H27年度 人生の最終段階における 医療体制整備事業 成果報告会

H27年度
人生の最終段階における
医療体制整備事業
成果報告会
群馬県
公立富岡総合病院
群馬県
富岡市
地域の特徴
人口は減少の一途
(二次医療圏
1市2町2村人口:
76,452人
H26
高い高齢者割合
(29.7%
H26
)
)
公立富岡総合病院
• 病床数 337床(緩和ケア病棟18床)
• 平均在院日数 12.0日
• 病床利用率 83.3%
• がん診療連携拠点病院
• 一般病棟7:1入院基本料
シルバーケア
シルバー silver ageの略
ひとりひとり異なる
=old age
加齢に伴う変化や、
=高齢/老齢
その人の生活や人生、
シルバー
高齢者ケア
ケア
※暦年齢だけ
ではない
価値観を最大限配慮し
た医療/ケアの
こと
シルバーケアの実施
• シルバーケア
ユニット
• シルバーケア
チーム
(SCU:
(SCT:
silver care unit)
silver care team)
• モデル病棟
モデル病棟:3B病棟の紹介
シルバーケアユニット
(SCU:silver care unit)
主な診療科:泌尿器科・脳外科・皮膚科
主科入院が約50% 主科以外が約50%
ここを利用しよう!
病床数:44床
看護師:25名/看護補助者:2名/
外来担当看護師(パート):5名
モデル病棟:3B病棟の紹介
• 1日平均新規入院患者数
:3.6人
• 1日平均退院患者数
:3.9人
• 病床利用率
:82.1%
・モデル病棟における平均在院日数:9.6日
(新規入院+他病棟からの転入後の日数)
・当事業における相談員の配置 :
看護マネジャー(師長)・MSW
シルバーケアチーム
(SCT:silver care team)紹介
シルバー
ケアチーム
緩和ケア
チーム
看護師:
緩和ケア
認定看護師
薬剤師
臨床心理士
医師
医師
MSW:SCU
担当
MSW
看護師:
緩和ケア
認定看護師
看護師:
SCU師長
:当事業の相談員
シルバーケアチーム
(SCT)の紹介
シルバーケアを実践するための
コンサルテーションチーム
主に非がん疾患で緩和ケアを必要とする
患者、特に高齢者が対象
SCTの実績 月
9月
10月 11月 12月
SCT 7件
6件 11件 23件
PCT
21件 19件 16件 24件
事業相談員がかかわるまで
①SCUエントリー
②専門的治療は不要かつ
シルバーケアが必要
(医師・看護師の判断)
SCU
退院調整看護師
(退院調整
スクリーニング票)
SCU以外
相
談
員
医師・看護師・
MSWからSCTに
コンサルテーション
シルバーケアのうち、意思決定支援にかかわることを事業で報告
相談実施状況1
9月
10月
11月
12月
計
SCU
5
2
4
3
14
SCT
9
3
8
7
27
計
14
5
12
10
41
平均年齢:80歳
最年少:45歳
最高齢:96歳
相談実施状況2 n41
患者に意思決定能力があるが、
家族とのみ相談しているケースがある
相談実施状況3 n41
口
頭
もっとも多い疾患名は誤嚥性肺炎。
ADの表明がある患者の存在
相談内容:病状認識と治療目標 n41
76%
61%
54%
39%
人
相談内容:病状説明と代理決定者 n41
44%
63%
39%
37%
24%
12%
人
人
相談内容:
n41
苦痛・心配・不安・大切なことを聞く
78%
68%
58%
44%
51%
29%
人
相談内容:全体的な医療の希望・
いのちの考え方 n41
49%
39%
24%
人
相談内容:生命維持治療 n41
相談内容:
希望する療養環境・社会的支援n41
80%
34%
34%
29%
7%
終了理由 n36
相談・カンファレンス回数
倫理支援チームへの相談
倫理委員会への諮問
相談回数
3.9回
相談総時間数
2時間
倫理支援チーム
への相談あり
5件
31件
カンファレンス回数
1.9回
倫理支援チーム
への相談なし
カンファレンス
総時間数
1.1
時間
倫理委員会
諮問あり
0件
病状説明参加回数
1.6回
36件
病状説明参加
総時間数
倫理委員会
諮問なし
1時間
倫理支援チームへの相談
カンファレンス
腎不全末期
患者・家族ともに意思決定能力が
乏しい
腸捻転・肛門狭窄 人工肛門造設すべきか否か
前立腺がん
療養場所について患者と家族の
希望が異なる
胆石・胆嚢炎
寝たきりの患者が自宅退院に際し
て社会資源利用を拒否している
嚥下困難
嚥下困難になった患者の家族から
輸液中止の申し出がある
思いをつなぐシート①:移行先n31
思いをつなぐシート①:思いの伝達
77%
71%
65%
65%
29%
19%
3%
思いをつなぐシート①:伝えた手段
既存の手段 新たな手段
0
29
41%
24%
15%
2%
思いをつなぐシート②
フォローアップ:療養場所 n26
思いをつなぐシート②
フォローアップ手段
既存の手段 新たな手段
0
25
60%
36%
12%
8%
思いをつなぐシート②フォローアップ:
移行先での「患者の思い」の書類保管と
管理方法
統一した
場所に保管
思いをつなぐシート②フォローアップ:
自施設の「患者の思い」の記録追加修正
思いをつなぐシート②フォローアップ:
フォローアップ時の内容 n26
73%
69%
62%
38%
15%
12%
4%
思いをつなぐシート③:
患者を追えなくなった理由と
追えなくなった時の療養場所
患者が
8
死亡
患者/
1
家族の拒否
緩和ケア病棟
1
一般病棟
7
自宅
1
(訪問診療なし)
思いをつなぐシート③:
患者の思いの実現の実際
はい
いいえ 不明
患者が望んでいた場所で
亡くなった
6
0
2
生命維持治療に対する
患者の希望が尊重された
8
0
0
患者の亡くなり方に
家族が納得できていた
7
0
1
成果1
• 人生の最終段階における医療等について
医学的判断を基に決めていた風潮
• 医学的判断と患者の生活や人生における
価値観、家族の思いを基に話し合う風潮
(合意形成)
成果2
多職種による真のチームアプローチ
(チームメンバーがそれぞれの視点で実践恊働)
⇄生活や暮らしの視点を大切に!
多職種倫理カンファレンスにより、その人に
とっての最善を探求する。
また、チーム力の強化にもつながる
患者の意思を置き去りにしない。
(患者の思い、患者の以前の意思や思いの確認)
成果3
家族が代理決定する苦しみを和らげる
患者・家族が思いを語ることができる。
スピリチュアルケアにつながる場合も。
医療者がその人にとっての最善を
考えることで得る達成感(と苦しみ)
苦労したこと(事業で)
• アンケートを渡すタイミングが難しい
• 患者本人にアンケートを渡しにくい、
事業の説明をしにくい。
(事業のために話を聞いたと思われるのでは
ないかという不安)
• シートなどの入力が大変だった(自由記載)
研修開催:
人生の最終段階における意思決定支援
• 1月17日(日)13:30〜16:30
• ACP講演+昨年度事業報告
• シンポジウム
『さまざまな場における意思決定支援と
思いをつなぐ工夫』
訪問看護師 ・ ケアマネージャー・
特別養護老人ホーム ・老人保健施設・
医療療養型病院 ・ 急性期病院
研修開催:
人生の最終段階における意思決定支援
• 参加者:37名
医師3名・看護師21名・介護士1名・ケアマネ9名・他3名
• アンケート結果(n33 )
非常に満
足
23
まあ満足 あまり満足でない 満足でない 無記入
非常に役立つ
9
まあ役立つ
0
あまり役立たない
9
29
0
1
役立たない
0
0
E-FIELD相談員研修への参加
是非したい してもよ
い
22
9
あまりしたくない
0
したくない
0
無記入
2
3月19日(土)
9:00〜17:00
E-FIELD相談員研修開催
於:公立富岡総合病院
研修修了者を中心に
地域で患者の思いをつなぐ話し合いを!
今後の課題
相談員のマンパワー不足→相談員研修
相談が必要な患者に気付く力
(スクリーニング?)
医療者が患者の生活や人生関心が低いこと
患者の思いや意思決定を地域で共有すること
(決定した結果だけでなく、なぜそう決定
したのかを共有)