ファーマライズホールディングス

ファーマライズホールディングス
(2796・東証 1 部)2016 年 2 月 25 日
連結子会社化を織り込み QBR 予想を修正
アップデートレポート
既存店は回復、費用増で上期は 4%営業減益
16/5 期上期の連結業績は、売上高が前年同期比 11%増の 214 億円、
営業利益は同 4%減の 5.0 億円、薬ヒグチ&ファーマライズの連結子会
(株)QBR
真下 弘司
社化により負ののれん発生益 5.9 億円を計上、純利益は同 6.1 倍の 5.9
億円となった。既存店が順調に推移したほか、前期および今期に開局・
主 要 指 標 2015/2/24 現 在
取得した店舗の寄与もあり増収。連結子会社化に伴い発生した費用や
採用・研修等に係る費用の増加で営業減益。開局から 12 カ月以上が経
株
価
488 円
過し前年同期との比較が可能な既存店 210 店舗合計の売上高は、前年
660 円
(15/9/30)
470 円
(16/2/12)
同期比 6.9%増の 189 億円。処方せん枚数は微減(同 0.5%減)だが、
発行済株式数
9,006,380 株
調剤薬局 10 店舗、ドラッグストア 65 店舗を運営。
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
4,395 百万円
予 想 配 当
14.00 円
円(前期比 20%増)
、営業利益は 14 億円→13 億円(同 14%増)
。薬ヒ
77.72 円
グチ&ファーマライズの連結子会社化を主因に売上高を 52 億円増額。
昨年来高値
昨年来安値
処方日数の長期化等による処方せん単価の上昇(同 7.5%増)が寄与し
た。なお、15 年 10 月に連結子会社化した薬ヒグチ&ファーマライズは、
薬ヒグチ&ファーマライズを連結子会社化
上期の実績と連結子会社化の影響等を新たに織り込み QBR 予想を修
(
会
予 想
社
)
E P S
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
0.78 倍
直前のレポート発行日
正。QBR 予想の 16/5 期通期の連結業績は、売上高は 424 億円→476 億
費用の増加で営業利益は 1 億円減額した。続く 17/5 期は売上高が 450
億円→540 億円(前期比 13%増)
、営業利益は 16 億円→15 億円(同 15%
増)
。16/5 期の修正を踏まえて見直した。
なお、薬ヒグチ&ファーマライズは、16/5 期の売上高が 44 億円、17/5
ベーシック
2015/9/24
アップデート
2015/12/29
業
期は同 90 億円、営業利益はともに若干の黒字(連結業績への影響は軽
微)として業績を予想した。
売上高
百万円
前期比
%
EPS
円
96
-49.7
10.76
2.7
588
507.8
65.40
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
997
-21.6
227
-38.3
25.31
11.1
1,025
2.7
650
185.2
72.17
1,335
16.8
1,160
16.2
335
47.0
37.20
20.5
1,300
13.7
1,120
12.2
700
207.2
77.72
42,400
7.3
1,400
22.5
1,220
22.3
360
58.0
39.97
新・アナリスト予想
54,000
13.4
1,500
15.4
1,320
17.9
360
-48.6
39.97
旧・アナリスト予想
45,000
6.1
1,600
14.3
1,420
16.4
460
27.8
51.07
動
2015/5
2Q(6-11 月 )
実
績
19,307
5.0
522
-28.7
411
-32.9
2016/5
2Q(6-11 月 )
実
績
21,363
10.6
499
-4.3
422
2015/5
通
実
績
39,506
3.4
1,143
-27.3
新 ・会 社予 想
47,000
19.0
1,270
42,000
6.3
新・アナリスト予想
47,600
旧・アナリスト予想
期
向
前期比
%
績
(2016 年 1 月発表)
旧 ・会 社予 想
2016/5
通
期
(2015 年 7 月発表)
(2015 年 9 月発表)
2017/5
通
期
(2015 年 9 月発表)
アナリストレポート・プラットフォーム
当期純利益
百万円
1
業
績
既存店は順調に回
復、費用の増加で
 会社概要
上期は 4%営業減
益
16/5 期上期の連結業績は、売上高が前年同期比 11%増の 214 億円、営業
利益は同 4%減の 5.0 億円、薬ヒグチ&ファーマライズの連結子会社化によ
り負ののれん発生益 5.9 億円を計上、純利益は同 6.1 倍の 5.9 億円となった。
既存店が順調に推移したほか、前期および今期に開局・取得した店舗の寄
与もあり 2 桁の増収。連結子会社化に伴い発生した費用や採用・研修に係る
費用の増加で営業減益。
調剤薬局事業の売上高は同 11%増の 202 億円。15 年 11 月末現在の調剤薬
局店舗数は 243 店舗、15 年 5 月末と比較すると 19 店増加、3 店減少の純増
16 店舗となった。開局から 12 カ月以上が経過し前年同期との比較が可能な
既存店 210 店舗合計の売上高は、前年同期比 6.9%増の 189 億円。処方せん
枚数は微減(同 0.5%減)だが、処方日数の長期化等による処方せん単価の
上昇(同 7.5%増)が寄与した。
医学資料保管・管理事業の売上高は同 2%減の 3.9 億円。全国の病院にお
いて震災対応や業務効率化のための建て替え・移転が活発に行われているこ
と等を背景に紙カルテやレントゲンフィルムなど医学資料の保管・管理の需
要は継続的に発生しているが、保管年数の短縮化等の経費削減の影響を受け
た。医療モール経営事業、化粧品等の小売販売などその他の売上高は同 6%
増の 7.4 億円だった。
なお、15 年 10 月に連結子会社化した薬ヒグチ&ファーマライズは、同社
とヒグチ産業、ファミリーマート(東証 8028)の 3 社による合弁会社(出
資比率はそれぞれ 55.1%、30.0%、14.9%)
。調剤薬局 10 店舗、ドラッグ
ストア 65 店舗を運営している。
表1.16/5期上期の連結業績
(単位:百万円)
15/5期
16/5期
16/5期上期
上期
上期
前年
会社
差異
実績
実績
同期比
計画
調剤薬局事業
18,203
20,226
+11%
医学資料保管・管理事業
400
392
-2%
その他
703
743
+6%
売上高
19,307
21,363
+11%
20,500
+863
営業利益
522
499
-4%
525
-26
経常利益
411
422
+3%
435
-13
純利益
96
588
+508%
100
+488
(注1)会社計画は15年7月14日付の期初公表値(16年1月12日に修正済)
(注2)差異は16/5期上期実績と同会社計画との比較
(出所)会社資料からQBR作成
アナリストレポート・プラットフォーム
2
業
績
16/5 期通期の連結業績に関して会社側は、売上高は 420 億円→470 億円(前
連結子会社化等を
 会社概要
踏まえて会社計画
を修正、QBR 予想
も見直した
期比 19%増)、営業利益は 13.4 億円→12.7 億円(同 11%増)
、純利益は 3.4
億円→6.5 億円(同 2.9 倍)と修正。薬ヒグチ&ファーマライズの連結子会
社化(調剤薬局事業で 6.4 億円、その他の事業で 37 億円の増収要因)を主
因に売上高を 50 億円増額。費用も膨らむとして営業利益は 65 百万円減額し
たが、負ののれん発生益 5.9 億円の計上で純利益は 3.2 億円増額した。
前期との比較では 14 年 4 月の診療報酬および薬価改定の影響が一巡、既
存店の回復に加えて、前期に増加した店舗の通期寄与や新規出店効果、地域
医療(在宅医療・施設調剤)や後発品の推進などによる調剤薬局事業の拡大
で増収・増益の見通し。
QBR 予想も見直した。QBR 予想の 16/5 期通期の連結業績は、売上高は 424
億円→476 億円(前期比 20%増)
、営業利益は 14 億円→13 億円(同 14%増)
。
続く 17/5 期は売上高が 450 億円→540 億円(前期比 13%増)、営業利益は
16 億円→15 億円(同 15%増)
。会社計画と同様に薬ヒグチ&ファーマライ
ズの連結子会社化を主因に売上高を増額したが、費用の増加で営業利益は減
額した。
なお、薬ヒグチ&ファーマライズは、16/5 期の売上高が 44 億円、17/5
期は同 90 億円、営業利益はともに若干の黒字(連結業績への影響は軽微)
として業績を予想した。
16/5 期は、調剤報酬点数の高い地域医療(在宅医療・施設調剤)の推進
や後発品に積極的に取り組むことで既存店の回復、収益構造の改善を見込ん
だ結果、会社計画を上回る業績を予想する。17/5 期は、16 年 4 月に予定さ
れている診療報酬・薬価改定の影響は懸念されるが、引き続き地域医療の推
進や後発品に積極的に取り組むことで増益基調が続くと予想する。
表2.会社計画とQBR予想の連結業績
16/5期QBR予想
15/5期
16/5期会社計画
通期
期初
修正
前期
前回
修正
前期
実績
計画
計画
比
予想
予想
比
調剤薬局事業
37,256
40,000
41,400
+11%
医学資料保管・管理事業
806
800
800
+274%
その他
1,443
1,600
5,400
+20%
売上高
39,506
42,000
47,000
+19%
42,400
47,600
+20%
営業利益
1,143
1,335
1,270
+11%
1,400
1,300
+14%
経常利益
997
1,160
1,025
+3%
1,220
1,120
+12%
純利益
227
335
650
+185%
360
700
+207%
(注)会社計画は期初(15年7月14日付)、修正(16年1月12日付)。前回QBR予想は15年12月29日付
(出所)会社資料、予想はQBR
アナリストレポート・プラットフォーム
(単位:百万円)
17/5期QBR予想
前回
修正
前期
予想
予想
比
42,400
43,800
+6%
800
800
+0%
1,800
9,400
+74%
45,000
54,000
+13%
1,600
1,500
+15%
1,420
1,320
+18%
460
360
-49%
3
(出所)㈱QUICK
上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。
上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。
上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。
2013/5
株 価 推 移
2014/5
2016/5 予
(アナリスト)
2015/5
株価(年間高値)
円
935
790
659
-
株価(年間安値)
円
445
523
480
-
月間平均出来高
千株
4,387
2,380
5,133
-
高
百万円
33,357
38,221
39,506
47,600
売
上
営
業
利
益
百万円
1,411
1,572
1,143
1,300
経
常
利
益
百万円
1,228
1,272
997
1,120
百万円
958
369
227
700
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
127.73
46.55
25.31
77.72
R
O
E
%
24.9
7.6
4.1
6.4
流動資産合計
百万円
8,339
8,557
8,257
-
固定資産合計
百万円
15,416
16,296
15,945
-
資
百万円
23,774
24,879
24,225
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
11,449
10,112
10,624
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
7,865
9,138
7,789
-
負
計
百万円
19,314
19,250
18,414
-
株 主資本合 計
百万円
4,279
5,451
5,592
-
純 資 産 合 計
百万円
4,459
5,628
5,811
-
営業活動による CF
百万円
1,618
1,306
3,405
-
投資活動による CF
百万円
-4,595
-1,708
-1,064
-
財務活動による CF
百万円
2,116
490
-2,100
-
現金および現金同等
物の期末残高
百万円
3,545
3,633
3,873
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
債
合
(注)株価の年間高安および月間平均出来高は 13 年 12 月 1 日付の株式分割(1 株→100 株)の影響を遡及修正している
アナリストレポート・プラットフォーム
4
リ
事
関
ス
ク
す
業
る リ
 会社概要
分
析
に
ス ク
調剤薬局事業を行うに当っては、関連する法令に基づき、各都道府県知事
に薬局開設許可及び保険薬局指定を受けるとともに、必要に応じて各都道府
県知事等の指定等を受けることとされている。同社グループは調剤薬局事業
を行うために必要な許認可等を受けて営業しており、これまで店舗の営業停
止又は取消等の処分を受けたことはないが、法令違反等により、当該処分を
受けることとなった場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
の改定
近年、健康保険法の改定のほか、その他の医療制度の改定が実施されてお
り、今後も各種の医療制度改定の実施が予想される。その動向によっては、
同社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
調剤薬局業界では、薬価基準の改正が実施された場合、最終的な仕入価格
を医薬品卸業者と妥結するまでの間、暫定価格(合理的であると見積もった
価格)で仕入計上し、暫定価格と最終的な仕入価格の差額については医薬品
卸業者との取引条件の妥結後、薬剤ごとに精算の会計処理をしている。暫定
価格と妥結価格の間に大きな乖離が発生した場合、同社グループの業績に影
響を及ぼす可能性がある。
調剤薬局事業において、調剤売上高は消費税法において非課税売上、一方、
医薬品等の仕入は同法の課税仕入となる。同社グループが仕入先に対して支
払った消費税等は、租税公課として販売費及び一般管理費に費用計上してい
る。過去の消費税の導入及び消費税率改定時には、消費税率の上昇分が薬価
改定幅に考慮された。今後、消費税率が改定され、消費税率の上昇分が薬価
改定幅に考慮されない場合、同社グループの業績に影響を与える可能性があ
る。
アナリストレポート・プラットフォーム
5
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。
)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。

会社概要
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成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社Q
BR(以下「レポート作成会社」といいます。)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
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せん)
。
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