〈特別企画〉東日本大震災から5年。 “今”の思いに寄り添って

コ ー プ プ ラ ス +〈 特 別 企 画 〉
東日本大震災から 5 年。
“今”の思いに寄り添って
東日本大震災から 3 月 11 日で丸 5 年。コープネットグループ※全体で、組合員の皆さんから、合計 8 億円を超える募金
をお寄せいただいています。あらためて、皆さまにお礼申し上げます。ありがとうございました。
コープネットグループは、
「忘れない」
「伝える」
「続ける」
「つなげる」を合言葉に、被災地(者)の思いに寄り添った取り
組みを進めてきました。これまでの活動を振り返り、インフラの整備や地域コミュニティーの喪失、子どもたちの進路の問
題といった、今、現地が抱えている課題についてお伝えします。
※コープみらい・いばらきコープ・とちぎコープ・コープぐんま・コープながの・コープにいがた、コープネット事業連合とその子会社で構成される生協のグループ
コープネットグループのこれまでの取り組み
福島や宮城を視察しました
コープみらいでは、福島を組合員・役職員が訪れ、コープふくしま
の組合員・役職員から震災当時の状況などについてお聞きしました。
いばらきコープでは、組合員とその家族が、福島・宮城を訪れ、現状を
知る企画を開催。コープにいがたでは、組合員とその家族が福島の生
産者やメーカーを訪ね、交流しました。
「忘れない」
「伝える」
福島市内の果樹園の視察
震災報道写真パネル展「福島の記録」を開催しました
現地の状況を知り、
伝える取り組みを
行っています
震災当時の状況、原発事故後の福島県内の様子、復興に向けた取り
組みなどを伝えるため、コープながのの店舗など 3 会場で福島民報社
の震災報道写真パネル展「福島の記録」を開催しました。
募金活動を震災直後から開始し、被災地
(者)の支援活動に活用させていただいて
います。
「続ける」
被災地の産業、取引先の復興のために、コープデ
リ宅配や店舗で復興応援のロゴマークを付けるなど
して、現地の商品を取り扱っています。
約 5,000人のボランティアを派遣しています
募金や商品の取り扱い、
ボランティアなどを
継続しています
震災直後の物資の搬送や、現地・避難所の方が交流するお茶会の運
営などへ、コープネットグループから職員・組合員ボランティアをの
べ 5,000 人派遣。2012 年から 2014 年までは、
「土壌スクリーニング・
プロジェクト」※ 1 に、のべ 150 人の職員を派遣しました。
※1 福島の農地について、筆単位で放射性物質の分布状況を計測し、農地の状況に応じた
作付けなどを支援する取り組み
土壌スクリーニング・プロジェクト
仮設住宅の交流の場となるお茶会の開催に協力しています
コープみらい・コープネットでは、月 2 回、宮城県東松島市の仮設
住宅 2 カ所で、地域の方が集まるお茶会の開催に協力。
よつくら
「つなげる」
とちぎコープでは、福島県いわき市四倉仮設住宅で、地域の団体や
栃木県内の他のコープと協力し、月 1 回、お茶会を開催しています。
四倉仮設住宅のお茶会
福島の子どもたちやご家族を各都県へ招待しています
現地の方をつなぐ
取り組みを
行っています
「福島の子ども保養プロジェクト」※ 2 にコープみらい、いばらきコープ、
コープぐんまが協力し、福島の子どもたちとご家族を各県へ招待してい
ます。
茨城県内にある森で自然観察を楽し
む福島の子どもたち
※2 原発事故の影響で屋外活動が制限されている福島の子どもたちとご家族を招待し、思いきり
外で遊んでもらう取り組み
2016.3
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インフラ整備の課題が、大人だけでなく子どもたちの進路にも影響
震災から 5 年がたちましたが、いまだに約 17.8 万
人の方が避難生活を余儀なくされています(1 月 14
おおつちちょう
日現在)。岩手県大 槌 町など沿岸部の多くは、かさ
上げ工事の途上で、住宅の再建に手がついていない
状況です(2015 年 12 月現在)。そのため人口が流出
し、産業が人手不足に陥っています。
一方、仮設住宅から災害公営住宅などへの転居が
進む地域では、残された方が孤独感、喪失感を抱い
ているといいます。災害公営住宅に移った方も、震
災後失われ、仮設住宅でやっと築いた人間関係をま
た一から作り直すことに不安を抱えています。
また、経済的な理由や仮設住宅という環境から、
高校中退となり、進路に影響を受けた子どもたちも
います。
かさ上げ工事を行って
いる岩手県大槌町。住
宅があった場所は、い
まだに更地のまま
▲
仮 設住宅はもともと長期間住む目的で造ら
れていないため、老朽化などでカビが発生
し、健康被害が生じている物件もあります
▲
主にわかめを加工して
いる岩手県宮古市の
たろうちょう
田 老町漁協では、震災
で亡くなった、高齢で
辞めた、住宅が整備さ
れず転居したなどの理
由から、職員が半分に
減少しました
福島県にはいまだ避難区域が残り、約 10 万人が県内外で避難生活を送っています
(2 月 2 日現在)
。避難の長期化などによる体調の悪化や過労から、震災関連死はこの
5 年で 2,000 人を超え、地震や津波による直接死を上回り、増え続けています。
現地の子どもたち「将来は地元で保育士になりたい」
大変厳しい状況の中、現地では、前向きに奮闘している人たちもいます。
中 高生が集い、勉強だけでなく、リラックスできる居場所となっている岩手県山田町の自習室
「ゾンタハウスは、勉強に集中でき、友達とも話せる貴重な居場
「ゾンタハウス」※。子どもたちは、
所です。学校を卒業したら、将来は地元で保育士になりたい」と目を輝かせます。
▲
1 月 9 日、ゾンタハウスの子どもたちが上京し、コープみらいの組合員と交流。
「ゾンタハウスに行くと、先生が『おかえり』と言って勉強を教えてくれる。これからも残してほしい」と子どもたち
震 災後、新たに水産加工会社を立ち上げた、岩手県宮古市に住む 72 歳の山口隆志さんは、「仮設住
宅に住んでいた仲間の中には、生きがいを感じられないという人もいた。少しでも仕事が生きがいに
なればと思い、70 歳近い年齢でしたが、思い切って起業しました」と力強く語ります。
▲
株式会社三陸海風の山口隆志さん、
「遮るもののない海が好き。
地元でとれた良いものを使って、おいしいものを作り続けたい」
※コープみらいでは、2011 年 9 月の開設から、募金や自習室用のエアコン、子どもたちが食べるお菓子などの支援を行っています
できることについて、一緒に考えていきましょう
コープネットグループは、これからも被災地( 者)の思いに寄り添った活動を進めていきます。これからも、現地の “ 今 ” に関心を持ち、
自分たちに何ができるのか、一緒に考えていきましょう。
引き続き、東日本大震災復興支援募金にご協力ください
●コープデリ宅配 OCR 注文書の 6 ケタ注文欄に、以下の番号をご記入ください。
●店舗
通常の募金
レジまたは募金箱にて受け付け
ます。レジでは、表示窓下の募
金の札を取り、レジ担当者に金
額とともにお申し付けください。
286443 1 口 100 円
286605 1 口 1,000 円
ポイント募金
1 ポイントあたり
1 円募金いただけます
287024 1 口 10 ポイント
287032 1 口 100 ポイント
287041 全ポイント
※募金結果については、各生協のホームページで報告いたします。この募金は、税務上「寄付金控除」の対象になりません
商品を購入することで、現地の企業を応援しませんか?
コープデリ宅配の商品案内『ハピ・デリ!』3 月 1 回から 3 月 3 回、また店舗で 3 月に復興応援
商品を取り扱う予定です。ぜひご利用ください。
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2016.3