2 若い世代を中心とした食育の推進

2 若い世代を中心とした食育の推進
(1)取組の考え方
若い世代については、課題1の「多様なくらしへの対応・健康長寿に貢献する食育の推
進」で述べたように健康・食の課題が多くなっています。特に生活リズムの乱れなどによ
る朝食の欠食は幼少期から出現し、小学校、中学校と年代が高くなるにつれて朝ごはんを
毎日食べる割合が減少しています(図 1)。
【図1】朝ごはんを毎日食べる児童生徒の割合
朝食等実態調査(佐賀県独時調査)
あなたは学校に登校する日必ず毎日朝食を食べますか→「必ず毎日食べる」と回答の割合
92
90
88
86
85.1
85.7
82
81.1
89.1 89.3
88.1
86.8
85.7
84
80
90.5 90.2
89.2
88.6
86.3
87.1
中学生になると朝ごはん
88.4
88.3
を毎日食べる割合が減る
86.4
87
85.7
小学5年生
中学2年生
81.1
(食べないことが1日ある、食べないことが2日ある、食べないことが3日ある、食べないことが4日ある、全く食べないという回答は含
まない)
○児童生徒の朝食喫食率の状況(全国比較)朝食を毎日食べていますか。→「している」と回答の割合
小学6年生
(90.0)
中学 3 年生
(89.0)
89.3
(88.0)
(88.7)
(87.0)
89.1
(88.6)
(88.1)
87.8
(87.6)
87.0
(86.0)
(88.0)
(87.0)
(86.0)
(85.0)
(84.0)
(83.0)
(82.0)
(81.0)
(85.0)
86.6
87.6
85.2
(84.0) (84.3) (83.9)
86.2
(83.8)
24年 25年 26年 27年
度
度
度
度
24年度 25年度 26年度 27年度
(どちらかといえばしている、あまりしていない、まったくしていないの回答は含まない)
※2 各都道府県分は・・「公立」のみ公表。全国学力・学習状況調査(文部科学省全国調査)
20
全国平
均(国
公私
立)
佐賀県
※2
また、成人の習慣的な朝食欠食率は、男性では、40 代、女性では、20 代が各世代の中で
多い傾向にあります(図 2)。
【図 2】成人の朝食欠食率(H16
H23 年度 佐賀県県民健康・栄養調査)
ほとんど食べない、週に4~5 日食べないと答えた年代別割合
女性
男性
30
25
20
15
10
5
0
25
23.6 24.3
20.6
16
11.9
14.5
4.9
9.1
0
32.7
30
25
20
15
10
5
0
26.9
14.3
12.8 13
7.1
2.3
10.3
5.1 5.16
H16
2.8
0
H23
そのうち朝食欠食の習慣が始まった時期をみると、
「小学校から」又は「中学・高等学校
から」が、合わせて 5~6 人に 1 人の割合で出現しています(図 3)。
【図 3】朝食欠食の始まりの時期(H23 年度
70歳以
60歳
上, 3.9
以降,
50歳 3.9
~59
歳,
40歳
7.8
~49
歳,
7.8
30歳~
39歳,
17.6
男
中学、
(%) 小学 高校生
生頃 頃から,
から, 7.8
5.9
高校生
の頃か
ら, 2
20歳~
29歳,
21.6
佐賀県県民健康・栄養調査)
70歳以
上, 3.2
50歳
~59
60歳以
歳,
降, 3.2
11.3
女 (%) 小学生 中学、高
頃から, 校生頃か
4.8
ら, 6.5
高校生の
頃から,
6.5
40歳~49
歳, 9.7
高校を
卒業し
た頃か
ら, 21.6
30歳~39
歳, 11.3
高校を卒
業した頃
から,
14.5
20歳~29
歳, 29
進学や就職などで生活環境が変わる高校卒業の頃や 20 歳代で高くなっている。
21
さらに朝食を食べない理由は、「朝食を食べるより寝ていたい」「時間がない」などの回
答が多くなっています(図 4)。
【図 4】年代別
朝食を食べない理由
H23 年度
佐賀県県民健康・栄養調査
男性
その他
準備、食べることが面度
以前から食べる習慣がな
い
減量・ダイエットのため
朝食を食べるより寝てい
たい
食欲がない
時間がない
87.5
90
80
食べるより寝ていたい
70
20 代 44.4% 30 代 87.5%
60
44.4
50
37.5
35.3
33.4
33.3
33.3
33.3
40
25
23.5
30 22.2
22.2
17.7
16.7
16.7
20
12.5
12.5
12.5
11.8 11.1
12.5
5.9
5.9
10
0
20-29
30-39
40-49
50-59
60-69
70以上
女性
70
60
50
40
30
20
10
50
20 代 38.9%
28.6
21.4
10
40
28.6
21.4 22.2 20
20
14.3
16.7
12.5
7.1
20-29
40 代 50%
40
38.9
30-39
37.5
7.1
21.4
14.3
10
5.6
40-49
50-59
その他
22
21.3
16.7 14.3
準備、食べることが面度
以前から食べる習慣がない
減量・ダイエットのため
朝食を食べるより寝ていた
い
食欲がない
時間がない
0
60
時間がない
60-69
70以上
朝食摂取のための支援は、
「早く寝る、よく眠る」
「家族や周りの人の支援」
「自分で朝食
を用意する努力」と言った回答が多くなっています(図 5)。これまで「早ね・早起き・朝
ごはん」をテーマとして教育機関を中心とした取組を展開してきましたが、欠食率はここ
数年横ばいの傾向が続いており、関係者が結集した、さらなる取組が必要です。
【図5】
H23 年度
佐賀県県民健康・栄養調査
朝食欠食の改善に必要な支援
男性総数と20代男性の比較
45.1
50.0
36.0
%
40.0
30.0
20.0
21.2
12.2
12
10.0
4.0
4.0
3.1
0.0
8.0
4.9
2.8
わからない
特にない
残業時間の短縮など
労働環境の改善
外食やコンビニ等で
手軽に朝食をとれる
環境
早く寝る、よく眠る
夕食や夜食を取りす
ぎない
家族や周りの人の支
援(朝食を用意して
くれる)
自分で朝食を用意す
る努力
0.0
28.0
21.9
26.7
24.0
総数
男性
朝食欠食の改善に必要な支援
女性総数と20代女性の比較
60.0
51.3
50.0
%
40.0
39.0
31.7
16.0
12.4 12.2
9.8
20.0
10.0
22.0
14.6
2.1 2.4
わからない
特にない
23
4.9
1.8
3.4
残業時間の短縮など労働
環境の改善
外食やコンビニ等で手軽
に朝食をとれる環境
早く寝る、よく眠る
夕食や夜食を取りすぎな
い
家族や周りの人の支援
(朝食を用意してくれ
る)
自分で朝食を用意する努
力
0.0
26.8
26.5
30.0
総数
女性
女性のラ
ライフサイクルをみる
ると、特に
に思春期から
らダイエッ
ット志向が高
高まり、20
0 歳代の痩
痩
せは 3 割に
に及んでい
います(「多様
様なくらし
し・健康長寿
寿に対応する食育の推
推進」の図 12
1 参照)。
思春期の痩
痩せは骨密
密度の減少に
につながり
り、高齢期の骨粗鬆症
症を招くこ とになりま
ます。さら
に、痩せの
の状態で将
将来妊娠すると、母体
体が胎児の発
発育に必要
要な栄養状
状態を維持す
することが
難しくなり、大人に
になって生活
活習慣病に
になりやすい体質を抱
抱えた低出 生体重児を
を出産する
可能性が高
高くなるこ
ことが分かっ
っています
す(図 6)。このため、この世代
代に対しては
は、適正体
体
重を維持す
するための
の「適切な量
量と質の食
食事」を強調
調した支援
援が必要です
す。
若い世代
代の食育を
を推進してい
いくために
には、食の始
始まりの時
時期である 乳児期から
ら幼児期、
児童生徒、
、これから
ら親になる若
若い世代、 妊産婦や子育て世代
代へと各ラ イフステー
ージに応じ
じ
た間断のな
ない取組が
が極めて重要
要です。
そのため
め、家庭は
はもとより教
教育機関、 行政をはじめ保健医
医療関係者
者や地域が支
支援してい
い
くことが不
不可欠であ
あり、その手
手段として
て、若い世代
代に広く普
普及している
るIT(情報
報技術)を
活用した情
情報提供を
をはじめ、
「日々の食事
「
事を自ら作
作ること、選
選択するこ
こと」などの
の体験活動
動
を通して知
知識・意識
識・スキルの
の向上を図
図り、食の自己管理能
能力を養う とともに、食の重要
要
性を次の世
世代に伝え
えられる「佐
佐賀の賢人
人」を育てま
ます。
【図 6】
24
(2)取り組むべき課題と提案
取り組む ① 若い世代(10 代、20 代:以下同様)の単身世帯に対する食育活動
べき課題
(再掲)
② 成長期、若い世代の生活リズム向上のための食育活動(再掲)
③ 若い世代に「適切な量と質の食事」が実践され、定着する食育活動
④ 若い世代が次世代につなげるための食育活動(親教育に繋がる活動)
個人・家庭
・「弁当の日」など子どもの頃からの食生活の自立を促す取組に協力します。
・幼児期からの「早ね・早起き・朝ごはん」を実行します。
・若い世代が一人暮らしをする(食生活の自立をする)前までに、積極的に家事の知恵
や料理を伝承します。
学校、大学等
・児童や生徒、学生の将来の食生活の自立を意識した基本的な生活習慣の定着に向けた
取組を推進します。
・教職員に対する、食育に関する研修や情報提供に努めます。
・高等学校や短期大学、大学における若い世代の食に関する取組を積極的に情報発信し
ます。
保育所・幼稚園等
・給食だより、園(所)だよりなどの配布や、講演会、親子料理教室など子どもだけで
はなく、子育て家庭への食に関する情報を積極的に発信します。
企業・団体共通
・若い世代が利用する県内大学,短期大学への学内の食堂や,売店等食べ物を提供する
場に、食に関する情報を積極的に提供します。
・母子保健推進員等が乳児家庭全戸訪問等の機会に、母乳栄養・離乳食について、正し
い知識の普及啓発を行います。
市町
・妊産婦や乳幼児を持つ親を対象に離乳食指導や食生活指導等を行います。
県
・ 食育活動を行う若者による交流会や,活動の活性化を図り、食生活についての若い世
代の関心を高めます。
・ 「弁当の日」の取組等、食の自立を促進する取組の成果について広く情報発信を行い
ます。
・ 適正体重の維持、健康管理のために妊婦健康診査の受診を勧奨します。
・ 佐賀県健康プランを推進します。
25
・ 適切な量と質の食事を摂取するための方法や主食・主菜・副菜がそろった食事の普及
啓発に努めます。
・ 「健康づくり協力店」の制度の普及及び登録拡大に努めます。
共通(学校や企業・団体、行政等の組織が共通認識を持つもの)
・最小コミュニティである家庭は、食生活の基本の場であり、望ましい食生活の実践
や、食に関する知識の習得、子どもの心身の健全な育成を図るという重要な役割を
担っていることを認識します。
・子どもの頃に正しい食習慣を確立させることの重要性を認識し、
「早ね・早起き・朝
ごはん」などの望ましい食習慣の実践に向けた啓発を行います。
26
○食の自立を促す「弁当の日」の取組について
子どもが自分でお弁当を作って学校に持ってくるという取組が県内の学校で広がってい
ます。買い出しも、調理も、弁当箱に詰めるのも、片付けも、すべて子どもが行うことを
目標にした取組から、身近な大人への感謝の気持ち、失敗からの学びや自己肯定感、家庭
での食に関する会話の増加等、様々な好循環に繋がる感想が聞かれています。子ども達が
自ら食に関する課題を解決する手段、将来に向けた食の自立を促すための取組として、県
内における「弁当の日」などの子どもたちの食の自立に繋がる多様な取組の効果を収集し、
若い世代の特性に合わせた情報発信をすることで食育の効果的な実践と深化を図っていき
ます。
(3)目指す指標
指
標
①朝ごはんを毎日食べる児童生徒
②若い世代の食の自立を支援する(自立に繋がる)取組件数
現状値
目標値
児童 88.3%
児童 88.3%以上
生徒 86.4%
生徒 86.4%以上
721 店舗
③(再掲)健康づくり協力店
増やす
865 店舗
④ 栄養バランスに配慮した食生活を実践する若い世代
(20代)
健康プラン(参考指標)
(再掲)1日の献立パターンで主食・主菜・副菜が 2 回以
男性 45.0%
上そろっている人の割合
女性 38.9%
(再掲)食塩の 1 日の摂取量
男性 10.4g
男性 9.0g
(一人一日あたりの摂取量)
女性 8.7g
女性 7.5g
214g
350g
男性 12.0%
男性 12.0%未満
女性 22.0%
女性 22.0%未満
29.4%
20%
20 代の野菜摂取量(一日の野菜摂取量の平均値)
⑤ 朝食を欠食する若い世代(20 代)
⑥ 20代の女性のやせの割合
27
男女とも 60%
(4)取組の事例
西九州大学に在籍する学生の有志で構成される「あすなろ
隊」は、健康栄養学科の学生を中心に、
「出会い・ふれあい・
学び合い」をコンセプトに、施設や自治体の行事や各種イ
ベントへ参加し、食の体験活動をサポートしています。若
い世代が担い手となって、地域の食育推進活動をすること
で、食を通じた異世代交流、地域の活性化にも貢献してい
ます。
佐賀新聞社が開くプレママ応援企画「プレママカフェ with
パパ」の一環で、佐賀県栄養士会が離乳食講座を実施しま
した。参加者からは、
「子どもだけでなく、自分の食生活を
見直すよい機会となりました」
「これから離乳食を作ってい
くときの参考にさせていただきます」などの感想が聞かれ
ました。
武雄市公民館主催による「YORU-CAFE」
(よるカフェ)。
「楽
しく料理をしましょう」「会食を楽しみましょう」「み
んな友達になりましょう」をテーマに掲げ、料理から会
食まで含めた料理教室で平日の夜に開催。普段は忙しく
て、家に調理器具はほとんど無い。参加者には普段は食
べる時間が不規則といった一人暮らしや働き盛りの人が
多く参加し、共食の楽しさ、自らの食生活の振り返りに
繋がったようです。
佐賀県主催の「~食で育む生きる力~食育実践応援事業」
で、地域やPTA等で開催する講演会等への講師派遣事
業を行いました。講演会では、子どもが自分で作る「弁
当の日」の取組事例の紹介等により、食生活の改善や、食
の自立に向けた意欲、食への感謝の念など、たくさんの気
付きや感想が寄せられました。食育への理解を促し、食
育の原点となる家庭へのアプローチに繋げることができ
ました。
28
11月の食
食育月間中
中の一週間で
で、公立学
学校の全児童生徒を対
対象
に、朝食摂
摂取、就寝
寝時間、起床
床時間をチ
チェックできるカード
ドを
配布し、児
児童、生徒
徒の基本的な
な生活習慣
慣の定着促進を行いま
まし
た。
また、
「ス ポーツ」と
と「食」のコラボ企画
画による、スポーツ選
選手
から子ども
も達に食の
の大切さについてのメ
メッセージ
ジをいただ
だき、
「早ね・早
早起き・朝
朝ごはん」の
の啓発を行
行いました。
1
取組名
「弁当の日」
2
学校名
西渓小学校・西渓中学校
校
多久市立西
3
容
取組内容
(1) ねらい
い
・毎日ご
ごはんを食べ
べられること
とに対し、食
食物の命や食
食に関わる人々に
対して
て感謝の気持
持ちをもつ。
写真1 小
小学部児童の作品
・食品の
の品質や安全
全等を判断し
しながら選択
択できる力を
を身に付ける
る。
・繰り返
返し実施する
ることにより
り、調理の技
技術を身に付
付ける。
(2) 対象学
学年
1~9年生全
1
全学年、全職
職員
(3) 取組の
の実際
①事前活
活動
・担当
当職員は、
「弁当の日」
「
の取組につい
いて、職員会
会議で提案す
する。
・担当
当職員は、家
家庭へのお知
知らせのプリ
リントを配布
布する。
・給食
食委員会の子
子どもたちは
は、月間活動
動の一環で、児童生徒へお知
写真2 中
中学部生徒の作品
らせ
せのプリントを配布したり、校内 のポスター掲示をしたりし
て、
、呼びかけを
をする。
②当日の
の活動
・家庭
庭 … 児童生
生徒は、おう
うちの人と一
一緒におにぎ
ぎりを作った
たり、
弁当
当を全て一人
人で作ったり
りするなど、児童生徒の
の発達段階を考慮
して
て取り組ませ
せる。
・学校
校 … 友達同
同士で、お互
互いの弁当を
を見せ合って
て楽しく食べ合う
場面
面や、友達の
のお弁当を見
見てほめ合う
う様子も見ら
られ、食に関心を
写真3 弁
弁当の日の学級の様子
もっ
っている姿や
や弁当を作った達成感 を感じている様子がうかが
えた
た。
③事後活
活動
・児童生徒は
はMY弁当ア
アンケートを
を記入し、活
活動を振り返
返る。担任の先生
は、一人一人
人の弁当の写
写真を撮り、アンケート
ト用紙に貼る
る。
担当職員や
や担任の先生
生は、一人ひ
ひとりにコメ
メントをして
て返却する。
・学校だよ りや学校のホ
ホームページ
ジで取組を紹
紹介する。
29
(5)コラム
ム
健やか親子
子21(第
第 2 次)(平
平成 27 年度
度~平成 36
3 年度)の
の推進
「健やか
か親子 21」
」(第 2 次)は、国が
次
が平成 13 年から開始
始した、母
母子の健康水
水準を向上
上
させるため
めの様々な
な取組を、み
みんなで推
推進する国民運動計画
画で、安心 して子ども
もを産み、
健やかに育
育てること
との基礎とな
なる少子化
化対策としての意義に
に加え、少 子化社会に
において、
国民が健康
康で明るく
く元気に生活
活できる社
社会の実現を図るため
めの国民の 健康づくり
り運動(健
健
康日本 211)の一翼を
を担うもの
のです。母子
子保健はすべての子ど
どもが健や
やかに成長し
していくう
えでの健康
康づくりの
の出発点であ
あり、次世
世代を担う子ども達を
を健やかに 育てるため
めの基盤と
なります。
。「健やか親
親子 21」(第 2 次)で
では、子どもの生活習
習慣の形成
成という観点
点からも、
共食の状況
況の注視や
や、子どもの
の朝食欠食
食の割合を減
減らす取組
組を推進し ています。この他、
健康につい
いて主体的
的に考え、取
取り組むこ
ことが将来の自分の健
健康のため には重要で
であること
から、子どもたちが
が自ら健康課
課題を解決
決できるよう、地域と
と学校とが 連携して必
必要な知識
識
や情報、交
交流の場を
を広く提供される体制
制を構築していくこと
とを目指す
す指標も設定
定されてい
い
ます。
本県にお
おいては、
「第 3 期次
次世代育成支
支援地域行
行動計画」を
を策定し、子どもたち
ちへの食育
育
の充実はも
もちろん、子どもや母
母親の健康
康の確保(希
希望する妊
妊娠・出産
産が叶う環境
境づくり支
支
援として)
)など、多
多面的な角度
度から施策
策を展開して
ています。
30
3佐賀
賀の宝
宝、食文
文化を
を守り継
継承す
する食
食育の推
推進
(1)取組の
の考え方
本県は、有明海と玄界灘の異
異なる2つ
つの海に面し
し、多良、天山-脊振
振山塊や、上場台地
を形成する
る丘陵地、全国有数の
の穀倉地帯
帯である佐賀
賀平野を有
有しています
す。比較的
的温暖な気
候で、四季
季を通じて
て恵まれた自然の中で
で育つ新鮮な
な食材が豊
豊富です。 日本穀物検
検定協会が
行っている
る「米の食
食味ランキン
ング」では
は、佐賀県産
産「さがび
びより」と 「コシヒカ
カリ」がこ
こ数年連続
続「特 A 評価」の最高
評
高ランクを
を獲得してお
おり、味や
や品質につい
いて高い評
評価を得て
います。
【表 1】
その他、佐賀海苔
苔とハウスみ
みかんは全
全国 1 位、
大豆、たま
まねぎ、アスパラガス
ス、二条大
大麦は全国 2
位の生産量
量を誇って
ています(表
表1)、(図 1)。この
ことは、本
本県の食料
料供給能力と
と食料自給
給率(図2)
からもうか
かがえます
す。このように四季折
折々の多彩
な食材を県
県外にも数
数多く供給している本
本県は、ま
さに食材の
の宝庫とい
いえます。加
加えて、近
近年、健康
志向の高ま
まりの中で
で食品の機能
能性の研究
究が進んで
おり、前述
述の食材に
にもポリフェ
ェノールな
などの種々
の機能性成
成分を持つ
つことが分か
かっていま
ます。
【図 1】
【図2】本
本県の食料供
供給能力と食
食料自給率
31
こうした
た恵まれた
た環境に身を
を置き、身
身近に優れた
た食材があ
あることにつ
ついて情報
報提供を充
実させて、
、消費者でもある県民
民が誇りを 持って毎日
日の食事に取り入れる
ることが望
望まれます。
しかしなが
がら、国民健康・栄養
養調査による
る摂取量を
をみると、野菜摂取量
野
量は目標量に
に至らず、
全国でも摂
摂取量が下
下位のランク
クにありま
ます(図3)
)。恵まれた
た生産県で
ではあります
すが、野菜
菜
の摂取量は
は十分でな
ないという現
現状となっ
っています。
。
【図
図3】都道府
府県別野菜摂取量
佐賀
賀県の平均値 271.4g
(全国 39
9 位)
佐賀
賀県の平均
均値
256
6.9g
(全国
国 41 位)
平
平成 24 年国⺠健
健康・栄養調査
査
健康日本 21(第 2 次)分
分析評価事業ホー
ームページより
以上のよ
ような状況
況をふまえ、
、県民一人
人一人が県産
産食材への
の誇りと愛着
着をもって
て「バラン
スのとれた
た食事」を
を味わい、実
実践できる
るような食育
育を推進し
し、関係者が
が連携して
て、学校給
食をはじめ
めとした給
給食施設や飲
飲食店、食
食品企業等へ
への県産食
食材の利用拡
拡大を図っ
っていきま
す。
また、本
本県は、古
古くから大陸
陸文化の窓
窓口として、歴史的、文化的に 重要な役割
割を果たし
し
てきました
た。
日本最古
古の稲作の
の発祥地であ
ある菜畑遺
遺跡や
吉野ケ里遺
遺跡などか
から、古代人
人の食生活 をうか
がい知るこ
ことができ
きます。その
の他、日本 最古の
茶の栽培発
発祥の地、煎茶を広め
めた高遊外 売茶翁
の生誕地、
、シュガー
ーロード(旧
旧長崎街道
道)沿い
のお茶文化
化・菓子文化
化、発酵文化
化、だしの 文化、
更には食卓
卓を彩る陶
陶磁器など世
世界に誇れ
れる「宝」
があります
す。先人た
たちは、こう
うした食に まつわ
る種々の「宝」を、日々の生活
活や四季折
折々の祭
りや行事の
の中で、日常食・伝統
統料理・郷 土料理
として伝承
承してきま
ました(表 1)。今、核 家族化
の進展など
どで、これらを次世代
代に伝える機
機会が
少なくなり、スキルの低下にも
もつながっ ていま
32
す。
今般、和食がユネスコ無形文化遺産として世界
的に認知されたことから、
「日本型食生活」
(ごはん
を中心に、魚、肉、卵、牛乳・乳製品、野菜、海藻、
豆類、茶などの多様な副食などを組み合わせて食べる
食生活のことで、科学的根拠に基づき、栄養バランス
に優れていることが分かっています)などの、和食の
良さ(表 2)への注目が高まっている今こそ、佐賀
に育まれた郷土料理を含めた和食を伝承する食育
活動を推進する必要があります。
特に、和食の根幹である「だし」の旨みを幼少
期から体験するといった、味覚体験は不可欠です
「佐賀の郷土料理」
(図 4)。加えて、食にまつわるマナーについても
佐賀県栄養保健推進協議会
食文化の一つとして継承され、定着していくこと
(現食生活改善推進協議会)発行
が望まれます。
以上のことから、佐賀の恵まれた環境を活かした食育を推進することで、県民一人一人
が、自然や人がもたらす本県の食材をはじめ、そのおいしさを生かす栄養バランスに優れ
た食事、本県ならではの自然環境と文化を背景にして育まれた食文化を誇りに
思い、守り、伝え、次世代に継承することができる「佐賀の賢人」を育てます。
【表 1】 佐賀の郷土料理
市町
佐賀市
唐津市
鳥栖市
多久市
伊万里市
武雄市
鹿島市
小城市
嬉野市
神埼市
(出典:佐賀の郷土料理)
郷 土 料 理
市町
郷 土 料 理
ふつ餅 水芋のしば漬け、メカジャ
の塩焼き、わらすぼ料理、川祭り料
豆とさつまいも煮、ご まあ え、
理(ごっくうさん他)、こうせん、
吉野ヶ里町
しおち豆 他
たけのこごはん他、
秋祭り料理、栗おこわ、やまめの塩
焼 他
直会料理、だぶ、からぐろ漬、さな
ぼ り ま ん じ ゅ う 、 ね い 餅 、 む し り 基山町 そばがき(きゃあもち) 他
鯛、包丁だご汁、押し出し寿司、い
わさび菜の二杯酢、たごめし、ぶっ
上峰町 さといもの田楽 他
つう焼 他
ぼたもち、どじょう汁、ぶっつ焼
石垣まんじゅう、ほうかむりだご
みやき町
ふなのこぐい、 他
他
さざえの炊き込みご飯
栗おこわ、かけ和え、煮ごみ、菊花
玄海町
つぼ焼き 他
かぶ 他
紅梅漬、矢筈生姜味噌漬、煮ごみ、
有田町 筍干盛、ちまき、ちからもち 他
山菜おこわ 他
一口こんにゃくの味噌だれ、
ふなのこぐい 他
大町町
わらびとくじらの炒め物 他
いっちれにうめん、がめ煮、いかの
江北町 煮じゃあ 他
かけ和え、にもじ 他
須古ずし、れん寄せ、
温泉豆腐 他
白石町
餅米入り海茸、あげまき料理 他
餅、ぜんざい、たたき菜の汁、さく
さんからズーシー、
太良町
らこんにゃく 他
ピーナツ豆腐他 他
現市町行政区分により、まとめたもの
33
写真:食農教育教
教則本「佐賀の食と農を考えて
てみよう」より抜
抜粋(さが“食と農”絆づくり プロジェクト会
会議)
34
【表2】
和食の 4 つの特徴
① 多様で
で新鮮な食材
材とその持ち
ち味の尊重
自然
然豊かな日本
本は、各地域
域に根ざした多様な食材
や、素材の味わいを活かす
す調理技術・調理器具が
達しています。
発達
② 養バラ
ランスに優れ
れた健康的な
な食生活
一汁
汁三菜を基本
本とする食事
事スタイルは理想的な栄
養バ
バランスと言われています
す。また、
「うま味」を
「
上手
手に使うことによって動
動物性油脂の少ない食生
活を
を実現しています。長寿
寿、肥満防止に役立って
います。
③ 然の美
美しさや季節
節の移ろいを
を表現した盛
盛りつ
け
食事
事の場で、自然の美しさ や四季の移
移ろいを表現
することも特徴
徴の一つです
す。季節の花
花や葉などを
理にあしらったり、季節
節に合った調
調度品や器を
料理
利用することで、季節感を楽
楽しみます。
。
④正月行事
事などの年中
中行事との密
密接な関わり
り
日本
本の食文化は、年中行事
事と密接に関わって育ま
れて
てきました。自然の恵み
みである「食
食」を分け合
い、食の時間を共にするこ とで、家族
族や地域の絆
強くなります。
が強
「和食;日本人の伝
伝統的な食文
文化」が、ユ
ユネスコ(国
国連教育科学
学文化機関) の無形文化
化遺産に登録
録
た。話題の「和食」です
すが、具体的
的にどのようなものを指
指すのでしょ うか。政府は
は、「和食」
されました
を料理その
のものではな
なく、
「自然の
の尊重」とい
いう日本人の
の精神を体現
現した、食に
に関する社会
会的慣習と定
定
義していま
ます。
「和食」と言っても、懐石料理
理など個別の
の「日本料理
理」や郷土料
料理だけを指
指しているの
ではなく、
、昔ながらの
の、「ごはん」に「お味 噌汁」、「おか
かず」「漬け
け物」で、み
みんなで囲む
む普段の食事
事
も世界に誇
誇れる立派な
な「和食」に
になります。
農林水産省
省「和食」の
の4つの特徴
徴参照
【図 4】離乳期の味
味覚体験の効
効果
35
(2)取り組むべき課題と提案
取り組む ① 本県の豊かな農林水産物を誇りに思い、活用度を高める食育活動
べき課題 ② 県産農林水産物の利用により「適切な量と質のバランスのとれた食事」
を実践する食育活動
③ 和食の良さを理解し、佐賀に育まれた郷土料理など食を伝承する食育
活動
④ 正しい箸の持ち方など食事のマナーを定着させる食育活動(学校、保
育所等)
個人・家庭
・ 県産農林水産物を積極的に食卓に取り入れます。
・ 共食を通じ、子どものうちから箸の持ち方や食事のマナーを身に付けます。
・ 地域で採れる新鮮な食材を食べ、地域の郷土料理や伝統食を大切にし、次世代に継承
します。
学校、保育所・幼稚園等
・ 給食等を提供する場合は、積極的に県産農林水産物を使用し、伝統的な食文化を継承
した給食献立を活用します。
・ 給食等において、米飯を主食とした和食の献立では、箸の持ち方や、食器の並べ方の
マナーを身に付ける指導や、郷土料理の伝承を行います。
・ 家庭や地域社会との積極的な連携により、行事食の歴史など、実感をもって理解する
ように促します。
・ 学級通信、給食便り、ホームページ等を活用し、積極的に保護者に学校での県産品食
材利用の取組を紹介します。
企業・団体
・ ごはんを中心に、魚、肉、卵、牛乳・乳製品、野菜、海藻、豆類、茶などの多様な副
食などを組み合わせて食べる「日本型食生活」への注目の高まりや、その科学的根拠
を踏まえ、積極的に本県の豊かな食材を活用した、食の提供に務めます。
・ 県産品販売コーナーの設置拡大など、佐賀県産食材の流通促進に務めます。
県
・ 県内イベントでの県産品 PR 等による、県民への周知・消費拡大を図ります。
・ 県産品のブランド化を進めることによって、身近な県産品に対する誇りを育みます。
・ 県産食材を活用した加工品を取り扱う食品企業等の販路開拓・拡大を支援することに
よって、県産食材の活用度を高めます。
・ 佐賀県健康プランを推進します。
・ 適切な量と質の食事を摂取するための方法の普及や主食・主菜・副菜がそろった食事
の普及啓発に努めます。
・ 「健康づくり協力店」の制度の普及及び登録拡大に努めます。
36
共通 (学校や企業・団体、行政等の組織が共通認識を持つもの)
・ 地元ならではの伝統野菜や伝統料理の継承など、食文化財の発掘・普及に努めます。
・ 郷土料理を体験する機会を提供します。
・ 県産農林水産物を活用した食品の発掘・普及を推進します。
・ 県産食材を活用した食事、食材が持つ栄養素などの情報発信を図ります。
・ 農林水産業者、加工業者(味噌、納豆、豆腐など)との連携・協力のもと、本県なら
ではの発酵食品や、お茶文化を含む、栄養バランスに優れ、世界でも理想的といわれ
る「日本型食生活」の良さを見直します。
・ 食事のマナーに関する啓発を行います。
(3)目指す指標
指
標
現状値
①保育所・幼稚園等での地域の食文化を啓発する取組
45.3%
②学校給食の県産食材の利用割合
目標値
増やす
45.3%以上
健康プラン(参考指標)
④ 養バランスに配慮した食生活を実践する県民
(再掲)1日の献立パターンで主食・主菜・副菜
男性 45.0%
が 2 回以上そろっている人の割合
女性 38.9%
(再掲)食塩の 1 日の摂取量(一人一日あたりの
男性 10.4g
男性 9.0g
摂取量)
女性 8.7g
女性 7.5g
成人 273g
350g
(再掲)野菜摂取量
(成人 1 人 1 日あたりの野菜摂取量の平均値)
37
男女とも 60%
(4)取組の
の事例
1
取組名
「武雄の食
食の日」「まるごと武雄給
給食の日」
2
教育委員
員会名
3
取組内容
容
武雄
雄市教育委員
員会
・「武雄の
の食の日」
農林課・JAと連携
携し、各学校
校にて「武雄
雄の食の日」を設定し、
毎月テーマ
マを決めて旬
旬の時期に、
、旬の食材を
を使った給食
食を実施す
武雄の
の食の日
食
食材
る。また、
、食の日に関
関する通信(児童・保護
護者向け)の
の発行をす
る。
武雄の産
産地情報発信
信の一つとし
して、地元産
産農産物の生
生産状況や
情報を伝え
えるための産
産地見学を実
実施し、生産
産者との意見
見交換の場
を提供する
る。
・「まるご
ごと武雄食の
の日」
「武雄食
食の日」と併
併せて、年に
に一度、でき
きる限り武雄
雄市産の食
材を使用 した学校給食
食を提供する
ることで、児
児童生徒及び
び教職員の
食や郷土に
に対する知識
識や関心を深
深めるととも
もに、学校給
給食に武雄
市産食材を
をより活用す
するための流
流通経路の確
確立を目指す
す。
給食だよ
より等を活用
用し、児童生
生徒及び保護
護者が地元の
の食材に関
して興味を
をもつような
な広報活動を
を行う。
まるご
ごと武雄給食
食の日
2 月6日の「海苔の日」
」に合わせ
せ、佐賀県有
有明海漁業
業協
同組
組合と佐賀県
県で構成す
する新うまい
い佐賀のり
りつくり運
運動
推進 本部では、県内全ての
の小学校及
及び特別支援
援学校の児
児童
生徒 に「佐賀海
海苔®」を贈
贈呈してい
います。
贈 呈は、生産
産量・販売額
額日本一の
の「佐賀海苔®」のお
おい
しさ を味わって
てもらうのと同時に、有明海や「佐賀海苔®
®」
を持ってもらい、理解
解を深めてい
いただきた
たい
につ いて関心を
行っています。
とい う趣旨で行
「佐
佐賀さいこう!佐賀県
県産品でめ ざまし朝ご
ごはん」の企
企画
で、佐賀県で採
採れた食材
材、佐賀県で
で作られた加工食品を
を活
用し
した自慢の朝
朝ごはんを
を一般募集 し、県産品の素晴らし
しさ
をP
PRしました
た。
38
佐賀
賀女子短期大
大学の食物
物栄養専攻の
の学生さん
んが授業の一
一
環と
として、佐賀
賀の郷土料
料理「須古ず
ずし」を作
作りました。
。
講師
師の佐賀県農
農村アドバ
バイザーか ら「佐賀の
の郷土料理を
伝え
えていってください。
」「ぜひ家で
でも作って
てください。
。」
との
のお話もあり、一過性
性ではなく、
、継続的に
に地域の伝統
統
食を
を継承してい
いくための
の貴重な体験
験となった
たようでし
た。
おく んち料理を
を通して伝
伝統や文化を
を若い世代
代に継承して
て
もら
らおうと、N
NPO 法人伊
伊万里おく
くんち振興会
会が公民館
館で
親子
子おくんち料
料理教室を
を企画しま した。親子
子 30 名程度
度が
参加
加し、伊万里
里市食生活
活改善推進協
協議会の皆
皆さんを講師
師
にお
お迎えし、お
おくんち料
料理に欠かせ
せない「に
にごみ」や「か
け和
和え」、「栗お
おこわ」な
などを作りま
ました。
NP
PO法人活
活気会による神埼保育
育園でのお茶の淹れ方
方教
室の
の様子です
す。
佐賀
賀には食卓
卓を豊かにす
する器やお
お菓子がとても充実し
して
いま
ます。そし
して、嬉野茶
茶など日本
本型食生活
活においても
も欠
かせ
せないお茶
茶の産地でも
もあります
す。活気会食
食育部会で
では、
こう
うした佐賀
賀が誇る和の
の伝統文化
化を、様々な場面で伝
伝え
てい
いらっしゃ
ゃいます。
肉や
や卵を使わ
わず、身近な
な食材と天
天然のだしを
を使い、い
いくつ
もの
の過程を経
経て、手間暇
暇かけて作
作る普茶料理
理。その作
作り方
のほ
ほとんどが
が口伝えで、一時期は
は途絶え、地
地元の幻の
の料理
とな
なりつつあ
あったものを
を、地元に
に伝わる味の
の記憶や各
各地の
精進
進料理の試
試食を元に春光会のメ
メンバーが
が手探りで
で再現
され
れました。
学
学校給食献
献立調理発表
表会
佐
佐賀県学校
校給食会主催
催、県教育
育委員会、県
県学校栄養
養士会
の後
後援で開催
催。学校給食
食の献立調
調理について
て、日頃実
実践し
てい
いることを
を発表し、学
学校給食関
関係者の資質
質向上、日本型
食生
生活、地場
場産物の活用
用と普及、推進を目指
指し、学校
校給食
にお
おける食育
育の推進を図
図り、食事
事内容の充実
実、食文化
化につ
いて
て理解を深
深めることを
を目的とし
しています。
39
「おは しの歌」は
は、県内の栄
栄養教諭に
による作詞、小学校
教諭に より編曲さ
された食育教
教材です。 親しみやすいメロ
ディで「上手に使
使うとおいし
しくご飯も
も食べられる
るよ」と、
はしの持
持ち方を子
子どもたちが
が、楽しみ
みながら学ぶことが
できます
す。
ニュー
ータイプき
きのこ「ムキタケ」の
の生産販売
ムキタケ
ケは、キシ
シメジ科ワサ
サビタケ属
属の食用きのこです。
近年、佐
佐賀大学の
の研究により、メタボ
ボリックシン
ンドローム
ム
を予防す
する成分が
が発見されて
ています。淡泊な味と
と軽いぬめ
め
りが特徴
徴的で、お
お吸い物や鍋
鍋物等色々
々な料理で楽
楽しむこと
と
ができま
ます。一般
般には栽培されておら
らず、市場に
にはほとん
ん
ど出回っ
っていませ
せんが、佐賀
賀県林業試
試験場の菌床
床袋栽培技
技
術の開発
発により、現在、武雄
雄市山内町
町で栽培が行
行われてい
い
ます。栽
栽培農家の
の方を中心に
に「ムキタ
タケ研究会」
」が発足す
す
る(H211.1)など、ムキタケ
ケを町の新
新たな特産品
品にと期待
待
がよせ られていま
ます。
(H2
26:佐賀県
県のムキタケ
ケ生産量 280
2 ㎏ )
40
(5)コラム
ム
四季折々
々の多彩な
な食材を県外
外にも数多
多く供給して
ている本県
県ですが、例
例えば、特
特産では、
板のり、ハ
ハウスみか
かんなど全国
国トップの
の収穫量を誇
誇る農産物
物をはじめ、
、たまねぎ
ぎや大豆は
北海道に続
続いて全国
国2番目の収
収穫量とな
なっておりま
ます。
なお、工
工業製品では
は、有田焼
焼・伊万里焼
焼・唐津焼
焼に代表され
れる陶磁器
器食器出荷額
額が、全国
国
2位のシェ
ェアを維持
持している状
状況です。
変わった
たところで
では、江戸時
時代に外国
国からの砂糖
糖やお菓子
子を運んだ長
長崎街道「シュガー
ロード」が
があり、菓
菓子文化が根
根付いてい
います。現在
在では、羊
羊羹の年間消
消費量は全
全国2位と
なっております。ち
ちなみに、菓
菓子メーカ
カーの江崎グリコや森
森永製菓の創
創業者も当
当県の出身
者です。
また、豊
豊富な本県
県の食材には
は、科学的
的根拠に基づ
づいて、そ
その機能性が
が認められ
れている食
材も図のと
とおり多く見られます
す。
出典: 農林水産省「作
農
物統計」「漁業 ・養殖業生産統
統計」
総務省
総
「家計調
調査」、経済産業
業省「工業統計
計調査」
41
(資料提供
供:西九州大
大学健康栄
栄養学部 学部長、佐賀
学
賀大学名誉
誉教授 柳田晃良氏)
柳
緑茶
茶は日本人が
が最も多く
く摂取する
る
飲料の
の一つです。緑茶にはカ
カフェイン
ン
やカテキンなど、健康に良い
いとされる
る
成分が
が含まれてい
いるといわ
われていま
ま
す。
緑茶
茶を習慣的に
に摂取する
る人は、男女
女
の全死
死亡リスク及
及び心疾患
患、男性の脳
脳
血管疾
疾患及び呼 吸器疾患に
による死亡
亡
リスクが減少す るという研
研究結果も
も
発表されています
す。
多目的コホート研
研究(JPH
HCStudy)
出典:国立
立研究開発法人
人 国立がん
ん研究センタ
ターがん予防
防・検診研究
究
42
予防研究
究グループ