主要国の温室効果ガス(GHG)の削減実績と目標

図7
主要国の温室効果ガス(GHG)の削減実績と目標
国
京都議定書第一約束期間の
削減目標・実績(2008~2012年に
おける1990年比での平均削減率) COP21に向けて提出された各国
の自主削減目標
削減実績
削減目標
(森林吸収・土地
利用等含む)
日本
6%減
8.4%減
2030年目標
26%減(2013年比)
(25.4%減(2005年比))
米国
(7%減)
(離脱)
2.7%増
(1990年比
2012年実績)
2025年目標
26~28%減(2005年比)
カナダ
(6%減)
(離脱)
42.2%増
(1990年比
2012年実績)
2030年目標
30%減(2005年比)
EU
8%減
(15カ国での
目標値)
12.5%減
2030年目標
40%減(1990年比)
ロシア
0%増
34.5%減
2030年目標
25~30%減(1990年比)
-
2030年目標
CO2削減率でGDP当たり
60~65%減(2005年比)
-
2030年目標
37%減(GHG削減策を講じなかっ
た場合の2030年比)
-
2030年目標
GDP当たり33~35%減
(2005年比)
中国
韓国
インド
非附属書Ⅰ国
(発展途上国)
であり、排出削減
義務なし
出典:UNFCCC 他
◎1997 年の気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)で各国は京都議定書を採択し、先進国が 2008~2012
年の 5 年間に削減すべき温室効果ガス(GHG:CO2 を初めとする 6 種類)排出量の目標値が定められた。
海外電力調査会作成
図7
日本は同期間の年平均排出量を 1990 年実績排出量の 6%以上、EU(全体平均)は 8%以上削減することが
義務付けられた。EU 各国の目標値は、後に EU 内の合意により割当られた。
◎米国は同議定書で 7%以上の排出量削減が設定されたが、2001 年に同議定書から離脱した。他方、EU 諸国
は 2002 年 5 月、日本は 2002 年 6 月、
カナダは 2002 年 12 月に同議定書を批准した(2012 年 12 月に離脱)。
2004 年 11 月にロシアが批准したことで発効要件を満たし、2005 年 2 月、米国離脱のまま同議定書は発効
した。
◎京都議定書で規定された削減目標は、森林吸収・土地利用等を含めた排出量では、同議定書を批准したすべ
ての国と EU が目標を達成した。日本は福島事故の影響もあり、2012 年単独では 8.6%増となったものの、
京都メカニズムクレジットによる控除分を含めると約束期間 5 年間平均では 8.4%減となった。
◎2015 年末にパリで開催された COP21 では、気候変動の新たな法的枠組みとなるパリ協定に 195 カ国が合
意した。同協定では、世界共通の長期目標として、温度目標(産業革命以前からの気温上昇を 2℃未満に抑
制、1.5℃以下達成に努力)、定性目標(GHG 排出ピークを出来るだけ早期に実現し、今世紀中に実質排出
ゼロを達成)を規定した。また、すべての国が自主的な削減目標を設定し、5 年毎にレビューを実施するこ
とも規定された。
◎2015 年末時点で、パリ協定に合意した 195 カ国中 160 カ国が既に自主的な目標を提出している。各国の自
主目標は基準年、目標年、削減に向けたアプローチ等が異なるため単純な比較はできない。
◎日本は 2030 年までに 26%削減(2013 年比)、米国は 2025 年までに 26~28%削減(2005 年比)、カナダ
は 2030 年までに 30%削減(2005 年比)、EU は 2030 年までに 40%削減(1990 年比)、ロシアは森林吸収
の活用を最大化させることを前提として 25~30%削減(1990 年比)、中国は GDP 当たりの CO2 削減率と
して 60~65%(2005 年比)、韓国は 2030 年までに 37%削減(GHG 削減策を講じなかった場合の 2030 年
比)、インドは 2030 年までに GDP 当たり 33~35%削減(2005 年比)としている。
海外電力調査会作成