2009 年 10 月 平成 21,22 年度「電流による発熱」「電気の利用」 「太さのちがう電熱線に電流を流す」実験について 平素より弊社教科書をお使いいただきまして,誠にありがとうございます。 本年より移行措置が実施され,先生方も新しい教材を実践されていらっしゃることと存じま す。その中で 6 年「電気による発熱」は本年 11 月の実施予定です。単元内で使用いたします 「み つろう」については先生方も聞き慣れない素材かと存じますので, ご紹介させていただきます。 ご参考になれば幸いです。 弊社が今回実験に使用しておりますのは,ドイツの会社シュトックマー社の販売しておりま す,「みつろう粘土」という商品になります。 通常のみつろう(画材屋さんなどで購入できるブロック状のもの)でも良いのですが,上記 の商品はうすい板状になっており成形しやすく,手の温度で簡単に加工できることなどから 使っております。以前はろうそくを切って使用しておりましたが,砕けてしまい使いづらいと いうご意見もございました。 この「みつろう」は聞き慣れない素材ですので,内田洋行様では, 「発熱実験用ろう」と名 称を変え販売しております。価格や品番も掲載いたしました。ご参考になさってください。 P4985 (内田洋行) 発熱実験用ろう(ミツロウ) 6 枚入 寸法:40 × 100㎜ ¥1,880(1,974) ■□□みつろう(ビーズワックス)とは みつろうとは,簡単に言うとミツバチの巣の材料そのものです。 ミツバチは巣を作るため,腹部からみつろうを分泌します。厳密に言うと,この分泌したも のがいわゆるみつろうと呼ばれるものなのですが,ミツバチはこのみつろうに唾液を加えて混 ぜ合わせ,口と脚を使って巣を作っていきますので,通常販売されているみつろうはこの巣を 溶かし,ミツバチの幼虫が作った繭などを取り除いたものであり, 「みつろう+ミツバチの唾液」 が人間の言うところの「みつろう」となります。 みつろうは,ハゼノキから採れる植物性の蝋と同じように,古くから蝋燭(ロウソク)の蝋 として使用されたり,木材の表面の艶出し・コーティングの材料とされたり,肌に良い成分を 含んでいることから化粧品の材料として使用されてきました。最近の蝋燭は石油から作られる パラフィンという物質で作られていますが,キリスト教,仏教など,宗教関係の儀式などでの 供物として,今でもみつろうを使った蝋燭が使われていることがあります。また近年ではシッ クハウス症候群の予防策として,みつろうから作られたみつろうワックスが注目を浴びていま す。 ■■□シュトックマー社の「みつろう粘土」 こちらの商品は,元々お子さん用の粘土として販売されています。 シュトックマー社のみつろう粘土は,指先がしっかり動いて細かな細工が出来るようになっ た頃から使える粘土です。べたべたと手に付くということもほとんど無く,どちらかというと 穏やかないい香りがします。 粒子が細かいため,細かい部品を作ってもその原型をとどめることが出来ます。また,べと つかず,さっぱりとお使いいただけるのもシュトックマー社のみつろう粘土の特徴です。ただ し,いわゆるよく知っている粘土と比べると少し硬いため,粘土遊びに慣れるまで多少使いづ らいかもしれませんし,大人になじみのある油粘土を思い浮かべると大人も少し戸惑うことと 思います。 この粘土は独特のつやがあり,使い慣れると造形的に細かな細工までしっかりしたものが作 れるため,子どもから大人まで楽しく遊ぶことが出来ます。 ■■■加工のしかた 実験を行うにあたり,みつろう粘土を使いやすい形に 成形します。 ① 5mm 幅→ ①まずみつろう粘土を 5mm 幅の棒状に切る。 ②それを手で U 字型に曲げる。 ② (上の説明のように,体温で柔らかくなり曲げること ができます。) ※電熱線と木板の間が低く,U 字だとやりにくい場合は棒の状態で立てかけてもよい。
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