春 日 部 公 証 役 場 「遺言公正証書」を作成される方に

春 日 部 公 証 役 場
〒344-0067 春日部市 中央 5-1-29
☎ 048(735)7200
Fax. 048(735)8378
「遺言公正証書」を作成される方に
遺言公正証書は,公証人が遺言者ご本人の遺言能力と意思を,しっかりと確かめさせて
いただいた上で作成します。
遺言公正証書は,公証人が遺言者のご自宅,老人ホーム,入院先病院等にうかがって作
成手続をすることができます。
1 公証人と面談する前に準備していただくこと
⑴ 遺言者ご本人が遺言の内容(次のア~オ)を決めてください。
できれば,決めたことを書いた簡単な「メモ」を作成してください。
ア 誰に対して,何を(どの財産を)引き継がせるのか。
● 「予備的遺言」を定めておくべき場合があります。
「財産を相続させるAが,遺言者よりも先に死亡した場合や,災害・事故等
によって遺言者と同時に死亡したと推定される場合には,Aに相続させるつも
りであった財産をBに相続させる。
」としておく“予備的・補充的”な遺言のこと
をいいます。
イ 「遺言執行者」を誰に指定するのか。
遺言執行者は,登記所や銀行等で遺言の内容実現のための名義変更等をできる
人で,相続手続を楽に進めるためには指定しておくべきであり,通常は遺産の多
くを引き継がせる方を指定されます。
※ 遺言執行者は,相続人や受遺者でも,後記の証人であっても構いませんし,複
数名が指定されることもあります。
司法書士や行政書士に依頼される方もいらっしゃいます。
ウ 「祭祀継承者」を誰に指定するのか。
祭祀承継者とは,墓を引継ぎ,遺言者や先祖の法要を主宰すべき者をいい,こ
れを指定しておくほうがよい場合もあります。
※ 例えば,複数名いる子ども達の一人に家屋敷や多くの財産を継がせる場合など
に,
「
“家”と共に“墓”を守るべき重い責任もある。
」ことを明確にしておくため
にも,この指定がなされることがあります。
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エ 「証人」をどなたにお願いするのか。
遺言公正証書の作成時には,証人2名に立ち会っていただく必要があります。
証人をしていただける適当な方――例えば,友人や知人――が見あたらない場
合には,当役場でご紹介いたします。
※ 「証人」には欠格事由があり,未成年者,法律上相続人となる方々,遺産を受
け継ぐ方々,さらには,これらの方々の直系の血族(子や親)や配偶者の方々は
証人となれません。
オ 「付言事項」を記述するのであれば,どのような内容とするのか。
「付言事項」とは遺言をする方が家族らに言い残しておきたいことを記してお
くもので,これを公正証書に記述しておくこともできます。
「付言事項」を記すことによって,遺言者の思いが遺族に正しく伝わり,相続
手続もスムースに進むとの効果があるようです。
※ 「付言事項」としては,① 相続人や世話になった人々に対する感謝の思い,②
遺言を残すこととしたわけ,③ 残す家族が仲良く助け合って過ごすことへの願い
などが述べられます。
⑵ 必要な書類・資料等を入手して準備してください。
下記の ア(印鑑登録証明書)と エ(固定資産税等課税明細書)は,必ず提出して
いただく必要があります。
その他の資料の中には,遺言内容によっては必要ないものがあります。
そこで,遺言の内容をある程度に定められた上で公証人と面談し,何が必要なのか
を確かめられてから準備されるほうがよいかと思われます。
ア 遺言をされる方の印鑑登録証明書
公正証書作成前3か月以内発行のものが必要です。
イ 相続人に財産を引き継がせる場合には,遺言者と財産を引き継がせる相続人との
続柄が明らかとなる戸籍謄本(全部事項証明)
※ 相続人にあたるのは,⑴ 遺言者の妻や夫,⑵ 遺言者の子,⑶ 遺言者の孫【この
孫の親(遺言者の子)が亡くなっている場合】
,⑷ 遺言者の兄弟姉妹【遺言者に子
や孫がいない場合であって,遺言者の親も亡くなっているとき】などの方々です。
ウ 相続人ではない方に財産を引き継がせる(遺贈する)場合には,この相手方(
「受
遺者」といいます。
)の氏名・生年月日・住所が明らかとなる資料
可能であれば,受遺者の住民票 又は 健康保険証(コピー) 又は 運転免許証(コ
ピー)等をご準備ください。
※ 遺贈の相手方(受遺者)となる方々は,⑴ 遺言者の孫【この孫の親(遺言者の子)
が生存している場合】
,⑵ 遺言者の兄弟姉妹や甥姪らの親類【相続人にあたらない
場合】
,⑶ 遺言者の配偶者の子(いわゆる連れ子)
,⑷ 遺言者の配偶者の兄弟姉妹
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(いわゆる義理の兄弟姉妹)
,⑸ 親族ではない知人・友人・その他の方々 です。
エ 遺産に土地・建物が含まれることになる場合には,その土地・建物の固定資産税
等課税明細書(課税通知書)
《毎年5月ころに市区役所・町役場から送られます》
。
固定資産評価証明書又は名寄帳でも差し支えありません。
● 土地・建物の登記簿謄本(又は 登記事項証明書 又は 不動産登記情報)を提出
していただく場合があります。
※ 例えば,
「A所在の土地は長男に,B所在の土地は二男に相続させる」とする場
合には,ABの両土地の所在・地番等を公正証書に正確に記載するために登記簿
謄本,不動産登記情報等が必要となります。
不動産登記情報は当役場を通じても入手することもできますが,入手実費(1
通 337 円)を負担していただきます。
オ 遺産に預貯金,有価証券(株式,国債)
,投資信託などが含まれる場合には,次の
事項を記載したメモ
a 預貯金の金融機関・支店名,預貯金の概ねの残高
b 有価証券等の預託先の証券会社・支店名,有価証券等の概ねの価額
● 預貯金・有価証券等の通帳・証券・預り証等のコピー(支店名,口座番号・証
券番号等の記載のある面のコピー)を提出していただく場合があります。
※ 例えば,A銀行預金は長男に,B銀行預金は長女に相続させるとする場合に
は,公正証書に口座番号等を正確に記載するために通帳等の関連部分のコピー
が必要となります。
カ 「遺言執行者」の氏名・生年月日・住所がわかる公的な資料
具体的には,住民票 又は 健康保険証(コピー) 又は 運転免許証(コピー)な
どが必要となります。
キ 証人(2名)を知人や友人に依頼する場合には,その方の氏名・生年月日・住所・
職業を記載したメモ
可能であれば,その方の住民票 又は 健康保険証(コピー) 又は 運転免許証(コ
ピー)等を提出してください。
2 公証人との面談,作成前の連絡・調整
⑴ 公証人と面談し,打合せをしてください。
ア 遺言者本人(又は代理の方)が公証人と面談のために当役場にお越しください。
◎ 予約なしに来られますと長時間お待ちいただくことがありますので,事前に電
話で日時を予約してください。
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イ 面談の際には準備されたメモ・資料等をお持ちください。
公証人が,遺言の内容をお聞きし,その後の手続等についての打合せをさせてい
ただきます。
◎ 郵送,ファックス,メール等による受付・事前打合せもいたします。
⑵ 遺言の最終案を確定させて作成日時等を予約してください。
ア 公証人が,遺言をされる方のご意向に従った公正証書〝原案″を作成します。
遺言をされる方にこの〝原案″をご覧いただいて,内容確認をしていただき,必
要に応じて修正を重ねます。
◎ 電話,ファックス,郵送,メール送信等による連絡・調整もします。
イ 提出いただく必要のある書類・資料等の未提出分を,ファックス,郵送,メール
送信,直接持参などの方法によって追完していただきます。
ウ 公正証書の“最終案”を確定した後,公正証書として完成させる日時・場所――
すなわち,遺言者と証人の方々に,最終案の内容を確認していただいた上で署名・
押印をしていただく日時・場所――を決めます。
◎ 公証人が,遺言者のご自宅,入院先病院,老人ホーム等の滞在先にうかがって
作成することもできます。
エ 手数料の正確な金額をお伝えいたします。
3 公正証書の作成当日の手続等
⑴ 持参していただくもの
ア 印鑑をお持ちください。
◯ 遺言者は実印(印鑑登録証明書と合致する印)
。
◯ 証人は認印(朱肉を使用しないスタンプ式印は不可)
。
イ 作成手数料を現金でお支払いいただきます。
⑵ 遺言公正証書案の最終確認と署名・押印
ア 遺言者と証人の方々に,公正証書“最終案”の内容を確認していただいた上,署
名・押印をしていただいて公正証書として完成します。
イ 遺言者には,完成した「遺言公正証書」の“正本”と“謄本”各1通ずつをお渡
しします。 「遺言公正証書」の“原本”は当役場で長期間保管します。
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遺言公正証書作成の手数料
公正証書の作成費用は,
「公証人手数料令」
(政令)で法定されています。
1 遺言の目的たる財産の価額に対応する形で,手数料が定められています。
(目的財産の価額)
(手数料の額)
100万円まで
5,000円
100万円を超えて
200万円まで
7,000円
200万円を超えて
500万円まで
11,000円
500万円を超えて
1000万円まで
17,000円
1000万円を超えて
3000万円まで
23,000円
3000万円を超えて
5000万円まで
29,000円
5000万円を超えて
1億
円を超えて
1億5000万円を超えて
1億
円まで
43,000円
1億5000万円まで
56,000円
2億
69,000円
円まで
1億円を超える部分については,超過額 5000 万円までごとに,3億円までは 13,000 円,10億円までは 11,000
円,10億円を超えるものは 8,000 円が,43,000 円に加算されます。
2 上記の基準を前提に,手数料は,次のとおり算定されます。
(1) 財産の相続又は遺贈を受ける人ごとにその財産の価額を算出し,これを上記基準
表に当てはめて,その価額に対応する手数料額を求めます。
こうして求めた手数料額を合算して,当該証書全体の手数料を算出します。
※ 例えば,妻に 800 万円相当の不動産を,長男に 400 万円相当の預貯金を,それぞれ相続させる遺言で
は,妻についての手数料が[1000 万円以下の欄に当てはまり]17,000 円,長男についての手数料が[500
万円以下の欄に当てはまり]11,000 円となり,この手数料金額が合算されて 28,000 円となります。
(2) 次の加算がされることがあります。
① 祭祀承継者(墓を引き継ぎ法要をする者)指定の場合
11,000円
② 遺言加算がされる場合(全体の財産が1億円以下のとき)
11,000円
(3) 証書枚数による加算がなされます
通常は4,000円~ 8,000円
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※ 遺言公正証書は,原本を役場で保管し,正本と謄本は遺言者に交付します。
原本はその枚数が4枚を超えるときは超える1枚ごとに 250 円の手数料が加算され,正本と謄
本の交付にも1枚ごとに 250 円の手数料が必要です。
(4) 証人謝礼
お1人分が
円(2人分で
円)
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※ 当役場が証人を紹介した場合に,証人に対して直接お支払いいただきます。
(5) 公証人が役場外で公正証書を作成する場合の加算等
本来の手数料(上記(1)+(2)①祭祀承継加算)の手数料が50%加算されます。
ほかに,公証人日当(4 時間以内 10,000 円)と交通費実費がかかります。
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