★職場に合せた実践活動で
人を育て、人を活かし
結果を出すこと
QCサークルは人を創る
59
END
ご清聴ありがとうございました
ご活躍を期待いたします
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